1204-2

糸魚川-宇奈月+黒部峡谷トロッコ電車

北アルプス 二日目

開催日 2012年04月29日(日)快晴
参加者 ムカエル/ジーク/サリーナ/サイダー
総合評価 ★☆
難易度 ▲▲
走行距離 68km
累積高度 1,390m
地域 北陸

小川から後立山連峰の朝日岳を望む
小川から後立山連峰の朝日岳を望む

コース紹介

新潟県の糸魚川から富山県の宇奈月まで北アルプスの最北端を廻ります。

青海川を遡り、ヒスイ峡から林道橋立上路線を行く予定でしたがこれは雪のため叶わず、海岸のR8を行かざるをえませんでした。 R8は交通量が多く狭いので自転車には最悪の道ですが、途中の親不知コミュニティーロードから見る日本海はきれいです。

横尾から内陸に向かえば、正面に立山連峰の山々、左手には後立山連峰の朝日岳が見え出します。 黒部川の発電所を眺めながら辿り着いた宇奈月からは、トロッコ電車で秘境といわれた黒部峡谷を遡ります。

最後はもちろん宇奈月温泉でアプゥ〜

本コースの評価はR8を通らざるをえなかったため低くなっていますが、R8以外のところはなかなか魅力的です。

Googleマップでルートを表示
総合データ(GARMIN Connect:ルート、高度、速度など。ダウンロード可)

発着地
標高
累積距離 発着時刻 ルート 備考
糸魚川
5m
START 発07:00 一般道 たつみ旅館
青海
15m
10km 着07:50
発07:50

r155橋立青海線
青海川
撤退箇所
140m
16km 着08:40
発08:40

r155橋立青海線
この上の青海川の硬玉産地(天然記念物)を目指したが雪のため撤退
青海
15m
22km 着10:20
発10:30

R8
親不知ピアパーク
0m
30km 着10:00
発10:05

R8
親不知コミュニティーロード
60m
35km 着10:40
発10:50

自転車歩行者道
景色が良い
境関所
5m
42km 着11:15
発11:25

r374
越中宮崎
昼食  5m
43km 着11:50
発12:10

r60
栄食堂 たら汁
横尾
15m
48km 着12:30
発12:30

r102
新川小川橋
70m
52km 着12:50
発12:50

r102
朝日岳が良く見える
舟見
155m
59km 着13:35
発13:35

r13
北の交差点にコンビニ
舟見往来の松
愛本橋
140m
61km 着13:40
発13:40

r13
黒部川
愛本発電所
宇奈月駅
220m
68km 着14:15
発14:56

トロッコ電車
宇奈月-笹平往復1,120円
進行右側に景観、山彦橋、宇奈月ダム、新柳河原発電所、仏石、後曳橋、
笹平駅 着15:25
発15:46

トロッコ電車
水路橋
宇奈月駅 着16:14 やまびこ展望台、黒部川電気記念館
泊/フィール宇奈月★★ 6,990円朝のみ
日の入り18:11/黒部渓谷鉄道/軌道0.762m/黒部・宇奈月温泉観光局富山県冬期閉鎖道路

あれが北アルプスかあれが北アルプスか

今日は黒部渓谷をトロッコ電車で行く予定です。

ここ糸魚川からトロッコ電車の始発駅のある宇奈月までは海岸沿いのR8を使うのが最短ですが、そのR8はいかにも走りにくそうな道なので、内陸のルートを採ることにしていました。 ここ糸魚川はヒスイが取れることでも有名で、内陸にはヒスイ峡なるものがあるのでそこを尋ね、さらに小さな山越えをすることで海岸沿いのR8を使わずに済みます。

宿の方にこのルートの状況を聞くと、雪でまだ通れないと思う、とのこと。 ありゃりゃ。。

しかしこれが通れないとなるとR8しかありません。 昨日は前日に除雪されたばかりの道を通ったのですから、ここももしかしたらすでに除雪されているかもしれない、との期待を持って、とりあえずヒスイ峡へ向かうことにしました。

糸魚川から西に向かうと、まず雪を残すがっしりとした山が見えてきます。 あれは黒姫山でしょうか。 そしてさらにその先に小さく見える真っ白な山はきっと朝日岳。 北アルプスこと飛騨山脈の北端の山々です。

