2017年GWのメイン企画、天竜川のスタートです。空は青い! 集合地点の上諏訪駅から西へ向かうとすぐ、諏訪湖の畔にある湖畔公園です。
左より、関西から遥々やってきたジーク、青シャツは東京からやってきたシロスキー、赤シャツは千葉からやってきたマサキン。カメラは企て人サイダー。
諏訪湖の上には、真っ白な北アルプスの穂高連峰。
天竜川の上流部は東は南アルプス、西は中央アルプスに挟まれています。今日はこの二つのアルプスを眺めながら、『日本で最も美しい村』だという中川村まで下ります。
二つのアルプスを眺める前に、北アルプスが望めて、最高のスタートとなりました。
湖畔公園に沿って北へ向かうとすぐ、間欠泉センターと足湯があります。
ここで前泊組のレイナとレイが合流し、記念撮影。前列、左でカメラを保持するレイ、中央にサイダー、右にレイナ。
間欠泉センターの前では定時に間欠泉が吹き出すのが見られるそうですが、この時はちょうど終わったところで、これは残念。
まだ朝早いのに、足湯ではたくさんの方が足を湯に浸けていました。
上諏訪から出発するメンバーが揃ったところで、諏訪湖を廻り出します。
諏訪湖には自転車道があると聞いていたのですが、それは全周ではなく、東岸の湖畔公園付近にはありません。しかし数百m進み、湖の北東に差し掛かると現れました。湖側の赤い部分はジョガー専用レーンで、その外側が歩行者と自転車のためのレーンです。
北湖岸の赤砂岬に差し掛かるとこの自転車道はなくなり、湖岸沿いの一般道を行くようになります。
ここはピンクと白の芝桜がきれい。
赤砂岬から数百m行くと、再び自転車道が出てきました。
道脇には大きな柳の木が並び、うしろには八ヶ岳の姿が見えるようになります。
ほどなく岡谷湖畔公園に到着です。
先には天竜川に諏訪湖の水を送り出す釜口水門が見えます。
ここで諏訪湖とはお別れです。
諏訪湖とたくさん頂が並ぶ八ヶ岳をバックに記念の一枚。
釜口水門の上に立ち、諏訪湖の反対側を眺めてみます。
これが天竜川。ここからこの川は213kmを旅して、太平洋の遠州灘に流れ込むのです。
私たちはこの天竜川沿いをのんびり五日かけて下ります。
まず、最上流の天竜川沿いの道は、両側を山に挟まれた狭い住宅地の中を行きます。
このあたりの天竜川沿いの主要道はr14の岡谷街道ですが、これは交通量が多いので極力避けて進みます。それでたまにはこんな上りをこなさなければならなくなります。
『え〜、今日は天竜川を下るだけだと思っていたのに、なんで上りがあるの〜』 と、いきなりの上りに激怒のレイナ。
ちょっと高台から見た天竜川の向こうの集落です。
このあたりで諏訪湖から続く集落はほぼなくなり、谷がぐっと狭まります。
天竜川の上流は西は中央アルプス、東は南アルプスです。その間の狭い伊那谷を天竜川は流れていくのです。
先に白い山が見えてきました、方角からすればあれは中央アルプスでしょう。
この中央アルプスが現れたところで橋が出てきました。ここは左岸のr14岡谷街道を行く予定でしたが、橋向こうにも道が続いているようなので、それを行ってみることにしました。
ところがこの道、すぐに地道になってしまい、とんでもないことに。
廃道寸前の道をほとんど押して歩き抜け、ようやく出たのは『ほたる童謡公園』。
ここは松尾峡と呼ばれる流れの両脇に公園が設えられており、人工的な水路がたくさん造られています。六月になるとゲンジボタルが飛び交うそうです。
ほたる童謡公園を抜け辰野町に入ると、再び前方に中央アルプスが現れました。
この景色に全員、『お〜〜』 と叫びます。
辰野町は岡谷を出たあと最初に現れる大きな街です。この先の伊那谷は開け、伊那市、駒ヶ根市、飯田市と続いていきますが、私たちはここでお昼に。
諏訪湖周辺はうなぎが有名ですが、もううなぎは日常的に食べることができる食材ではなくなってしまいました。今回は参加者が少々多いので、時間節約のために辰野町で予約できるところを探すと、一軒の寿司屋が見つかりました。こんな山の中でなぜお寿司、と思われる方も多いと思いますが、だってしゃーないじゃん。他に予約できるところがないんだから。
ちょっとのんびり昼飯を楽しんだら、天竜川に戻ります。
雪山を見て俄然やる気が出てきた山男のレイが飛ばす。
