昨夜は強い雨の風の音が響き、どうなることかと思っていましたが、朝には何とか雨もあがっていてホッ。おいしい朝食を済ませると、早速町歩きに出かけます。
宿の前を流れる河原田川沿いに河口に向かって歩くと、すぐに赤い鉄橋『いろは橋』に到着。『いろはにほへと…』と書いてあります。全部言えるかな?
いろは橋を渡るとすぐに、NHK朝ドラ『まれ』の記念ショップがありました。ドラマに出てきた喫茶店や美容室が再現されています。
そのショップのすぐ横あたりから、もうすでに朝市が始まっています。まず並んでいたのは山里の幸、大きなタケノコや山菜です。『とれたてでおいしいよ〜』とおばちゃんたちから声がかかります。
こちらはウドとミョウガ。ああ、背負って帰りたい。
そして、露店が並ぶ通りに入りました。地元のお菓子や調味料などもあって興味津々。お菓子好きのシロスキーの目が輝く。
しかし、何と言っても壮観はやはり『お魚』です。所狭しと並べられている干物の種類は本当に豊富です。
この大きな目の魚の開きは何でしょう?『のどぐろ』だそうです。ジオポタメンバーはあまり食べたことがなく、『食べてみたい〜』の声が。
こちらはイカやタコのお店。つまみによさそう〜
鮮魚もあります。ヒラマサ、大きい! こんな魚が毎日食べられるとは、うらやましいですね。
通りの両側の露店をひやかして歩いていると、もう、たまりません。『おいしそう、食べたいね〜』
その通りの中程に、すばらしい場所がありました。七輪を無料で貸してくれて、買った干物をあぶって食べることができるのです。やった〜、と早速買い出しに行くレイナ、キルピコンナとサリーナ。
あたりには香ばしい香りが広がっています。私たちも七輪の上に干物を乗せる。上の右はのどぐろ、左はササガレイ。下はイワシのしょうゆ漬け。ちょっとずつだけど、本当においしくて大満足。
通りには、食べ物だけでなく露店の奥に漆器店や酒屋などもあって、そうしたお店を覗くのもとても楽しい。思わず地酒を大量に買って家に送り、金欠になったのはだ〜れ?
朝市を楽しんだあとは、海辺のマリンタウンに向かいます。何やら倉庫のような建物がありますが、ここが『輪島キリコ会館』。2015年3月にリニューアルオープンしたばかりです。
キリコとは、奥能登地方のお祭りの御神輿の前に担ぎだされる燈籠で、『切子燈籠』を詰めて『キリコ』と言うのだとか。キリコ会館に展示されているほとんどは、現役のキリコたちです。入口を入るとまず24基のキリコがずらりと並んでいます。
その奥には11mを超える大キリコが6基と、壮観です。キリコには3文字で地区の願いを込めた文字が書かれ、上部には屋根や飾りが付けられています。最も手前の大キリコは江戸時代のものだそうです。
キリコは『後美人』とも呼ばれ、背面には武者絵や龍、風景画などが鮮やかに描かれています。キリコ会館では、スロープの空中回廊に沿ってこの背面もじっくり鑑賞できるのがいいですね。
キリコ会館から再びまちなかに戻ると、新しい長屋風の一角『輪島工房長屋』があります。こちらには、職人さんが入居する工房、輪島塗などを修理する工房、沈金や蒔絵を体験できる工房、そして輪島塗や地元の食材を販売する店舗などが並んでいます。
蒔絵の職人さんの工房にお邪魔しました。かの玉虫厨子のレプリカも製作されたとか。玉虫色に輝く細かいパーツを見せていただき、息をのむジオポタの面々でした。お忙しいところ、ありがとうございました。
工房長屋のすぐ向かいには、重蔵神社があります。境内には大きな『のとキリシマツツジ』が満開でした。
そして、神社の脇にあるのは『足湯 湯楽里』です。午前6時から午後10時まで開いているそうです。
ぽっかぽかできもちよさそう〜 源泉かけ流しの足湯は無料です。
そのすぐ横には、水飲み場もあります。水汲みに来ている地元の方も。
スタート地点の『いろは橋』まで戻ると、そのたもとには『輪島塗会館』があります。輪島漆器商工業協同組合が運営しており、1階ではさまざまな輪島塗を販売し、2階には輪島塗資料展示館があって、輪島塗の工程や道具、歴史的に貴重な作品などを鑑賞することができます。
ゆっくりと輪島のまちを観光していたら、もう昼になっていました。宿に戻って支度し、本日の自転車ステージに突入です。
先導するのは、今日から自転車参加のキルピコンナ。輪島の中心部の板張りの家並みの中を走っていくと、
とても歴史ありそうな酒造店があったりと楽しい。朝市を終えて、自転車でリヤカーを引いて走るおばちゃんとすれ違います。
鳳来山公園脇を越えて、袖ヶ浜に到着。白い砂浜の先に小さなトンネルが見えます。
その岬をめがけて『海辺を走るのは気持ちいいですね〜』と走るレイナ。
岬の先端のトンネルをくぐると、奇岩の鴨ヶ浦に着きました。海岸の岩の間に遊歩道が設けられています。『これは、楽しいですね〜』とマサキン。
先ほどの袖ヶ浜とは対照的な荒々しい岩場が続きます。白っぽい岩が波を跳ね返す。
今日も快調(まだほとんど走ってないけど)のジオポタが、岩場をバックにポーズ!
