キャンプの朝。今日はどうやらお天気はもちそう。ゆっくり朝食のあと、出発準備を整えたメンバーです。
『昨日は嵐のバーベキューだったけど、何だか盛り上がったね〜』と笑顔の面々&ワンコのサンタロウ、カメラはプリン。
今日はマイテントをたたんで家路につくベネデッタとプリン、そして猪苗代駅に直行するヒデちゃんが離脱し、走行メンバーはレイナ、ジーク、サリーナ、サイダーの4人。
嵐の去った思い出深いキャンプ場を出発です。
まず、国道459に入って檜原湖の南岸を南西方面へ。
初日に歩いた五色沼の終着地点を通り過ぎ、どんどん進みます。
途中から自転車・歩行者帯はなくなり、このあたりは道路の両側を工事中です。これから自転車・歩行者帯を整備してくれるのでしょうか。
周囲は深い緑の森。今日はまず上りが続く行程で、もうすぐ上りの磐梯山ゴールドラインに入ります。
国道459を左折し、いよいよ磐梯山ゴールドラインに入りました。
今日は磐梯山までハイキングしようかという案もあったのですが、昨日の雨で登山道は多分ぐちょぐちょだろうからとパスすることにしました。でも磐梯山ゴールドラインは景色が良さそうなので、この道を通ることにしたのです。
ゴールドラインの入口からピークの八方台登山口までは5km、約300mの上りです。
走り始めは結構勾配のきついウネウネ道。『いきなりきた〜』とヨロヨロするサイダー。
『あとどのくらいかな。。』 と、小休止の間にチェックするレイナ。
とにかく5kmはずっと上りを行くしかありません。周りは深い緑一色、そして眩しい日が照ってきました。
もくもくと上ること1時間ほど、少し視界が開けて磐梯山パーキングエリアに到着です。まだピークじゃないけどね。
その視界の先には、磐梯山の赤茶けた山肌が見えています。
この茶色くえぐられたような岩肌のところは、1888年の大噴火によって小磐梯が吹き飛んだ爆裂噴口です。
その看板を見たサリーナ、驚いて『あの岩肌、爆発でそうなったんだって!』と言うと、『え、知らなかったんですか?』とレイナ。
ハイ、西日本出身なものでジークとサリーナは初めて知ったのでした。
パーキングエリアからは、上りはあと1kmほどです。
あと少しだ〜 と出発。
今回、奈良から参加のジークが愛車トレンクルで上る。
『裏磐梯は以前自転車で来たけど、前に行けなかったところを走れて楽しい〜』とスイスイ走って行きます。
そして、上り最後の1kmは勾配も少し緩やかになっています。
わっせわっせと上ると、ついにピークの八方台登山口に到達!(TOP写真も)
この登山口の駐車場でしばし休憩です。
天気が回復して、これから磐梯山に登ろうという人たちが車で少しずつやってきていました。
『あとはず〜っと下りだからね。気をつけてね』と駐車場の係の方に見送られて出発。
この下り、ウネウネとカーブの続く道なので慎重に。
ピークから3kmほど下ったところに『まぼろしの滝』という看板と駐車場がありました。
『まぼろし』とはなぜか? それは遊歩道ができるまでほとんど人に知られていなかった滝だからだそうで、駐車場の反対側の緑の間を分け入って進んでいきます。
うっそうとした緑の中に佇むレイナとサイダー。
その足下には小さなせせらぎが流れています。
せせらぎは、その上の滝の流れを集めて勢いよく岩の間を流れていました。
そして『まぼろしの滝』は、緑の木々に包まれ、ぐるりと空を覆う岩場の間から流れ出るこんな滝でした。
滝の流れる音しか聞こえません。静かな涼しいミストシャワーをバックにポーズ!
滝をあとに、さらに下りを続けます。
『下りは私の世界よ』と先頭を引くは、下りの女王レイナ。
400mほど下ったところに駐車場があり、ここにも『とび滝』という滝があるそうですが、特に遊歩道などのサインもなく見つかりません。
仕方なく、100mほど下って次の『滑滝(なめりたき)』の駐車場へ。看板によると、その滝はどうもこの画面の下あたりにあり駐車場から見えるはずなのですが、夏場は草木が生い茂って見えないようです。その上に聳えるはずの磐梯山も雲の中でした。
残念だね〜と言っていると、『滑滝』の少し先の緩いカーブのところに展望所がありました。
その展望所からは、はるか下に猪苗代湖がうっすらと姿を現しています。
曇り空にやや霞んでいますが、猪苗代湖とその周囲の丘、そして田んぼや集落が広がっています。
さらに700mほど進むと、今度は『山湖台』という展望所に着きました。
ここから眺める猪苗代湖は、滑滝展望所より少し大きく見えました。お天気がよければ那須連峰まで望めるようですが、今日は雲の中です。
猪苗代湖の景色を楽しみながら、レイナを先頭にさらに下っていきます。
相変わらず磐梯山は雲に隠れたままですが、右に左にとカーブを描きながら下りていく道は気持ちいい。
そして、ついに田んぼの広がる平地に下りてきました。
馬洗場というところのようですが、『ありゃ、しまった〜』とサイダー。
快適な下りで、途中の分岐点を見逃したようです。
というわけで暑い日ざしの中、コースに戻るために再び上ります。このパターン、前にもあったような。。
この道は猪苗代湖より少し高台にあり、車も少なく周囲に田畑が広がっています。
道沿いに設置してあるシャッターのような建造物は、風よけでしょうか。
あたりは田園風景で、ところどころにペンションの看板が出ています。
『のんびりムードで楽しいですね〜』とレイナ。
そんな道をしばらく走ってから、JR翁島駅の横を通って猪苗代湖へ向かいます。
県道205に入り、磐越西線を越え磐越自動車道をくぐって田んぼの道をどんどん進みます。それにしても山を下りて平野部に入ると暑さが増してきます。
日ざしがあっつ〜い、それにお腹もすいてきた。そろそろお昼時。食事どころはないか、と走っていると、国道49に入って湖に到着するとほぼ同時に『カフェ・マリーナ』の看板が見えました。
さっそく敷地に入ってみれば、ヨットがありマリーナがあり、そのマリーナを眺めるテラスレストランがあるではありませんか!
