朝日を浴びながら一風呂。感動的な一日の始まりです。
いとう温泉の前で風不死岳と支笏湖をバックに記念撮影。ここは札幌オリンピックまでは道がなく、交通手段は舟だけのところだったという。
昨日のように昼飯ぬきはかなわないと、宿でおにぎりを作ってもらって出発します。
宿の前の20%越えの激坂を押しで上り、なが~い一日の始まり。こんな長い一日になろうとは…
支笏湖を右手に見ながらさっき上っただけ、ダウンヒル。関東は蒸し暑く不快なこの季節でも、北海道は乾燥していて気温も低く肌寒いくらい。ひんやりした空気が気持ちいい。
今日は支笏湖を時計回りに廻って洞爺湖まで。洞爺湖を一周すれば100kmオーバーのコース。洞爺湖を今日一周するか明日にするかは時間次第だね〜 なんてこの辺では呑気なことを言い合っている。
湖畔にたどり着くと湖面とほぼ同じ高さで道路が走っている。水が近くていい感じ。
風不死岳の見える角度が徐々に変わり、後ろに隠れていた樽前山が見えてきた。
そして後ろには先ほどまでその麓にいた恵庭岳の姿が。
ここは人工的なものは道路しか見えず、まさに国立公園の偉大さを感じさせるところだ。
モーラップが近付くと横道があり、これを入ると自転車道だった。
この自転車道は木々の中を行く気持ちの良い道だ。
モーラップで湖畔に出た。
あくまで穏やかな湖面越しに恵庭岳を望み一服。釣り支度の人によれば『これからは姫鱒、大きいので70cm位かな。』
モーラップから先も途切れ途切れだが自転車道が続く。湖は木々の間からちょっとしか見えないけれど、舗装も良く我々の独占状態なのがなんたって気持ちいい。
木漏れ日のなか、このへんはまだまだ快調なサイダー。
サリーナも絶好調!
観光名所『苔の洞門』は工事中で残念ながら入れない。工事期間は過ぎてるのに…
支笏トンネル付近で自転車道が終わり、国道に出るが歩道が広くて安全なので助かる。このあたりはこの道しかなく、車がちょっと多いので。
『この歩道なら快調に飛ばせるね!』 とどんどん進むサリーナ。
支笏トンネルはかなり長いトンネルだがやはり広い歩道があって助かった。
支笏湖に別れを告げ、美笛トンネルを抜けた。いよいよ上りに差し掛かるかと思われたその時、パサッとサイダーが停止。ハンガーノック?
『い、いやっ、そうじゃない。あ、足がっ!』
なんでも少し前から違和感があったそうだ。ここへ来て突然、左足の膝の後ろに激痛が走るのだそうな。
そんなんで、ここからはいきなり超低速走行ということになってしまうのでした。写真は時速5kmでまったくゆったり上るサイダー!
景色は素晴らしいのだが、そんなのにはかまっていられないサイダーでした。
『ストレッチしてみたら。』 サリーナに勧められてストレッチしてみるが改善の兆しはない。ちょっと走ってみるも 『あいててテ〜』 という有り様。しばし渓流を眺めながら休憩し様子を見るが、やはりダメ! 『野イチゴもないしね〜』と冗談を飛ばせるだけの余裕はあるようなのだが。左足が最上部にまでこないようにすれば痛みはないという。右足だけで漕げばいいね。でもビンディング・ペダルじゃあないからね、それは無理。試行錯誤するうちにゆっくりペダリングすればなんとか激痛は免れることが分かった。しかしここから上りなんだよね〜! 神様も酷なもんだね〜。
左足が最上部にまでこないようにすれば痛みはないという。右足だけで漕げばいいね。でもビンディング・ペダルじゃあないからね、それは無理。試行錯誤するうちにゆっくりペダリングすればなんとか激痛は免れることが分かった。しかしここから上りなんだよね〜! 神様も酷なもんだね〜。
しかし上りはそう長くはない。支笏大橋、春笛橋と渡り、滝笛トンネルと抜けるとダウンヒルだ。
ほどなく『きのこ王国』というレストランと土産物屋が出てきたのでここで昼食休憩。きのこ汁やきのこの天麩羅ときのこづくし。ここまでサイダーは時に激痛に顔を歪めながらもなんとか走ってきた。
お昼のあとはダウンヒルと快調に飛ばすはサリーナ、ダウンヒルなら負けないと先を行くサイダーでした。
しかし、行程は大幅に遅れて、途中の三階滝やそれ以降の脇道はすべてカット。国道をまっしぐらに洞爺湖へと急ぐのでした。
ふと横を見ると本州ではもう散ったりんごの花がまだ咲いている。ここで一服しようとりんごの木の下に滑り込んだ。
上りは5km/h、平地で12km/h、下りは自重にまかせてという超絶的にのろのろ走行のサイダー、『わしはもうだめじゃあ~~。』
休憩の後、洞爺湖へ向けて出発。
サリーナはここまでまったく問題なく快調ですが、サイダーは休んでも復調せず、のろりのろりと進む。
しかし時速5kmでもなんでも進めばいつかは目的地に到着する。国道を離れると洞爺湖湖畔までは少しの区間だが10%超えの激坂が待っていた。とろりとろりとサイダーはなんとかその坂を越えた。
すると赤茶けた岩肌を無気味に表わした昭和新山が現われた。右手には待ちに待った洞爺湖!
