黒磯神社
猛暑を通り越し激暑が続くこの夏は、観測史上でも最高に暑い夏だそうです。夜中でも30°Cを超える都心にはとてもいられないと、涼しい所へ避難することにしました。目指すは標高1,200mの那須高原のキャンプ場です。
地方道を行く
都心から一時間強の黒磯駅で下車し、黒磯神社にお参りしたのち茶臼岳目指してGO! 標高300mの黒磯駅前付近はねっとりした空気で、暑い!
『な~んだ、ここは涼しいかと思ったらそうでもないね~』 と先頭ムカエルはブツブツ。
那珂川
左手に現れた山、あれが那須岳でしょうか。あの塊の中に茶臼岳があるはずです。大きな地方道に出るとすぐに橋がありました。那珂川です。ここでは横から爽やかな風がス~ッと抜けて行きました。
『お~、涼しい! 爽やか! やっぱり都心とは違うね~』 と笑みがこぼれるミワプッチ。
カントリーロードを行く
地方道が国道4号にぶつかる手前でカントリーロードに入ります。ここはほとんど交通のない快適な道です。行く手の林の中に茶臼岳が現れました。
田んぼと茶臼岳
周辺は小さな田んぼとなり、その先に丸い頭の茶臼岳がはっきり見えるようになってきます。空はまだ完全に夏のそれですね。直射日光を受けて走るこのあたりは暑いことは暑いけれど、まだ午前中だからか爽やかで、ジリジリするような暑さとは違います。
林の中を行く
畑を過ぎると今度は林の中。ここは涼しくて快適です。
『この調子なら今日は、完走できるかも。』 とサリーナがどんどこ行きます。ガラス工芸の美術館らしい『那須高原私の美術館』の前を通り、林を抜けると、
近づく茶臼岳
目の前にババ~ンと茶臼岳。ずいぶん近づいてきました。この快適な道はまだ先へと続くのですが、りんどう湖に寄るべく大きな道に出たところで右折、那須ワールドモンキーパークの裏を眺めながら、次の交差点を左折します。
池田付近から茶臼岳を望む
りんどう湖周辺は同様の施設がいくつかあるためか、交通量が多いので注意が必要です
りんどう湖ファミリー牧場はちょっとした遊園地のようなもので、家族連れで賑わっていました。施設の入口にある自販機で冷たい飲物を買い、ベンチで一休み。りんどう湖はフェンスの向こう側であまりよく見えません。飲物&トイレ休憩できたのは良かったけれど、湖を見るために立ち寄る価値はなかったようです。
池田付近の農家と稲
池田の交差点からは池田小学校の前を通り、北東へ向かいます。このあたりには家屋の裏に立派な林、そして表に青々とした田んぼを持つ、古くからある農家がまだ残っているようです。
池田から大沢へ向かう
池田からは交通量が減り、林の中を進むようになります。道は黒磯からずっと穏やかな上りですが、それとはっきりわかるほどではありません。ここはたまたま川があり局部的な上りです。
『腹へった~、お昼にしよ~』 とサイダーが叫ぶと、ちょうどそこに一軒のうどん屋が現れました。自転車を停めて店内に入るとなんと数組が順番待ちをしています。池田まではあった飲食店もこの道に入ったとたんにほとんどなくなったので、この店に入ることにしました。待った甲斐があり、出てきたうどんはかなりおいしい。有名店かな?
東に八溝山地
昼食のあと、林を抜けると東方面への眺望が開けました。青々とした稲の向こうに見えるのは栃木県と茨城県、そして北は福島県に掛かる八溝山地でしょうか。
別荘地の激坂のあと
大沢の交差点を過ぎ、余笹川を超えた所で川に沿って左折。するとその入口は激坂です。上は別荘地らしく、こんもりとした林の中にいくつかの建物が建っています。その中をどんどこと上り詰めます。ヘ~コラしつつも、
『僕もこんなところに別荘ほしい~』 とムカエル。車がなくちゃあ生活できないけどね。
茶臼岳を後ろに行くサリーナ
なんとか上り切った先に、茶臼岳の素晴らしい姿が現れました。(TOP写真参照) ここに来てぐっと茶臼岳が近づいてきたように見えます。
とうもろこし
周囲には牧草地や夏の作物の畑が広がります。とうもろこしの畑はちょっとワイルドでこの中でかくれんぼをしたい!
