石橋駅西口の時計台
週末は雨。この秋は週末になるとお天気が崩れるということを繰り返していて、この日も雨の予報でしたが、それが直前に好転。
ということで、栃木県の宇都宮近くの石橋駅に降りれば、西口からはまっすぐに商店街が延び、駅前にはドイツ風だという、からくり人形がダンスする時計台が。今日の案内人タカちゃんによれば、石橋はかつては宿場町で、一時ドイツ風の街づくりを目指した時代があり、この時計台はその名残りなのだそうです。
石橋駅近くの畑と林
その石橋駅から住宅地を抜けて東へ進めば、ほどなく周囲に畑や林が現れ出します。
このあたりの低地部にも紅葉がやってきているようで、大きなケヤキの木は赤くなってきています。
田んぼの中を行く
パラパラとあった住宅がなくなり空が広くなると、周囲は田んぼに変わります。すでに刈り取られた稲が再び芽吹き、青々とした葉っぱが延びています。
空は青い! 天気予報、当たったね。とルンルン進みます。
稲わら帽子?
ん、これはなんだ?
畑の中を行く
田んぼの次は畑。
道はまっすぐに延びていて、気持ちいい。
筑波山
南東を見れば遠くに筑波山がうっすらと見えています。
でもちょっと厚い雲が広がっていますねぇ。
白鷺神社
国道4号線のバイパスを越えちょっとした市街地に入ると、白鷺神社があります。
この神社は日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀っているとのことで、広い境内の中に10mほどありそうな大きな剣が奉納されていました。
鬼怒大橋
白鷺神社にお参りしたあとさらに東に進めば、すぐに鬼怒大橋に差し掛かります。
不思議なことにこの橋は二本に分かれていて、私たちが通っているのは北側に架かる上部に構造がない橋で、右手南側には11連のワーレントラスの橋が見えています。おそらく右手の橋が先に造られて、交通量の増大によりこちら側が新しく造られたのでしょう。
後ろの空は青いのに、行く手の空にはいつの間にか厚い雲が。あれ、天気予報は晴れだったんじゃあ?
真岡市街
鬼怒川を眺めつつ鬼怒大橋を渡っていると空から冷たいものがパラパラと降ってきました。
あの黒い雲がこちらにやってきたようです。真岡の市街に入る頃には雨は本降りとなってきました。さっきまで晴れていたのにねぇ。
真岡駅
雨宿りに駆け込んだのは真岡鐵道の真岡駅。
この一風変わった建物は蒸気機関車をイメージしたデザインだそうで、上部階は市の施設らしく、展望デッキや鐵道関係の展示、子供の遊び場などがあります。蒸気機関車が走っているビデオが流れていたので、かつてこの線を走っていたものかと思いきや、なんと現在でも土日祝日にはその蒸気機関車が走るのだそうです。
今日は日曜日、何時ごろ走るのかなと見てみると、下りが11時5分にありました。これはちょうどいい。ここから益子までのどこかで見られそうです。
真岡鐵道の線路沿いを行く
雨が小降りになったのを見計らって真岡駅を出発。
真岡鐵道の線路沿いを東に進めば、沿線は桜並木でいい雰囲気。しかし止みそうになった雨が再び強くなってきたので、民家の軒下をお借りしてまたまた雨宿りです。
真岡鐵道の一両編成の列車
そこにガタゴトと音をたたてやってきたのはたった一両だけのディーゼルカー。
赤と緑のカラーリングがなかなか良いではありませんか。
蒸気機関車がやってきた
そして反対側からは真岡駅のビデオで見た蒸気機関車、C1266がゴーッという音をたててやってきました。
小型の機関車ですが、実際に走っている様はなかなか迫力があります。目の前を過ぎ去ってからしばらくすると、獣の遠吠えのように、ッゥグヴォォーと吠えます。この吠え方もいいです。