『もうすぐだよ、がんばれサイダー!』
『わしゃあ、も~がんばれね~だ…』
やっとこさ宿に到着、この時サイダーは左足を引き擦るようにして、なんとかフロントまでの階段を上ったのでした。おつかれさま!
お風呂で一汗流し、バーへ行くとウェルカム・ドリンクが出されました。オリジナルの『トーヤコ』、グラス全体が洞爺湖で中央に浮かぶ氷を中島に見立てたもので、グレープフルーツの味。おいしい!
レストランでは魚介を中心とした『陶板焼』。特製のぴりっとしたタレを付けていただくと、激ウマ。これ一品の夕食だが熱々てボリュームも充分、リーズナブルでとてもいい宿でした。
夜半には、なんと湖で花火大会。400発もの本格的なもので、水中から発射されるものがめずらしい。驚くべきことにこの花火、夏期は毎晩なんだって!
◆ 感想 by サイダー それは突然やってきた!
いやいや、参りました。自転車に乗り始めてから今日まで、怪我も痛みもなく順調でした。何ごとにも初めてっていうのはあるわけです。走り出して35kmほど、少し前から左足にちょっと違和感はありました。重いっていうのも違うし、だるいっていうのでもないし… とにかく少しへんな感じです。
トンネルを越えてそろそろ上りになるね、という手前でそれは痛みに変わりました。左膝の後ろの外側の筋(靱帯)に、膝が一番上にいった状態で痛みが走るのです。始めはチクチクという感じでした。ストレッチしてみましたが改善の兆しは現われません。やむなく走り出すと、チクチクはバシッバシッという激痛に変わりました。とても我慢出来るようなものではありません。休憩して様子を見ましたがやはりダメ。左膝が最上部に達しないように足の土踏まずをペダルに置き、しかしもゆっくりとした毎分20~30回転のペダリングならなんとか走れることがわかりました。この時ばかりはビンディング・ペダルだったらよかったなと本当に思いました。
ここからは、とにかく左膝に激痛が走らないように気を付けてペダリングします。いきなり上りで時速5km。トホッ… しかしちょっとペダリングをミスするととたんに激痛! 宿に着いた時は本当に『やっと終わったア~』という感じでした。
自転車の経験豊かな方からの情報によると原因はいくつか考えられるようです。
1 冷えによる筋肉の収縮---少し暖かくなってきたときに起りやすい
2 サドルが高すぎる---足が突っ張って無理な力が掛る
3 運動不足---急激な運動による各部への負荷
今回は 1 の可能性が高いかもしれません。前日は暑いくらいでしたが気温はさほどでもなく、渓流沿いの道は木陰でかなり涼しいものでした。最後のダウンヒルは寒かったし、短パンでした。当日も涼しく、上着は着ていてもやはりかなりの時間を短パンで走っていました。
皆様も御注意あれ!
でも初めての北海道は涼しくって、木々は新緑で、静かな湖と渓流、温泉もいいし楽しかった。時々熊が出るから要注意だって!