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蔵のまち栃木・太平山・渡良瀬遊水池

開催日 2014年04月12日(土)快晴
参加者 ムカエル/コンタ/サイダー
ビジター プロちゃん
総合評価 ★★
難易度
走行距離 54km
地域 関東

謙信平からの眺め
謙信平からの眺め

コース紹介

蔵の街栃木を散策し、新緑の太平山をハイキング。謙信平から関東平野を眺め、田圃の中をみかも山公園へ。渡良瀬川の自転車道から渡良瀬遊水地に入り、谷中湖を巡ります。栃木市内から太平山までは5%強の坂が3kmほど続きます。

動画(06'21" 音声:ごく一部にあり)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻 ルート 備考
栃木駅
30m
START 発09:10 一般道 東武日光線/浅草07:10→08:26栃木/967円
JR/池袋07:36特急→08:46栃木/2,850円
幸来橋
45m
1km 着09:25
発09:30
一般道 巴波川、塚田歴史伝説館
蔵の街遊覧船/20分/500円
栃木市役所別館
45m
4km 着10:10
発10:15
一般道 県庁堀
太平山神社 随神門
230m
10km
(0km)
着11:00
発11:05
ハイク 茶店、WC
富士浅間神社に向かう途中に奥社
富士浅間神社
340m
(1km) 着11:40
発12:15
ハイク 太平山山頂(345m)はこのすぐ裏
太平山神社 随神門
230m
(2km)
10km
着12:30
発:12:30
一般道
謙信平
245m
10.5km 着12:35
発12:50
林道下皆川線 眺望、WC、茶店
弁当休憩に最適
大中寺
100m
14km 着13:30
発13:50
一般道
おおひら郷土資料館
50m
15km 着13:55
発14:35
一般道 白戸家戸長屋敷
200円(お茶付)
みかも山公園
35m
25km 着15:10
発15:15
一般道 自転車乗り入れ禁止、WC、売店
渡良瀬川
30m
30km 着15:30
発15:30
自転車道
板倉グライダー
滑空場 35m
35km 着15:50
発16:00
自転車道
渡良瀬遊水地
20m
43km 着16:25
発16:35
園内路
一般道
展望塔、WC
古河駅
20m
54km 着17:10
矢まと
JR東北本線
日の入り18:09/栃木市観光協会

巴波川→塚田歴史伝説館→幸来橋→郷土参考館→蔵の街観光館→山車会館→蔵の街美術館→栃木病院→例幣使街道→岡田記念館→山本有三ふるさと記念館→あだち考古館→横山郷土館→栃木市役所別館→県庁堀

塚田歴史伝説館:09:30~ 700円、木材回漕問屋
郷土参考館:10:00~ 歴史資料、市ゆかりの芸術家の作品
蔵の街観光館:09:00~「八百金」の名で知られた荒物・麻苧問屋田村家、観光案内所
蔵の街美術館:09:00~ 300円、江戸時代庶民の困窮を救った善野家の「おたすけ蔵」
岡田記念館:09:30~ 700円、嘉右衛門町の町名の由来になった豪商
あだち考古館:10:00~ 400円、呉服問屋、歌川広重「東海道五十三次」、喜多川歌麿「山姥と金太郎」
横山郷土館:10:00~ 500円、麻問屋、両袖切妻造

栃木駅栃木駅

都心の桜は終わりましたが栃木の山はまだ見頃だというので、太平山(おおひらさん)を中心に据え、その前後に蔵の街栃木と雄大な景色の渡良瀬遊水池を配してみました。

巴波川と塚田歴史伝説館巴波川と塚田歴史伝説館

まずは栃木市内の観光です。栃木駅から北に向かうとすぐ、巴波川(うずまがわ)の流れに出会います。

栃木は江戸時代、日光例幣使街道の宿場町として、また、この巴波川の水運によって栄えた商都でした。巴波川沿いの道は綱手道と呼ばれるそうで、これは、かつては川の流れが速く、江戸からの帰路は麻綱で舟を曳いてきたことによるそうです。江戸まで行きは一昼夜ですが帰りは三日三晩もかかったといいます。

