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巌道峠

開催日 2014年06月21日(土)曇り
参加者 シロスキー/サイダー
ビジター チャナちゃん/プロちゃん
総合評価 ★★☆
難易度 ▲▲
走行距離 44km
累積高度 1,100m
地域 甲信越 関東
山梨県・神奈川県

秋山の集落
秋山の集落

コース紹介

山梨県の林道安寺沢(あてらさわ)線で巌道峠(がんどうとうげ)を越え、 林道野原線を下ります。晴れていれば峠のすぐ先で見事な富士山に出会えます。後半は綱子であじさいを楽しんで、山並みを眺めつつ温泉で上がり。たっぷりと山とアップダウンが楽しめるコースです。

動画(04'45" 音声:BGMのみ)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
上野原駅
180m
START 発08:55 r35など JR中央線:
お茶の水07:25→08:18高尾08:20→08:37上野原
天神隧道
285m
3km 着09:15
発09:15
一般道
桜井隧道
330m
5km 着09:30
発09:40
一般道 南側先にWC
秋山
310m
6km 着09:45
発09:45
一般道 ここから安寺沢川沿い
安寺沢橋
380m
10km 着10:10
発10:15
林道安寺沢線 郷蔵(年貢米などの備蓄蔵)
かつては炭焼き小屋もあったらしい
巌道峠
790m 
15km 着11:15
発11:30
林道野原線 南の分岐から富士山、大室山、加入道山の眺望
分岐から野原方面は舗装路、久保方面は地道
野原
490m
19km 着11:45
発11:55
R413道志みち
月夜野
390m
24km 着12:10
発13:10
R413道志みち 昼食:両国屋
道志ダム
330m
28km 着13:30
発13:30
一般道 いやしの湯、付近に食堂数軒
あじさいの里
340m
31km 着13:50
発14:00
一般道
自転車道
綱子隧道の先の綱子川沿い
ホタルも
前川橋
270m
33km 着14:05
発14:10
一般道 秋山川だけれど前川橋
この手前から自転車道
東尾垂の湯
290m
36km 着14:25
発15:50
一般道 ふじの温泉 880円
高倉山入口
325m
40km 着16:00
発16:10
一般道
藤野駅
225m
44km 着16:50
JR中央本線
日の入り19:02

上野原駅南口付近上野原駅南口付近

梅雨もいよいよ本格的になってきて、雨が続いています。もうしばらく走れそうもないな、と思っていましたが、運良くこの日は曇りなので、出かけることにしました。曇りとはいえ気温はそそそこ高いので平地は厳しい。そこで少し標高がある巌道峠へ。

JR中央本線の上野原駅の南口は階段を降りるといきなり道路で、コンビニエンスストアもなにもないところでした。

桂川桂川

その上野原駅を出るとすぐに桂川(相模川)の流れです。

桂川橋を渡る桂川橋を渡る

正面にはこれから向かう山並みが見えています。

『今日はあれ上るの・・・』 とすでにちょっと心配なプロちゃん先頭で進みます。

r35四日市場上野原線r35四日市場上野原線

桂川橋からはr35の四日市場上野原線を行きますが、これはしょっぱなから上り。

ほどなく道は二手に分れます。左手は新しい新天神トンネルに続きますが、私たちは右手の古い方のトンネルに向かいます。

天神隧道天神隧道

このトンネルは、少し手前に建つ開通記念碑によれば、明治時代の終わり頃に造られたようで、入口まわりはコンクリート製ですが、内部はモルタル吹付けでぼこぼこしています。この時期でも中に入るとひんやりしていて気持ちいい。

天神隧道からの下り天神隧道からの下り

天神隧道からの下りはあっという間で、金山川からは再び上りになります。

桜井隧道への上り桜井隧道への上り

この上りの先には秋山トンネルがあるのですが、その脇にも古いトンネルがあります。

桜井隧道桜井隧道

古いトンネルは桜井隧道といいますが、これは新しい秋山トンネルより距離が短いので、当然その分だけ余計に上らなければなりません。

ここはちょっときつい!

