匠の章(その2) レナール編
機能と美を追求する鬼才、レナール・アルジャンテ。 そこにある美学とは?
レナールの手による工作は透明で見えないことを是とするかのように静謐である。 名付けて闇の貴公子。 そしてついにあのvikkinoにその手が伸びた。 ここにその裏舞台が明かされる!
(構成&インタビュー/サイダー、監修/レナール、協力・資料提供/コムカイ イズミ)
■■ 序
サイダー: レナールと出会ったのは和田サイクルでだったね。 あちこちに妙な細工が施された、へんな自転車に乗っていたな~
レナール: あの時はBirdy、今はなき轟天号だよ。 名前はまだなかったけれど『ぶんかいくん』も付けていた。 そういえばこの名前付けてくれたのはサイダーだったね。
サイダー: それはサリーナの発案だよ。 それはともかく『ぶんかいくん』をはじめ妙な細工の数々、どうして始めたの?
レナール: Birdyを発見したことかな。 Birdyって今までにない、なにか特別な魅力を持った自転車でしょう。 そいつを自分なりに完全な『かたち』にしたかった。
サイダー: 完全な『かたち』?
レナール: Birdyのフレームのアイデアには秀逸なものがあるけれど、パーツはちょっとね。 それで、すべてのパーツのリアッセンブルをした。
レナール: しかし、美しいフレームの魅力を、ディテールの貧困さが半減させている。 それで、ディテールの詰めを考えはじめたんだ。 スイングアームのフックや、ハンドルポストの折り畳みヒンジあたりとかね。 やるからには、機能的で美しく、そして軽量ということを目指した。
たまたま僕は金属工作機械のいくつかを持っていたから、『え~い、面倒だ、つくっちまえ~』ということに。
サイダー: なんでまた、金属工作機械なんて持っているの? 工場でも持っているの?
レナール: 昔からあれこれやっているうちに、なんとなく揃ってしまった。 勿論工場なんてない。 その度にベランダに出して、並べて… うちの奥さんに言わせれば『単なる機械工具オタク』 隣り近所からは白い目で見られているかも。 (笑)
サイダー: ベランダでね~、そりゃあ白い目で見られるよ~。 それはともかく、レナールが作ったもの紹介してよ。
■■ ケーブル・ジョイナー『ぶんかいくん』
サイダー: これは一体なに?
レナール: 簡単にいうと、ケーブルを簡単にくっつけたり、切ったりできるもの。
サイダー: は~、とにかく説明して。
レナール: Birdyのフロントフォークは折り畳めるようになっているでしょ。 そこで問題になるのがブレーキワイヤーで、一般的な取り廻し方では折り畳めなくなってしまうから、Birdyは折り畳みヒンジのあるフォークの下のほうを廻している。
必然的にワイヤーは一般的なロードレーサーなどと比べてずいぶんと長くなるし、R状をしているので余計、抵抗が大きくなる。 これが原因で、昔ロードに乗っていた僕には耐えられないくらいに、ブレーキの引きが重く感じられた。
これをなんとかしてやろうということで考え付いたのが、この『ぶんかいくん』。
サイダー: そんなに引きが重く感じるかな?
レナール: Birdyしか乗ったことのない人は気が付かないだろうけどね。 余分なワイヤは重量的にも重いし、無駄なものは見た目にもカッコ良くない!
サイダー: 出たね、『カッコ良くない!』が。(笑)
レナール: はは、自転車は見た目だよ、 美しくなくっちゃね!(笑)
機能的で美しいもの、無駄がなく軽量なものということで、ある時ハッと閃いた。 アウターとインナーのケーブルが独立して分離できれば、一般的な取り廻し方で良くなると。
レナール: インナーケーブルには基本的に張力しか掛からないから、このジョイントだけなら簡単な“引っ掛け式”の機構でできる。 一般的なフレームに付く『アウター受け』間の直線部分はインナーケーブルだけだから、そこにジョイントを仕込めば簡単。
しかしフロントブレーキ用には『受け』がないから、仮想的なフレームに取り付くアウター受けというのが考えられないかと思った。
サイダー: 仮想的なって?
