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セビーリャ

スペイン 7

開催日 1988.09.13(火)- 09.15(木)

カテドラルとヒラルダの塔
カテドラルとヒラルダの塔

旅の紹介

◆ 旅も佳境。アンダルシア最大の都市セビーリャを歩きます。巨大な像が載るヒラルダの塔とカテドラル、ほとんどアルハンブラ宮殿のようなアラブ色が濃いアルカサール、細道が楽しいユダヤ人街サンタ・クルス。ムリリョやスルバランも。

地図:Googleマップ

行程表

day 月日 行程 備考
22 09.13
(火)
Jerez de la Frontera15:39
→ 17:15Sevilla
列車
泊:H.Murillo**/7,000Pts
23 09.14
(水)
大聖堂、黄金の塔、救済病院(ムリリョ)、アルカサール、 昼:サラダ(ガスパチョ)、肉団子(魚トマトソース)、ワイン、650Pts/人
夕:サラダ、目玉焼、ソーセージ、パエリャ、ワイン、1,200Pts/人
泊:Hostal Goya**/3,110Pts 朝食付
24 09.15
(木)
サンタクルス街
Sevilla12:30 → 13:15Carmona
バス
泊:CH星なし/1,800Pts
1Pts(ペセタ)= 1.1円、時差: -7h(夏時間)

アルカサールとカテドラルアルカサールとカテドラル

暑い! 飲んだ水分は体からすぐに蒸発し、皮膚には塩が湧き、カラカラにひからびたそこには割れ目が見えるようだ。

旅は3週間目に入り佳境に。いよいよアンダルシア最大の街セビーリャです。ヘレスから列車でやってきた私たちは、街に入るまでに暑さでへろへろ。熱射病なのかサイダーがダウンしてしまったので、安宿を当たる余裕がなくかなり高価な宿に倒れ込みました。

トリウンフォ広場よりカテドラルを望むトリウンフォ広場よりカテドラルを望む

翌日はなんとかサイダーが元気を取り戻したので、観光スタートです。

セビーリャといえば、カテドラルにヒラルダの塔!

ヒラルダの塔ヒラルダの塔

町中どこからでも見えるヒラルダの塔は高さ約100m。

この塔は12世紀末にイスラム教徒によってモスクのミナレットとして造られたもので、 当時は鐘がある70mまででしたが、カトリック時代の16世紀にプラテレスコ様式の鐘楼がその上に付け加えられたそうです。

てっぺんに載るヒラルダ(風見)は高さ4mもあるブロンズ像で、これがちゃんと風で動くというから驚き。

カテドラルのファサードカテドラルのファサード

ヒラルダの塔を抱え込んで立っているカテドラルはゴシック様式ですが、ここにもイスラムの匂いがプンプン。

それもそのはず、セビーリャは8世紀初頭にイスラムにより支配されて以降、レコンキスタにより13世紀半ばにカトリック勢力により再征服されるまで、この地にイスラム文化を繁栄させていたのです。

カテドラル入口のアーチカテドラル入口のアーチ

新大陸との貿易により巨万の富を築き、セビーリャの歴史上の黄金期となる15世紀に、元あったイスラム寺院を改増築してつくられたのがこのカテドラルだそうです。

これはスペイン最大のカテドラルで、とにかく巨大!

オレンジのパティオオレンジのパティオ

そのカテドラルの中庭がオレンジのパティオ。オレンジのパティオというのはこのカテドラル以外にもありますが、ここはとても広く、整然と碁盤の目のようにオレンジの木が茂っています。

カテドラルの内部も外観同様巨大。一般的な教会より平面的に広がっているのが特徴ですが、これもイスラム寺院モスクの名残りらしい。

鐘楼鐘楼

ヒラルダの塔はめずらしいことに階段ではなくスロープで上るようになっています。

これは王様が馬に乗って上れるようにしたからだとか。そのスロープで薄暗い塔の中をゆっくり登って行くと、着いた先には大きな鐘が。この鐘、28個もあるそうで、もちろん現役。今でもセビーリャの街にその音を響かせています。

ヒラルダの塔からの眺めヒラルダの塔からの眺め

ここからはセビーリャの街が一望にできます。

近景近景

さすがにアンダルシアを代表する都市だけあり、建物は歴史的なものが多く、階数も高い。

カテドラルの屋根カテドラルの屋根

街の遠望も素晴らしいですが、なんといっても大迫力なのがカテドラルの屋根。

尖塔とドーム尖塔とドーム

ゴシック様式の尖塔にボールトとドームの屋根、そしてフライング・バットレス。

尖塔とフライング・バットレス尖塔とフライング・バットレス

これはただただ、凄い! としかいいようがありません。

アルカサール方面を望むアルカサール方面を望む

街の反対側を見れば様相ががらりと変わり、アルカサールとそのうしろに広大な緑が見えます。

あの緑はスペイン広場あたりです。

大司教宮殿大司教宮殿

カテドラルの横には大司教宮殿があります。

宮殿そのものはかなり古くからあるようですが、この建物は18世紀初頭にバロック様式で拡張されたもの。

救済病院の教会の天井救済病院の教会の天井

次は、グアダルキビール川のほとりに立つ黄金色じゃない『黄金の塔』を巡り、救済病院(La Hermandad de la Santa Caridad)のチャペルでムリリョを鑑賞。

