022 オケゲム/レクイエム/プロ・カンツォーネ・アンティカ
ギョーム・ド・マショーが出たついでに、ヨハンネス・オケゲム(1425?-1495)をとりあげましょう。 時は15世紀、マショーから1世紀が過ぎます。 このころ、音楽の世界はようやく中世からルネサンスへと移行します。 この時代をリードしたのは、ギョーム・デュファイをはじめとするフランドル楽派と呼ばれる人々で、オケゲムもその代表的な一人です。
オケゲムは多くのミサ曲を残したし、世俗の曲も書いています。 それでどうしようか。 ここはマショーに次いで宗教曲にしておきます。
レクイエム(ミサ・プロ・デフンクティス)をあげます。 モーツアルトのそれで有名なように、この曲は、死者が最後の審判で罪を赦され、天国に迎え入れられるように、とのミサの曲です。 オケゲムのものは、知られている限りではレクイエムの最古のものだそうです。 後のそれらのような劇的な表現やロマンティックなものがほとんどない淡々とした曲ですが、それが逆に一層、『死』というものを静かに感じさせてくれるものになっているような気がします。 そしてここには、独特のポリフォニー音楽を見い出すことができるでしょう。
このレコードについて
ブルーノ・ターナー指揮のプロ・カンツォーネ・アンティカのものを揚げます。 僕は昔、ずいぶんとこれを聴いた。 今聴けば、少し腰が弱いようにも感じるし、少しロマンティック過ぎるようにも感じるけれど、僕はこれでいいな。
裏面はジョスカン・デプレ の『オケゲムの死を悼む挽歌』
レーベル:ARCHIV