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天草上島

熊本・天草・雲仙・島原 三日目

開催日 2011年05月02日(月)晴れ 黄砂多し
参加者 ケロガメ/ジーク/ムカエル/サリーナ/サイダー
総合評価 ★★
難易度 ▲▲
走行距離 54km
地域 九州

高所を走る広域農道を行く
高所を走る広域農道を行く

コース紹介

上天草の大矢野島から天草上島の中央山間部を走り抜け、天草下島の本渡まで。

山の雰囲気が味わえるちょっとしたアップダウンのあるコースで、松島展望台と千巌山からはすばらしいパノラマが楽しめます。後半の高みを行く広域農道は眺望が楽しめる車が少ない快走路で、終盤の九州自然歩道は一部ダート状のところがありるものの、ちょっとだけワイルドな山の中を行く雰囲気が味わえます。

天草パールラインの天草五橋はどれも狭く、交通量が多いので充分注意を。

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻 ルート 備考
上天草
10m
START 発08:10 r107
R266
小松屋渚館/0964-59-0111
松島展望台
45m
6km 着08:40
発08:50
一般道
千巌山
せんがんざん125m
9km 着09:20
発09:50
一般道
小鳥越
135m
17km 着10:50
発10:55
一般道
老嶽登り口
250m 昼食
26km 着12:00
発12:30
広域農道 弁当
老嶽登頂はダートで断念
Peak
320m
30km 着13:00
発13:00
広域農道
トンネル
315m
36km 着13:30
発13:30
広域農道 ここから下り
後小手
160m
41km 着13:45
発13:45
九州自然歩道
祇園橋
10m
50km 着14:50
発14:55
一般道
天草キリシタン館
45m
51km 着15:05
発15:40
一般道 300円、ビデオ鑑賞は無料
明徳寺
30m
52km 着15:45
発15:45
一般道
本渡
10m
54km 着16:10
泊:栄美屋旅館×/0969-22-3207/10,500円
日の入り19:01 天草宝島観光協会 上天草市観光

大矢野島から天草松島を望む大矢野島から天草松島を望む

上天草の大矢野島の宿で朝風呂に浸かり海を見渡すと、天草松島と呼ばれる島々が浮かんでいるのが見えます。

今日はこういった島々を眺めながら天草上島を通り抜け、天草下島の本渡まで。

天草五橋の第二橋へ向かう天草五橋の第二橋へ向かう

宿を出てまず向かうは天草五橋の第二橋。

対岸がすぐ近くに見え、たくさん島が浮かんでいて入り江も多く、ここは海なのか湖なのかと思うような景色が続きます。

第二橋大矢野橋を望む第二橋大矢野橋を望む

小さな入り江のむこうに橋が見えてきました。あれが大矢野島と永浦島を繋ぐ天草五橋の第二橋でしょう。

天草パールラインに入り少し行くと上り坂です。橋は大抵高いところに架かっているので、えっさこらよいよいとちょっと上ります。

第二橋大矢野橋第二橋大矢野橋

天草パールラインは狭く交通量が多いので歩道を進んでそのまま橋の歩道に進入したら、さあこれがたいへん。

この歩道の巾は60cmほどしかなく、ちょっとふらついたら車道に落っこちてしまいそう。歩道から降りて車道を行きたくても、自転車から降りたらそのまま車道におっこちてしまいそう! この橋の車道はご覧の通り狭いのですが、車道を走る方が無難でしょう。

天草松島天草松島

こうして第五までの橋を渡るのですが、実は天草五橋はこの第二橋に限らずどれも狭く、交通量が多いのでかなり神経を使います。

しかし橋からの眺めはとてもきれいで、海に大小様々な島が浮かぶ姿はやはり魅力的です。車が途絶えた隙を見て撮影したのがこの写真です。

橋の上で立ち止まって眺めを楽しむ面々橋の上で立ち止まって眺めを楽しむ面々

『いや~、天草っぽくなってきましたな~』

と橋の上で立ち止まり、島々を眺める面々。

松島展望台にて松島展望台にて

天草上島に渡るとすぐのところにあるのが松島展望台。

ちょっとだけエンヤコラして坂を上り高台の展望台に辿り着けば、たった今渡ったばかりの第四橋と前島が近くに見えます。この日は黄砂の影響でか、ぼんやり霞んでいて視界はあまり良くはありませんが、遠くには今朝出てきた大矢野島も見えます。