いよいよ本格的な上りに
地方道305号に出ると正面に山がバ~ンと現れます。いよいよここからあの山目指して本格的な上りの始まりです。サリーナが先行しミワップッチ、ムカエルと続きます。
じわじわ上る
午後の日射しはさすがにきつく、高度が上がってきたとはいえかなり暑くなります。低速でヨロヨロ茶臼岳を目指すも、道の勾配は8%、そして那須どうぶつ王国付近からはついに10%に。へ~こらは~こらとじわじわ上って行きます。
下界から遠ざかる
後ろを振り返れば白河あたりがずいぶん下に見えるようになりました。勾配が穏やかになり、正面にマウントジーンズスキー場が見え出すと地方道290号に突き当たります。この道は標高900m付近を走り、湯本の温泉街の上に出る道で、T字路手前にはスキー場の施設と駐車場があります。ここで自販機&トイレ休憩です。
地方道290号を行く
一休み後は地方道290号を行きます。木々が覆いかぶさり涼しいこの道は、なんとまずは下り。余笹川の谷に向かって豪快に下って行きます。気分はいいものの、位置エネルギーが失われると思うとやはり損した感じもし、複雑な思い。大きく上り返したかと思うと、今度は白戸川の谷目掛けてまたまた落ちて行きます。あ~あ。
朝日岳を後ろに
へ~こら上り返して、ついにキャンプ場への分かれ道に入ったと思ったら、これがとんでもないコースミスで、ぐるっと廻って白戸川沿いを下りだしてしまった。気づいたサイダーが叫ぶも、先頭ムカエルはすでにずいぶん下っていてその声は届かなかったようです。もちろんこのあとで、みんなに攻めまくられるムカエルでした。
八幡崎、標高1,040m
なんとか元の道に復帰して一漕ぎすると八幡崎に到着です。八幡崎の標高は1,000mを超え、南東に開けた視界はどこまでも見通せそうです。
『お~、気持ちいい~。眺めも最高!』
正面に茶臼岳
ここまでくればキャンプ場まではもうすぐ。そしてこの八幡崎から入る道がキャンプ場へ通じる本来の道なのです。みなさんも間違わないようにね。
道の先に丸っこい頭の茶臼岳が見えてきました。登山用のロープウェイも見えています。
最後の上り
最後の力を振り絞ってヨッコラヨッコラと上れば、ついにキャンプ場に到着です。
『やったぁ~、標高差1,000m上り切った~』 との喜びもつかの間、管理小屋に行くとこの時期のチェックインはここではなく1.5kmほど離れた本館とのこと。ガビ~ン。。
常設テントの前で
さらに上って本館でチェックイン、ついでにお風呂に入っているうちに車組のミュウ&ヒデッチ組が到着。キャンプ場へは弁天吊橋を渡って遊歩道を使って帰りました。この遊歩道には階段があるのでちょっと担ぎがありますが、雰囲気のいい道です。
BBQ開始
自転車にテントと寝袋と食材を積んで走り、テントの設営をしてキャンプをするのはとても大変です。『なんちゃってキャンプ』と私たちが呼んでいるキャンプは、テントは常設のもので毛布付き、BBQは機材も食材も用意してもらえる、とても簡単にできるキャンプなのです。この『なんちゃってキャンプ』こそジオポタ的キャンプです。
車で移動してきたミュウ&ヒデッチ組が合流し、いざBBQの開始です。
『あれ~、なかなかお肉が焼けないよ~』
『火が弱いんじゃない、だれかフーフーしなよ。』
『そんなんじゃあダメだよ。鉄板どかしてうちわでパタパタしなきゃあ。』
『お、うまっ、ジュウジュウしちょる。』
『お肉おいしい! ねえウィンナも焼いていい?』
こうして楽しく夜は更けて行くのでした。ふと空を見上げれば、満天の星。あ~、これぞキャンプの醍醐味。
夜中は長袖でも寒いくらいの気候で、わざわざ都心から避難してきた甲斐がありました。カサ、コソッと木の葉の落ちる音さえ聞こえる静けさも、しばらくぶりに経験するものでした。
ひとこと by ミワプッチ
登山にキャンプにヒルクライムと来ては私のために用意されたもの!? ということで久々に参加させてもらった山系のジオポタ企画、天気にも恵まれ、ぐいぐいと標高を上げていくのは辛かったけど、旅としては最高でした。
特に、那須岳に登る登山道、あれは本当に山の雰囲気たっぷりで、ロープウェイで上がったら非常に勿体無いことになるところでした。ロープウェイは帰りだけに使って正解でしたね。
目玉のなんちゃって?キャンプは、いつもはひとり用テントでつましく過ごす身には別世界の極上生活であり、ヒデッチ・ミュウファミリーも加わってわいわいと闇BBQ(笑)を楽しみました。そして高原はさすがに涼しく、下界はうだるような暑さのはずなのに、寒くて夜中に目が覚めるのも贅沢?な体験でした。
ともかく全員怪我なく無事に終了してよかったです、ありがとうございました。