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中津川

開催日 2003年06月21日(土) 晴
参加者 デュエルン/ミワプッチ/コロンボン/サリーナ/サイダー
総合評価 ★☆
難易度
走行距離 70km
地域 関東

三峰口からの上り
三峰口からの上り

コース紹介

秩父鉄道の終点『三峰口駅』から荒川に沿ってまずR140を、途中から中津川沿いに進路を取り、渓谷を眺めながら『彩の国ふれあいの森』まで上ります。帰路は途中まで来た道を戻り、R140で山梨方面へ向い『大峰トンネル』を抜けます。ここからは栃本渓谷沿いに秩父湖までのすばらしい景色を楽しみ、三峰口駅に戻ります。途中『道の駅大滝温泉』があり、ひと風呂浴びるのも良いかも知れません。

しかし実は今回の最大の見所、大峰トンネルから後の渓谷沿いの道は工事中でしばらく通行止めとのこと。やむなく丘の上の秩父往還を走りました。こちらはこちらで『関所跡』など旧道の雰囲気を味わえます。

スライドショウ(04'20" 音声:BGMのみ)

地図ベース:国土地理院20万分の1ベース 山旅倶楽部提供 (描画:カシミール3D 他)
地図ベース:国土地理院20万分の1ベース 山旅倶楽部提供 (描画:カシミール3D 他)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻 ルート 備考
三峰口駅 START 発10:40 R140 秩父鉄道:池袋08:06→10:10三峰口 
道の駅大滝温泉 9km 着11:20 R140・地方道 WC
ループ橋 14km 着12:00 地方道 下には滝沢ダムが
 昼食 17km 着12:20
発13:00
地方道 蕎麦や:量がちょっと少なめ
 水浴 20km 着13:20
発13:35
地方道 お猿さん親子も水浴びに出てきた
ふれあいの森 33km 着15:10
発15:30
地方道 気持ちの良い木を沢山使った施設/宿泊可/日帰り温泉
大峰トンネル 48km 着16:35 R140 2.2kmの長大なトンネル/ジオポタ、トンネル記録!
栃本関所跡 52km 着17:10
発17:25
地方道 丘の上からの夕日が良かった
秩父湖 56km 着17:45 地方道 湖畔を走れなかったのは残念
大滝温泉 62km 着18:00
発20:00
R140 道の駅:レストランは18:00まで
三峰口駅 70km 着20:30
秩父鉄道:帰りの電車の時間は要注意

秩父鉄道三峰口駅秩父鉄道三峰口駅

今日は荒川の支流の一つである秩父の中津川を遡ります。

都心から電車に2時間揺られてやってきたのは、秩父鉄道の終点の三峰口駅。

三峰口駅から山へ向かう三峰口駅から山へ向かう

その三峰口駅を出ると、遠くに深い緑が見えます。

梅雨の合間を縫って今日だけ何故か快晴! 強い日射しの中を山に向かってどんどん行きます。

車輪の左には荒川の上流部が遥か下を流れているはずですが、まだその姿は見えません。

ミワプッチ、サリーナ、デュエルン、コロンボンミワプッチ、サリーナ、デュエルン、コロンボン

本日のメンバーは、山ならあたしの領域よと言うミワプッチ、山は得意じゃないけどねと言うサリーナ、企て人のデュエルン、今日は上りきれるかちょっと不安と言うコロンボン、カメラはいつものサイダー。

荒川荒川

ここまでほとんど姿が見えなかった荒川ですが、ようやくその川面がちょっとだけ見えました。

この荒川は、東京の都心を流れているそれとはまったく別のものと思えるほど違った姿をしています。

サイダー、コロンボンサイダー、コロンボン

『今日は快晴なのはいいけれど、暑いね〜』と暑さに弱いサイダーが言うと、『私も暑いの苦手なんです。』と言いつつもなぜか元気なコロンボン。

おいおいサイダー、朝からそれじゃあ今日は走れ切れないよ!

