特急水上
『谷川岳に行きましょう!』 ゴールデン・ウィーク中のケロガメの提案にはそこにいた全員唖然。
『谷川岳ってすごく大変な山だよね。ペタッチとマーコンなら登るかもしれんけど。。』 みんな山登りをするものと思っています。
『いえいえ、登山じゃあなくて自転車で。山が開けて少しした頃は新緑も雪渓もきれいなんです。』
こんな会話がきっかけとなり、今回はその谷川岳です。
渋川から榛名山を望む
レナールは上野から特急水上に乗車し、昨日榛名山に上ったメンバーは渋川から上越線をどんどこ。車窓には榛名山や赤城山といった上州の山々が映し出されます。
こうした山々を眺めていると、徐々に谷川岳への思いが大きくなっていきます。先ほどまで横に見えていた山がいつのまにかうしろに去り、列車はどんどん山奥へ向かって走ります。
水上駅前
上野からは2時間と20分で水上駅に到着。駅前で全員落合い、出発の準備を整えます。
水上駅をスタート
水上はスキーではおなじみですが、私たちはその季節以外には来たことがない者ばかりで、みんな深い緑色の山にびっくり。
水上の街を出る
水上駅からは穏やかな上りで、狭い谷の中の道を進んでいきます。
清流利根川
道に平行して上越線の線路が走り、その鉄橋の下には利根川が流れています。利根川は日本を代表する大河ですが、ここはその起点に近いところで川幅は狭く、渓流といった趣きです。
ジャンプ台
大穴スキー場の看板が出てきました。すると先にスキージャンプ台が見えます。大穴スキー場に隣接してある町営のジャンプ台だそうです。
上り始まる
このジャンプ台を横目に見ながら進めば、道の勾配はごく僅かに上昇したように感じます。
山に囲まれた水上
徐々に高度を稼いで行くと上越線の線路が下に見えるようになります。周囲は名もなき山々に囲まれ谷川岳へのアプローチにふさわしい雰囲気です。上越線はこのあと上り下りで方向を変え、上りは長大な清水トンネルに消え、下りはなんと山の中のループしたトンネルを登って行きます。
快調に上る面々
谷川岳の一ノ倉沢まではずっと上りですが勾配は緩く、3%ほどが続きます。昨日は朝飯抜きでハンガーノックに陥ったケロガメですが、今日はしっかり食べてきたようで快調に先頭を引きます。バイクフライデー・ワールドツーリストを試乗中のデラリンが続き、しんがりはめずらしく上り企画に参加のレナール。
湯檜曽
5kmほど走ると湯檜曽(ゆびそ)の街に入ったようです。
ここで上越線の線路はトンネルの中に消えて行きます。
足湯
まだ本格的な上りにはなっていませんが、駅の少し先に足湯があったので、ひとまずここでまったり。
湯檜曽川
湯檜曽から利根川は二手に分かれ一方は藤原湖から奥利根湖へと続き、もう一方は湯檜曽川となり谷川岳の奥へと続きます。私たちの通るR291沿いにはその湯檜曽川が流れています。水上駅付近では水深があり深い碧色だった川も、ここではひどく浅くなり川底の石が見えています。
人口の滝その1
その川には人工的に段差が作られているところがありました。かなり大きな段差でそこは一直線の滝になっています。
山に向かう
湯檜曽を過ぎると周囲に建物がなくなり、いよいよ山といった気配が漂い出します。
『ワールド・ツーリスト快調よ~』とでっかい前カゴをぶら下げたデラリンもここまで快調。ところどころで雪渓を抱いた山がちらっちらっと見え隠れします。
さらに奥へ
勾配は相変わらず穏やかでまだ3~4%といったところです。しかし川幅は徐々に狭まり山も深くなってきました。下では深い緑だった木々もここではまだ浅く、新緑の香りを残しています。
いよいよ上りか?