今日のルートはあの山々の裾野をぐるりと廻って、向こう側に流れる黒部川を宇奈月まで遡るのです。

姫川と頸城山塊姫川と頸城山塊

その黒姫山を目掛けて進めば、糸魚川の街外れで姫川の流れに出合います。 ここ糸魚川は『塩の道』の起点であり、かつては塩を始めとする多くの物資がこの姫川沿いに、長野県は松本あたりまで運ばれていたようです。

その川上を見れば、昨日楽しませてもらった頸城山塊が。

中央やや左に突き出ているのは妙高山かな。

お決まりのダートお決まりのダート

裏道を選んで走っていたら、まずは妙な臭いのする化学工場の脇を行くはめになり、お次ぎは最近では必ずあるとされるダートに突入。

朝からちょっとした試練が続きます。 しかしそれも慣れたもので、

『やっぱりこうなると思ってた〜。 だってサイダー道だからねぇ〜』 とムカエル。

青海川青海川

しかしなんとか青海川まで辿り着きました。

ここからは青海川沿いを山へと向かい『青海川の硬玉産地』を目指します。 『青海川の硬玉産地』はまたの名を『橋立ヒスイ峡』ともいい、40個ほどののヒスイの原石があるそうです。

青海川河口から黒姫山を臨む青海川河口から黒姫山を臨む

青海川沿いの道は桜並木。 昨日巡ったところの桜は満開のところが多かったのですが、ここの桜はほぼ終わりです。 並木の先には黒姫山がデンと座っています。

その黒姫山目掛けて青海川を遡れば、あれれ、なんかおかしい・・・

青海川沿いの道はどうしたわけかそのまま、電気化学青海工場の敷地内へと入ってしまうのでした。 確かに道脇にはそれらしい標識はありました。 でもこうした場合、一般的にはゲートがあるとか守衛所があるんじゃあないの?

途中出会った工場の方も何も言わないので、ここはこのまま進ませてもらうことに。 しかし、大型トレーラーがやってきたりで、ちょっと怖い。 ここは迂回しましょうね。

青海川と黒姫山青海川と黒姫山

なんとか工場を抜けると、黒姫山が間近に迫っていました。

道は穏やかな2〜3%の上り。

すぐ隣を流れる青海川は石灰分が混じっているのか、薄い青緑が少し白く濁っていて、翡翠色をしています。

青海川をどんどこ青海川をどんどこ

先に見える黒姫山はその中腹から山頂に掛けて少し雪が残っているものの、走っている道脇に雪はなし。

これならもしかしてヒスイ峡から先も行けるかも、という期待が湧いてきます。

黒姫山の先にもう一つ山が現れる黒姫山の先にもう一つ山が現れる

青海川は少しずつその流れを変え、先に見えていた黒姫山がいつの間にか真横になると、山間には名の分からないさらなる山が現れます。

道の勾配は相変わらず2〜3%とジオポタ向きの上りが続きます。 その道が二手に分かれ、一方は黒姫山の登山口へ、もう一方はヒスイ峡へ向かいます。

ヒスイ峡方面の標識に導かれて入った道はいきなり上りで、10%はおろか15%はあろうかという激坂が現れます。

ヒスイ峡への道は通行止めヒスイ峡への道は通行止め

その激坂を黒姫山を左手に見ながら、歯を食いしばってよたよたと上ります。

ようやく勾配がなだらかになったと思ったら、その先にあったのは残雪の前に建つ全面通行止の標識。 あ〜りゃまぁ。。 しかしどういうわけか、そのゲートの端が開いています。 ん、これはひょっとして、通れますよ、という合図?

ここで、『おいらがちょっくら様子を見てくる〜』 と摂行役にはちとあやしいムカエルが様子を見に行きます。

後ろに黒姫山後ろに黒姫山

しばらくして戻ってきたムカエル、『行けるみたい〜』 ということで、とにかく先へ進んでみます。

ムカエルのいう通り、ゲートのところ以外この先にはしばらく雪はないようです。

青海川の谷はいつの間にか深くなり、黒姫山はその対岸で頂上を低くしています。

残雪の中ヒスイ峡へ向かう残雪の中ヒスイ峡へ向かう

通行には問題ないものの、道端には再び雪が現れるようになります。

その近くでカモシカの死骸を発見。 崖から落ちて死んだ?