実際に蒸気機関車が走っているのを見たのは数回しかないので、これは楽しかったです。
雨の中を益子へ
蒸気機関車は行ってしまったものの、雨はまだ上がりません。空を見上げてもすぐには改善しそうにありません。天気予報、はずれじゃないか! そんなんで、止むなく雨の中を益子に向けて出発です。
『あちゃ~、おしりがびっしょり~』 と喚きつつ走るペピーノ。9800円の自転車に泥除けは付いていないのでした。
五行川
線路沿いの道は五行川に突き当たって一旦おしまいに。
本来ならここから川を下り大前神社に寄るところなのですが、精神的な余裕がなくこの神社はパスすることにしてどんどん先へ進みます。川面には鴨がたくさん浮かんでいて楽しそうなのですが、私たちはそれを眺めて楽しむ余裕はまったく無し。しかし気温は20度以上と高いので、雨に濡れてもあまり寒さは感じないのが幸い。
益子の南の山
線路沿いに復帰すると周囲には畑が広がり、その先に紅葉が始まったこんもりした山が見え出します。
あの山は益子の南に位置するもので、もう益子が近いことを知らせてくれています。あの山の先にも山は続き、それらを越えると益子と同様に焼物で有名な茨城県の笠間です。ここまで平坦だった道のりですが、益子はこうした山の麓にあり、ちょっとしたアップダウンがありそうです。
益子付近の田舎道を行く
相変わらず田畑の中を行く鄙びた道が続き、時折大きな屋敷林を抱えた豪農の屋敷などが現れます。
案内人のタカちゃん先頭で、こののどかな道を進んで行きます。道はのどかなれど、まだ雨、降っているんだよねぇ~
小貝川
北山駅のところからR294号に入ると、さすがに益子近くだけありそれなりの交通量になり、ちょっとした建物も現れるようになります。
R294号からR121号に入ると小貝川に出合います。この小貝川沿いには自転車道があるので、R294号に入らず小貝川に出て自転車道を使うほうが快適そうですが、この時は雨だったので国道を進みました。R121号は小貝川を渡ったところでカーブしますが、そちらに向かわず益子駅西入口の信号から東に進むと益子のメインストリートになります。
どうやらこのあたりで雨はほぼ上がったようです。
益子の畑の中を行く
我らが案内人タカちゃんは益子のメインストリートは後回しにして、益子焼の窯元『よこやま』に向かいました。
R121号を離れると、そこは街中とは思えないような風景になります。黒い土に緑のきれいなラインの畑が広がります。しかしここはちょっとした上りで、よっこらしょ。
ちょっと砂利道
窯元『よこやま』は陶芸体験もできるところでレストランもあり、ここでお昼に。
工房を覗いたり茶碗を眺めたりしたあと、今度はペピーノの案内で益子の街中へ。そのペピーノ、昔あこがれの人が住んでいたところに寄りたいと、なんと雨上がりにもかかわらず、こんなダート道に。おいおい、やめてよね。
しかしこのダート道の周囲にはきれいな田畑が広がっていて、なかなかいい感じです。
益子のメインストリート
ダート道を下り、いよいよ益子のメインストリートにやってきました。
道の両側には焼物やさんが軒を連ねています。さすがに関東では有名な焼物の産地だけあり、観光客の姿もけっこうあります。この通り沿いには益子陶芸美術館・陶芸メッセがあり、優れた益子焼の作品を見ることができます。
共販センターのタヌキ
メインストリートの城内坂を上ってやってきたのがこちらの共販センター。いろいろな店が寄り集まって販売しているところです。
その入口にはで~っかいタヌキの焼物が。こんなのどうやったら焼けるの?