そうしているうちに12時半となりました。鴨ヶ浦から輪島の港を経由して、向かった先はお寿司屋さん。
早速、とれたての地魚を盛った『能登丼』や『地魚のにぎり寿司』をオーダー。
レイナの『能登丼』の写真は撮ったけど、自分の頼んだ『地魚のにぎり寿司』はまるで撮影を忘れて食べてしまったサリーナ。ああ、最高においしいです〜
おなかいっぱいの大満足で、さあ出発。海岸沿いを行こうとするメンバーを制止し、サイダーが山側の道へと引く。これがいきなりの超激坂!
『満腹に、これはキツい!!』と叫ぶ面々。近所のおばちゃんが『あらまあ、どこから来たの?』と目を丸くしていました。
激坂のあとは、塚田川に沿って蛇行する道をゆるゆると上っていきます。
そして川を渡れば再び激坂。ハヒハヒ、と上るマサキン、シロスキー、サリーナ。左手には田んぼが広がっています。
すぐに勾配は緩くなり、水を張った田んぼの連なりの先には海が見えてきました。
激坂を上った甲斐があったね〜 と記念撮影。写真ではほとんど見えませんが、奥には日本海が広がっています。
田んぼの中を一気に下ったあとは、R249をどんどん先へ進みます。トレードマークの帽子ですいすいと引くのはキルピコンナ。
R249は、海に近づいたりちょっと離れたりしながら緩いアップダウンを繰り返します。ときどき現れる絶景に見とれながら進むと、
千枚田ポケットパークに到着。観光客で賑わっている展望台に行くと、ここが『白米(しろよね)の千枚田』。
田植えを前に水を張った田んぼは1004枚あるそうです。日本海に面して連なる棚田の風景は、日本の棚田百選、国指定文化財名勝に指定されています。
ここでは、千枚田オーナー制度による会員を募集し、地元の管理団体が管理し交流しながら千枚田を守っているそうです。今年の田植えは5月15日に予定されています。
千枚田の中を海辺まで歩けるのですが、位置エネルギーが惜しくて誰も下りていかないジオポタでした。
ともかく展望台から、定番の記念撮影。
続いて海岸線をどんどん走っていくと、
着いたところは『塩の駅 輪島塩』。奥能登に守り伝えられてきた揚げ浜式塩田の塩づくりを行っており、その行程や道具を説明してくれます。
揚げ浜式塩田は、海水を汲んできて、ウチョケ(打桶)で砂の塩田に撒きます。ウチョケは底がなく、手で加減しながら撒いているということでびっくり。
天日で乾燥した塩を含んだ砂を集め、組み立てた板の『タレフネ』に入れて海水をかけ、高濃度の塩水を集めます。それをかまどにかけて水分を蒸発させる。できあがった塩は検品して不純物を丁寧に取り除き、袋詰めして完成。
何とも手間のかかる大変な行程です。味見した輪島塩はミネラルたっぷりのやさしい味でした。
こちらが塩田。真ん中に置かれている板は塩分を含んだ砂を集めて濾過する『タレフネ』です。
輪島塩を出発。三ツ子浜海岸の先に見えるのは白崎の岬です。
白崎を過ぎるとR249をはずれて一般道へ。
日本海に流れる町野川の両側に広がる田んぼと集落に沿って、少し南下します。山を映す田んぼの風景が美しい。
そんな田んぼの中を、レイナを先頭にどんどん進み、
キルピコンナに引かれて町野川を渡ると、
池の間を通る雰囲気のある道の右手には、こんもりとした森が。
この森を少し上ったところにあるのが『上時国家』です。こちらの祖先は800年前に能登に流された平時忠(平清盛の義弟)で、江戸初期からは豪農として天領大庄屋を務めたとのこと。
この立派な入母屋茅葺き屋根と唐破風玄関の豪農屋敷は江戸後期に28年かけて建てられたものだそうです。
入母屋茅葺き屋根の高さは18m、現存する近世木造民家では最大級なのだとか。国の重要文化財に指定されています。
残念ながら開館時間を過ぎていて中を見ることはできませんでしたが、縁金折上格天井の御前の間や鎌倉様式庭園などが見所だそうです。
そして、そこから200mほど北にあるのが『時国家』。こちらも入母屋茅葺き屋根の豪農屋敷で、国の重要文化財。江戸中期に建てられたものだそうです。
これまた残念ながら時間外で、外からちらりと眺めるだけでした。
時国家の前の池を過ぎ、曽々木の集落に向かいます。
そして集落を通り抜けて海岸に出ると、そこは曽々木海岸。岩の間に窓のあいた奇岩『窓岩』は、晴れていれば夕陽が差し込むのだとか。残念ながら曇り空ですが、曽々木への到着を祝って記念撮影。
本日の宿は、このすぐ向かいの民宿です。温泉もあり、温まったあとは築150年という広間で海の幸・山の幸の豪華な食事を堪能しました。今日はあまり距離は走っていませんが、見所満載の充実した一日でした。