足元の雪が続くようになりますが、もう『青海川の硬玉産地』、ヒスイ峡は近い。

これならどうやらヒスイ峡までは行けそう。

と思った途端、

ぎりぎり雪の脇を通り抜けるぎりぎり雪の脇を通り抜ける

ほぼ道路いっぱいに雪が積もっています。 これはそろそろ撤退か。

しかし先頭ムカエルはガードレールと押し寄せる雪の間のわずかな隙間を抜けてなんとか進んでいます。

雪に阻まれる雪に阻まれる

しかしその直後に待っていたのは・・・

ここから先は完全に雪が道を覆っています。 どこまでも続く雪の道!

ヒスイ峡へ向かう真砂橋まではあとわずか。 しかしここを担いでたとえそこまで辿り着いたとしても、その先の林道橋立上路線で標高640mの大平峠を越えることは絶望的です。

残念ながらここで撤退決定。

清水倉の集落清水倉の集落

来た道を戻れば、最後の集落清水倉の桜は満開でした。

ここはさっき通ったのに上りで喘いでいて、このきれいな桜に気が付かなかったようです。

青海川と黒姫山青海川と黒姫山

激坂を下ればあの翡翠色の青海川が待っています。

この穏やかな下りは快適。

そして今度は工場に入ることなく、その東を走る道で日本海に出ました。

ここで前半の舞台となった青海川と黒姫山に別れを告げます。

これからは海岸沿いに、R8で西に向かうしか手はありません。

青い日本海と青い空青い日本海と青い空

昨日に引き続き今日も快晴。 日本海はまるで真っ青な空の色を映しているように青い。

海と空は素晴らしいのですが、R8は狭く交通量が多くてとても走りにくい。

左手には山が迫り、右手は海。 どこかに逃げ道はないかとところどころ覗いてみますが、山側にも海側にもまったく道はありません。

行き止まりの歩道行き止まりの歩道

R8には基本的に歩道がなく、トンネルやスノーシェルターがあちこちに現れます。

そんなところの一つで、ここには歩道があって助かった、と思ったら、それは予告もなく行き止まりになり、そこからは車道にも出られないというひどい設計。

道の駅親不知ピアパークから見る投げ岩と鬼けり岩道の駅親不知ピアパークから見る投げ岩と鬼けり岩

親不知(おやしらず)駅の手前でこのR8を脱出し、ほっと一息付いてr525で道の駅親不知ピアパークへ。

このあたりは断崖が続く海岸で、親不知・子不知と呼ばれており、昔は越路(北陸道)の最大の難所だったそうです。

 親しらず 子はこの浦の波まくら 越路の磯の あわと消えゆく --詠 平頼盛夫人とされる

親不知ピアパークはかなり賑わっている道の駅で、その前には小さな浜辺があり、先には投げ岩と鬼けり岩と呼ばれる二こぶ岩を海の中に見ることができます。

古いトンネルを行く古いトンネルを行く

道の駅からはまたもR8が続きます。 2kmほど行くと山側に古いトンネルが現れました。

これ幸いとばかりに、このトンネルを進みます。 しかしトンネル内はビシャビシャでどろんこ。 これはたまらん、とジークが引き返し、サイダー、サリーナも撤退。 先頭のムカエルは後方の様子を知らないらしく、果敢に進んで行きます。

ムカエル以外の三人はR8を進み、トンネルの出口へ向かいます。

親不知親不知

ここからR8は上りとなり、スノーシェルターを抜けるとその先には小さな展望台があり、これぞ親不知という景色が。 絶壁の先に真っ青な海。

しかし、ムカエルが行ってしまったトンネルの出口はここにはありません。 どう見てもそんなに長いトンネルではないし、第一こんなに上るとは考えにくい。 どこか下のほうにでも道があるのだろうかと探してみると、小さな谷間にトンネルの出口が見つかりました。 大声でムカエルを呼ぶと、出口近くから反応が。 なんとかムカエルとコンタクトを取ることが出来、戻ってこちらに来るように指示します。

