008 ノートルダム寺院の大典礼/ノートルダム寺院聖歌隊 他
中世やルネッサンス、そしてバロックの音楽を語る上で教会音楽というのは絶対に避けて通れないもの。 バッハをはじめ著明な教会用の音楽には本当にすばらしいものがあると思う。 しかし残念なことにそれらは、少なくとも日本では演奏会形式でしか耳にするチャンスがない。 しかしヨーロッパでなら、ちょっとした教会に出向けばいつもとまではいわないけれど、しばしばミサに出くわし、そこにはコーラスとオルガンがあるのは珍しいことではない。
ここで紹介するのは、そんな教会でのミサの場面を切り取ったようなレコードです。 本当のミサの録音なのかどうかははっきりしませんが、これがそうだといわれても、あまり驚かないな。
このレコードについて
僕は一時期、良くこのレコードを聴きました。 たぶん教会でのミサの場にいるような雰囲気が味わえたからではないかと思っています。 作曲者がどうの、それから演奏の質がどうだということは、ここではあまり問題にしたくない。 この録音を通して僕は、そのようなもろもろを超越して訴えてくるものがあるということを知ったから。
パリのあの有名なノートルダム寺院でのものです。 最初に鐘の音が響き渡ります。 そしていよいよミサが始まります。 柔らかな合唱とオルガンの協奏。 曲間にはオルガニストのピエール・コシュローが間奏曲を入れます。 最後は別の鐘の音でミサの終わりを告げる。 壮大な寺院のなかに響き渡る合唱とオルガン。 教会の音楽というものはこういうものなんだな、とその片鱗が垣間見られる一枚。
レーベル:FY
P.S. 以前紹介したバッハを弾いたヴァルヒャのオルガンの音と、ここでのコシュローの音がどれくらい違うか感じたでしょうか。
ついでに同じノートルダム寺院でのものでクリスマスのものを紹介しておきます。 クリスマスに聴くにはもってこいの一枚。
タイトルはノートルダムの聖夜とでも訳すのでしょうか。 『きよしこの夜』をはじめとして、クリスマスの有名な曲がいくつもあります。 これには金管の合奏もあります。
レーベル:FY