救済病院は17世紀のバロック様式。

救済病院のカラフルなパティオ救済病院のカラフルなパティオ

これは新しいのか古いのかちょっと見ただけではわからないような、救済病院のカラフルなパティオ。

アルカサールアルカサール

セビーリャでアラブ色がもっとも色濃く現れているのはアルカサール。

この宮殿は14世紀にイスラム時代の宮殿の跡地にムデハール様式で建てられたもので、グラナダのアルハンブラ宮殿によく似ています。

トリウンフォ広場に面した赤い門トリウンフォ広場に面した赤い門

赤い壁のアーチの門の上には、おそらく王家の紋章と思われる、片手に十字架を持ち王冠を冠ったライオンのタイルが。

ここをくぐって進むと、植え込みのある『モンテーリャのパティオ』、さらに進むと、

乙女のパティオ乙女のパティオ

お〜、とため息が出るほど美しい『乙女のパティオ』に出ます。

様式的には1階は14世紀のムデハール様式、2階は16世紀のルネッサンス様式。

乙女のパティオ2乙女のパティオ2

平面的な大きさの割に高さのある1階は、柱廊のアーチの上にはこれ以上はない、と思えるほど繊細なレース状の装飾が施され、尖塔アーチの装飾も見事。

複雑な形状と光と影が織りなす空間複雑な形状と光と影が織りなす空間

奥の壁の腰には鮮やかな色のタイルが組紐のような装飾でさまざまな幾何学模様を構成しています。

回廊の天井にも同じような模様が施されています。

柱頭柱頭

美しい柱頭とアーチと細かい彫刻が施された壁。

ムカルナス・アーチムカルナス・アーチ

金色に輝いて見えるムカルナス・アーチ。

化粧漆喰のアーチ化粧漆喰のアーチ

乙女のパティオを取り囲んでいるのはペドロ1世宮殿です。

アラベスクなタイルアラベスクなタイル

腰は幾何学模様のタイル。

大使の間大使の間

ペドロ1世宮殿の回廊を取り巻く部屋のひとつ『大使の間』。

大使の間の天井大使の間の天井

高い四角い天井はいったん折り上げられ、その中に色鮮やかな金色のドームの天井。

ここも外部の腰壁のタイルなどと同じようにアラベスクが、天井から壁面まで途切れることなく施されています。

大使の間の馬蹄アーチ大使の間の馬蹄アーチ

独特のイスラム風アーチの仕切り壁と、美しい文様の柱。

壁にはキリスト教巡礼者のシンボル、帆立貝がアラベスクの中に埋込まれています。

人形のバティオ人形のバティオ

このパティオの名称の由来はこのどこかに人形がいるからだそうです。

よくよく探せば、入ってすぐのアーチの下のアラベスクの文様のなかに子供の顔のようなものが紛れ込んでいました。イスラムは偶像崇拝禁止ですが、作ったのがキリスト教徒だからいいのでしょうか?

人形のバティオ見上げ人形のバティオ見上げ

三階建ての建物に囲まれたこの空間も美しく、上部にはガラスの屋根が架けられています。

マーキュリーの池マーキュリーの池

アルカサールは広大な庭を持っています。

『マーキュリーの池』は、池そのものはさして面白みはないのですが、アルカサールのあらゆるところの水の源になっているそうです。ここから庭園に延びていく列柱はなかなか見応えがあります。

サンタ・クルス街サンタ・クルス街

アルカサールの北東にはかつてユダヤ人街であったサンタ・クルス街が広がっています。

入り組んだ細い道が迷路のようになっていて、ぶらぶらするにはうってつけのところです。

細い路地細い路地

壁には古いランタンが掛けられ、鉄の黒い格子のバルコニーにはきれいな花が飾られています。

入口の鉄柵から中を覗けば、たいていきれいなパティオがあります。

広場広場

街角というか広場というか、小さな道のちょっとした広がりにはいつのころのものか、とにかく古いに違いない石の柱が立っていました。

その上には鋳物の十字架。

壁際の古い柱壁際の古い柱

はげ落ちた壁の模様もなんだかサマになっています。

アルカサールの舞台アルカサールの舞台

夜、アルカサールで『フラメンコ』をやるらしいので、出かけてみました。

しかしそれはフラメンコとはまったく関係がない、なんだか良くわからない現代演劇のようなもので、モロッコのフォークロアや中央アフリカの太鼓の音楽などが演奏されるフュージョンと言ってもよいようなものでした。中身はさっぱりでしたが、アルカサールの会場は本当に素晴らしいところでした。

夜のヒラルダの塔夜のヒラルダの塔

帰りにカテドラルの横を通ると、あのヒラルダの塔がライトアップされて金色に輝いていました。このカテドラルは夜もきれいです。

セビーリャはいい街です。しかしここの印象は、とにかく暑い〜 ということですねぇー

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