このトンネルはR8の旧道ではなく、かつて鉄道が通っていたもののようです。 ですからR8とは違ったところに出ていたのですね。

親不知の青い海親不知の青い海

ここの海は波がなく穏やかで、神秘的なエメラルドグリーンに輝いています。

この素晴らしい海を眺めたあとは、ちょっとした上りとなります。

親不知コミュニティーロード親不知コミュニティーロード

えっこらよっこらと上る脇を車がたくさん追い越して行きます。

もうR8はたくさん、と思う頃に崖っぷちを行く道が現れました。

この道を進めば、先ほどの展望台と同様な素晴らしい景色が続いていました。

コミュニティーロードから見る日本海コミュニティーロードから見る日本海

親不知コミュニティーロードの標識があるこの素敵な道は、わずか1kmほどしか続きませんが、とても気分よく走れます。

市振の集落市振の集落

親不知は急峻な崖が海まで迫り出ているのでほとんど集落はありませんが、東は青海に始まり、中程に歌、外波、そして市振(いちぶり)が西の端となります。

市振の集落は海に面して広がっていますが、歌と外波は川沿いに細長く内陸に延びていて、海には僅かしか面していません。 この二つの村には周囲から崖が迫り、海に面して集落が作れなかったことが伺えます。 それだけここは大変な地形なのですね。

境の集落境の集落

市振の先の道の駅で一服したあと、もし山越えをしていたら出たはずだった境川に架かる境橋を渡り、そしてようやくR8から逃れ、境の集落に入ります。

かつては街道だったに違いない集落の中を走る道はまっすぐに延び、その両側にいい感じの民家が並んでいます。

関の館・境関所跡関の館・境関所跡

遠くから、太鼓の音や歌声が聞こえてきます。 どこかでお祭りでもしているのかと思ったら果たしてその通りで、その会場はかつて関所があった所に建つ、関の館でした。

この関所は越中国(現富山県朝日町)と越後国(現新潟県糸魚川市)の国境に加賀藩が設けたもので、当時は箱根の関所の倍の規模があったといいますから、相当のものだったようです。

ここでは特産品の販売と伝統芸能の披露などのイベントが行われていました。

越中宮崎のたら汁越中宮崎のたら汁

このお祭りを覗いたあと境の集落を出るとすぐ、またあのR8にぶつかりますが、その道端にはあちこちに『たら汁』の看板が。 ここ越中宮崎あたりは翡翠が拾えるヒスイ海岸と『たら汁』で有名なのだそうです。

ということでそれらの食堂のうちの一つでお昼にしました。

鍋いっぱいのたら汁はなんとこれで二人前。 四人で食べても食べ切れないほどの量でした。

越中宮崎付近のr60越中宮崎付近のr60

午後の部は日本海を見ながらさらに西へと向かいます。

たら汁の食堂からはR8を進んでしまいましたが、この海側には松並木のある良さそうな道が通っていました。 たぶんそちらの方が快適だったに違いありません。

越中宮崎駅を過ぎた所で海沿いを行くr60に入ると、足元には赤や黄や白のチューリップや水仙が咲き乱れています。 ここはあまり車が通らない静かな道でした。

笹川笹川

泊の手前で笹川を渡ると急に平地になります。 この平地はこれから向かう黒部川が作り出した扇状地です。

ここから日本海を離れ、北アルプスの裾野を廻るようにして内陸へ向かいます。

先に白い山々先に白い山々

横尾から山と平野の境を南へ進めば、先に雪を残す山々が見えてきます。

方角からすればあれは、黒部川の向こう、立山連峰の末端でしょう。

今日の終着地宇奈月はあの山々の下にあるはず。

ここからは穏やかな上りです。

田んぼと重なる山並み田んぼと重なる山並み

進むにつれ山は微妙に姿を変え、新しい山が姿を現します。

一番奥の山が立山連峰なら、その手前で左に延びて行くのは黒部川の手前にある後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)に続く山々でしょう。

山に近づく山に近づく

田んぼの中の一本道は一番遠くの白い山に向かって延びて行きます。

朝日岳朝日岳

突然左手に視界が開けると、その先には後立山連峰の朝日岳が。

『小川』という名の小川を渡り、

田んぼの中の一本道を行く田んぼの中の一本道を行く

田んぼや畑の中のまっすぐな道を進んで行きます。

舟見の集落舟見の集落

この道がr13に合流し舟見の集落に入ると、両側に民家がびっしり建ち並ぶようになります。

伝統的な建物や立派な観音様もあり、ここは旧街道だったかと思わせる節があります。

舟見往来の松舟見往来の松

その集落を抜けたところに一本の松。 これは舟見往来の松と呼ばれるようです。 こうした名の松があるということはやはりこの道はなにがしか歴史あるものに違いないと思い、後で調べてみると、ここはなんと北陸街道の一部でした。