『あの山は木曾駒ヶ岳あたりでしょうかね〜』 と、先に見える雪山の名を想像しながら進んで行きます。
このあたりの川沿いの道は、遠州灘に向かって?穏やかに下っているのがわかるほどで、軽快に進んで行きます。
伊那市の手前の箕輪町に入ったようです。うしろと横には比較的穏やかな山が連なり、天竜川の流れも穏やかです。(TOP写真)
左手に南アルプスが見えてきました。あれは仙丈ヶ岳でしょうか。そして前方には、先ほどからずっと見えている中央アルプスがあります。
その中央アルプスがぐっと近付いてきました。山形からすると、中央やや左の雪山が空木岳でしょう。そしてその先に南駒ヶ岳、越百岳と繋がります。右手前にぴょんと飛び出しているのは、濁沢大峰か。
『わ〜、すご〜い』 とこのあたりは全員、感嘆。
雪化粧の中央アルプスに向かって進んでいると、両刀使いのシロスキーがこのあたりにおいしい菓子屋があるというので、天竜川を離れ行ってみました。
広い道沿いに瀟酒な建物が建っています。これがシロスキー推奨の菓子屋だったのですが、
『ありゃりゃ、閉まってるよ〜 今日は定休日だって。。。』
期待していたお菓子をゲットできずに悔しがるシロスキーですが、先を急がねばなりません。サリーナと伊那市駅の近くで待ち合わせているのです。
桜橋の袂で無事サリーナと合流。そのサリーナ、
『天気が良くて、富士山がきれいだったよ。このあたりの山も凄いね〜』
天竜川に三峰川が流れ込むところにやってきました。ここで土手上の道は大きく進路を変え、三峰川の右岸に沿って東へ向かいます。
すると先に見える山は中央アルプスから南アルプスに変わります。左から、鋸岳、尖っているのは甲斐駒ヶ岳、そして横に広がっているのが仙丈ヶ岳。東西にある中央アルプスと南アルプス。このあたりは絶景が続きます。
伊那街道の竜東橋を渡り、三峰川の左岸を折り返します。
そしてあの中央アルプスの裾に戻ります。
再び天竜川の土手に戻りました。
うしろには中央アルプスの北端に位置する経ヶ岳の稜線が穏やかに落ちて行くのが見えます。
天竜川左岸の土手上の道が砂利道になったので、土手下の田圃の中を行きます。
ここは伊那で合流したサリーナが牽きます。
田圃が狭まりr488に出るとすぐ、道は急な上りになり、山の中に入って行きます。
先に小さな赤い吊り橋が現れました。天竜川に架かる吊り橋はこれただ一つだそうです。
その北の城橋から天竜川を覗いてみます。
上流側では、本流に支流と田圃に水を配った用水路などが流れ込んでいます。
そして下流側はたっぷりと水をたたえています。ここは伊那峡と呼ばれるところで、1kmほど先の大久保ダムにより造られた湖なのです。
山には今見頃の山桜がたくさん。
ここまでは天竜川の土手上の道で、それも概ね下りという快適なものでしたが、ここからはがらりと様相が変わり、山道になります。
『天竜川に山道があるとは知りませんでした〜』 と、道脇のきれいな山吹を眺めつつ上るマサキン。
山道は当然上り。ここでえっこらよっこらが始まります。
山側も川側も、新緑がきれい。
『昨日までで山は終わったと思っていたよ〜』 と、GW前半企画で足を使い果たしたジークがヨタヨタ上ります。
伊那峡の山道は1kmほどで終わり、駒ヶ根市東伊那の集落に出ました。
再び対岸に中央アルプスが見えるようになります。
この小さな集落には立派な長屋門を持つ民家がありました。
山は美しくもここでの生活はかなり厳しく、近年よそから移り住んできた家族はまだ何年も経たないのに、もう逃げ出したい、と言っているほどだそうです。
山間部の春はいっぺんにやってきます。
桜に菜の花にモクレン。
高台から再び天竜川に下りてきました。
この川は天下のあばれ川として有名ですが、このあたりの上流部ではまだその表情は穏やかです。
先に天竜大橋、そのさらに先に陣馬形山(じんばがたやま)が見えてきました。あの天竜大橋を渡り西へ進むと、駒ヶ根市の中心部を通って木曽駒ヶ岳に至ります。
その先の陣馬形山はこのあたりではまったくといっていいほど目立たぬ山ですが、この山をよく見ておいてください。これは明日のメインとなる山なのです。
天竜大橋の袂に辿り着くと、東屋があったのでここで一服。
この東屋から見る天竜川越しの中央アルプスは圧巻!
