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スペイン 9

コルドバ

開催日 1988.09.17(土)- 09.19(月)

メスキータ
メスキータ

旅の紹介

◆ コルドバといえばメスキータ(モスク)。 この世にも不思議な建物の見物を中心に、二千年以上の歴史を持つアラブの臭いが残る街をふらつきます。 ユダヤ人街の細く入り組んだ道はきれいな花々で飾られ、真っ白な建物の先にメスキータのミナレットが突然顔を出すのが面白い。 

行程表

day 月日 行程 備考
26 09.17
(土)
Carmona15:30
→ 17:15Córdoba
バス625Pts/人
泊:Hostal Portillo* 1,800Pts
27 09.18
(日)
Córdoba 泊:Hostal Portillo* 1,800Pts
28 09.19
(月)
Córdoba10:24 列車→ 14:15Alcázar de San Juan
タクシー → Campo de Criptana → Alcázar de San Juan17:30 → 19:40Toledo
泊:民家 2,000Pts
1Pts(ペセタ)= 1.1円、時差: -7h(夏時間)

花の小径からメスキータのミナレットを望む花の小径からメスキータのミナレットを望む

カルモナからバスに揺られて2時間。 やってきたのはメスキータのあるコルドバです。 アルハンブラ宮殿のグラナダ、大聖堂のセビーリャとともに、ここコルドバはアンダルシアを代表する街で、あちらこちらからメスキータのミナレットが見えます。

メスキータの観光はあとにして、まずユダヤ人街付近をぶらつきます。 細く入り組んだ路地は車が入ってこられないほどで、白い壁の民家にはきれいな花が飾られています。 そんな中でもメスキータ近くの通りの一つ『花の小径』は白壁に花の鉢が飾られた観光スポットで、メスキータのミナレットが望める撮影ポイントとして有名。 このあたりはただぶらぶらしているだけで、なんだか楽しい。

シナゴガシナゴガ

このユダヤ人街の東には、セルバンテスのドン・キホーテに登場する『はたご屋ポトロ』があるポトロ広場やトーレス美術館などがあり、そして西の端には闘牛博物館とシナゴガがあります。

シナゴガとはユダヤ教の教会のことで、スペインではこことトレドにあるだけだとか。 14世紀のもので、繊細な石こう細工が施された壁は見事です。

メスキータ西側のトリホス通りメスキータ西側のトリホス通り

そういったところを巡った翌日、いよいよかのメスキータに向かいました。 真っ白なユダヤ人街の民家の間をすり抜けた向こうに、茶色っぽい壁が見えたと思ったらそれがメスキータでした。 空は真っ青。 強烈な太陽の日射しが隣の建物の陰と影を真っ黒にしています。 ジリジリとした日射しを受けた凹凸のある壁がメスキータの外壁です。

パラシオ門パラシオ門

これはその一角にあるパラシオ門。 いかにもアラブ的な装飾が施されています。 この外壁の廻りをぐるっと廻ってミナレットの足下にある『免罪の門』をくぐると、そこはメスキータの中庭です。

メスキータの中庭からアルミナル塔(ミナレット)を見る中庭からアルミナル塔(ミナレット)を見る

『オレンジのパティオ』というのはスペイン中あちこちにあって、その中でも特に有名なのはセビーリャの大聖堂のものだと思いますが、このメスキータの中庭もオレンジのパティオと呼ばれています。 植えられているのはもちろんオレンジ、そしてシュロ。 オレンジの木の下には池があり、かつてはそこで沐浴をしたといいます。

パティオを取り巻く壁の内側は回廊になっていて、その一部からミナレットがすくっと立ち上がっています。 『免罪の門』の向かいにはメスキータの入口『シュロの門』があり、この軸線が初期のメスキータの中心軸だったのですが、のちの増築により現在は東側が大きくなっています。

