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タイ 1
開催日 | 1989.09.16(土)- 09.24(日) |
◆ タイの首都バンコック。チャオプラヤ川をボート・トリップし暁の寺を眺め、金ピカの王宮に驚いたら、ありとあらゆるものが小舟に積まれたダムナン・サドゥアクの水上マーケットで買い物を!
前日、エンジン・トラブルで成田空港からピクリとも動かなかったノースウェスト航空のポンコツ・ジャンボジェット機は、ようやく一日遅れでタイのバンコック上空にやってきました。 窓から見える景色は一面緑の畑です。
なんとか無事にバンコック空港に到着しました。 空港から市内への移動はバスが比較的便利なのですが、悪名高き交通渋滞に巻き込まれると大変なことになるので、鉄道を利用しました。 列車の窓の外はちょっとジャングルっぽい感じで木々がたくさん。 小一時間ほどでクラシックな作りの大きなフアランポン駅(バンコック中央駅)に到着です。
駅から遠くまで歩くのは面倒なので、ガイドブックに載っていた近くのホテルにチェックインし、荷を解くとすぐに周辺の散策に出ました。 一週間しかない旅程が飛行機のトラブルで丸一日短くなってしまったのですから。
宿のすぐ近くにあったのがこちらのワット・トライミットです。 身動きできないほど地元の人や観光客がお参りにきていて、みんな金箔を仏像に貼付けています。 タイでは金箔を貼ることがお参りになるのでしょうか?
このお寺、奥に本物の金で出来た高さ3mほどの黄金色に輝く仏が鎮座しているので、金箔を貼るのはこのお寺だけかもしれません。 燭台や線香立てなども金色ですが、こちらはどうやら真鍮製のよう。
このお寺のトイレです。 トイレというのはその国の文化文明を語る上で避けて通れないもの。 日本でも上水道や下水道が整備されたのはごく近年のことで、地方に行けば未だに下水道が整備されていない地区はいくらでもあります。 ここバンコックではどうか。 一流のホテルやレストランはともかく、一般的なトイレはこんな感じです。 大きな水瓶が置いてあり、手桶が側に置かれています。 トイレットペーパーはなく、用を足したら手桶で水を汲んで流すのです。
そして庶民の足はと言えばこちらのトゥクトゥクです。 オートバイのエンジンを積んだ三輪車で、ウィンウィンいいながらカッ飛ばします。 面白いことに彼らの自慢はエンジンがどこ製かということらしく、
『これね日本製だよ。 すっごくいいエンジンなんだ!』 とかなんとかと自慢します。 なかには年代物の本物のポンコツに乗っているドライバーがいるから要注意です。 オリエンタル・ホテルに行くのに乗ったポンコツくんは、途中でガラガラ・ガッシャーンという音を立てて停まったまま動かなくなってしまいました。
トゥクトゥクが陸の足ならこちらは水上の足。 チャオプラヤ川とその周辺の運河はバンコックの主要交通網の一つです。 大きなお寺や大学などがチャオプラヤ川の岸辺にあることもあり、地元の人も観光客もみんなこの足を利用します。
ここの舟には3種類あり、対岸を行き来するだけの渡し船(0.5~1バーツ)と、目的地を告げて値段は交渉制の水上タクシーのようなもの、そして定期航路の快速船です。
私たちはオリエンタル・ホテルの近くにある船着場から、チャオプラヤ・エキスプレスと書かれた定期航路の船に乗り込みました。 この舟、屋根付きですが窓にはガラスが入っていないオープン・エアのもので、地元の人から観光客までがぎっちり。
舟はゆったりといくつかの船着場に寄りながら上流に向かいます。 川の色はお世辞にもきれいとはいえない茶色で、時々ホテアオイのような浮き草が浮かんでいます。 廻りには大きなお寺がいくつもあり、時々高い仏塔が現れます。
大小さまざまな舟が行き交う中、暁の寺ワット・アルンの75mもある塔を超え、タマサート大学の近くまでやってきました。 そこの小さな船着場で舟を待つ人々の中には、オレンジ色の僧衣を着た人もいます。 このチャオプラヤ川のショート・トリップ、たしか5バーツ(30円)だったと思うので、すごく安い!
