コース紹介
シチリアのまん真ん中にある『シチリアの展望台』と呼ばれる丘の上のエンナから、伝説の湖ペルグーザを廻り、古代ローマのモザイクを眺め、マジョルカ焼きの美しいタイルの大階段があるカルタジローネまで。これぞシチリアという赤茶けた丘陵地が続きます。
2000.08.18(金)晴れ エンナ駅〜エンナ
総合評価 | ★★ |
難易度 | ▲ |
走行距離 | 5km |
発着地 | 累積距離 | 発着時刻 | ルート | 評価 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Enna駅 | START | 発14:20 | S561 | ★★★ | 列車:Agrigento12:15→14:15Enna 12,500L/人 |
Enna | 5km | 着15:40 | 泊:G. A. Sicilia/155,000L/朝付 | ||
L (リラ)= 0.055円 |
Enna 山のてっぺんの街
いよいよシチリア中央部の自転車の旅の始まりだ。
正午過ぎに列車でアグリジェントからエンナへ。自転車は折り畳んでデッキに置いた。
エンナの鉄道駅から街までは僅かに5km。走り出しの勾配は緩く、まだ元気がある。
写真正面の街がエンナだとばかり思っていたが、実は隣の町カラシベッタで、エンナはもっと高い所だった。
後に明らかになることだが、シチリアの街はすべて丘の上にあり、最後には厳しいヒルクライムが待っているのだ。
延々と続く上り。しかも午後2時過ぎで気温は40度を超えている。
次第に勾配がきつくなってきた。日陰のほとんどない道を休み休み時速7kmで上る。歩いた方が速そう…。街まで1時間半もかかり、昼食も食べられずのヨレヨレ状態でたどり着く。
エンナは標高931m。イタリア中でもっとも標高の高い県庁所在地で、『シチリアの展望台』との名声がある。街からはすばらしい眺めのシチリア中央部が一望にできる。
この写真の遥か下から自転車で上ってきたのだと改めて感動。駅から高度で500mくらいは上ったようだ。TOP写真の左上に見える丘の上の街は、カラシベッタ(標高691m)。
ここは、ギリシア以前からの歴史を持つ中世の街だ。
厳しい上りの後は、やさしい表情の中世の街が我々を迎えてくれる。
旧市街は歩いて回るのにほどよい大きさで、気分よく散歩が楽しめる。
石畳を進めば、街の西寄りのヴィットリオ・エマヌエーレ広場に面してサン・フランチェスコ・ダッシジ教会が立つ。
14世紀の建築でその後頻繁に改築が重ねられたようだ。
この鐘楼は、元は都市防衛システムの一部の古代の望楼であったらしい。
街の中央部にはドゥオモ。14世紀に建てられ、2世紀後に大改装が施された。
側面部の入口にはコリント式の柱が見える。
アプスには大きな十字架がぶら下がる。
街の東の端には、展望のすばらしいロンバルディア城がある。
ここからは隣の城壁都市カラシベッタやその奥に広がるシチリアの赤茶けた台地が望める。
旧市街は歩いて回るのにほどよい大きさで、気分よく散歩が楽しめる。
2000.08.19(土)晴れ エンナ〜ピアッツァ・アルメリーナ→カルタジローネ
総合評価 | ★★ |
難易度 | ▲ |
走行距離 | 55km |
発着地 | 累積距離 | 発着時刻 | ルート | 評価 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Enna | START | 発06:50 | S561 | ★★★ | Hotel Sicilia発 Ennaを出てしばらくはダウンヒル |
Pergusa | 10km | 着07:30 発08:30 |
S117b | ★★ | Pergusa湖一周/5km/サーキット場になっている その後は丘陵地を23km走る。 |
Piazza Armerina | 38km | 着09:45 発10:30 |
★★ | 広場前のBarで朝食とビール。 カテドラル見学後、モザイクへ。 |
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Villa Romana | 45km | 着11:15 発12:40 |
★★ | モザイクは見どころ。 でも、とにかく暑い。 |
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Piazza Armerina | 53km | 着13:20 発14:10 |
バス | ★★ | バス/5,500L |
Caltagirone | 55km | 着15:20 | バス停から中心地まで上り坂3km 泊:Scala due/60,000L |
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L (リラ)= 0.055円 |
翌日は朝早くエンナを出発。
丘の上からの下りは爽快だが、あっという間に終わる。丘の下には新しい街が作られている。
Pergusa プルートーがペルセポネを誘拐した伝説の地
エンナから約10kmで伝説の湖ペルグーザに到着。ここは神話ではプルートーがペルセポネを誘拐した場所だとか。近年水が干上がってきているという。周囲はサーキット場になっていて、コース内でジョギングをしている人を見かけた。自転車もOKだったかも…(我々は外周道路を走ったが)
近くの松林で巨大松ぼっくり(20cm)発見!
Piazza Armerina バロック様式のドゥオモと古代ローマのモザイクの街
10時前にピアッツァ・アルメリーナに到着。
街の広場のバールで朝食。折畳み自転車がバールでくつろぐおじさんたちの注目の的になった。最も高い場所にあるドゥオモはバロック様式。
このドゥオモを見学の後、近くにある古代ローマ時代の有名なカサーレ荘のモザイクを観に出発。
道を聞く場合はただ「モザイク」と聞くと良い。ヴィッラ・ロマーノとかカサーレとか言ってもどうやら通じないみたい。
まだ10時過ぎなのにすでに灼熱の太陽が照りつけている。街からは下りが続き、ほどなく郊外へ。季節がよければ田園地帯と思われる場所の中に、古代ローマの別荘カサーレ跡がある。
3〜5世紀の壮大な建物跡の各室の床には美しいモザイクが施されている。特に有名なのは、ビキニ姿の10少女の広間。
ビキニ姿の10少女は写真ではわかりにくいが、この写真のように細かいモザイクでできている。
ここはモザイク保護のためにガラス張りの上屋に覆われていて、温室状態で死ぬほど暑い! カフェの氷入り生オレンジジュースがすばらしくおいしかった。
Piazza Armerina 緑色・青・黄色の陶器の街
モザイクからピアッツァ・アルメリーナに戻ると1時過ぎ。
灼熱地獄は最高潮に達し、自転車による移動をやむなく断念。バスでカルタジローネへ。
カルタジローネはマジョルカ焼の街。この街が形成されたのはイスラム時代と言われており、当時から陶器を生産していたという。この地方の他の街と同様、17世紀末の地震から再建されたバロックの街だ。
カルタジローネの見どころは何といってもサンタ・マリア・デル・モンテ教会に至る壮大な階段だ。142段、50mの高低差がある。階段自体はバロック時代のものだが1953年に溶岩石でつくり直され、手作りの美しいマジョルカタイルで飾られ、街のシンボルとなった。
この壮大な階段『スカーラ』の蹴上げはすべて異なる模様の美しいタイルで飾られていて楽しい。
ここは階段が大変自慢の街らしく、私たちが夕食をとったレストランは『スカーラ1』、泊まったペンションは『スカーラ』!
この階段に沿って立ち並ぶ建物もみんな立派。
大階段の上にはサンタ・マリア・デル・モンテが立つ。
この階段は市民みんなのイベントの場、劇場、そしてパフォーマンス広場でもある。
結婚記念写真を撮るカップルが列をつくっていた。
結婚式が終わったばかりか、これからなのか、花嫁と花婿、そしてかわいらしい女の子が大階段の下に佇んでいる。