メスキータ内部メスキータ内部

オレンジの木の木陰でしばしミナレットを眺めながら休憩したあと、『シュロの門』の反対にある入口からメスキータに入ると、そこは真っ暗。 外の日射しが強く内部とのコントラストが強いせいもあるのですが、この内部にはほとんど明かりがない。 しばし入口近くに佇んで目が慣れるのを待ちます。

メスキータ内部2メスキータ内部2

モスクの内部というのは基本的に明るいものなのですが、どうしたわけかここには明かり採りの開口がほとんどないのです。 これはのちにここを征服したカトリックによる改修の結果なのだそうです。

ひんやりした空気が汗を引かせる頃、ようやく薄ぼんやりと白と赤の縞模様のアーチが見えてきました。

メスキータ内部3メスキータ内部3

そしてそれらのアーチの下には黒っぽい大理石の円柱が、ほとんど森の木のようにずらっと建ち並んでいます。 その数はなんと850本とのことで、黒いものばかりではなく茶色やその他の色のものも。 柱頭はコリント式を始め数種類が雑多に混じっています。 アーチの白いところは石、赤いところはレンガだそうで、よく観察すれば確かに赤い部分にはレンガの目地があります。 しかし一部は補修されたのか、漆喰のようなもので固めたあとに赤い色を塗ったようなところもありました。

メスキータ内部4メスキータ内部4

高い天井を支えているアーチは上下二段になっていて、これはちょっと珍しい。 下のアーチは下の部分が内側まで回り込んでいるいわゆる馬蹄形アーチで、多くのイスラムの建築物でこのタイプのアーチが使われています。 馬蹄形アーチの建造物としては、ここから北西6㎞のところにあるメディナ・アサーラが有名です。

メスキータ内部5メスキータ内部5

このメスキータ、見れば見るほどに不思議な建物です。 中央にゴシック様式とルネサンス様式の折衷の教会堂があるのが最大の理由です。 ちょっと歴史を紐解いてみます。

6〜7世紀ごろ、ここには西ゴートのカトリック教会があった。 その後ウマイヤ朝を建国したイスラムはそれをモスクとしても使用するようになり、8世紀末には新たにモスクの建設を開始した。 さらに9世紀から10世紀末にかけて3度の拡張工事が行われ、巨大モスクが完成した。

13世紀にはレコンキスタにより、カトリックによって奪還される。 16世紀のカルロス5世時代にモスク中央部にカテドラルを建設。

ミーラブ付近の複雑な花模様のアーチミーラブ付近の複雑な花模様のアーチ

一番古い部分は『シュロの門』を入ったあたりで、奥に行くに従い年代が新しくなります。 もっとも新しいのは建物のほぼ半分に相当する東側の部分で、その後中央にカテドラルが作られました。

細かい装飾で埋め尽くされた壁面細かい装飾で埋め尽くされた壁面

モスクでもっとも重要な場所ミーラブは『シュロの門』の正面奥にありました。 ミーラブとはメッカの方向を示す壁の窪みのことだそうで、モスクには必ずあるものだそうです。

マスクラのドームの天蓋マスクラのドームの天蓋

ミーラブの窪みの前はカリフ(王・教主)や高僧たちが祈る『マスクラ』という空間で、その天井のビザンチンモザイクは見事。

マスクラの壁面マスクラの壁面

壁面には連続したイスラム風のアーチとその下にアラビア文字が見えます。

マヨール礼拝堂マヨール礼拝堂

こういったアラブの空気のなかに突如こんなものが現れるのです。 驚くというより頭がぐちゃぐちゃになりそう!