近くのデッキでは親子が夕涼み。
舟遊びを終えて陸へ上がると、とある街角にあちこちから大きな籠が運ばれてきています。 籠のふたを取るとそこには新鮮野菜が詰まっていました。 どうやらここは路上の市場のようです。
タイといえばトンガラシ。 私たちはトンガラシといえば『鷹の爪』しか知りませんが、ここにはものすごい種類のトンガラシがありました。 色だけでも赤、オレンジ、茶色、緑とありその中でも微妙に違う色があります。 大きさも大中小とあるのでたいへんです。 写真には写っていませんが、緑の小さいのにはご注意を。 激辛ですよ。
市場への運搬はトラックが一般的ですが、ちょっとしたものならこんな自転車が大活躍。 三輪で前に荷物を積むのが特徴です。
広い表通りは車がわんさかで排気ガスがものすごい。 一歩入った裏通りはほとんど歩行者専用道路のようで、行き交う人で埋め尽くされています。
そんなとある街角にたくさん人が集まっているところがありました。 中央の二人を取り囲むようにして人々が集っています。 なにかパフォーマンスでもしているのかと思いましたが、良く見ると右手の座った男の前台の上には写真や巻物など妙なものが置かれています。 どうやら左の寝ている男は病気なのか、悪霊に取り憑かれたのか、そのお祓いをしているようです。
こちらは果物の王様ドリアン。 道端にずらっと並ぶ姿は壮観です。 丸ごと一個も買えますが、ドゲトゲの固い実を割った中にある白い房だけを買うこともできます。 私たちは一房試してみました。 まず、むっとする匂いが鼻を突きます。 さすがにこのドリアンだけはホテルに持ち込みが禁じられているくらいです。 まさになにかが腐ったような臭い! いやガス臭いと言ったほうが近いか。 口に入れると食感はどろっとしたバターのような感じで、ねっとりグニュッとする。 味はほんのり甘い感じだが、まああまり良くわからない。
果物の王様ドリアンも食べたことだし、次は王様の住んでいるところでも見に行こう、ということでやってきたのが王宮です。 しかし実際は王様はここには住んでおらず、王室の公式行事に使われるのだとか。 塀に囲まれた中には金ピカのお堂や赤、緑、青と派手な色使いのお寺が見えます。
ここタイは言わずと知れた仏教の国で、人々はみな信心深い。 ところがここのお寺ときたら外観も内部もとにかく派手で、日本のしぶいお寺しか知らない人はとてもこれが仏教のお寺だとは想像もできないほどです。 こちらはタイ王室の守護寺院ワット・プラケオ(エメラルド寺院)の金ピカでひょうきんな彫刻。 ハヌマーンかな。 このお寺の俗称のエメラルド寺院の名は、ご本尊がエメラルド色をした石でできているからだそうな。
17日の日曜日、朝6時に南バスターミナルからバスに乗り、バンコックから南西100kmほどのところにあるダムナン・サドゥアクの水上マーケットを見に行くことにしました。 2時間ほどバスに揺られて到着したのは片田舎のほとんど何もない路上。 きょろきょろ廻りを見渡すもマーケットはおろか、川も見当たらない。 なんかおかしい… ひょっとしてまったく違う所に来てしまったのだろうか? とちょっと不安になりましたが、ちょうどそこにやってきた人に訪ねると、その人はこっちこっちというように手招きして、道の先に駐車してあるミニバスを指差します。 ともかくそのミニバスに飛び乗り、数分行くと、今度は船着場です。
『マーケット、マーケット! 市場だよ、市場! お~い、市場はどこだ~!!』 と叫びつつ、写真を見せて廻り、なんとかわかったらしい男のボートに飛び乗る。 ところが値段の交渉がうまくゆかない。 なんと紙に書いたアラビア数字が通じないのだ! タイでは数字もあの丸々クネクネしたタイ文字があるが、たいていアラビア数字と並記されていてアラビア数字も通じる。 ところがここではそれが通じないのだ。 お金を直接見せてなんとか交渉成立。 派手な黄色のボディーに簡単なテント地の屋根を付けたモーターボートは、民家がびっしり並ぶ川というか水路をどんどん行きます。
川の廻りには祖末な住居が並び、おじいさんが釣りをしている横で子供達は水遊びをしています。 そんなところに日傘を立て、大きな鍋を乗せた小舟が一艘停まっています。 この小舟はこれから水上マーケットに物売りに出かけるのでしょう。
モーターボートが速度を落とすと、その先の運河にはものすごい人! ついに水上マーケットに到着です。
運河の両側にはオープンエアの市場のような屋根だけの建物があり、その屋根の下は野菜やら果物やらで溢れかえっています。 写真左端の緑のものはタイではノイナーと呼ばれる、チリモーヤ(釈迦頭)です。 中は白くクリーム状でほんのり甘く、黒いつぶつぶの種がいっぱい入っています。
陸も楽しいが、それ以上にすごいのが水路に浮かぶ無数の小舟。 ほとんど一カ所に留まり、野菜やら果物やら食べ物やらを売っています。 扱う品は舟により異なりますが、面白いことにどの舟も一品しか荷を乗せていないようです。 白菜なら白菜だけ、茹でトウモロコシなら茹でトウモロコシだけなのです。 一人一品という決まりでもあるのでしょうか。
ここの水上マーケットは、バンコックのトンブリの水上マーケットが観光化されて機能しなくなりつつあるのを受け、政府の肝いりで開発されたそうですが、なるほど、という賑わいです。 混雑しているところは、とても身動きできないほどの賑わいで、水上も交通渋滞というわけです。 ここはぼんやり眺めているだけでも楽しいところです。
散策に疲れお腹も空いたので、小舟からバーミー・ナム(湯麺)、野菜と卵の炒め物を取り寄せました。 2人で40バーツ(240円)也。 帰りにはランプータンを一抱え、5バーツ(30円)也。
バンコックに戻ってみれば、こちらの市場にはこんな美しい花を売る店が。 5バーツってまさか一輪で?
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