北陸街道は加賀藩の江戸往来の為に整備された道で、北陸路、また加賀藩では単に往還とも呼んだそうです。

そして先ほどの舟見にはかつて本陣や脇本陣が置かれていたとか。

明日から黒部川へ明日から黒部川へ

明日(あけび)の集落が近づくと先の山々がはっきりしてきました。

手前の左へ延びて行く低い山とその向こうの雪山の間に黒部川は流れています。

愛本発電所愛本発電所

r13が黒部川に差し掛かり、赤い愛本橋を渡ると本日もいよいよ終盤。 ここから関西電力の黒部川発電所シリーズが展開されて行きます。

まず愛本橋のすぐ上流にあるのが愛本発電所。 1936年(昭和11年)に運用開始されたこの発電所こそ、関西電力の黒部川水系の発電所としては最も古いもの(かつては黒一ともされる柳河原発電所があったが)で、かつ最も下流にあったものらしい。

愛本橋から上流には川の両側に道があり、右岸の愛本発電所側の方が交通量が少なそうなのですが、そちらはいきなり激坂が現れたので気が萎え、左岸のr13を進みます。

愛本発電所を対岸に見ながらさらに1km少々進むと、山間に古そうな水路橋が見え、その下に音沢(おとざわ)発電所が現れます。

黒部川と立山連峰を見ながら進む黒部川と立山連峰を見ながら進む

ここで右岸へ渡ろうとすると、なんと雪崩で通行止め。 雪、ないようだけれど・・・

仕方なく引き続き左岸の道を進みます。

黒部川は北アルプスの立山連峰と後立山連峰の間を分け入ります。

左手に黒部川、正面に立山連峰を臨みながらゆっくり高度を上げて行くと、右手を宇奈月温泉へ向かう富山地方鉄道本線の列車が通り過ぎて行きます。

トロッコ電車トロッコ電車

一上りして、黒部峡谷を行くトロッコ電車の始発駅、宇奈月駅に到着。

このトロッコ電車はここから20.4km先の欅平駅まで行くのですが、今年は積雪量が多く全線開通はまだ先で、4月末までは全長の1/3ほどのところにある笹平駅までしか行かないといいます。

しかしせっかくだから少しだけでも黒部峡谷を覗いてみようと、乗り込みます。 軌間は762mmと狭く、遊園地を走るお猿の電車とそう違わないようにも見えて、かわいらしい。

ここでこの路線の歴史を紐解けば、それは日本電力による黒部川の電源開発のために資材運搬用として、大正時代の終わり頃に宇奈月 - 猫又間に敷かれたもので、最終的には黒部川第三発電所(1940年(昭和15年)運用開始)建設のために、1937年(昭和12年)に今の終着駅でもある欅平まで開通しました。 当時から旅客を便宜的に乗せていたようですが、その切符にはなんと生命の保障はしない旨が記されていたというからびっくり。

新山彦橋から山彦橋を臨む新山彦橋から山彦橋を臨む

客車には窓のないオープンカーと窓付きのものがありますが、暖かなこの日、私たちはオープンカーに乗車。 トロッコはガタンゴトンと音を立てて宇奈月駅を出発すると、すぐに新山彦鉄橋を渡ります。  下には今は歩道橋になっている山彦橋と黒部川の流れ。

その先にはトンネル。 このトンネルの壁はトロッコが擦っちゃうのではないかと思われるほど近くにあり、ちょっと恐ろしい。

そのトンネルを潜り抜けた先には宇奈月ダムが現れ、西洋のお城のような形の新柳河原発電所の脇をすり抜けて行きます。

宇奈月ダム付近宇奈月ダム付近

妙な吊橋が見えるとそれはお猿さん専用だって。 石仏橋の脇には仏様に良く似た天然の岩。

森石橋を渡ると最初の停車駅黒薙駅に到着。

宇奈月の温泉はここ黒薙から引かれており、その源泉はこの駅から1kmほど奥にあるようです。 かつてこの黒薙温泉まで続いていた山道を利用してこの路線は築かれたようです。