ミナレットからメスキータを望むミナレットからメスキータを望む

こんがらかった頭は塔に上ってすっきりさせよう、というわけで外に出てミナレットに上りました。 モスク部分の連続した屋根から突然飛び出すのが少々無愛想なカテドラル部分です。

このカテドラルを造ったと言われるカルロス5世は、一方では、『どこにでも有るような物を造るために、どこにも無い物を壊した』と嘆いたとも伝えられています。 あにはからんや。

オレンジのパティオオレンジのパティオ

こちらはオレンジのパティオ。

ネクロポリス・ロマーナグアダルキビール川方面を望む

メスキータの近くには立派な建物が多いのですが、

ユダヤ人街方面を望むユダヤ人街方面を望む

ユダヤ人街の方は例によってごちゃっとしています。

ローマ橋とラ・カラオーラローマ橋とラ・カラオーラ

メスキータを出て南東に進むと、そこにはグアダルキビール川が流れています。 そこに架かるのが紀元前1世紀に造られたというローマ橋で、なんと20世紀半ばまでこのあたりの橋はこれ一本だったそうです。

その向かいにはこのローマ橋を守るために14世紀に造られたラ・カラオーラという要塞が見えます。

ローマ橋とメスキータローマ橋とメスキータ

橋からメスキータ方面を見るとこんな感じです。

橋の門ローマ橋の門

橋のメスキータ側にはこんなものが建っていました。 13世紀、コルドバをフェルナンド3世が再征服した時の記念碑。 凱旋門のようなものなのでしょう。

アルカサールアルカサール

ローマ橋の門からグアダルキビール川に沿って南西に進むと、川のほとりにアルカサールがあります。 14世紀にアルフォンソ11世によって改修されたここは、キリスト教時代の王宮で宗教裁判所としても使われたところだとか。

アルカサールからメスキータのミナレットを望むアルカサールからメスキータのミナレットを望む

ここの塔からはローマ橋やメスキータのミナレットが良く見渡せました。

アルカサールの庭アルカサールの庭

庭は広くてきれいです。

ローマ時代のモザイクローマ時代のモザイク

アルカサールの中では美しいローマ時代のモザイクを見ることができます。

街角から街角から

アンダルシアの家々はパティオがあることで知られています。 そのパティオはたいてい花々やセラミックできれいに飾られていることが多いのですが、そこは基本的にプライベートなスペースです。 これはパティオではなく、ちょっとめずらしい道に面したセミプライベートスペースですが、植栽などがきれいです。

灯火のキリスト広場灯火のキリスト広場

メスキータの北東1kmほどのところに小さな修道院があり、その前がちょっとした広場になっているところがありました。

夜の灯火のキリスト広場夜の広場

夜になると、8つのカンテラが中央の十字架とキリストをぼんやりと照らし出していました。

夜の灯火のキリスト広場カンポ・デ・クリプターナの風車

翌日、午前中の列車でラ・マンチャに向かいました。 このあたりは特別行こうと考えていたわけではなかったのですが、コルドバからマトリッド方面に行く途中なのでちょっとだけ寄ってみることにしたのです。 我らがセルバンテスのドン・キホーテの故郷です。 ドン・キホーテの思い姫ドルシネーアの村エル・トボソなどがありますが、ここは一番手近なカンポ・デ・クリプターナにしました。

アルカサール・デル・サンホアンで下車してタクシーを見つけるとその運転手、『ドン・キホーテ? モリノス(風車)?』と聞いてきます。 ここで観光客が行くとすればそれしかないのでしょう。 『そうだ、そうだ、カンポ・デ・クリプターナのモリノスに行ってね。』と乗り込んで風車にまっしぐら。

8kmほどひからびた荒野といった雰囲気の中を走ると、小高い丘の上に見えてきました、ドン・キホーテが戦いを挑んだ巨人ブリアレオが。 全部で8つか9つだったでしょうか。 これらは粉ひき用の風車で、真っ白な壁に三角錐のとんがり帽子。 中には廃墟になっていて屋根も羽根もないものもありました。

やせっぽちロシナンテにまたがり、槍を小脇に抱えたドン・キホーテがヨタヨタと突進する姿が目に浮かびますねぇ。

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uploaded:2009-07-10