豪華ヨットがスーと島々の間を通り抜けて行きます。幻想的な世界。

さて、ここからはどの道を行きましょう。天草下島の本渡へ向かう天草上島内の大きなルートは三つ。北海岸、南海岸、そして島の真ん中の山を行くルート。

北海岸ルートは距離が一番短く有料道路もあることから、交通量が多いと予想されるので最初に除外。南海岸ルートは北海岸ルートに比べ国道の番号が小さく、こちらのほうが古くからある道であることが伺えます。海には小島がたくさん浮かび、海岸線の出入りもより複雑で、漁港や古くからの村はこちらに多くありそうです。交通量は大したことはないと思いますが、全体の印象は昨日の宇土半島と大差ないような気がします。

中央の山間ルートは唯一国道ではなく、もっとも交通量が少ないと想像できます。アップダウウンはかなりありますが山の雰囲気が楽しめ、後半は高みから天草の海が眺められそうです。

海岸を走る機会が多い今回の企画を考慮して、ここは中央山間ルートを辿ることにしました。

千巌山への上り千巌山への上り

ということで松島展望台からは内陸に入り、千巌山を目指します。

松島展望台を出るといきなり上り。地元のおばちゃんが、

『この先の上りはきついよ~』 と天草語で教えてくれます。正確にはなんて言ったか良くわからなかったけれど。

木々の合間からちらちらっと天草松島の島々を伺いつつ、しばしヘコヘコ。本当におばちゃんが言ったとおり、最初の方の上りはきつかった。

とにかくヨタヨタしつつ千巌山の展望台に上り詰めます。

千巌山からの展望千巌山からの展望

上り詰めた先は階段で、その階段をよたよたっと上れば千巌山の展望台です。

ここは松島展望台より高いところにあるので、より俯角が大きい素晴らしい眺めが得られます。この展望台からさらに上れば千巌山の山頂で、そこからはこれから向かう南側の眺望も得られます。

川沿いのカントリーロードを行く川沿いのカントリーロードを行く

天草松島などの眺望を堪能した千巌山を下りてからは、川沿いのカントリーロードを行きます。

この道は小高い山に囲まれた田んぼの中を走り抜けます。田植えが終わったばかりの田んぼがきれい。時々現れる民家の庭先には都心ではほとんど見ることができない鯉のぼりが揚がっていて、心を和ませてくれます。

