関東地方は茨城県。茨城の冬といえばアンコウでしょう。というわけで、アンコウを食べに出かけます。アンコウの本場は北部ですが、そこまではちと遠いので、南部の神立駅近くのアンコウ屋さんに決定。
この周辺には筑波山や霞ヶ浦があり、のどかな田畑が広がっています。自転車ルートはこれらを全部楽しむべく、前半は土浦駅から『つくばんりんりんロード』で田畑の中を快走します。
土浦駅の西口から400mほど北に向かうと、高架の下にりんりんロードの起点があります。りんりんロードはここから筑波山の麓を通り、桜川市まで40kmに渡り続いています。
つくばりんりんロードは愛称で正式には桜川土浦自転車道線というらしいのですが、標識の多くは筑波自転車道となっています。
まずは市街地の中を大きなカーブを描いて進んで行きます。
程なく川を渡り、対岸の一般道を50mほど走ると、
今度はまっすぐなりんりんロードに入ります。りんりんロードはところどころで一般道を渡りますが、大きく途切れているのは、先ほどの川のところだけで、あとは快適に進みます。
徐々に建物が少なくなり、周囲は田んぼに変わります。R6の高架に差し掛かると、その上から筑波山が頭を出しているのが見えます。
このあたりはレンコンの栽培で有名なところで、田んぼに混じって、ところどころにレンコン畑が現れます。
平らで真っすぐで、周囲は田んぼという、ある意味では理想的な自転車道が続きます。
先にちょっと黒っぽい煙りが見えます。いったいなんでしょう?
りんりんロードの脇は何も植えられていないところもありますが、桜並木になっているところもけっこうあります。桜の季節の筑波山もいいでしょうね。
手前の森のうしろになってしばらく姿を隠していた筑波山が再び見え始めます。(TOP写真)ここは空が広くて気持ちいい。
筑波山の周囲は遠くから見るとまったく起伏がないように見えますが、この写真のように丘とまでは呼べないような、ごく小さな起伏があります。
もっとも、りんりんロードはその起伏とはまったく関係なく、真っ平らです。
その平らな自転車道を、野球部の部員が数人カッ飛んで行きました。どこかに急いでいるのかな、それとも練習? まあ、どちらにしてもこの道は、地元の人が有効に使える自転車道だということでしょう。
先ほどから見えていた黒い煙りが近づいてきました。なんとその煙りは野焼きのものだったのでした。
私が子供の頃はそこら中で見ることができた野焼きですが、最近はほとんど目にすることがなくなりました。ここは村人総出で行っているようで、あちこちから煙りが上がっています。
煙りの中を抜けると、先の山陰から二つの頂が。あれれ、あれが筑波山みたい。
さっきまで筑波山だと思っていた山はその手前の山だったのです。もっともこれも筑波連山の一つには違いないのですが。
ここはちょうど野焼きが終わったところのよう。
筑波山の二つの頂、左の男体山(871m)と右の女体山(877m)がはっきり見えてきました。筑波山は女の方が背が高いのです。
りんりんロードにはこれといった見どころはありませんが、唯一の見どころといえるのが国の史跡となっている小田城跡です。この時は工事中で入れませんでした。ここは以前来た時も工事をしていたのですが、長期の発掘調査でもしているのでしょうか。
りんりんロードはかつて筑波鉄道が通っていたところで、現在も当時のプラットフォームが何か所か残されています。ここもその一つです。
筑波山がだいぶ大きくなってきました。
ここで本日の第一部のりんりんロードを離れ、第二部の不動峠の上り口にある大池に向かいます。
大池公園の中にある大池は中央に小島があり、鴨が泳ぎ、水面には蓮の実がびっしりと浮かんでいます。
大池で一休みしたあとは本日の第二部に突入、不動峠に向かいます。この峠は筑波連山のうちの一番南に位置する山の北側を東西に抜けるr183石岡つくば線と、筑波連山の稜線を縦走するr236表筑波スカイラインが交差するところにあります。
田んぼの中に浮かぶようにして聳える筑波山は、ここからが山というのが見て取れるのが面白いところです。
その山に入れば序盤はかなり穏やかな上りで、落葉した広葉樹がいい感じです。