中津川沿い中津川沿い

宮平で荒川に中津川が合流します。ここからは荒川を離れ中津川沿いを行きます。

中津川は渓流の趣でその川面がかなり近づいてきました。しかし一度近づいた流れもす〜っと遠くなると、上りがきつくなります。

ループ橋ループ橋

すると前方にループ橋が見えてきました。『ひえ〜、あれ上るの?』

まだ序盤にもかかわらずここでちょっと不安になるのは、左から企て人デュエルン、復活コロンボン、山岳ジャージのミワプッチ、白いけど新人賞ではないサリーナ。

ループ橋へ向かうループ橋へ向かう

『このループ橋は今日の目玉の一つですからねぇ〜 がんばって上りましょう。』と企て人のデュエルン。

ということでその目玉のループ橋へ向かいます。

ループ橋ループ橋

このループ橋は巨大も巨大。なんだかスケール感がわからなくなるほど大きいです。

人がその下にいるとスケールがだいたい分かるでしょうか。それでもあまり良くわかりませんね。どうもここでは遠近感を喪失してしまったように感じます。

ループ橋の上を行くループ橋の上を行く

この橋の巨大さはこの写真が一番良くわかるかもしれません。人が豆粒のようです。

それに比べ、橋梁や橋脚の大きさと言ったらありません。これこそ本当にコンクリートの塊です。

ループ橋を上るループ橋を上る

日射しが強く、路面のアスファルトからの照り返しもきついループ橋を、えっちらおっちらと上って行きます。

『くらくらしてきた〜』と先頭ミワプッチが言えば、二番手サイダーは『今日は足がもつかな〜』と心配顔。最後尾のコロンボンは『1年ぶりに復活宣言!』と絶好調。

ループ橋の上にてループ橋の上にて

なんとかかんとかループ橋をぐるりと廻ってその頂部に達しました。

いや〜、結構上りましたよ〜

雷電廿六木橋雷電廿六木橋

このループ橋の正式名称は雷電廿六木橋(らいでんとどろきはし)。

このすぐ上流側に巨大な滝澤ダムが建設中であることから、上流部の道路を付け替えたため、これまでの道路とそれとは120mの高度差ができました。この高度差を解消するために造られたのがこの雷電廿六木橋です。

ここからは巨大な建設中のダムが見渡せましたが、うっかり写真を撮り忘れました。

雷電廿六木橋のあと雷電廿六木橋のあと

そうそう、滝澤ダムの工事により下に見える旧道は閉ざされており、通行することが出来ません。

この旧道は水面が近くて気持ち良さそうなのですが…

まだまだ上りが続くまだまだ上りが続く

ループ橋を上り終えてからも上りはまだまだ続きます。

あ、あついぃ〜! 腹もへったしお昼にしようよ〜。ということで、ダムを見下ろす蕎麦やで一息。

中津川の河原その1中津川の河原その1

ダム関連工事のトラックが行き交う中、どんどん上ります。この道を真直ぐ進むと大峰トンネルと雁坂トンネルとを抜けて山梨県へ入るのですが、私たちのルートはこれを外れ、豪快に下りだします。

もしかして、帰りはこれ上るの〜??

下った先には中津川が流れていました。おお〜、ここは水遊びしかないでしょう、と河原に下ります。

中津川の河原その1中津川の河原その1

ここは滝澤ダムが完成した暁には水没してなくなってしまうゾーンですから、この写真は貴重なものとなるでしょう。

河原で休む人、足だけ水に漬ける人、わたしゃあ昼寝のほうがと木陰にゆく人と様々ではありますが…

中津川で遊ぶサイダー中津川で遊ぶサイダー

サイダーはお決まりのザブン!

