10月も下旬になり、すっかり涼しくなってきました。
この週末がコスモスを見るラストチャンスになりそうだ、ということで、荒川と新河岸川のコスモスを見に、東松山駅に集結。
向かうは荒川なので東松山駅は東口の方が便利なのですが、誤って西口集合と案内した企て人のサイダー。
『いや〜、すまんすまん。』
東口側がかなり開けているのに対し、こちらの西口側はちょっと地味です。
その西口を出発し東口側に廻り、市街地を抜けて出たのは市野川。
この先には吉見百穴がありますが、今日はその入口にある岩室観音堂を覗いてみることにします。
この観音堂は吉見百穴と同じような岩山の間にあり、懸造り(かけづくり)という工法でできています。懸造りは『がけづくり』とも読み、『崖造り』とも書きます。この工法は、長い柱と貫で建物を固定する方法で、有名なのはあの京都の清水寺です。崖の上に建物を建てる時の工法と思えばいいですね。
ここには四国八十八箇所の本尊を模したという、八十八体の石仏が収められています。
四国を廻らなくともここに来れば、そのご利益があるというわけです。
急な階段でお堂の上に上れば、本尊が安置されているのだろうところに出ます。この中を覗けば、逆V字をしたコンクリートの柱が、今にも落っこちて来そうな巨大岩を支えています。
ここは弘法大師が観音様を彫って岩窟に納めたのが始まりだというので、この岩がその岩窟なのかも知れません。その後お堂は焼失するも本尊は無事だったというから、ここに観音様がいらっしゃるに違いないのですが、巨大岩ばかりに目が行って、そのご本尊は確認できませんでした。
お堂のすぐ裏手には胎内くぐりがあります。
『ここをくぐると諸難を除き、安産その他の願いごとが叶うと言われて居ます。』とあるので、もちろんトライします。
くさりの手摺が取り付けられた急峻な岩場を数メートル上ると、人一人がやっと通れるくらいのハート型をした穴が岩山に開いています。
『こりゃ〜、年寄りがくぐるのはえらいで〜。』 と、シロスキー。
岩室観音堂からは荒川へ向かいます。
吉見百穴の裏手に廻り、丘をひと上り。
吉見町はほとんどが田んぼで平らなのですが、吉見百穴から八丁湖あたりにかけてだけが小高い丘になっています。
かつては完全に森の中だったろうこの丘も、現在は住宅地や学校として大分開発されてきており、もう森はほんの一部にしか残っていません。
丘のピークを過ぎたのか、道は穏やかに下り田んぼの中に出ました。
この先には和名沼があり、その周辺の狭いエリアが丘の中に田んぼとして入り込んでいます。
和名沼のあたりもまだ丘の中で、そこからも道は穏やかに下り続けます。
広い道に出ると周辺に建物が建ち並ぶようになり、街らしくなってきます。
この道がさらに広い道に突き当たると、そこはもう完全に平坦になり、周囲は稲が刈り取られた田んぼになります。
その一角に一面がピンク色のゾーンがあります。あそこが休耕田を利用した吉見町のコスモス畑です。
ここはすべて伝統色の、ピンク、赤、白の三色です。
ちょうど一週間前にコスモス祭りが行われたというここは、見頃はやはりその頃だったのか、この時は少し盛りを過ぎていて、花を落としたものも多かったけれど、まだ何とか見られます。
コスモスといえばのピンク。
さて、吉見町のコスモス畑を一渡り見回したところで、次は吹上の荒川河川敷に咲くコスモス畑へ向かいます。
ここでMTBに乗り初参加のマリちゃん、小径車を物色中というので、マージコのタイレルに試乗。細いスリックタイヤでいきなりダートを走らされることに。ここならMTBの方が良かったね。
『こんな舗装路なら快適で〜す。』 と、荒川の土手に出れば、らくちんなタイレルでした。
この土手の周囲はみんな田んぼで、今最後の稲が刈られていました。
この土手上の自転車道を北西に向かえば、日本一長い水道橋だという赤い連続アーチの荒川水管橋が見えてきます。
