032 バロック初期のクラヴィーア

バロックが続きます。 バッハという音楽史上の巨塔に至るクラヴィーアの世界を少し紹介したいと思います。 クープラン、ラモーそれからスカルラッティなどのポピュラーなものは一応紹介しました。 ここではその他の主だったところをまとめて紹介しましょう。

◆ ジロラモ・フレスコバルディ(1583-1643)

アルバムの写真モンテヴェルディより16年後に生まれ、彼と同年に死んだこの人は、ローマのサン・ピエトロ寺院のオルガニストでした。 ルネッサンスからバロックへと移り行くこのころ、モンテヴェルディがそうであったように、フレスコバルディはクラヴィーアの世界でそれらの時代の橋渡しをする。

むずかしいことは止しにしても、この人の曲をきいてみればわかります。 なんとつややかで、詩情に溢れ、多感なのでしょう。 構造的には、一つの主題を突き詰め、展開し、そして集約してゆくことはこの人から始まったにではないか、と思わせるものがあります。 ここにはあのバッハに繋がる、明らかな芽生えを感じさせるものがあるのと同時に、すでにある一つのバロックの姿をなしている。

本来なら、やはりオルガンのを取るべきなのでしょうか。 だけれど不思議なことに僕はまだ知らない、この人の本当のオルガンを弾いたレコードを。 しかし、チェンバロによるホグウッドのにすばらしいのがあります。 この人はフレスコバルディを本当に詩情豊かに弾いてくれた。 僕はしばらくこれで満足です。 いつかこれぐらいのオルガンのが現われるまで。

トッカータ第1集と第2集が入れられている。

レーベル:L’OISEAU-LYRE

◆ ヤン・ピーテルスゾーン・スヴェーリンク(1562-1621)

アルバムの写真2オランダに移ります。 スヴェーリンクは若い頃ヴェネツィアにて学び、その後アムステルダムの教会のオルガニストになった人です。 ある著明な方によれば、スヴェーリンクの意義はオルガン上でフーガの基礎を確立したこと、だそうです。 僕にはこのあたりは良くは分からないけれど、それでも、バッハへの直線的な流れを感じる。

しかしこの人の音楽の本当の特性は、彼の生まれ故郷の空気、印象的にいえば北方のやや冷たい、の中に、イタリア的な歌うような旋律を融合させたことではないかなと思います。

ここでは予定調和でオルガンを。 少し古いけれどグスタフ・レオンハルトのもの。 この人のチェンバロの演奏は少し角があって冷たく感じることが多いのだけれど、ここでは逆にその表現がオルガンを通して和らぎ、そしてスヴェーリンクの空気に近づいたように感じる。 有名なところの『エコー・ファンタジー』も入っています。

レーベル:harmonia mundi

◆ ディートリヒ・ブクステフーデ(1637-1707)

アルバムの写真3バッハの少し前のドイツ。 この人もオルガニストで北海に面したリューベックの教会で活躍したそうです。 そのオルガンを聴く為に若きバッハがはるばるやってきたという話は有名です。

北海の荒々しい表情がそのまま音楽になったような、ちょっとごつごつしていて、それでいてどこか楽天的な(奔放といったほうがいいかな)、すこし神秘的で幻想に満ちた、そんな音楽を感じます。

ヴァルヒャのオルガンを。 『バッハ以前のオルガンマイスター』と題された4枚組のLPに、プレリュードとフーガを中心にシャコンヌとパッサカリアが入れられています。 この人の淡々とした演奏は時に、もうこれ以上聴けないと思うことがある。 それだけ厳しい表現をする人だ、この人は。 しかしその一曲一曲の密度は信じられないくらいに高い。 僕は一人で、このなかの一曲か時に二曲だけ、ひっそりと聴く。

このアルバムには他にベーム、リューベック、パッヘルベルなどが納められています。

レーベル:ARCHIV

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uploaded:2004