舟めぐりの小舟舟めぐりの小舟

川の畔に建つ塚田歴史伝説館はかつては江戸深川の木場まで木材を運搬した木材回漕問屋だったそうで、120m続く黒塀の中に立派な蔵などが並んでいます。

そうそう、ここでは小舟に乗って船頭が歌う栃木河岸船頭唄を聞きながらの遊覧が楽しめるそうです。

蔵の街観光館蔵の街観光館

巴波川から現例幣使街道のr11、栃木のメインストリートに出れば、まず目に付くのが立派な蔵造りの『蔵の街観光館』。

ここはかつては荒物・麻苧問屋だったそうで、この見世蔵は明治37年(1904年)上棟とのこと。

蔵の街観光館内部蔵の街観光館内部

現在は観光案内所的な役割を担っている施設となっており、内部もご覧の通りに立派。

碍子の電気配線!

蔵の街美術館蔵の街美術館

蔵の街観光館の向かい、山車会館の横には『蔵の街美術館』があります。

江戸時代後期のこの土蔵は『おたすけ蔵』と呼ばれますが、豪商だったこの家が庶民の困窮を救済するため多くの銭や米を放出したことに由来するそうです。

栃木病院栃木病院

ハーフティンバー木造二階建のしゃれた洋風建築は栃木病院。

中央ベランダの両側に翼が突き出ています。この大正2年の建物は外観の意匠だけ保存されているのかと思いましたが、なんと現役の病院として使われていて、感動です。

例幣使街道と岡田記念館例幣使街道と岡田記念館

現在例幣使街道と呼ばれているのは大通りのr11ですが、かつてのそれはr11と巴波川との間を通る道だったようです。

そのかつての例幣使街道沿いには豪商だった岡田家の記念館が建っています。ここの町名は嘉右衛門町で岡田記念館はその1番地です。江戸時代の岡田家の当主の名が嘉右衛門でした。つまりここの当主の名がそのまま町の名になったというわけです。ちなみに岡田家では代々嘉右衛門を襲名しているそうです。

横山郷土館横山郷土館

巴波川の畔に建つ横山家は明治時代に麻問屋と銀行を営んでいた豪商だったようです。

店の両側にはほぼ対称に立派な石蔵が建っています。右が麻蔵、左が文庫蔵だそうです。これは店の右半分で麻問屋を、左半分で銀行をやっていたからのようです。

高尾駅栃木市役所別館

現在の栃木県の県庁所在地は宇都宮ですが、かつてはここがそうでした。栃木市役所、栃木中央小学校、栃木高等学校のある区域がかつて県庁があったところで、現在でも県庁堀と呼ばれる堀が残っています。