そして気持ちよいテラス席に陣取り、ハンバーグステーキセットなどに舌鼓。
ここは翁島港マリーナのクラブハウスのレストランだそうで、ジオポタには珍しくゆったりとリゾート気分を満喫です。
ゆっくり昼食を終えて、再び走り始めます。
これから猪苗代湖沿いをさらに南西に走っていきます。目的地は『天鏡閣』という建物です。
湖には青空が広がり、変化に富む湖岸の景色もくっきりと見えてきました。
ジェットスキーなどウォータースポーツを楽しむ人たちの姿も見えます。
湖岸にはキャンプを楽しむ人たちもいます。
今日は最高に気持ちよさそうですね。昨日は私たちと同じく雨のバーベキュー?
湖畔の宿を通り過ぎます。
ジークは、今晩はここに泊まる予定だそうです。
その宿のすぐ先に、天鏡閣へ至る分かれ道がありました。
久しぶりの上り坂をよっこらよっこら上っていきます。
すばらしい青空と猪苗代湖を見ながら上っていきます。
『いいお天気になったから、このあと遊覧船に乗ろうかな。。』と考え中のジークです。
上った丘を回り込むようにして進むと、天鏡閣の入口の門が現れました。
ここは有栖川宮の別邸として明治41年に建てられたそうで、現在は福島県が所有し、国の重要文化財となっています。このレンガの表門も重要文化財だそうです。
そして門を入って木々の緑の中を歩いていくと、真っ白い洋館の本館に出ます。
『天鏡閣』という名前は大正天皇が皇太子時代に命名したのだとか。
入ってみると、1階は食堂や客室などが並んでいます。
こちらの客室はティールームとして開放しており、紅茶とスイーツで優雅なひとときを味わえるそう。
こちらは撞球室、ビリヤードです。赤と白の四つ玉ですね。
そして天鏡閣のすぐ近く、猪苗代湖の見える高台に、天鏡閣の離れとして建てられた旧高松宮翁島別邸があります。
昭和27年に天鏡閣とともに福島県に御下賜され、現在は福島県迎賓館となっています。
特別公開期間中だったので見学できると思ったら、残念ながら事前予約が必要とのこと。
それでも雨戸が開けてあり、中をうかがうことはできました。日本間の建物で、木々の間に落ち着いた雰囲気で佇んでいます。穏やかでほっとするような美しい建物でした。
その庭の先には東屋があり、松の木の間から猪苗代湖を眺めることができます。
見学を終えて、国道49まで下ります。連休最終日でもあり、湖沿いの国道49はかなり車で混んでいました。
ジークはこれから猪苗代湖を遊覧船で巡るというので、ここでお別れです。
レイナ、サリーナ、サイダーの3人は来た道を戻って北上し、県道205に入ります。
正面の磐梯山は、頂上付近にちょっとだけ雲が残っています。
3人は猪苗代駅から列車で東京方面への帰路につくわけですが、まずはひとつ手前の翁島駅の方にやってきました。その理由はこれ、翁島温泉の旅館で日帰り温泉に浸かろうというのです。
ゆったり温泉に浸かり、汗を流してさっぱり。いい気持ち〜 のレイナとサリーナ。
けれど、午後4時を過ぎたとはいえ、まだまだ日ざしは強い。
『猪苗代駅までは3kmくらいだから、へっちゃらですよね』とレイナ。
猪苗代駅方面へ、サイダーの引きで田んぼの中の道をどんどん進みます。
磐梯山の雲は頂上をちょっとだけ隠すのみとなりました。
あれ、でもどうして磐梯山に向かっているの? 『サイダー、猪苗代駅はこっちですよ〜』という声が聞こえないのか、どんどん山に向かうサイダー。
ついに田んぼの中のダートに入ってしまいました。
『駅から離れるし、なんでなんで〜』と、キレそうなレイナとサリーナを置いてどんどん進むサイダー。
そんなサイダーの目の前には、ついに雲が晴れて頂上まで姿を現した磐梯山がどど〜んと聳えています。
『いやあ、列車にはまだ時間があるので、ちょっと小腹を満たそうかと…』 と、サイダーが引いてきた先には台湾料理屋さんがありました。
なあんだ、そうだったのかとさっそく豆腐や餃子、野菜炒め、油淋鶏などをばんばん頼むレイナとサリーナ。ところがここ、1皿の量がハンパなく多かったのです。結局、餃子はお持ち帰りで新幹線のお供となりました。
こうして列車の時刻に合わせて店を出発し、無事に猪苗代駅に到着です。
長年あたためてきた企画をついに実現した『裏磐梯なんちゃってキャンプ』、雨や嵐もあったけれどみんなでワイワイBBQはすごく楽しかった〜! 次のなんちゃってキャンプはどこにしようかな。