おっと、あれはお猿さんではないかな。猿の親子がやっぱり暑いよ!と水浴びに来ていました。

中津川右岸中津川右岸

水浴びのあとしばらくはやたらと道路を造る工事が目立ちます。これはダム建設により、私たちが今通っている道が水没してしまうからです。この周辺が全て水没するという現実を目の当たりにした瞬間でした。

工事中の景色の中をしばらく進んで、いよいよ工事のトラックもいなくなると山は深まり、渓流が近くなってきました。中津川の右岸道に出ました。この道は対岸の主要道と同じ高さにあるので、ダムができた後もおそらく存続するのだろうと思います。

小さな滝小さな滝

この右岸道を少し行くと中津川に流れ込む沢に小さな滝がありました。

今日のように暑い日は、小さい滝とは言えど、とても気持ちがいいです。

仏石山トンネル旧道仏石山トンネル旧道

大滑沢を渡ると、その先の錦渕橋で左岸の中津川三峰口停車場線が右岸へやってきて、右岸道はこれに合流します。

このあと行く中津川三峰口停車場線にはトンネルがたくさん出てきます。ここは仏石山トンネルの横にある旧道で、車は通らずに快適です。

持桶トンネル旧道から見た中津川峡持桶トンネル旧道から見た中津川峡

その先の持桶トンネル横の旧道に入れば、そこには中津川峡と呼ぶにふさわしい景色がありました。

緑の木々をかすめるように走り、手に取るような近さで渓流を眺めるという贅沢。

持桶トンネル旧道持桶トンネル旧道

しかし旧道は利用が少ないので、こんなところも。。

持桶トンネル旧道を行くサリーナとコロンボン持桶トンネル旧道を行くサリーナとコロンボン

おお、ここはマイナスイオンのシャワーだね〜。

と、旧道を楽しむサリーナとコロンボン。

氷壁付近氷壁付近

持桶トンネルの旧道を抜けるとほどなく冬には氷壁が見られるというあたりになりますが、この時期の山肌は緑に覆われていて実感が湧きません。

このあと中津川に神流川が流れ込みますが、私たちは中津川沿いを進みます。

彩の国ふれあいの森 森林科学館彩の国ふれあいの森 森林科学館

ずっと上って、ようやく『彩の国ふれあいの森』に到着。

彩の国ふれあいの森にて彩の国ふれあいの森にて

山々を背後に従えて、とりあえず上り切ったよ! と記念撮影。

宿泊棟中庭宿泊棟中庭

渓流がすぐそばを流れ釣り場も近くにあるこの施設は、地元の木材をふんだんに使った気持ちの良いものでした。

宿泊棟最上階宿泊棟最上階

彩の国ふれあいの森は森林科学館と宿泊施設から成り、前者は言うなれば学習施設で、森林やそこに生きる生物の展示などがあり、木工工作室もあります。

後者の最上階にはレストランがありますが、営業時間は極めて短時間で、この時は営業していませんでした。しかし横の休憩ゾーンを使ってもいいとのことで、そこでちょっと涼みました。

やって来た道を下るやって来た道を下る

一休みしたらやってきた道を戻ります。

ということでここからはず〜と下りです。

古い吊り橋古い吊り橋

錦渕橋は渡らずに進み、大滑沢を過ぎると、下に古い吊り橋がありました。

現在この橋は通行止めのようですが、このような人とお猿さん専用の吊り橋というのは味があっていいですね。

滝が落ちていた辺り滝が落ちていた辺り

滝の横を通り、さらに進んで、水浴びしてお猿さんと出会った河原まで下りました。

ヘアピンカーブが続く坂道ヘアピンカーブが続く坂道

ここからはやってきた時は豪快だと感じた『アヘアヘ』の激坂登りが待っています。

きつい〜〜

大峰トンネル内部大峰トンネル内部

そしていよいよ緊張の『大峰トンネル』。このトンネルは2.2kmに及ぶ長大なものですが、企て人のデュエルンによれば、今回はこれを抜ける他に手がないそうです。

大峰トンネルは、歩道は狭くて走れず、2車線ですが車線分離のための突起が中央にあるので、車は追い越しが出来ない構造で自転車には最悪です。ここは進行方向の交通量が少なかったのがせめてもの救いでした。