この周辺には栃木市役所別館(旧栃木町役場庁舎)や栃木高等学校講堂など、明治時代から大正時代にかけての建物が多く残っています。

永野川と日光方面の山々永野川と日光方面の山々

さてさて、栃木市内の見どころは尽きないのですが、そうゆっくりもしていられません。ここで市内観光を切り上げて本日のメインである太平山に向かいます。

町中を出ると日光方面の山々がきれい。写真ではわかりませんが、男体山も。

高尾駅太平山遊覧道路

永野川に架かる上人橋を渡ると太平山に続く太平山遊覧道路です。

4kmに渡る桜のトンネルが見事。

続太平山遊覧道路続太平山遊覧道路

ここの桜はもう残っていないと思っていましたが、なんとかぎりぎり間に合ったようです。

いよいよ上りいよいよ上り

桜のトンネルに入るといよいよ上りになります。上りはおおよそ3kmで170m、平均斜度5%強です。

序盤はごく穏やかな勾配ですが徐々にきつくなり、5~6%になってきます。

新緑がきれい新緑がきれい

そんなところでの慰めは美しい新緑と淡いピンクの桜です。

最後のふんばり最後のふんばり

後半には7~8%のところもあったでしょうか。

しかしともかく、えっさ、えっさと上って、

太平山神社随神門太平山神社随神門

太平山神社の随神門に到着。

随神門からの石段随神門からの石段

この門からは強烈な石段が上下に延びています。一番下から上の神社までは約1000段もあるとのこと。しかし私たちがいる随神門からは大したことはありません。

これをえっこらよっこらと上って、

高尾駅太平山神社

太平山神社に到着です。

境内の桜境内の桜

境内には見事な桜が咲いていました。

太平山神社より栃木の街を見る太平山神社より栃木の街を見る

そしてここからの眺めはなかなかよろしい。

名物のだんご名物のだんご

このあたりの名物はだんごと焼き鳥と卵焼きだって。なんかこのみょうちくりんな取り合わせには意味があるのでしょうか。それはともかく、焼き鳥と卵焼きは遠慮してだんごをいただきました。これはなかなかいけます。

だんごとお茶で一休みしたら、いよいよ太平山へハイキングです。

まずは太平山山頂へまずは太平山山頂へ

今日のハイキングコースは太平山を経由して晃石山(てるいしさん)まで行って戻ってくるというものです。太平山への上り口は神社の境内の東側にある小さな祠の横。

ここを入るといきなり急な階段状の登りが。

太平山の途中から東を見る太平山の途中から東を見る

その登りの途中からは下に霞のような桜、そして遠くには先ほどまでいた栃木の街が見渡せます。

太平山山頂の富士浅間神社太平山山頂の富士浅間神社

ちょっとえっこらして太平山神社の奥社にお参りし、さらに登れば富士浅間神社に辿り着きます。ここまではほんのちょっとしたハイキングですが、意外と傾斜がきつく、ちょっとよろよろ。さて太平山の山頂はというと、それはなんとこの神社のすぐ裏手のひっそりとした地点なのでした。

ここで弁当を広げしばし休憩したあと、いざ晃石山へ、という段になったのですがなぜか、晃石山までは遠い、ここで引き返そう、というものが約三名おり、この企画はここであえなく挫折。

謙信平謙信平

ハイキングを終えたらあとは自転車で豪快なダウンヒル。と思ったら、道はまだ上っている。実は随神門から謙信平まではごく僅かですが、上りなのです。

謙信平には茶店が数軒並び、お天気のこの日は結構な人出でした。

謙信平より謙信平より

謙信平の名は、かの上杉謙信が太平山から関東平野を見渡し、あまりの広さに目を見張ったということから来ているそうです。その真偽はともかく、

確かにここからの眺めは素晴らしい。

高尾駅林道下皆川線

謙信平からはいよいよ下りです。

この下り道は雄大な眺めはないものの、木々や近くの山がとてもきれい。

大中寺参道大中寺参道

その林道の終点近くにあるのが大中寺です。

立派な杉林の参道の先の山門をくぐると、

大中寺大中寺

きれいなしだれ桜が目に入ります。

大中寺のしだれ桜大中寺のしだれ桜

この桜も見事でした。

山門と桜山門と桜

ここは曹洞宗のお寺で関三刹(かんさんさつ)の1つ。つまり宗派統制の権限を与えられた格式が高いお寺なのだそうです。山号は先ほど登った太平山です。

本堂裏の桜本堂裏の桜

上杉謙信が北条と和議を結んだのがここで、謙信はそのあと太平山に登って関東平野を見渡したとされます。

本堂の裏手にも感じのいい桜があります。

大中寺側から参道を見る大中寺側から参道を見る

大中寺の参道の反対側の小山もいい感じ。

太平山太平山

大中寺からその小山に向かって進み振り返れば、あの太平山は春の色。

白戸家戸長屋敷白戸家戸長屋敷長屋門

大中寺のすぐ近くに『おおひら郷土資料館』があります。ここには白戸家戸長屋敷が保存されています。

戸長とは明治時代前期に制定された行政単位である大区小区制の小区の長をいうそうです。つまり白石家は小区の長である戸長だったということです。より古い江戸時代の呼び方をすれば、庄屋や名主といったところでしょう。