桜井隧道南側からの眺め桜井隧道南側からの眺め

桜井隧道を抜けると、秋山の集落が下に見える見晴らしの良いところに出ます。その向こうにはこれから上らなければいけない山並みが。

一瞬下って秋山川を越えると、秋山の集落です。この山間の集落は、青い棚田の中にポツポツと建つ民家とそれらを取り巻く山々がいい感じ。(TOP写真) この景色を見るには集落の外側を廻る道ではなく、集落内を抜けて南の高台に上らなければなりませんが、そこにはちょっとした激坂が。

安寺沢川沿い安寺沢川沿い

秋山の集落から下ると安寺沢川沿いです。ここは広葉樹林がきれい。

安寺沢橋付近の安寺沢川安寺沢橋付近の安寺沢川

左手下深くを流れていた安寺沢川が徐々に上がってくると、民家が現れ出します。どうやら安寺沢の集落に入ったようです。小さな安寺沢橋に来るとこのあたりが集落の中心のようで、安寺沢川の姿もはっきりします。浅く静かな流れが気持ちいい。

かつてはこのあたりには炭焼き小屋や郷蔵(年貢米などの備蓄蔵)があったようですが、見落したのかもうなくなったのか・・・

P.S. 郷蔵は集落の入口、熊野神社よりさらに手前だったようです。

安寺沢安寺沢

安寺沢の民家は伝統的な造りのものも残っていて味わい深いのですが、カメラ不調で写真はなし。残念。

赤い木の実赤い木の実

集落のはずれまで来るとそこに赤い木の実がなっていました。

『グミですか~』 とサイダー。

『ええ、これはビックリグミです。実が大きい園芸品種です。』 と植物博士のチャナちゃん。

『どれどれ。』 といいつつ、シロスキーもなつかしそうにグミを眺めます。

一般的なグミを一回り程度大きくしたこのビックリグミも、普通のグミと同様、甘酸っぱい味がするそうです。

林道安寺沢線林道安寺沢線

このビックリグミのところで安寺沢の集落はおしまいになり、あとは巌道峠を目指してひたすら上るだけとなります。

脇を流れていた安寺沢川が見えなくなり、植樹の記念碑が建つコーナーにやってくると、そこからつづら折れが始まり、本格的な上りとなります。ここは腰を据えてえっちらおっちら。このつづら折れをなんとか上り切ると、道端に林道安寺沢線の青い標識が現れます。

南東への見晴らし南東への見晴らし

そのすぐ先にはこんな眺望がありました。今日は曇りなのであまりパッとはしませんが、なかなかいい眺めです。

この眺望を楽しみつつ一息ついて、再びペダルを回し出せばその先は勾配が穏やかになり、すぐに切り通しになっている巌道峠に到着します。

巌道峠巌道峠

巌道峠は峠自体には眺望はなく、巌道峠開通記念碑があるだけです。しかし峠とはいっても表示も何もないところも多いので、ここはここが峠だというのがわかるだけでも、ちょっとうれしい。 開通記念碑は昭和63年(1988年)6月建立なので、この道は1988年に開通したのでしょう。

しかし道そのものはもっと前からあり、それは生糸などを運ぶ重要なものだったそうです。昔はここを行き交う商人の懐を目当てに強盗がよく出たらしく、強盗(がんどう)坂と呼ばれていたようです。さすがに強盗坂、強盗峠ではまずいということで巌道(がんどう)峠となったとか。

巌道峠からの下り巌道峠からの下り

さて、巌道峠で一休みしたら道志に下ります。峠の切り通しを過ぎると激坂です。ぎゅっとブレーキを握りしめてそ~っと下り出せば、すぐに下の道にぶつかります。ここからは富士山から大室山、加入道山あたりの眺望があるのですが、この日は富士山は見えず。しかもカメラ不調で写真なし。。

ここで道は二手に別れ、右手は久保に、左手は野原に下ります。久保側は地道との情報があったので、ここは野原側へ。

少々荒れ気味の林道野原線少々荒れ気味の林道野原線

この路線は林道野原線で、ここ数日の雨のせいか、上から落ちてきた小石があちこちに散らばっていて、水が流れているところもあり、この日は少々走りにくかった。

道志みち道志みち

林道野原線を下った先は道志みち。この道は車が多く自転車向きではありませんが、他に選択肢がありません。

そろそろ昼飯時なのでレストランを探しますが、野原にあったそば屋は閉店したようなので月夜野に向かいます。ちょっと谷に下って上った先の犬渡に水場があったので、ここでボトルに水を補給。

両国橋袂の両国屋両国橋袂の両国屋

そして月夜野の集落の先の両国橋の袂に古くからある両国屋で昼食に。

チャナちゃんによればこの両国屋は50年以上前からあり、当時の道志みちは未舗装で、山中湖から下って来るとこの橋のあたりだけが舗装されていたので、ずっと記憶に残っているそうです。

上野田大橋から道志川を見る上野田大橋から道志川を見る

昼食後は上野田の上野田大橋を渡ったところで道志みちを離れ、道志ダムへ向かいます。

上野田で道志みちを離れる上野田で道志みちを離れる

やっと道志みちから抜けられてほっとします。道志みちの周囲の山もきれいですが、あそこではその山を眺める余裕がありませんでした。ここならそうした山々をゆっくり楽しめます。