大峰トンネル出口大峰トンネル出口

トンネルを抜けると視界が開けて生き返った気分になります。

ここからは渓流沿いに、なんとか百選に選ばれたという道を秩父湖まで走る予定。しかし… その進路には道路工事の警備員が立ちはだかり、『しばらくは通行止めなんです。』 衝撃で言葉もないメンバーでした。

秩父往還秩父往還

トンネルは絶対戻りたくないということで、秩父往還を行くことにしました。秩父往還は、中山道の熊谷宿から荒川沿いを行き、秩父盆地を横断し、雁坂峠を越えて甲府に至る街道でした。

でもこれは上りなんだよね〜!

栃本栃本

覚悟を決めてそれぞれのペースで激坂を攻めるも、『も〜だめ〜!』という呻きが上がります。ともあれ上らにゃ先へ進まぬということで、かつては街だったと思われるところまで上ると、這うように上がってきた傾斜地に美しい夕日が射しています。のんびりとした田舎の風景!

ここは栃本というところで、谷底を流れるのは荒川です。

秩父往還を行くサリーナ秩父往還を行くサリーナ

この景色に

『わ〜、ここは凄いわね〜』と感激のサリーナ。

関所跡関所跡

この秩父往還にはかつての関所跡もあり、なかなか雰囲気のあるところでした。関所跡では幾人かの見学者に出会いました。マイナーな感じのこの関所跡に来るのはどんな方々なのでしょうか。

ここで全員集合呼吸を整え下りに備えます。ここから秩父湖までは完全に下りです。

秩父湖秩父湖

ダーッと下って秩父湖の畔に到着。

この最後の下りは豪快でした。日も落ちてきていて、夕暮れ時のいい雰囲気です。ここで私たちが走ろうとしていた湖畔の道が合流するのですが、そこには通行止めのガードがしっかりなされていました。でもここからちょっと見るだけでもこの湖畔道はすばらしい道であることが伺えます。しかし道路拡幅工事をしているようなので、工事終了後は車用の道と化してしまいそうなのが残念です。

秩父湖にて秩父湖にて

ここからも下って下って、『道の駅大滝温泉』へ。ここでお昼が少なかったので食事にしようとしましたが、道の駅の食堂は休業、温泉の食堂も18時におしまい。近くにレストランはないらしい。困っていると温泉の食堂を開けてくれました。助かった~。食事のあと、のんびり温泉に浸かって一日の汗を流しました。

真っ暗な夜道をさらに下り、出発点と同じ秩父鉄道『三峰口駅』に到着すると、電車は丁度出発したところ。次の電車は1時間後でした…

感想 by 企て人デュエルン

とある山峡にある木造建築を見に行きたくなり、仲間を募ったら四人が参加してくれて賑やかで楽しいツーリングになりました。
今回のポタリングでは二つの考えさせられることがありました。

一つ目はなんと云っても「ダム」です。
この付近は美しい渓流、渓谷、それに野生の狸や猿、熊まで生息している、極めて貴重な自然が残されている地域です。しかし、巨額の税金を使って、現在工事が進められている、さして必要とも思われないダムによって、これらは、われわれが走った道とともに、湖底に水没してしまいます。同じ土木構造物でも橋やトンネルと比べてダムは比較にならないほど大きな環境破壊をもたらします。
景観のみならず、動植物の生態系にも取り返しのつかない、致命的なダメージを与えてしまう。
田中長野県知事は生理的に好きではありませんが、彼の脱ダム宣言だけは高く評価します。

二つ目は「平和ボケ」という言葉がありますが、われわれ都市に暮らしているものは、便利な都市生活に慣れきっており、云わば「便利ボケ」とでも云えるかも知れません。
いつでもすきな時に好きなものが食べられて、いつでもすきな時に電車に乗れて、があたりまえになっています。
しかし、この山奥の村では、そのような常識が当然のことながら、通じるわけもない。

ジオポタは自転車で走りながら、さまざまことを考えさせられるものですね。

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uploaded:2003-06