新聞の見出しは『酷暑』! ここのところ全国的に猛烈な熱風に襲われています。
海の日の三連休は、毎年梅雨が明けるかどうかという微妙な時期で、ぐずついた天気のことも多いので、今年はキャンプは予定していませんでした。ところが関東地方の梅雨は7月に入らぬうちに明けてしまい、この暑さです。どうにも都心で三連休を過ごす気になれず、緊急キャンプ企画の発動です。
なんとか確保できたキャンプ場は、ジオポタなんちゃってキャンプの発祥の地、鹿沢高原です。
私たちは手ぶらで行ってテントを張る必要もなく、機材食材を持ち込まずともBBQできるキャンプをなんちゃってキャンプと呼んでいます。
直前までキャンプ場までは自転車で行くつもりにしていたのですが、天気予報によれば最高気温が36°Cにもなるというので、これは断念。車で行くことにしました。
所要を済ませたムカエルが、サイダーとサリーナを西武新宿線の久米川駅前でピックアップしたのは午前10時少し前。所沢ICで関越自動車道に乗る予定でしたが、ナビはあらぬ方角を示しています。関越が渋滞を起こしているようです。ところがナビの示す下の道も渋滞で一向に進まず、いつまでたっても川越、坂戸あたりを抜けられません。ようやく東松山で関越に乗れたのはなんと正午過ぎ。およよ〜、今日は辿り着けるの?
『まあ、今日中に着ければいいんだから、そう慌てなくてもいいさ。』 と自転車走行を断念した時からそう思っていたサイダーでした。
高速に乗ったあとはスムースでした。しかし外気温は35°、36°、37°、38°、39°と上昇していき、そしてついに40°Cに!
秩父の山々が左手に見え、右手には赤城山、そして榛名山が。正面に妙義山が見えるようになると、周辺は急に山深くなってきます。
東松山からは一時間半ほどで小諸に辿り着きました。インターチェンジを降り、蕎麦屋で昼食をと思ったら、なんと蕎麦が売り切れ。仕方なくそのすぐ先にあった道の駅に入ります。
ざるそばやくるみそばをいただいたら、近くのスーパーマーケットで酒とつまみを買って目的地の鹿沢高原に向かいます。
結局、鹿沢高原の休暇村に辿り着いたのは、東京を出てから5時間半後の15時半でした。チェックインを済ませ、寝袋やBBQの機材をテントに運んだら、さっそく一杯飲みに掛かります。
グビッと最初のビールが喉を通ると、ウッッパ〜〜っと、壮快この上なし。
一杯飲んだら、ムカエルは薪割りを始めます。本当は割らなくてもいいんだけど、斧を使ってみたくてしょうがないのです。
そのムカエルの足元にはオオバギボウシとヤマホタルブクロが咲いています。
昔はこのホタルブクロの中に良く蛍を入れて遊んだものですね。
しばしビールで身体を冷やしたら、近くを散策しに出かけます。
休暇村周辺は鹿沢園地で、ここには二つの散策路がありますが、私たちは『かえでの小径』を。
キャンプ場の受付がある建物の東端から少し下ると、この『かえでの小径』に出ます。
きれいな広葉樹林の中に湧水川が流れ、それに沿って小径が延びています。
タモの橋から湧水川を覗くと、透き通ったいかにも冷たそうな水が流れています。
ここは足元にクマザサが生え、その向こうには明るい広葉樹林が続いています。
白い花はツルアジサイでしょうか。
小さな湿原に出ました。近くにヤマアカガエルのレリーフがあるので、ここにはヤマアカガエルがいるのでしょう。
川のほとりにはカキツバタの葉がたくさん出ています。
ここで湧水川に足を付けてみると、とても冷たい。
『冷やっこい!』 と、ちょっとびっくりのサイダーでした。
小さな湿原からはさらに下を流れる湯尻川沿いを行きます。
遊歩道には赤いキノコが生えていました。
このあたりはかえでの木が多いようです。良く見るとそれもいろいろな種類が混ざっているようなので、秋にはきっと素晴らしい紅葉になるでしょうね。
今ではちょっと信じられませんが、このあたりはかつては牧場だったようで、林も自然林と人工林とのミックスだそうです。
さらに下ると大きな岩がごろごろした所になります。
案内板によるとこれらは、今から約180万年前に活動を開始した烏帽子岳の噴火活動によって形成された湯ノ丸カルデラの形成期に、周囲の山々から噴出した岩らしい。その烏帽子岳の東にあるのが浅間山で、これは今なお火山活動中であることはよく知られていますね。
巨岩群の下にはつる性植物が少しだけ生えており、その先で湯尻川を離れ、キャンプ場方面へ上ります。
すると正面はカラマツ林になります。これは人工林でしょう。
カラマツは日本の針葉樹の中ではただ一つだけの落葉性の高木で、その芽吹きはとてもきれいです。
この時期は芽吹きからは大分時が経っていますが、まだ初々しい黄緑色が残っています。
道端にサンショウウオのレリーフがありました。
湧水川にはどうやらサンショウウオが生息しているらしい。
キャンプ場に戻る途中にある笹の葉を良く見ると、きれいに並んだ穴があるのに気付きます。
これはコチャバネセセリという蝶の幼虫が開けたものだそうです。
ミズナラを主とした美しい広葉樹林が広がっています。
シダもこの時期は輝くような色。
小一時間のショートハイキングを楽しんだあとは、いよいよBBQの準備に取り掛かります。
まずは炭に着火しなくては。ところがいただいた炭がシケているのか、これがなかなか着火せず。まあ、こういう時は慌てず急がず、ビールを飲みながら、勝手に火が着いてくれるまでボーっと待ちます。
この時の気温はすでに22°Cほどになっており、火の傍にいてもまったく暑く感じません。この高原、最高です。
待つこと30分、どうやら炭に火が移ったようです。ここで炭をBBQ台に移し鉄板を載せます。食材の野菜はすでに切られており、ソーセージや肉も手を掛ける必要なし。これらをジャバッと鉄板に放り込めば、ジュジューっといかにも旨そうな匂いがしてきます。
高原で涼みながらのBBQ、なんと贅沢なのでしょう。周囲が闇に包まれた頃空を見上げれば、満天の星! 都心を脱出して来た甲斐がありました〜
さて、明日はさらに数名が加わり、池の平湿原をハイクして、またBBQを楽しみます。