この共販センターで物色してもいいのですが、雨のため益子の散策時間が十分でなくなった私たちはタカちゃんとペピーノの案内で、有名作家の作品も見られて実用品も買えるという、現在益子で最大の窯元『つかもと』に向かいました。
紅葉の山と『つかもと作家館』
背後の山はいい色に色付いてきています。
益子焼は江戸時代の末期に、お隣の茨城県の笠間で修行した方がこの地に窯を築いたことから始まるとされ、主に日用品を作ってきたようですが、民芸運動の陶芸家であり人間国宝となった浜田庄司がこの地で作陶を始めたことにより有名になったようです。
浜田庄司氏が収集した作品を展示している益子参考館は街中にあります。つかもと作家館にもその浜田庄司を始め、有名な作家の作品が展示されていました。
つかもとの登り窯
一通りこうした作家の作品を眺めたのち、つかもとの工場の見学に向かいます。
この中で注目すべきは、なかなか目にする機会がない登り窯でしょう。土で造られたカマボコ型の窯が斜面に沿っていくつも連なっています。かつてはこうした窯で3日から5日もかけて焼物は造られていたのだそうです。その間薪を焼べ続けなければならず、火を入れたら最後、ずっと寝ずの番が続いたそうです。
益子から井頭公園を目指す
焼物の工場を見学し、ちょっと茶碗などを物色したあと益子を後にし、次の目的地、井頭公園に向かいます。
午前中の嘘のような雨の後は真っ青な青空が広がっていましたが、行く手には微妙な感じの雲が見えています。というか、この日の天気はあるところは青空、ちょこっとそこを外れると黒い雲という具合なのです。
田舎道
広い道を外れ田舎道に入ればそこは車はまったく通らない天国で、秋も終わりに近づいた今、周囲の田畑の多くは主な収穫を終え、翌春に向けて準備中です。
さっきまでいた益子の山が後ろに遠ざかって行きます。
日光の男体山
午前中のルート上から南東に目をやれば関東平野に聳える筑波山が見えましたが、ここで北西に目をやれば、日光の男体山が遠目に見えています。
このあたりは関東の有名な二つの山が見えるんですね。
青空と雲と田舎道
これまで明るかった空が急に暗くなり、見上げれば半分は青く、残りの半分は黒いという不思議な模様を空は描いています。
『また雲行きが怪しくなってきましたね~』 と案内人タカちゃんが先頭で井頭公園に急ぐ。
井頭公園
田舎道を抜けると井頭公園です。
この公園は大変広く、たくさんのプール、バードウォッチングゾーンなどがあり、その外周道路に入ると木々が色付いているのが見えだします。
池周辺の紅葉
公園の中に入ると、大きな池の周りではきれいな紅葉が見られました。
黄色いモミジの中を行く
『じゃあ、池の周りを一周しましょう。』
ということでぶらぶらしだすと、林の中ではモミジが黄色くなっていていい感じ。
山側から湖畔を見る
良く手入れされた林の先の湖畔は真っ赤。
井頭公園の湖畔
こちらは赤いモミジ。
モミジ
こんなふう。
モミジと池
こちらは黄色いモミジ。
雑木林
井頭公園で紅葉を満喫したあとは宇都宮に向かいます。公園の先の雑木林もいい感じです。
でもさっきから遠くでゴロゴロという音が。雷さまがやってくる?
再び田舎道
この近くには鬼怒川が流れその土手には自転車道がありますが、今回はそれは使わず田舎道を進んでみました。
後ろに雷鳴を聞きながら畑の中を飛ばせば、もこもこした葉っぱのキャベツや芽を出したばかりの麦が見られます。
R123新鬼怒橋
田舎道からR123号に出ると、さすがに宇都宮近くだけあり激しい交通量です。この道には広めの歩道があるのでこれを使わせてもらって宇都宮駅に向かいます。
鬼怒川が流れる新鬼怒橋に差し掛かると、赤い太陽が彼方に沈んで行きました。その上には真っ黒な雲が。
宇都宮駅前
宇都宮といえば餃子というくらいに有名になった宇都宮餃子です。ということで、もちろん最後はその餃子をいただきます。
有名店だという『宇都宮みんみん』の宿郷店にラッキーに入ることができました。焼餃子一皿240円也。パリッとしていてなかなかいけます。
今日のお天気には最後までやきもきさせられましたが、最後にあの真っ黒な雲がやってこなくて良かったよぉ~