019 イギリス16~17世紀の音楽/フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック/ホグウッド
ここのところクラヴィーアものが多かったけれど、イギリスのそれも忘れられない。
ウィリアム・バード(1543-1623)、ファーナビー(1565?-1640?)、ジョン・ブル(1562?-1628)、そしてダウランドなどはいずれも16世紀から17世紀にイギリスで活躍した人々です。 イギリスの音楽のいわば黄金期でした。 その後のヘンリー・パーセルの出現までは、ほぼ1世紀を待たねばなりません。 ここでは彼らの作品を取り上げたいと思いますが、多くはいずれも一曲数分というものですから、表題の曲集を紹介します。
このレコードについて
クリストファー・ホグウッドがすばらしい演奏をしています。 彼はマンロウと共にロンドン古楽コンソートを結成した人で、音楽学者としても秀でたものがあるそうです。 この人の演奏は、すごく切れがあったりアクセントが独特だったりという、今日はやりの古楽の演奏家達とはすこし違う。 もっと渋いといったらいいか、堅実で、それでいてちっとも退屈させないなにかを持っている。 彼が指揮したものにはちょっと出来不出来もあるけれど、彼のクラヴィーアでの仕事は僕はみんな好きだ。
ここでは、オルガン、ヴァージナル、ハープシコード、スピネットと使い分けられていて、その変化もとっても楽しい。
ヴァージナルとハープシコードとスピネットとは同じ発音機構を持つ楽器だけれど、大きさや形で呼び名が違うのです。 この演奏でそれぞれの違いが明確にわかります。 それからオルガン、ケント州セブンオークスのノールにあるもので1623年建造と伝えられているものだそうです。 音から推測すると、ヴァルヒャ+バッハで紹介したものよりはずいぶん小型のものなのではないかと思う。
レーベル:L’OISEAU-LYRE