谷側は開けていて明るく、気分よし。
この道は一般道ですが、この日はほとんど車は通りませんでした。これもこの峠を快適に感じさせる要因の一つです。
広葉樹がなくなり周囲が針葉樹になると、路面が少し荒れてきて、斜度もぐっときつくなります。
針葉樹林になってから不動峠までは、あまり視界は開けませんが、それでも何か所か眺望が得られるところがあります。
峠までは4kmで300m弱の上りで、平均勾配は7%ほど。勾配は比較的安定しており、きついところでも10%程度と、この峠道はかなり上りやすいといえます。
う~ん、でもおいらにゃ、きつい~
というところで、一踏ん張りすれば、再びいい景色。
谷側に不動峠の名の由来となった不動明王が見え、そろそろ峠に着くんじゃあない、というところで、道脇に勾配10%の標識が現れます。ここの実勾配は10%を超えていると思いますが、この標識から200mほどで峠に着くので、足を付かずにエッコラヨッコラ。
不動峠は高架になっているr236表筑波スカイラインの下で味気ないのですが、すぐ横にちょっとした展望がある東屋があります。
この東屋で休憩したら、東側の旧八郷町に下ります。
この東側の勾配は西側よりきつく、路面も少し荒れているところがあるので、慎重に下ります。
上りは40分もかかったのに下りは15分とあっけないのが、峠というものですね。
旧八郷町の小野越は不動峠の東側の上り口ですが、ここの周囲の山は里山という雰囲気で、趣があります。
旧八郷町は田んぼと筑波山の素晴らしい景色に加え、茅葺き屋根の民家がたくさん残ることで知られています。
ここは辻にある国の文化財に指定されている坂入家です。
辻からはフルーツラインで南に向かい、柴内のそば屋でお昼に。
午後の部はこのままフルーツラインで山越えをすることもできますが、全員、もう山はいい、というので、東に流れる恋瀬川の温和な自転車道を行くことにします。
恋瀬川に向かう途中の弓弦(ゆづり)にもう一軒、茅葺き民家があったのを思い出したので、寄ってみることにしました。ここも健在で残っていました。
午前中のりんりんロードからは筑波山を南から眺めていましたが、午後は東から眺めることになります。ここからは男体山と女体山の二つの頂が、ちょうどいいバランスで見えています。
恋瀬川までは田んぼの中のカントリーロードを進みます。ここには自転車道はないけれど、こうした道はみんな自転車道のようなものです。
田んぼの中を進んで行くと、いつの間にか筑波山の二つの頂が重なり、一つになっていました。
昼食後、カントリーロードを7kmほど楽しむと、恋瀬川に出ます。恋瀬川はこの少し北に源を発し霞ヶ浦に流れ込みますが、ここではまだほんの小さな小川です。
本日の第三部は、この恋瀬川の土手に延びる自転車道を行きます。
恋瀬川は小さな川で延長は28km足らず。このあたりは土手のススキで、川面はほとんど見えません。
この細い恋瀬川に続く恋瀬川自転車道もまた狭く、総じて1m強ほどしかありませんが、それがまた魅力の一つになるから不思議です。
JR常磐線の高浜駅の近くで恋瀬川に天の川が流れ込むと、川幅が急に広がります。r221に架かる橋からはその広くなった恋瀬川と、再び二つの頂となった筑波山がよく見えます。
JR常磐線の高架をくぐり抜けるころには自転車道もなくなり、田んぼの中を進むようになります。振り返れば、あの筑波山が遥か彼方に。
さて、その田んぼの突き当たりにあるのが霞ヶ浦で、ここで恋瀬川は霞ヶ浦に流れ込み、終わりとなります。
恋瀬川が広がった霞ヶ浦を眺め、ほんの少しだけその土手上を進みます。
霞ヶ浦からはカントリーロードで終着地の神立駅を目指します。
このカントリーロードがまた、畑の中のとてもいい道なのです。
いや~、今日はりんりんロードも不動峠も、そのあとのカントリーロードも恋瀬川も、そしてこの田舎道も、すべてが良かった。
ということで、すべてに満足して終着地の神立駅に到着です。
そして本日の第四部は、アンコウです。宴会専門隊のマーコン、ペタッチ、そしてルビオも加わり、あんきも、共酢に始まり、唐揚げ、アンコウ鍋とおいしくいただきました。