あの頂に並ぶ山々は、標高3,000mに届かんとするものばかりです。
その中央部付近を見てみると、空木岳から木曾駒ヶ岳にかけての稜線が見えているようです。
左から、熊沢岳、檜尾岳、平べったい頭の島田娘。チョンと尖った宝剣岳、その下に千畳敷カール、右端の丸い頭が伊那前岳といったところでしょうか。
天竜大橋からは伊那街道近くにある、夕陽がきれいだという『夕陽の丘』に向かいます。
天竜大橋の先で、角度を変えてやや南を見れば、遠方の左から、越百山、南駒ヶ岳、そして空木岳と続いています。
天竜大橋からはちょっと上り。少しハヒハヒして『夕陽の丘』に到着。
時は16時40分。夕暮れまではまだだいぶ時間があり、太陽は山の上でビカビカです。完全逆光で山は絵になりませんが、東屋の下で一枚。
『夕陽の丘』から天竜川左岸のr18を上って開けたところに出ると、駒ヶ根市中沢あたり。
耕された畑の隅っこには、満開の桜。里のいい雰囲気の中を進んで行きます。
畑に真っ白な花が咲いています。これはたぶんリンゴでしょう。長野県はリンゴの生産地で、その生産高は青森についで二位です。
リンゴは5月の今頃、花を咲かせるのです。
この満開のリンゴの花は見事です。
『リンゴの花って、きれいなんだね〜』 と、お菓子を買い損ねてがっかりだったシロスキーが、この花を見て元気回復。
リンゴの花畑のあとは再び山道になりました。
シロスキーが牽いてこの山道をどんどこ。
伊那街道から分岐するr200に架かる日曽利橋の袂までやってきました。
そこから見る天竜川の流れは穏やかで、周囲の新緑もきれい。
日曽利橋から先も山道は続いています。このあたりで天竜川は大きなうねりを見せます。
夕陽に照らされた川面が美しい。
右手は天竜川に落ち込む谷、左手には急峻な崖が迫ります。
このいかにも自転車向きの山道をえっちらおっちら進みます。
天竜川側の木々は時々途切れ、青い空と中央アルプスがその合間から顔を出します。ここはいい道なのですが、
『今日は上りはないと思っていたのに・・・』 ぶつくさ言う声がどこからともなく。(笑)
山道が終わり、中川村の坂戸橋の近くに出ました。
天竜川を挟んでその向こうに、あの中央アルプスの頂が並んでいるのが見えます。
これで無事、本日の宿に到着。ここでみんながそう思いました。
ところが我らが宿はこの遥か高台にあったのです。気を取り直して坂道を上り始めますが、ここからの坂が本日一番の激坂だったのです。
ありゃ、まあ。。。
えっこらよっこら、えっこらよっこらし、なんとか最後の坂を上り切りました。
下では木々の上に僅かに顔を出していた北アルプスですが、ここからはその麓まで見えます。
私たちの今宵の宿は村営の望岳荘。ここは宿泊施設以外にレストランなど様々な施設が集まった複合施設で、かなり立派。
そしてさらに驚くべきことに、ここにはこれまで見てきた以上の中央アルプスの大展望があったのです。その紹介は明日に。
さて今日のコース、諏訪湖から流れ出した天竜川の上流部を辿る旅は、その流れに中央アルプス、南アルプスの眺望が加わって、かなり素晴らしいものでした。明日はここから陣馬形山に上って、その頂上からこれら両アルプスの眺望を楽しみます。この登坂高度は800mで平均斜度8%超え。果たして上り切れるのか。
◆ひとこと by レイナ
明るい空、優しい風、緩やかな川の流れ、残雪の山並み。 素晴らしいスタートでしたね〜。
初日はコースのほぼ全体が緩い下り基調で、 「やっぱ、ポタは川沿い下りだよね〜!」とルンルン気分でした。 今回は初日の宿泊後、翌朝離脱ということで、 宿への最後の上りもなんとか踏ん張って、 へたりまくりのパワーを絞り出しました。 が、正直、上りでこぎきれずに自転車を降りて押すのは、 それすらももはや苦行・・・。 失った体力を取り戻す日がいつか来るのだろうか。
翌朝、後ろ髪引かれる思いでみなさんを送り出しましたが、 しかし、この後ツアー全体の顛末を聞くにつけ、 じぇじぇじぇ!(古い?) 初日でリタイアしてよかった〜♡ と思わずにはいられませんでした。 そしてこの日最大の謎は、 こんな山の中でなぜランチにお寿司??? でもおいしかったんです、これが。
◆ひとこと by レイ
前日5月1日のレイナとの諏訪湖事前ポタはあまりの寒さにめげていました。が、5月2日、3日とも快晴、気温も高くポタ日和。久々のサイクリングを堪能出来ました。
何より良かったのは、泊まり込みのポタだったこと。寝ている以外は常に一緒で連帯感が高まり、楽しいひと時でした。来年はレイナ共々全行程に参加したいと思います。