笹平駅より笹平駅より

この沿線で最も高い橋、後曳橋(高さ60m、長さ64m)を渡れば、ここは高所恐怖症の私は本当に後ろに身を曳く思いです。 ここで『生命の保障はしない』という切符が脳裏にちらつきます。 もちろん現在の切符にそんなことは記されていませんが。

脇にはレトロな水路橋。 きっと発電所用ですね。 で、あっという間に折り返しの笹平駅に到着。

今回は残念ながらここから先には進めませんが、この路線の本来の終着駅の欅平の先にはエレベーターと上部軌道と呼ばれる路線が黒部川第三発電所建設時に仙人谷まで敷かれました。 そしてこれは『くろよん』の折りに黒四発電所前まで伸延されています。 しかしこの上部軌道は関西電力専用で一般的に乗車することはできません。

新山彦橋を渡るトロッコ電車新山彦橋を渡るトロッコ電車

上部軌道があるなら下部軌道もあるのか。 もちろんあります。 それは今私たちが乗ってきたトロッコ電車のことです。

黒部川第三発電所建設は過酷を極め、温泉が沸き出す165°Cにも達する高熱地帯でトンネルを掘り進む様子が、吉村昭著『高熱隧道』に詳しく描かれています。 欅平から先には恐ろしい断崖絶壁を行く、『下の廊下』と呼ばれる日本電力歩道がありますが、これも黒部川第三発電所建設の時、測量用、資材運搬用として開かれたものだそうです。

宇奈月に戻って、やまびこ展望台から新山彦橋を最終のトロッコ電車が渡るのを眺めたあとは、温泉であぷぅ〜っと一日の汗を流しました。 宇奈月温泉は富山県随一の温泉街なのです。

この日の前半はうまく行きませんでしたが、最後の黒部峡谷を行くトロッコ電車は楽しく、R8の悪印象を帳消しにしてくれました。

さて、明日はここから立山を廻って、黒部ダムへと続く黒部アルペンルートのスタート地、立山駅近くまで走ります。

◆ひとこと by ムカエル

GEOポタメンバーの中で自他とも認める(?)なーんちゃって体育会系の小生ですが、今回の企画には2つの点で不安要素がありました。

一つは2月のゲートブリッジ企画以来自転車に全く乗っていない事、もう一つはGEOポタのメーリングリストでジークが「大変な坂道じゃ〜」と言ったらサイダーが「日本アルプスに行くのだから当たり前じゃ〜」とレスした事。 昨年秋に罹った坐骨神経痛はほぼ完治したとは言え、今回のコース、そもそも毎日の行程がかなり難易度が高いのです。 通常のポタはせいぜい50-60km/dayの距離ですが、今回は連日の70km超え。 最終日は80km以上でおまけに全部山岳コース。 果たして無事走りきる事が出来るか、、、、と思って居りました。

結果は何とか走りきる事が出来ましたが、連日宿についてお風呂に入って食事をしたらバタンキュー。 夕食後の宴会を楽しむ余裕などこれっぽっちもありません。 しかも毎朝7時過ぎには出発(距離が長めだから早く出発しないと日のあるうちにたどり着けなくなってしまう)と言う正に体育会系のスケジュール。 ただしコース途中に広がる景色は絶景の連続。 雪をかぶった山々のなんとも壮大な事。 足に無理をいわせた甲斐があったと言うものです。

お天気にも大変恵まれましたし、野生のカモシカにも出会えましたよ。(大嫌いなヘビにも!) やっぱりGEOポタのルートは絶品です。 但し帰宅してから3日間程は筋肉痛と肉体疲労で巣篭もり状態になったのでした。 あ〜、やっぱしフロントギアを少し落とそうかしらん? あっ、そう言えば帰ってきてからまだ洗車もしてないや。 へへへ。 又行こうぜぃ。

PS:ルート作りはなるべくヘビの居ないルートをお願いします(←結構マジです)

< 前日へ 北アルプス TOP 翌日へ >
日本自転車コースリスト GEO POTTERING home
GEO POTTERING trademark
GEO POTTERING
uploaded:2012-05-10