030 J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリンの為のソナタとパルティータ集/シゲティ

アルバムの写真ヴァイオリンでは絶対に抜かせないものがこの曲。 これはバロック音楽というに留まらず、すべての音楽のなかでも、と言っても笑う人はいないだろう。

ここには、たった一挺のヴァイオリンによる、驚くべき世界がある。  技法的にはフーガを導き出しさえする。 だが、本当の凄さはその技法よりもむしろ、そこから紡ぎ出された、音楽の本質としかいいようのないものの中にある。

バッハは無伴奏ヴァイオリンの為の曲を6曲残しています。 ソナタとパルティータが各3曲ずつです。 僕にはこれらから一曲だけ取れといわれてもとてもできませんが、有名なのはニ短調のパルティータで、『シャコンヌ』が入っています。 これはいろいろな楽器で演奏されることがあるので、多くの方が耳にしたことがあるでしょう。

このレコードについて

ヨーゼフ・シゲティ
僕はこれがあれば、もう他はいらない。

もちろん、現代の楽器によるものです。 モノーラルの録音で、しかも彼の音は決して美しいとはいえない。 バッハのあの、ポリフォニーといったらここでは少しだけ大袈裟かもしれないけれど、とにかくそういった世界を充分に表現し切ったものとさえ、いえないかもしれない。 だけれど、これ以上厳しく強靱な音楽はあるまい。 だからなのか、僕は、もうこれだけでいい。 

レーベル:CREMONA

アルバムの写真2バッハのヴァイオリンの為の曲としては、6つのヴァイオリンとチェンバロの為のソナタも忘れられません。 ことのついでに揚げておきます。

シェリングのヴァイオリンとヴァルヒャのチェンバロ。 実はシェリングの『無伴奏』も一時期はよく聴きましたが、結局そのレコードはいつのころか、手元から離れてゆきました。 しかし、こちらは今でもしっかりと手元にあります。

彼のは『無伴奏』もこれも、それぞれたったの一回だけだけれど実演で聴いた。 残念なことに大きなコンサートホールであった為(もちろん僕は一番遠い席だった)、この人の音楽を充分に聴いたとはいえない。 ただ、ある種の透徹な響きがかなたにあったような気がする。

『なんだ、おまえは古楽器より現代の楽器での演奏の方が好きなのか。』 といわれる方がいるだろうな。 僕はどちらかというと、というよりかなり、古楽器のほうが好きだ。 だけれど曲によっては、古楽器によるものに気に入ったものが見つからないこともあります。 ここで揚げたヴァイオリンの2つはそういった理由から、現代の楽器での演奏になっています。

ここまで書いてもう一言、断っておかなければならないことがあるのに気が付きました。 少しでもヴァイオリンのことを知っている方は、アマティもストラディヴァリウスもグァルネリウスも17〜18世紀のだというでしょう。 シゲティもシェリングもこういった名器を弾いているに違いないから、彼らのは古楽器だろうと。 確かにそうに違いはないのですが、ヴァイオリンという楽器は19世紀の初めの頃に大きく変わったのです。 (詳しくは他にゆずるとします。) これらの名器にも手が加えられ、強く、大きく、豊かな音が出る楽器に改変されたのです。 上で『現代の楽器』といったのは、これらを指します。 そして、僕が古楽器というときヴァイオリンに関しては、これらの改変が加えられていない、またはもとの状態に復元されたものを指します。 これを最近は、バロック・ヴァイオリンと呼びます。 前回のコレッリのが、この古楽器であるバロック・ヴァイオリンによるものです。

レーベル:PHILIPS

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uploaded:2004