なんとその長さは1,100mもあるとか。
この荒川水管橋のすぐ先で大芦橋を渡ります。
この橋もかなり長く感じますが、1,016mだというから、先の荒川水管橋の方が長いことになります。
大芦橋を渡ったら、そのすぐ東に広がるのが吹上のコスモスアリーナ吹上前のコスモス畑。
ここはもの凄く広大な上に、荒川河川敷にあるので上から眺められ、周囲と空が開放的と、ロケーションが最高によろしい。
今年は台風の影響で生育に問題があると聞いていましたが、そのせいか、あるいは時期がちょっとピークを過ぎているからか、例年より花の密度が低いようです。
それでもここはやはり圧巻。
ここでは伝統色以外にもちょっと変わったコスモスが見られます。
これはややくすんだオレンジで、なんとなく日本的に感じます。
これは白ですが、花びらの数が多くひらひらしています。
これはレモンイエローで、真ん中が白っぽい。乙女チックだ。
いつもならもっと劇的に感じる吹上のコスモス畑ですが、この日は陽の光がなく、ちょっと空気が沈んでいたのが残念でした。
しかしまあ、それでもこれだけ広大なコスモス畑は滅多にないから良しとします。
さて、コスモスアリーナ吹上前を出発し、高尾の昼飯処に向かいます。マリちゃん、今度はミルミルのBD-1に乗換え。
このあたりの荒川自転車道にはかつてコスモスが4kmに渡り咲いていたのですが、土手の改修をしているのか、周辺の様子が少し変わり、このコスモスは見られなくなってしまいました。残念。
『腹へった〜、早く蕎麦喰いて〜』と、飛ばすシンチェンゾー。
糖田橋の先で自転車道はなくなり、河川敷の畑の中を行く道にシフトします。
『この自転車も乗りやすいですね〜』 と、BD-1の乗り味にも興味を示しているマリちゃんでした。
このあたりの鴻巣市滝馬室と吉見町大和田間の荒川は川幅日本一で、なんと2,537mもあります。それを示すポールが御成橋の袂にあるのですが、道はその橋の下をくぐって行くので、これは見られず。
高尾までやってきたけれど目当てのそば屋は満席で入れず、近くのイタリアンで昼食。
その後荒川に下って北本水辺プラザ公園で一休み。ここはこのあたりで唯一、橋以外で荒川の流れを目にすることができるところですが、その幅はたったの10mほど。川幅日本一っていったい何だ、って感じです。
ここで自転車試乗会の始まり始まり。
『きゃ〜、この自転車のハンドル、前に突き出てるぅ〜』と、初めてフラットバーハンドルじゃない自転車に乗るマリちゃん。
試乗会のあとは高尾から吉見の桜堤へ向かいます。
道脇にパンパスグラスを発見して楽しそうな、マリちゃんとミルミル。マリちゃん、今度はユッキーのKHSに。
高尾まで戻って高尾橋を渡ります。
この橋は荒川河川敷内に架かる沈下橋ですが、コンクリート製でしっかりしています。
そこを流れる荒川は北本水辺プラザ公園で見た流れで、幅はやはり10mほどしかありません。
これは支流ではなく荒川の本流です。
土手を一つ越え、しばらく行くともう一つ土手が現れます。
この二番目の土手が吉見の桜堤で、ここは桜の時期には大いに賑わいますが、それ以外の季節はサイクリストが時々通るくらいで、のんびり走れます。
桜堤はr33で途切れるので、その先を流れる市野川を渡ってもう一つの土手を上ります。
このあたりの荒川の土手はかなり複雑に入り乱れているのです。
その土手上には川島こども動物公園自転車道が通り、それはそのまま荒川自転車道へと続きます。
鳥羽井沼をかすめ、さらに先へ進むとホンダ・エアポートです。
ホンダ・エアポートには小型機用の滑走路があり近くに格納庫があるので、時々そこから滑走路まで飛行機が牽引されてくることも。
