稚内空港
2010年の夏は道北サイクリング。るんるんと稚内空港にやってきた関西組のジークと関東組のサイダー&サリーナ。しかしこの先一週間の天気予報は曇りと雨。ありゃりゃ。。
この日はサロベツ原野にアプローチしやすい豊富温泉まで50kmのサイクリング。雨が降らないといいねぇ~
湿原の中を走り出す
豊富温泉へは本来、空港から南へ向かうのですが、サイダーはなぜか東へと走り出します。
『お~い、サイダー、どこ行くの~』 との叫びにかまわずどんどこ進むサイダー。
空港を出るとすぐに北海道らしい風景が広がります。広大な湿原の中に道は延びて行きます。
メグマ沼
ゴルフクラブの脇の坂を駆け上ると、突然目の前に沼が現れました。メグマ沼です。私たちは畔から沼を眺めただけですが、この一帯の湿地帯の中には木道が延びメグマ原生花園があります。そこでは特に6~7月にはめずらしい花がたくさん咲くそうです。
見渡す限りの湿原
見渡す限りの湿原です。道道121号線を挟んだ西側には大沼があり、そちらにも湿原が広がります。
この周辺は最終日に訪れる予定でしたが、どうやらサイダーはその日まではいないジークのために、ここに寄ったようです。
道道121号線を行く
メグマ沼とその周辺の湿原を眺めたあとは、その道道121号線へ出、南へ向かいます。道路の上には雪国で良く見掛ける赤白の矢印があります。雪で道路が埋もれた時でもその端がわかるように設置してあるのだそうです。
ほどなく恵北に到着。小さな集落ですがレストランが一軒あるのでここで昼食です。
防雪柵
昼食後も道道121号線を南下し続けます。道脇にはこれも雪国にあるやつ、防雪柵。これは吹き払い式で、羽根の角度を調節して道路上に風を吹き付け、吹き溜まりになるのを防ぐタイプです。雪が降らない季節は写真のように羽根を水平にして、見通しを良くしてあります。
刈り取られた牧草
その羽根の間から向こうを眺めると、いつの間にか湿地帯は牧草地に変わっていました。ちょうどここではその牧草がトレーラーで刈り取られ、まん丸に丸められているところです。
鉄道の跡
なにもない道脇に建物が現れたと思ったらそこはどうやら樺岡という集落のよう。なんとそこの道端には鉄道の駅名が記された看板が。ここはどうやらかつての天北線の駅があったところのようです。
ちょっと上り
樺岡からは牧場が多くなり、腰折れ屋根の牛舎やサイロなどが現れ出します。そして先には穏やかなアップダウンが。
ころころ牧草
丘の上には丸められたころころした形の牧草がいくつもちらばっています。ああ、ここは北海道、という景色が広がります。
穏やかな丘陵
沼川の集落からは道道121号線を離れ、それと平行して走る田舎道を行きます。道道121号線は交通量が少なく走りやすい道ですが、いつでも自転車にはよりローカルな道の方が快適です。
牛の群れの脇を行く
穏やかな起伏の丘陵地を進むと、ついに牛くんたちがたくさんいるところにやってきました。白黒のまだら模様は確か乳牛のホルスタインでしたね。
並んだ丸い牧草
どういうわけか、たまに牛くんと目が合ってしまうことがあります。じっと見つめ合って、、惚れられたのか、その牛くんたちがドドッ~と私たちを追いかけてきたりすることがあります。最近は慣れたけれど、最初はびっくりしたなぁ、モー!
雲行きは相変わらずあやしく、いつポツポツと来てもおかしくない状況です。
大規模草地牧場を行く
カントリーロードから一旦道道121号線へ戻り、豊富町の大規模草地牧場の入口に到達しました。ここから再び道道を離れ、牧場の中を突っ切る道に入ります。まずは短いちょっとした坂を管理舎まで上ります。
ここに来て辺りにはうっすらと霧が舞い出します。その霧が牧草地を覆い、幻想的な風景を生み出しています。晴れに越したことはないけれど、この霧の草原もとても雰囲気があります。
合流したケロガメと
坂を上り切ると、遠くまでは見通せないものの近くへの視界が広がります。そこはさすがに大規模という名がつくだけのことがある広大な牧草地。この道を穏やかなアップダウンを繰り返しつつ南下します。このあたりの最高点になるT字路でクッチャロ湖から走ってきたケロガメが合流。なんとケロガメは6月からキャンプをしつつここまでやってきたのです。
豊富温泉へ下る
そのT字路からは視界の広がる気持ち良い穏やかな下りが続きます。時々牛とは違う茶色の物体が見えると思ったら、それは野生の鹿でした。
途中レストハウスに立ち寄るも売店は16時までとのことで、100円で飲み放題だという牛乳は飲み損ないました。その前には日露戦争をモチーフとした司馬遼太郎原作のNHKのドラマ『坂の上の雲』のロケに使われたセットが置かれていました。
ひょうきん牛の反射鏡
レストハウスの脇で『坂の上の雲』のセットを眺めつつ休憩したあとは、一気に豊富温泉まで下ります。道端に妙なものが建っているなと思ったら、それは牛くんの姿をした反射鏡でした。この反射鏡、誰かがジョークで建てたのかと思ったら、この先数kmに渡って建っていました。愛嬌があってかわいらしい!
ぐ~んと下った先の豊富温泉は日本最北の温泉郷だそうですが、ご多分に漏れず、ここでも残念ながらいくつかの宿は戸を閉ざしています。大正末期に石油の試掘をしている際に湧き出たこの温泉のお湯は薄黒く、ちょっと油っぽい感じがします。皮膚病に大変よく効くとかで、遠方よりはるばるやってくる方もいるといいます。
私たちはこのお湯にのんびり浸かって一日の疲れを癒しました。それにしても今日一日雨に降られなくてよかった~
しかし明日は雨だって…