白戸家戸長屋敷母屋白戸家戸長屋敷母屋

ここには2000坪の広大な敷地に、長屋門、立派な玄関が付いた母屋のほか、様々な蔵などが建ち並んでいます。

小区の長というよりは大庄屋といったほうがわかりやすい、そんな風格のある家です。

三色の桃三色の桃

おおひら郷土資料館の横にはピンク、赤、白と三色の桃が咲き競っていました。これははっとするほどきれい。

太平山から晃石山にかけての稜線太平山から晃石山にかけての稜線

白戸家戸長屋敷からは平坦な田んぼの中を行きます。

ここは太平山から晃石山にかけての稜線がきれい。

晃石山から馬不入山晃石山から馬不入山

そして晃石山から馬不入山あたり。

こうした山々を眺めながら走るカントリーロードは最高に気持ちいいです。

みかも山みかも山

岩船山をかすめて進めば、今度は先に『みかも山』が見えてきます。

みかも山公園みかも山公園

みかも山は山全体が公園になっていて、お天気のこの日は家族連れで賑わっています。

この中を散策したかったのですが、残念ながら自転車は乗り入れ禁止だったので、入口だけ覗いて渡良瀬川に向かうことにしました。

渡良瀬川と自転車道渡良瀬川と自転車道

渡良瀬川の自転車道はかつては右岸だけに整備されていたと思いますが、左岸にも整備されたようで快適に走ることができます。

渡良瀬川と自転車道その2渡良瀬川と自転車道その2

菜の花もいい感じ。

快調に走っていると空から音もなく近づいてくる飛行機が。グライダーです。しばらく見ていると近くに着陸しているようなので、行ってみることにしました。

板倉グライダー滑空場板倉グライダー滑空場

新開橋を渡り右岸を2kmほど遡ると、そこに滑空場がありました。

ここでグライダーの離陸と着陸を見学。音もなく滑るように着陸するグライダーは優美ですね。(動画参照)

渡良瀬遊水池の展望塔より谷中湖を見る渡良瀬遊水池の展望塔より谷中湖を見る

たっぷりグライダーを鑑賞したら渡良瀬遊水池に向かいます。東武日光線の先の橋からはもう遊水池ゾーンです。今回は橋から渡良瀬川に沿って進んでみました。するとこの道はところどころで砂利道に。北エントランスに向かえば舗装路だったはずですが。しかし芦などが生い茂る風景をたっぷり味わうことができました。

渡良瀬川を離れ、渡良瀬緑地の展望塔に到着。ここからは広大な遊水池が見渡せます。

谷中湖谷中湖

谷中湖は渡良瀬遊水池の中心的な施設。遊水池内で平常に池の状態にあるのはここだけで、空から見るとハート形に見えるそうです。

ちょっとロマンチックな形の谷中湖ですが、なぜここには常時水があるかといえば、それはコンクリートによって造成されているからです。現在ではほとんど忘れかけられていますが、この遊水池は元はといえば足尾鉱毒事件による鉱毒を沈殿させ無害化することを目的に造られたものでした。しかし残念なことに最近も渡良瀬川下流から基準値を超える鉛が検出されており、まだこの問題が完全に解決したものではないことを知らされました。

まあそれはともかく、遮るものの少ないここは風が強く、いつのまにか追い風が横風に、そして向かい風となり、谷中湖の中央を突っ切る橋を渡るときにはハヒハヒとなったのでした。

すばらしいお天気に恵まれたこの日は、春をたっぷりと感じることができた一日でした。


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uploaded:2014-04-16