レナール: これは説明するより見てもらったほうが早い。 『おんらいんマニュアル』の各パーツの種類と名称を見て。 B.シェルが仮想的なフレームで、その上下に付くAとDが『アウター受け』。 その間にはアウターケーブルはなくていいから、ここにインナーケーブルの切り離し装置を仕込んだんだ。
サイダー: …… 複雑そ~
レナール: 基本的には4点しかないシンプルなものだよ。 構想にはたいして悩まなかったんだけれど、各社のブレーキの引き量の違いや、インナーケーブルの頭の形状、材料の調査とかには少し時間がかかったね。
サイダー: そ~か、単にブレーキといっても、メーカーや型が違えば引き量は違うわけだね。 そこまでやって始めて汎用性のあるパーツになるわけなんだ。
ところで具体的にはどうやって作ったの? 図面描いて、どこかの工場に頼んだの?
レナール: 彫刻感覚で工作機械に向かって、だいたいの当りを付けて金属の固まりから削り出す… とにかく気に入ったものが出来るまで削りまくるわけ。 いわゆる家内手工業の世界!(笑)
サイダー: ええ~っ、本当にこれ、自分で削ったの?
レナール: きちんとした工作機械があればできないことじゃあないんだ。 でもいつの間にか噂が広まって、作ってくれっていう人が多くなったから、今じゃあ市販するようにしたんだ。 量産しなくちゃならなくなったから、そちらは工場に頼んでいるけれどね。 サイダーに一つプレゼントするから使ってみて。 これ使ったら、もう元には戻せなくなるくらいに、ブレーキレバーの引きが軽くなるよ。
サイダー: サンキュー。 どれどれ?
お~、本当だあ~、すごく軽くなった! フロント廻りもすっきりした感じになったね。
それに切り離しや再ジョイントも簡単だね。
レナール: ブレーキケーブルだけじゃなくシフトケーブルにも使えるから、アイデア次第でいろいろな用途に転用できると思うよ。 でもこれは初心者向きのパーツじゃあないから、構造を良く理解した上級者だけに使ってもらいたいんだ。 安全性にはかなり気を配ってはいるけれど、初心者はメンテナンスを怠ることがあるからね。
『ぶんかいくん』販売:
和田サイクル
サイクルハウス しぶや
ヴィア サイクル ヴィレッジ(大阪)
■■ Vikkino プロジェクト参戦 R2 開発へ
レナール: もう一つの出会いは『ビッキノ』、コムカイとの出会いだね。 今ではビッキノ・プロジェクトの一員という感じになっちゃった。 彼との最初の出会いはジオポタ企画でだったよ。
サイダー: そういえばコムカイくんは、できたてのホヤホヤのvikkino R で来てくれたんだった。
レナール: 当時の僕は轟天号が完成していて、次のおもしろい遊びはないかと考えていたころだった。 最初にvikkinoを見た時、Birdyで感じたような『なにか』を感じたんだ。 ところが乗っている『にいちゃん』が怖そうなヤンキーだった。
サイダー: あっ、そうだったね。(笑)
一方のコムカイくんからすれば、『へんな色に髪の毛染めて、Birdyをここまでにしちまったレナールってヤローは、いったいなにもんなんじゃい!』 ということらしいぜ!
レナール: ま~、そんなとこだろうね。(爆)
ポタ中はお互いに怖そう(笑)なんで近づかなかったんだけれど、打ち上げの席で話しをしてみると、案外指向性に近いところがある。 彼はvikkino R(1号機---黒)を作り上げたところで、それをさらに練り上げたいと思っていた。
コムカイにはvikkino Rというフレームがあるが、それ以外のノウハウは… 僕にはパーツなどのノウハウや基礎的なアイデアはあるけれど、肝心のフレームがない。 そんなんでいつの間にかいっしょにやるようになっていた。
サイダー: ヤンキーとヤローがそれぞれの得意な分野を活かすべく、組んじまったわけか。
レナール: まあね。(笑) vikkinoのコンセプトを大切にして、そこから次のステップにゆくアイデアを出し合うということで、それはR2(赤)へと発展してゆき、R3(白)で一応の完成を見ることになる。
サイダー: それでレナールは何を?