土合駅(どあいえき)が近づくと、一カ所7~8%ほどのところが現れました。ここはちょっとだけえっこらえっこら。穏やかなカーブをいくつか過ぎると、今度はコンクリートの雪よけのガードをくぐり抜けます。
土合駅のブリッジ
道の上を横切っている妙なものが現れたと思ったら、それは土合駅でした。上りの線路は左手の山の中にあるトンネル内で、この右手にある駅舎とそこまでをブリッジで繋いでいるのです。
土合駅
土合駅の駅舎は三角形のとんがり屋根。ところがこの駅は実はモグラ駅で、下り線のプラットホームはなんと地下82mにあるのです。そこに到るまでの階段は486段もあり、下りるのには10分ほど掛かるそうです。
せせらぎ
土合駅を出発してすぐのところに小さな橋がありました。下を覗けばひどく細くなった湯檜曽川のきれいな流れが目に飛び込んできました。わずか数kmの間に川というのはこんなに変化するものなのかと驚きます。
人口の滝その2
反対側を見れば、なんとも不思議な滝が。これもどうやら人口のものらしく、ここに湯檜曽川以外に2本の川が流れ込んでいるので、流量調整のためのものらしい。
土合方面を見下ろす
ここから上りが本格化します。赤い鉄骨の雪よけのガードを潜りつつよっこらする勾配は7~8%ほどです。下を見ればさきほどの土合駅のあたりが見渡せます。
谷川岳ロープウェイ
一漕ぎ、二漕ぎ、三漕ぎすると谷川岳ロープウェイの谷川土合口駅に到着。ここから上にはお店もなにもないので、ここのレストランで昼食です。今日は視界は悪いので昼食後はロープウェイには乗らず、一ノ倉沢を目指します。
マチガ沢
ロープウェイ駅から一ノ倉沢までは3kmほど。もう上り切ったも同然です。駅を出たあたりの勾配は7~8%ですが、そこを一漕ぎ、二漕ぎすると穏やかになり、3%ほどになります。周囲は美しい緑の木々で覆われています。その木々が退き視界が開けたと思うと、そこが一ノ倉沢の一つ手前の沢、マチガ沢です。
ついに谷川岳の雪渓が見え始めました。
最後の一漕ぎ
穏やかに尾根を廻るようにして進むと、頻繁に車が停まっているのを目にするようになります。さすがに有名な谷川岳だけあり、こんなお天気でもそこそこの観光客がやってきているようです。
一ノ倉沢にて
そういった車をすり抜けながら進むと、ほどなく一ノ倉沢に到着しました。深き緑の谷にすくっと巨壁が立ち上がっています。その横を僅かですが雪渓が流れています。雲は大分下までかかっていて頂上は見えませんが、ここから頂上までは1000mほどあるとか。ちょっと想像ができない高さです。(TOP写真参照)
望遠鏡を覗いている人がいたので何をしているのか聞いてみると、登山者を観察しているとのこと。岸壁をよくよく見れば、なるほどヘルメットを冠った人らしきものがちょっとずつ動いています。お~、すごいっ!
たとえばこんな感じか?
その姿ははっきりとは見えませんが、たとえばこんな感じなのでしょうか。これは少し下の別の場所での練習風景ですが、ちょっとすごいですねぇ。TVドラマかなにかでしか見たことがない、こんなことをしている人が実際いるんですね~
一ノ倉沢では、ケロガメが持ってきたストーブで湯を沸かし、コーヒーを入れてくれました。澄んだ空気の下でいただいたコーヒーの味は格別でした。
緑の中の下り
半時ほど雪渓を眺めたり、戻ってくる登山者を眺めたりして一ノ倉沢を楽しんだのちは、水上まで一気に駆け下ります。木々に取り囲まれた穏やかな勾配の下りは快適です。
谷川温泉へ
グワ~っと下って、水上からは谷川に沿って一山越え、谷川温泉『湯テルメ谷川』に向かいました。この温泉は谷川のほとりに露天風呂があり、お天気なら上ってきた谷川岳が見えるそうです。ぬるめの露天風呂はいつまで浸かっていても飽きないような、気持ちよい温泉でした。
温暖化の影響か、今年の谷川岳の山開きは例年より少し早く、雪渓も少なめでした。それでもまずまずの谷川岳を楽しむことができました。距離が短く、勾配も緩いので初級者でも楽しめるコースだと思います。なにより名峰、谷川岳が楽しめるのがすばらしいですね。
ひとこと by 企て人ケロガメ
今年初の谷川岳コース、しっかり朝食を摂って体力・気力十分、ケロガメはとても楽しかったです。
だから参加のみなさんもそれなりに満足のはず、だよね?
去年は4回いきました。このコースは何度行っても飽きることがありません。距離は短いですが小さな見所が多いのです。川下りしている人達の歓声が聞こえてチラっとゴムボートが見えたり、足湯で休息したり、砂防ダムを落ちる玉簾のような滝があったり、道路の西側に駅があるのに反対側の山の中腹に線路の架線が見える不思議の場所があったりします(湯檜曽駅付近のJR上り線は山腹の中をトンネルがループしています)。
今日の高崎は一日中快晴に近い晴れだったそうです。谷川岳は曇りでした。行ってみるまで山の天気は分かりませんね。輝いているはずの新緑は力無く、落差1000m一の倉沢大岸壁も頂上を雲で隠されて超然とした迫力は今ひとつでした。でもね、ここで飲むコーヒーの味は格別でした。ガスバーナーとコーヒーセットを持って行きました。ゆとり気分全開!
帰りは、スピード感を楽しめるけれど暴走しない適度な下り勾配の爽快さを満喫しました。自転車はいい!
今度は秋、ロープウェーで天神平に登って紅葉を見ながらまたコーヒーを飲みたいな。湯テルメ谷川の露天風呂に寄る時間が無くなるけど、行く?

