009 レオニヌス&ペロティヌス/ノートル・ダム期の音楽/マンロウ

アルバムの写真ノートル・ダム寺院が出てきたついでに、ここはちょっとタイムトリップして、それが建設されたころの音楽を取り上げてみることにします。

時は12〜13世紀。 いきなり中世です。 このころのヨーロッパはある意味で美術、建築、神学といったものがそれぞれの頂点に達し、歴史上の黄金期を迎えていたといわれているようです。

ノートル・ダム寺院はその象徴的なものの一つで、そこで活躍していた音楽家たちはノートルダム楽派と呼ばれています。 ノートル・ダム期という名称はこのレコードのタイトルになっていたもので、音楽の世界ではそういった呼び方をすることがあるのでしょうか。 より一般的にはゴシックと呼ばれる時代の、細かい区分の一つだと言えるのでしょう。

この時代の音楽を聴き慣れていない方はちょっとびっくりするかもしれません。 声楽が中心なのですが、それはメロディーがあって伴奏が付くという現代に一般的な表現とは全然ちがうからです。 突然太鼓が鳴り出したりラッパが鳴ったりするし。 ラッパにしてもメロディーを奏でるという感じではなくて、なんかプー・カー、プープー・カーという感じだからね。  実は、僕達にも馴染みやすいバロック時代からこの時代までは、時間的なギャップが500年くらいあるのです。

僕はサント・シャペルのあのステンドグラスに囲まれた空間で、これらを聴いた。 当時の音楽を当時の空間で聴くという当たり前でいて、現実にはとてもむずかしいこと。 やわらかな響きがステンドグラスに木霊したとき、ぼくははじめてこの音楽の本当を感じた。

このレコードについて

ここで取り上げるのは、レオニヌス(レオナン)ペロティヌス(ペロタン)という2人の作曲家の作品が収録されたものです。 音楽上の歴史的には、多声音楽が確立したころといえるのでしょうか。 前者のほうが少し時代が早く、2声の、後者は4声のオルガヌム(多声曲)となっています。 ここで言う、4声というのは4人で歌うということではなく、4つの異なった旋律が同時進行するということです。 これは実はすごいことなんです。 これら以前のグレゴリオ聖歌などは旋律が一つしかなかったわけですから。

僕はなぜかより単純な構成のレオニヌスのほうを良く聴きますが、『ヴィデルント・オムネス』という同名のものが両者にあるので、聴き比べると面白いかもしれません。 これの元はクリスマスのグレゴリオ聖歌のようです。

演奏は初回にも取り上げたマンロウ+ロンドン古楽コンソート。 この時代になるとますます彼の出番が増えることになりそうです。 今回は歌がメインなのでそちらを一応紹介しておきます。 テナーがマーティン・ヒルとポール・エリオット。 カウンター・テナーという裏声の発声によるのは、ジェイムズ・ボウマン、チャールズ・ブレット。

※ ジャケット写真は『ゴシック期の音楽』と題された3枚組のLPのもの。 この1枚目が『ノートル・ダム期の音楽

レーベル:ARCHIV

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uploaded:2004