またここにはスカイダイビング・クラブがあり、時々空から落下傘が舞い降りてきます。ちょうどこの時も10ほどの落下傘が開いていました。中には体験ダイビングで、二人用のパラシュートでインストラクターとともに降りて来る人も。
このスカイダイビング用の飛行機にはドアがなく、大きな開口があるだけなので、飛んでいるときの風はもの凄く、そこから飛び降りるのはとっても怖いそうな。
『やっぱりおいらの自転車がサイコ〜』 と、KHSを取り戻したユッキーと、
『この自転車、タイヤ太すぎ〜、ウィンウイン唸るよ〜』 と、マリちゃんのMTBに乗るシンチェンゾー。
『お、あそこでなんかやっとるぞ〜。』
ホンダエアポートの少し南では、
モトクロスの練習場があり、手前ではクイックターン8の字を、奥ではアップダウンのダートを飛んだり跳ねたりと、楽しそう。
そして空からは動力が付いたパラグライダーが。
近くにその離着陸場があり、そこに降りるのかと思っていたら、地面をかすめるようにしてまたどこかへ飛んで行きました。
モトクロスとパラグライダーを眺め終えると、荒川自転車道は終点の上江橋に近付きます。このあたりは左右共にゴルフ場になっています。
いつの間にかマリちゃんが乗る自転車は、シンチェンゾーのブロンプトンに。
R16の上江橋は、荒川と入間川を跨いで架かっている橋で、入間川はここで荒川に流れ込みます。
私たちはここで入間川を渡り、荒川の右岸へ。
東日本大震災や鬼怒川の決壊を受けてか、最近あちこちで堤防の造りかえ工事が行われているようです。ここも堤防のかさ上げをしたのか、その上に新しい道が造られていました。この道の進入路には通行止めの案内がなかったので入ってみました。
そこをバリバリ行くは、GIANTのMR4に乗るタッちゃん。ところがこの先は完全な工事中で、引き返すハメに。
荒川を離れびん沼川沿いの小径に入ります。フェンスの横の木々の向こう側にびん沼川は流れています。
ここは誰も通らず。
びん沼川は地図で見るとよくわかりますが、くねくねと蛇がのたうったように曲がりくねっています。
この川はかつては荒川、さらに古くは入間川だったもので、荒川の直線化工事により取り残された旧河道です。
このびん沼川の大きくカーブしたところに、びん沼自然公園があるので小休止を。
ここには小さなデッキと低い展望台があるのですが、展望台に上ってもすぐ近くの葦原しか見えないのが、ちょっとおかしい。
びん沼自然公園のすぐ西には新河岸川が流れています。
ここからはその新河岸川の自転車道にシフト。
新河岸川に富士見江川が流れ込む、うずら橋までやってきました。
このあたりから志木市役所までの2kmはコスモス街道と呼ばれ、狭い自転車道の両側にコスモスが咲き並んでいます。しかしこのあたりはすでに、コスモスはほとんど終わりです。
しかし新河岸川を下るにつれ、そのコスモスは勢いを増し、かなり咲いているところも出てきました。
ここでマージコのケータイに連絡が。この連絡、ポタリングには参加できなかったムカエルが、このあとの宴会に参加したいというものでした。
ここのコスモスもまずまずの姿です。
志木市役所が近付いてきました。
新河岸川のコスモスは下流の方が遅咲きのようで、このあたりはまだ見られる状態が続いています。
コスモス街道の終点起点である志木市役所まで辿り着きました。この近くには野火止用水の史跡である『いろは樋』が見られるところがあるのですが、ムカエルとの約束の時刻が迫っているのでこれはパス。
終着地の志木駅は東口の方が近いのですが、そこまでの道は走りにくいし、駅前ががちゃがちゃしていて自転車向きではないので、ここは南口へアクセスすることに。柳瀬川沿いに入れば、川沿いにちょうど自転車にいい道が通っています。
さて、今日は一日中陽の光がなくてコスモスもピークを過ぎており、最高のコスモス日和とはなりませんでしたが、自転車試乗会には良かったかな。