小鳥越小鳥越

そうした道もいつしか穏やかな上りに。

進むにつれ徐々に勾配が増し、うねうねとしたカーブがいくつも続くようになります。この道は小鳥越と言うらしく、小さな峠にその名が付いています。

太郎丸嶽を後ろに太郎丸嶽を後ろに

付近には太郎丸嶽と次郎丸嶽というごつごつとした岩山があります。

これらは標高こそ低いものの、登山者に人気の山だとか。こうした山々を横目にえっちらおっちらが続きます。

川とごつごつした岩川とごつごつした岩

なんとか小鳥越を越えて道が下り出すと、しばらくは川縁を走ります。

この天草街道r34を進めばいずれ南の海に出るのですが、今日は天草で三番目に高い老嶽(586m)に上り、そこからの眺望を楽しむことにしました。

再び上り再び上り

そんな訳で天草街道を離れ北に向かうと、再び上りが始まります。

上り始めはちょっときつく、こんもりした針葉樹の間を進みます。

山間の畑の脇を進む山間の畑の脇を進む

ほどなく勾配は穏やかになり、畑や田んぼ、そして時々民家の脇を過ぎて行きます。

『ず~っとこれくらいの勾配だといいな~』 と先頭ケロガメ。

山色が強くなってくる山色が強くなってくる

しかし、人生そんなに甘くはないのだ。

標高が100mを超えたあたりから勾配がきつくなり、8%、そして10%でハヒハヒ。前方左手に老嶽が見えてきました。

うっ、結構高いな~

最後の激坂最後の激坂

どこからか時折車の音が聞こえてきます。徐々にその音が大きくなると、それに呼応するかのように勾配が急上昇、12%は超えていたかな。そして最後は短いけれど15%超え!

広域農道広域農道

歯を食いしばってヨロヨロ~ッと辿り着いたのは最近できたらしい広域農道。

道の反対側には老嶽に上る道の入口が見えます。しかしこの道どうにも怪しそうと、ムカエルを斥候に出します。戻ってきたムカエルによれば、どうやらしばらくは舗装してあるようだとのことなので、午後はこの道で老嶽に上ることにし、ここでお弁当休憩にしました。

老嶽へ向かう老嶽へ向かう

老嶽の山頂からは360度のパノラマが楽しめるといいます。しかしその山頂まではまだ350mも上らなければなりません。

『そんなに上るの、いやや!』 と、ジークとケロガメは広域農道の先で待つことにし、

『さて、いざ行かん!』

とムカエル、サリーナ、サイダーが山頂目指して元気にスタート。

すぐにガレ場にすぐにガレ場に

しかしこの道、上り始めて間もなくこんなことになってしまうのでした。最初のカーブを廻ったとたんにダートになり、少し進むとそれはボコボコ石のガレ場と化しました。これでは老嶽の山頂はおろか、百メートルも進めません。

『おい、ムカエル、どんな斥候しとったんや!』 と怒るサイダーとサリーナ。

『アッハッハッハ、最初が舗装だったから大丈夫だと思って、あんまり先まで行かなかったんだよねぇ~』 とムカエル。斥候の役、知らんね。

ジークとケロガメを追うムカエルとサリーナジークとケロガメを追うムカエルとサリーナ

というわけで、老嶽アタック隊はスゴスゴと引き返し、広域農道でジークとケロガメを追うのでした。

広域農道からの眺め広域農道からの眺め

この広域農道は広くて気持ちのいい道で、どういうわけか車はあまり通らず快適。眺めもなかなかですが、今日は黄砂の影響でか、黄色っぽい靄がかかっているように見えるのが残念。

ようやくジークとケロガメに追いついた老嶽アタック隊は、老嶽の別の登り口までやってきました。こちらの道は舗装路のはずですが、すでに山頂アタックの気力は失せていたので、ジーク、ケロガメと共に広域農道を進むことにします。

トンネルを目指してトンネルを目指して

広域農道にはたいてい結構なアップダウンが付きものですが、ここもその例外ではなく、まだしばらくアップアップします。最初のピークがやってくると草積峠までは下り。この下りは豪快で楽しめます。

峠へ下るってちょっと変な感じですが、この峠は島の南北を結ぶ道の峠で、私たちの走っている広域農道は橋でその上を通り越します。と、そこからは結構な上り返しでアヘアヘ。この上りは標高300m付近にあるトンネルまで続きます。

そのトンネルからは再び豪快な下りが待っていました。いや~、やっぱり下りはいいよね~

九州自然歩道を行く九州自然歩道を行く

後小手で広域農道を逸れ九州自然歩道に入ります。九州自然歩道は九州を一周する総延長2500kmを越える長距離自然歩道で、地図上のあちこちでその名を目にします。

ここはちょっと路面が荒れていたりダーティーでワイルドな感じのところもありますが、一応舗装されており、下りなので問題なく進みます。静かで誰も通らない気持ちのいい道です。