レナール: 全体の構成はコムカイが主役で、僕は二次パーツ廻りをメインにアドバイス。 『ぶんかいくん』はすでに彼のお気に入りになっていたので、まずそれを組み込んだ。
レナール: R のリア三角はシートポストを軸に回転する折り畳み方式を採用している関係で、市販のヘッドパーツが流用されている。 この内径25.4mmは変えようがない。 ところがコムカイが選択したシートピラーはこれより微妙に細いサイズのものだった。
レナール: ところがこれに合うシム(厚みを調整する板)がない。 そこで僕が作った。
アルミの薄板を型に巻き付けて固定して、頂部の当り止めはアルミ叉はカーボン製で接着剤留めという簡単なものだけれど、パーツというのはなければ始まらない。 今ではvikkino R の標準パーツになった感じだね。
レナール: それからチューブ。 R には17inchが採用されたんだけれど、当時は2種類のチューブがあり、フランスメーカのものは重量はともかく品質としてはまずまずだった。 ところがこのメーカが撤退してしまって、入手できるのは一種類だけになってしまった。 この品質が気に入らなかった。 それと個人的にチューブは乗り心地ではラテックス(天然ゴム)に限る、と思っていたからこれも作ることにしたんだ。
サイダー: え~、チューブって作れるの?
レナール: もちろん一から作るなんて出来っこない。 そこでラテックスを使っている適当な太さのチューブを探して切り詰めることにしたんだ。 ミシュランの700C用のもの。 重量的にも軽くなるよ。 切ってくっつけるだけだからさほどノウハウはいらないよ。 サイダーも試してみたら。
サイダー: ほ~、どれどれちょっと貸して。 あ~、なんか当たりがソフトでしなやかな感じだね~。
レナール: ラテックス特有のしなやかさをさらに増すべく、内部には窒素ガスを封入してあるんだ。
サイダー: え~、窒素?
レナール: 窒素はカーレースのF1でもタイヤに入れられている。 空気より比重が軽いから軽量化にもなるよ。(笑)
■■ Vikkino R3
レナール: 2号機はコムカイに僕がアドバイスする形だったので、『俺ならこうするんだがな』という点もあった。 それで今度は僕がやりたいことを全部やらせてもらう形で3号機(白)に取りかかったんだ。 もちろん優先することは『かっこいい!』ということだよ。(笑)
レナール: 一般の自転車はまずフレームありきだけれど vikkino はスペシャルメイドだから、細部は好みに合わせて変更できる。 R3 ではとにかく僕の好みで細部を決定していった。 まずフロントフォーク。 これは生産性からの理由が大きいけれど、僕の好みとフレームビルダーの今野さんの意向も一致し、ストレートにすることにした。 あとリア三角を固定する機構廻りの寸法なんかを変えた。
R はそもそも独特のフレーム構成でヴジュアル・インパクトが強いから、これを最大限に活かすようなパーツのアッセンブルをしていったんだ。
サイダー: 飛びそうなハンドルにいろいろ付いているね。
レナール: Rのフレームに合わせてダイナミックなフォルムで軽量なカーボンのこれにしたんだ。 オリジナルではDHバーが付くんだけれど、それはくどくなるし重いから除いた。
DHバーの取り付け用の穴を利用してメータやライトなどのサブパーツを取り付けることにしたんだ。 その台座はサンデン(ライトなどのメーカ)のライトの取り付けレールから型を起こしてカーボンで作った。 バンドが出ないからよりシンプルに構成できたよ。
サイダー: へ~、型を作ってカーボンでね~。 ところでシフターがないようだけれど?
レナール: 実は白いバーテープの間からチョンと飛び出したこれがそう。 シンプルにということで、ディレイラーはワイヤレスのマビックにしたんだけれど、そのコントロラーが厳ついんだ。 そこで弱電系エンジニアの協力を得て、マビックのコンピュータに送る信号を解析したんだ。 信号の正体がわかればこっちのもの、それをコントロールできるものを作ったってわけ。
サイダー: え~、弱電にまで手を出しているの?
