A 薩摩琵琶/鶴田錦史

アルバムの写真ここでちょっと休憩。 なにかクラッシック系ではないものを聴いてみようと思います。

直接は関係ないけれど、前回吟遊詩人なんかが出てきたし、リュートという琵琶に良く似た形の楽器が登場したから、日本の琵琶を。

僕がクラッシック音楽に目覚めたのは中学生のころでした。 しかし当時、日本の音楽には歌謡曲も含めてまったく興味がありませんでした。 ある日叔父の家へ遊びに行くと何枚かのレコードがころがっていました。 カラヤンやベームに混じって、なぜかこのレコードがあったのです。 カラヤンやベームのことはある程度知っていたからなのか、僕はこのレコードが気になってかけてもらいました。

そこに響いたのは、いままで聴いたことのない音だった。

音との衝撃的な出合いというのはいくつかあるけれど、これも絶対にはずせない音の一つとして、今でも記憶に残る。

琵琶というと、『ベン、ベン、ベベ〜ン』だと思っていた。 ところがこれは違う。 擬声語ではちょっと表現出来ないな。 なんていうか、孟宗竹を屶でたたき割るような音とでもいうのかな…  脳天までしびれる! そして驚くほど繊細な、かすれるようなうめき声に近い響き。

曲は、平家物語の『壇の浦』、話としてはあまりに有名なものだけれど、『語り』の内容がわかりやすくて、はじめてこういったものに接する僕にはよかった。

当時はまだ現代音楽はあまり聴いていなかったので知らなかったのだけれど、武満徹のノヴェンバー・ステップスはこの鶴田錦史との出会いにより生まれたものだそうです。

僕はこの人の演奏をいつだったか、二度聴いた。 一度はデュオで、確かキース・ジャレットとだったと思うけれど、ちょっと異色の組み合わせなので出かけてみた。 この時は会場が普通のコンサート・ホールだったのと、ピアノと琵琶っていう取り合わせがなんかへんなのと、それからやっぱり、ちょっと二人の目ざす地平が噛み合わないような気がして、すこしがっかりした。 それから、もう一夜はソロ。 こちらは場所がどうしても思い出せないのだけれど、もっと小さな会場だったのかも知れないし、より近くで聴いたのかもしれない。 演目も得意とする分野だった。 あの『ばち』の音が強烈に響いた!

僕はしばらくこれを、叔父のものをテープに入れてもらって聴いていたのだけれど、そのレコードは確か、日本の『キング』から出ていたと思う。 しかしそのテープも伸びてしまい、暫く聴くことが出来ない時期があったのだけれど、フランスのマイナーレーベルからこの曲が入ったCDが発売されたので買った。 音源はどうやら違うものらしいのだけれど、僕はここからあの『音』を辿ることができる。

レーベル:Ocora

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uploaded:2004