続・九州自然歩道続・九州自然歩道

しっとりとした林を抜け、空が見え出すと道幅が広がり舗装も良くなります。

天草下島の本渡天草下島の本渡

みかん畑の間を下っていると、下に街が見えてきました。その手前の川のように見えるのは、実は水道状の海で本渡瀬戸です。

瀬戸歩道橋瀬戸歩道橋

ぐわ~と下って開閉式の赤い瀬戸歩道橋で本渡瀬戸を渡ると、天草下島の本渡に到着。

本渡は天草の中心的な町で、大きな港がありそれなりの施設が整っています。

祇園神社から祇園橋を望む祇園神社から祇園橋を望む

その本渡で交通量が少なそうな道を辿ってやってきたのは祇園橋。

これは石造の橋ですが、昨日まで見てきためがね橋(アーチ橋)ではなく桁橋(けたばし)で、石造桁橋では日本最大とのこと。四角い石の橋脚は5本×9列=45本あり、その上に梁が渡され、その上に路面となる石が渡されています。

驚くことにこの橋は天保3年(1832年)架設でめがね橋の通潤橋や霊台橋より少し古く、材料が柔らかい砂岩である上に、あまりに単純な架構なので200年近くの歳月を持ちこたえているのが、どうにも信じられません。

殉教公園より本渡を望む天草キリシタン館より本渡を望む

天草といえば天草四郎と隠れキリシタン。そこで丘の上の殉教公園に上ることにします。

民家の脇をへこへこしつつ上れば、天草キリシタン館に出ました。ここには天草・島原の乱や隠れキリシタン関連の資料が展示されていて、本渡の街が一望にできます。ここが殉教公園だと思ってしまったのですが、実は殉教公園はこの下にあったようです。

明徳寺山門明徳寺山門

天草キリシタン館のすぐ近くには明徳寺(みょうとくじ) があります。このお寺は天草・島原の乱のあと、隠れキリシタンを改宗させるために建立された禅寺で、こうした目的のお寺はあちこに建てられたようです。

祇園橋を渡る祇園橋を渡る

殉教公園と明徳寺を巡ったあとは、キリスト教関係ということで本渡カトリック教会を覗いてから、祇園橋の近くの宿に向かいました。

自転車で渡る祇園橋は路面となる石板の間から下が見えるし、石と石の間の段差は大きいしで、結構怖いのでした。

鄙びた宿の食事は鯛ずくし。いや~、昨日も鯛だったんだけどね。(笑)

今日のコース、老嶽登山は調査不足で、またルートの後半に高みから天草の海を眺めるのは黄砂の影響で叶いませんでしたが、天草上島の山の雰囲気をたっぷり楽しむことができました。

◆ひとこと by ジーク

2001年の「紀伊半島周遊」に初参加して以来毎年欠かさず参加して今年で11年目! 普段はのんびり一人でポタっているので、こんなに速いスピードで何日も走り続けるのは年に一度のこのGW企画だけですが、イッパイの見どころと一日三度のごちそうに超満腹の「熊本・天草・雲仙・島原」でした。

相変わらず若きサイダー&サリーナ、さらに若いムカエル、超健脚のケロガメの4人と一緒に走るのは最年長のジークにとって大変で、その上今年は日数も距離も多分これまでで最長だったけれど、腹筋に少し張りを感じた程度で筋肉痛もなく島原まで辿り着くことができ、大いなる達成感を得ることができました。

昨年秋に行った「通潤橋」では見れなかった『放水』に合わせた行程が組まれていてうれしかった! その弩迫力には圧倒されました。2006年秋の一人旅「天草・雲仙・島原」と訪れた場所はいくつも共通していましたが、それらをつなぐコースのほとんどは同じでなく、いくつも道の中から綿密に検討されて選ばれたコースは多くの上りもあってツラかったけれど、その何倍もの楽しさと美しい風景~眺望があり、素晴らしい企画を満満喫させていただきました。

標高680mの雲仙温泉までの上りは忘れられないな…。

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uploaded:2011-05-18