レナール: ソフトは先のエンジニアにお世話になりっぱなしで、僕はメカの部分を基板を組み込んで作っただけ。 今ではカンパのエルゴパワーでもマビックをコントロールすることができるまでになったよ。
サイダー: スプロケットに一枚色が違うのがあるね。
レナール: 良く気が付いたね。 チェーンリングが一枚だからローは27歯に。 そうするとトップは12歯が最小だけれど、僕は11歯を使いたかった。 そこで2組みのカセットをバラして11-27歯に組み直した。 しかしこの中間の歯数構成が気に入らなかったんだ。 そこで一枚だけ別のメーカのものと入れ替えたんだ。 その為の特別なスペーサはもちろん手作り。
サイダー: そこまでやるか~
サイダー: チェーンリングもちょっと変わっているね。
レナール: 17inchホイールだからチェーンリングは大きいものが必要になる。 市販のものには適当なものがなかったから造ることにしたんだ。 この廻りの構成はクランク、スパイダーアーム、チェーンリング。 最近はクランクとスパイダーアームが一体のものが多いけれど、僕は別々のものにして、チェーンリングでスパイダーアームを兼ねるものを考えた。 さすがにチェーンリングの歯はNCがなくちゃあ削り出せないから、これだけは工場に発注した。 ただしデザインは自分でやったよ。 強度上肉厚は厚くなるから、写真では見えない部分にも肉抜き加工をしてある。 最後の仕上げは自分でポリッシュを加えた。
サイダー: 確かにこのチェーンリングは美しいと言ってもいいね。 でもこちらも、そこまでやるか~ だね。(笑)
サイダー: ジェット機のお尻はなに?
レナール: これは余興、ボトルケージだよ。 R のフレームは美しいからそこにボトルケージは付けたくなかった。 そこでもっとも目立たないサドルの後ろにセットすることにしたんだけれど、同時にここに一般的な工具類を集約できないかと考えたんだ。 ボトル、工具類、パンク修理用の炭酸ガスボンベとそのレギュレータ。 工具類はボトルを加工してその中に入れることにして、飲料水用のと2つ並べることにした。 その取り付け用の台座を考えているうちに、炭酸ガスボンベをフレームにすることを思い付いたんだ(オレンジのところ)。 さらにその下にレギュレータ(黒いやつ)が付くようにしたから一石三鳥。
サイダー: ボンベをフレームにするっていうのはうまいアイデアだね。 しかしこんなことまで考えるってのは、よ~するにヒマなのか?
レナール: ヒマは作るもの。 よ~するに美意識の問題! (笑)
フレームのジオメトリーも2号機を経て、この3号機でほぼ煮詰まった感じになったし、ディテイルもそこそこ決った感じにまでなった。 たまたまそのころVikkino R ほしい、という声があがってきたので、3号機をベースに市販することになったんだ。 ここまで良くきたな~という感じだね。 もちろんコムカイの力量なんだけれど、少しはVikkino R 開発の役に立ったかな~
サイダー: 確かにレナールのvikkino R3はかっこいい! ヴィジュアル・インパクトは絶大だね~。 さながらvikkino Rの公報部長だね。
くれるんなら乗ってやってもいいよ~!(笑)
■■ Vikkino POTA2
サイダー: なんじゃこりゃ?
レナール: はは、vikkino POTA2。 vikkinoはブランド名、 R だけじゃないんだ。 ビッキノ・プロジェクトのもう一つは町中をちょろちょろ乗ったり、車や電車にホイという感じで気軽に乗せられるような自転車の開発。
サイダー: そういえば、自転車のショーで1号機(黒)を見たけれど、それからずいぶんと変わったね。
レナール: 1号機は折り畳んでも実はあまり小さくならなかった。(笑) そこで僕がオーナーになることを前提に、車のトランクに容易に入るコンパクトサイズというオーダーをコムカイに出したんだ。 コムカイからは、ジュラルミン削り出しフレームの強調、これにフレームを組み上げる際の治具の役割を持たせる、平べったい折り畳み、というあたりが出てきて、共同作業開始。
R 同様、ここでもコムカイは主にフレーム構成、僕はフレームから2次パーツへ至るディテイルのあたりをメインに。
サイダー: P2 はレナールの車に積むためのものだったんだ。 これならトランクに楽々入るね。
レナール: 折り畳んだ時の巾を狭くすべく、前輪に8インチ採用の提案がコムカイからあった。 そこで僕は、このハブ巾は一般のものより狭いから、片持ちフォークで行こうと提案したんだ。
サイダー: お~、片持ちなんだね。 ジュラルミンの削り出しと合わせてインパクトあるね。
サイダー: シートステイ上部の変な金物はなに?
