003 ル・パルナッセ・フランセ/ムジカ・アンティカ・ケルン
ムジカ・アンティカ・ケルン はヴァイオリンのラインハルト・ゲーベルが主宰するドイツのグループです。 彼らの登場は衝撃的でした。 当時の古楽の中心地はイギリスやスイスからオランダに移った感じで、レオンハルトやブリュッヘン、クイケン兄弟をはじめとし、世の中オランダ一色という気配が漂いはじめたころです。
先鋭的で鋭い音を持つ傾向はこれらオランダ勢と共通するところがあるようにも思えますが、彼らの最大の特徴は独特のアクセントと、音。 その音は、あくまで強く、出始めは鋭くそれからふっくらとした中ほどへ、そして突然消え行く終わり。
ゲーベルの演奏スタイルは年をとるごとに先鋭化する一方のように見受けられます。 このレコードは彼らのもっとも初期のころのもので、まだふっくらとした情緒があるころのものです。 僕はこのころの彼らの演奏が好きです。
このレコードについて
フランスバロック黄金期のクープランをはじめとする作品。 マラン・マレという作曲家はこの演奏を聞くまで知りませんでしたが、とても気に入りました。 フランスの音楽を奏するフランス人の演奏家というのはまったく独特の香り高い演奏をしますが、この演奏はそれらとは対極にあるものと言えるかもしれません。
マラン・マレ(1656-1728)/聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘
F・クープラン(16568-1733)/ソナタ『ラ・サルタン』
他
レーベル:ARCHIV