このあたりでは枝の先の方の葉っぱが白い植物があちこちで見られます。何かな、と思っているとチャナちゃんがすかさず、

『あれはマタタビです。今頃は葉っぱが白くなるので一目でわかります。』

マタタビってネコが好きなあれです。この名前は昔から知っていましたが、その雰囲気からして仙人が暮らしているような特殊なところにしか生えていないような気がしていました。それがまさか、こんなに身近にある木だったとは。

道志ダムによる奥相模湖道志ダムによる奥相模湖

道志ダムは相模川水系の道志川に神奈川県が発電用に造ったもので、これにより出来た湖が奥相模湖。この湖はダムの規模相当に、湖というより川がやや広がったという印象です。

道志川沿い道志川沿い

ここで空からポツポツと冷たいものが降ってきました。空を見上げれば少し雲が厚くなったようにも見えますが、黒い雲はないので、大降りにはならなそう。

あじさいの里入口あじさいの里入口

道志川ダムからは道志川沿いを行き、r76の天神隧道までやってきました。朝にも天神隧道を通りましたが、これはまた別の天神隧道。こうも近くに同じ名前のトンネルがあるとは。

その手前には『あじさいの里』の標識が建ち、周辺にはあじさいが咲いています。『あじさいの里』はr76から分岐した道の先の綱子にあるとのことなので行って見ることにしました。

あじさいの里あじさいの里

今日何度目のトンネルになるのか、綱子隧道を抜けるとほどなく道は綱子川沿いとなります。その左手のやや小高くなったところにあじさい畑のようなものがありました。

あじさいの里のあじさいあじさいの里のあじさい

『あじさいの里』はこの畑のことなのかどうなのか判然としませんが、綱子隧道からここまでもあじさいはけっこう咲いていたので、この付近一帯を指すのかもしれません。

ここでは7月に『綱子アジサイ&ホタルまつり』があるようです。また冬には福寿草が見られるところもあるとのこと。

あじさいの里から秋山川へあじさいの里から秋山川へ

さて、あじさいの次は温泉です。綱子川に沿って下るこの細道は車はまったくといっていいほど通らず、ひんやりした空気が心地よい。

秋山川近くの自転車道秋山川近くの自転車道

その心地よい道からさらに細道が分岐しており、そちらには自転車歩行者道の標識が建っています。これまでの道でも充分楽しいのですが、せっかくなので自転車道を行って見ることにします。

この道、左手は綱子川の谷で右手には山の斜面が迫ってきています。しかもあまり交通がないらしく、枯れ枝や落ち葉が積もり、水が流れているところも。ここはちょっとワイルドで楽しい!

前川橋前川橋

薄暗い森の先に高いゲートのようなものが見えたと思ったら、それは秋山川に架かる吊り橋の支柱でした。

この橋、秋山川なのに前川橋ってどうして。

秋山川秋山川

とにかくも、これがその前川橋から見る秋山川です。

秋山川沿い秋山川沿い

前川橋を渡るといったんr35に出、すぐにまた秋山川を渡ってr517に入ります。秋山川沿いにある『ふじの温泉東尾垂の湯』は周囲の山並みが眺められる気持ちのいい温泉で、この露天風呂でひと汗流しました。

東尾垂の湯からは終着地の藤野に向かいますが、このルートは牧野に出てr76を使うのが順当でしょう。しかし今回は秋山川北岸の山を越えてみることにしました。温泉から秋山川の対岸には橋が架かっていないので、やってきた道を戻って、ぐるっと一廻り。

秋山川の谷秋山川の谷

お風呂のあとは汗はかきたくないものですが、川の落合からはまたまた上りでえっちら。

高倉山入口高倉山入口

しかしこれが本日最後の上りで、高倉山入口の標識のある小さな峠でおしまいに。ここは距離は短いのですが、ちょっときつかった。

高倉山入口からの下り高倉山入口からの下り

高倉山入口からは森の中の快適な下りです。その緑が途切れ、下界が近づくと、

上野原方面の眺望上野原方面の眺望

パッと視界が開け、上野原方面が一望できるところに出ます。今朝、あのあたりにある上野原駅を出発して巌道峠を越え、ぐるりと廻って今、隣の藤野駅に着こうとしているのです。

弁天橋から見る相模川弁天橋から見る相模川

この上野原の眺望を楽しんだら一気に下って、藤野に到着。出発地の上野原を流れる川は桂川でしたが、ここではそれと同じ川が相模川と呼ばれるようになります。その相模川に架かる弁天橋を渡れば、

藤野駅藤野駅

藤野駅に到着。

本日のコースは前半の巌道峠がメインでしたが、後半の道志ダムから綱子を経て高倉山入口へ至るコースは想像以上に楽しい道でした。これはお薦めです。

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uploaded:2014-06-29