レナール: ここはシートチューブとバックステイを折り畳むための回転ヒンジ。 初期案は単純な回転ヒンジが付いたものだった。 折り畳みの機能としてはそれでいいんだけれど、『ディテイルには神が宿る』と信じている僕はもう一工夫したかった。
知っていた金具にジャンボジェット機のエンジンを吊るすものがあって、これは使えると思った。 チタンでこの金具とシートステイとのジョイントを造ったんだ。 ついでにシートピラーの角度を変えられるように、アジャスター機構を組み込んだ。 チタンは粘っこいから、その削り出しは結構大変だったけどね。
サイダー: ふ~ん、ジャンボジェット機の金具とチタンね~。 まったくもって、お疲れさまで~す。(笑)
サイダー: これがブレーキ?
レナール: マグラの油圧ブレーキ。 P2 は特殊なフレームだから一般のブレーキは取り付ける場所がないという…(笑)
そこでこれにした。 小さい上にかっこいい! しかしこれが一筋縄ではいかなかった。 ブレーキはシーソーのように支点、力点、作用点という関係で成り立つんだけれど、この設定が特殊なフレームのP2では簡単に行かない。 そこでブレーキ中心に仮想的なゼロバランスの支点ができるような取り付け位置を割り出して、ブレーキの台座を作ったんだ(赤色の部分)。
サイダー: 写真では見えないけれど、フレームの内側にもブレーキから支えが出ているのは、そういった細工の一つなんだね。 ちっこくてかわいい自転車に油圧ブレーキっていうアンバランスな感覚がいかにもレナールっぽい!
サイダー: ハンドルは折り畳みじゃなくて引き抜き型だね。
レナール: コムカイは折り畳みにしたかったようだけれど、制約が多くなる。 たとえば、ハンドル幅によって折り畳んだ時の寸法が決ってしまう。 ヒンジを持てば重くなる。
車に積むのが目的だから、ハンドルは引っこ抜いて適当なところに突っ込める方が自由度が高い。 これはシートも同じだね。 そして軽量なほど持ち運びには便利だから、カーボンをメインに構成したかった。 そこでフレームとのジョイントを考案して、その部分を含めてハンドルポストはカーボンで自作することにしたんだ。
サイダー: 軽量化にこだわるあたりか、いかにもマニアックなレナールらしいね。 ところで『ハンドルぶんかいくん』はなぜ?
レナール: 油圧ブレーキだからインナーケーブルのかわりに油が入っている。 さすがの僕も油は分解できない。 (笑)
ハンドルを引っこ抜いて適当なところに突っ込むには、これをなんとかしなくちゃならない。 そこでブレーキレバーが取り付くハンドルの一部を切り離すことを思い付いたんだ。
サイダー: 抜いたハンドルごとフレームに縛ればいいんじゃあないの?
レナール: あはは、そのとおり! でも『ハンドルぶんかいくん』で折り畳んだときの自由度はより高くなるよ。 ついついこういうことをやりたがるのが機械工作オタクかな! (笑)
■■ その他の名品
サイダー: レナールの創ったものはどれも、あまりに整然としていて、最初からそれが付いていて当然のごとく、まったく違和感がないね。 その部品が手作りだってことを知らされなければ見過ごしてしまう。
ぶんかいくん、ジャンボジェット機の金具、ハンドルぶんかいくん、その他あれやこれやと、こういったアイデアってどこから出てくるの?
レナール: う~ん、基本的にはいろいろなことに興味を持つということかな。 それで知識も増えるし。 ちょっとしたアイデアが浮かぶとノートにメモしておく。 その時は役に立たなくても、あるとき偶然に使えることがあるんだ。
あとは美意識かな~
サイダー: あ~ぁ、美意識ね~。 静謐な香のもとね! (爆)
関連サイト
vikkino.com コムカイ イズミによるvikkinoのペイジ
vikkino ドキュメント YESさんによる vikkino Rの歴史
ケーブルジョイナー『ぶんかいくん』おんらいんマニュアル