船泊からスコトン岬方面を望む
今日は曇り。台風4号の影響で、お天気は悪い方へ向かっています。六年前にはここ船泊からすばらしい夕陽が眺められたのに、昨日も曇りでそれは見られず、今朝もこの天気でスコトン岬の輝くような緑は見えず、海の色も灰色。でも雨じゃあなければ走れる、と気を取り直して出発です。
船泊の海岸
民宿の方が海岸に出れば穴開き貝やメノウが拾えると教えてくれたので、目の前の海岸に出てみました。草の生える斜面を下りてみてびっくり。海岸は一面貝殻だらけです。
『ここは貝塚?』 と一瞬思いましたが、そうではなく自然に打ち上げられたものだそうです。
穴開き貝
良く見ると、この貝殻の中に確かに穴が開いたものがいくつも混じっています。これは別の種類の貝がこの貝を食べるために開けたものだそうです。しかしどうやって?
先にスコトン岬
穴開き貝探しとメノウ探しを楽しんだあと、スコトン岬へ向けて出発です。雲は低いものの、先にはなんとかスコトン岬が見えています。晴れていたらその斜面を覆う緑がきれいだろうな、と想像しながらどんどこ進みます。
穏やかな上り
江戸屋まで来ると道路標識に蚫古丹と須古頓の文字が見えます。スコトン岬のスコトンは漢字で書くと須古頓になるんですね。北海道の地名は元はアイヌ語だったものに漢字を当てたものが多いので、ピンと来ずに読みが難しいものが多い。
その江戸屋からスコトン岬へ向かうには、海岸沿いをそのまま行く方法と丘の上を行く方法がありますが、丘の上へは急坂を上らなければならないので、海岸線をそのまま進みます。最後に穏やかな坂を上り、左右に海が見え出すとスコトン岬に到着です。
スコトン岬
スコトン岬は細い半島の突先にあり、緑に覆われている美しいところです。北の小さな島の北端の岬という思いが一層ここを美しく見せています。先にはアザラシやドドの生息する無人島、海驢島(トド島)が見え、近くの岩場にはアザラシのうごめく姿があります。海の水は澄んでいて、この日でさえ惚れ惚れするようなものです。日の光があったら感動ものでしょう。
丘の上を行く
ゆっくり海驢島とアザラシを眺めた後は丘の上の道で江戸屋まで引き返します。この道は緑に囲まれた快適な道で、足元には小さな花が何種類も咲いていました。
残念なことにここは霧の中。数十メートルの視界しかなく、蚫古丹の集落もゴロタ岬もまったく見えません。
澄海岬へ向かう
江戸屋からは海岸道を戻り、浜中から澄海岬(すかいみさき)への分岐に入ります。今は時期が終わったので閉じられているレブンアツモリソウ群生地の脇を通るこの道は、穏やかな起伏の草原が眺められる、気持ちのいい道です。
澄海岬へ下る
道が下り出し、カーブをぐぐっと廻ると下に澄海岬が見え出します。六年前のジオポタはここまで来ながら澄海岬へは下りず、引き返したというからもったいないことをしましたね。
澄海岬の小さな入り江
そこにはこんなきれいな入り江があり、廻りはベルベットのような緑の小高い山に囲まれた、素敵なところだったのですよ。
久種湖
澄海岬からは来た道を引き返し、船泊の久種湖に到着。この湖畔にはキャンプ場があり、遊歩道があります。周辺は6~7月には様々な花が咲くそうです。
金田ノ岬へ
久種湖を後にし、スコトン岬とは反対側の島の北東に飛び出している金田ノ岬へ向かいます。このあたりでは薄日が射してきてルンルン。しかし後ろのスコトン岬には雲が下りてきています。
金田ノ岬のアザラシ
金田ノ岬にある食堂で少し早めの昼食にしました。ここから香深井までの間には食堂がないからです。ウニ丼やウニ、ホタテ、イクラの三食丼など、利尻・礼文のお決まりのものを。
食後に海を覗くと、いたいたアザラシくん。下に岩があるのか、海面から体を出して、エビ反りのポーズ。日なたボッコかな。近くで見るアザラシの体は想像よりはるかに大きく、2m以上はありそう。ここのアザラシ軍団は50~60頭ほどのようです。
強風向かい風
たまにジャンプしたり、ギャーという叫びを上げたりするアザラシを観察した後は、一路海岸線を南下。道は真っ平ら。ところがここからがきつかった。この日は南風で真っ正面から強風が吹き付けてきます。漕げども漕げどもなかなか前へ進まない。。
海岸線を行く
先に香深あたりと思われるところが見え出しました。晴れていればあの左手に利尻富士が見えるはずなのですが、この日は最後までその姿を見ることはできませんでした。ん~ん、残念。
周囲にポツポツ現れる民家の足元には小さなポピーが咲いています。リシリヒナゲシかな? 30分も漕ぎ続けると、強い風の為、も、もうだめ~、と道端に停止。昼寝を兼ねてしばし休憩です。
香深からの上り
10分ほど昼寝をし、なんとか気を取り直して強風の中を突き進みます。この東海岸には取り立てて見るべきものはなく、金環日食観測記念碑と見内神社という小さな小さな、見どころとも呼べないようなものがあるきりです。
香深からは昨日ハイキングで訪れた桃岩展望台方面へ向かいます。ここからは今日のコースで一番の坂道が始まります。
元地海岸へ
2kmでトンネルのところまで120mの上りなので、平均斜度6%とちょっとしたものです。 えっさこらよいよいとじわじわ上り、桃岩展望台方面への分岐を通り過ぎ、トンネルを抜けると元地海岸へ下ります。
桃岩
元地海岸へ下り切る直前に、昨日は上から見た桃岩が現れました。この桃岩、下から見上げると、本当に桃みたいに見えますね。
桃岩猫台より猫岩を望む
桃岩の先には桃岩猫台があります。これはちょっと高台にある展望台で、先の桃岩と、海の中に背中を丸めてあっちを向いた猫の形をした岩が見えます。猫岩の手前に見える建物は有名なYH桃岩荘。
元地海岸
ここから北を見れば元地海岸が見渡せます。低い雲に隠れて見えなくなっているずっと先には、今朝行ったスコトン岬があります。
青い海
このあたりの海の色はとてもきれい。海の底が透けて見え、神秘的な青を見せています。
先に地蔵岩
桃岩猫台を下り、元地海岸を進めばほどなく道はなくなり、その先に地蔵岩が現れます。かつてはこの先にも宇縁内まで続く遊歩道があったようですが、地崩れのため、現在は通行できなくなっています。ここ元地の海岸はメノウ浜とも呼ばれ、きれいなメノウが拾えるそうです。
礼文島最南端へ向かう
島の西側もあらかた見終わって、桃岩の脇をヘコヘコしながら上り、香深へ戻りました。この時、香深ではお祭りが。なつかしい金魚すくいやバンドの演奏などを見た後、島の最南端へ向かいます。
知床の終点にて
海を眺め、民家を眺め、こんもりした丘を眺めつつ、島の南をぐるりと廻るようにして進みます。昨日のハイキングの出発点、桃岩歩道の知床口を過ぎてしばらく行くと、道は行き止まりに。地図にはこのあたりにカランナイ岬とありますが、穏やかな弧を描いた海岸線は岬っぽくありません。それはともかく、ここが礼文島の南の端っこです。
北の端スコトン岬から南端のここまで、楽しいサイクリングでした。お天気だったらなぁ~