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シチリア周遊 2

カルタジローネ~ラグーサ

開催日 2000.08.20(日) 晴
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★★
難易度 ▲▲▲
走行距離 81km

Ragusaの新旧の相対する街
ラグーサの新旧の相対する街

走行ルート図
地図ベース:ミシュラン432

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コース紹介

シチリア中央部の山岳都市を巡ります。丘の上にある小さな街には映画に出てきそうな教会と広場があり、最後に辿り着くラグーサは見上げるような丘にびっしりと、中世の混沌とした街とバロックの整然とした街の建物がへばりつきます。

発着地 累積距離  発着時刻 ルート 評価 備考
Caltagirone START 発05:20
★★ Pension Scala2発
まだ日の出前で暗い時間に出発
Vizzini 30km 着08:10
発08:30
S194 ★★★ 景色のいいコース。交通量も少ない。
このあたりからヒルクライム。
Monterosso Almo 46km 着10:15
発10:45
S194  ★★★ Ragusa手前もやはりヒルクライム。
景色を見る余裕があれば、すばらしいコース。
Ragusa 81km 着14:30

泊:Montreal/127,500L/朝付
L (リラ)= 0.055円

Caltagirone

カルタジローネカルタジローネ

シチリア中央部の自転車の旅は続く。

エンナからカルタジローネまででシチリアの街はみんな山岳都市であることを理解し、そこにある猛暑を体感した。

シチリアの猛暑を逃れるには、暗いうちに走るしかない! 朝寝坊な我々が4時半に起きてカルタジローネを出発。ペンションの前で自転車に荷物を積んでいると、宿主の青年がやって来るのに出会う。『なんでこんな真っ暗なのに出ていくの?』と目を丸くしていた。

カルタジローネ付近カルタジローネ付近

ひんやりとした空気の中を走るのはいい気持ち。

しばらくすると夜が明けてきた。25kmほどは幹線を走り、その後枝道へ。

連なる丘陵と丘の上の街連なる丘陵と丘の上の街

丘陵地を走る。

幹線にくらべると景色も楽しめ、時にはチームジャージに身をかため早朝練習をしているロードレーサーたちに出会う。結構年輩のおじさんたちが、『チャオ!』とあいさつし、珍しそうにBirdyを眺めてから颯爽と走り去る。

Vizzini

ヴィッチーニを下から望むヴィッチーニを下から望む

このあたりはどの村も山(丘?)の上にあり、下から村を眺めるのも、村からの眺めもどちらもすばらしい。

ヴィッチーニもそんな丘の上にある村だ。

ヴィッチーニの市庁舎ヴィッチーニの市庁舎

30kmを快適に走り、ヴィッチーニの街に到着。この調子なら今日は楽勝か!?

中央広場のバールは開いたばかり。クロワッサンとカプチーノで朝食。観光客などは来ないようで、広場にいるおじさんたちは珍しそうに我々を見ていた。この街にも、カルタジローネほどではないが、やはりタイルで飾られた美しい大きな階段がある。

Monterosso Almo

モンテロッソ・アルモモンテロッソ・アルモ

ヴィッチーニを出るとしばらくはアップダウンが続く。

次の目標モンテロッソ・アルモ(赤い山)は名前の通り、山の頂上にある。首が痛くなるほど上にある街を目指して黙々と走る。景色は美しいが、最後の上りは結構大変!

モンテロッソ・アルモの広場モンテロッソ・アルモの広場

しかしまだ10時過ぎなので何とか余裕をもって街に着く。

モンテロッソ・アルモモンテロッソ・アルモの教会

小さいながらもこの地にふさわしい小さな教会とその前の小さな広場。

強い太陽に乾いたシチリアの空気。時が止まったような静寂の街だ。

バールで出会った少年モンテロッソ・アルモのバールで出会った少年

その角のバールで小休止。

近所の少年とデジカメで遊ぶ。

灼熱の太陽の下を行く灼熱の太陽の下を行く

モンテロッソ・アルモを出るとしばらくは爽快な下り(街はみんな山の上にあるのだから…)。その後は丘陵の田園地帯を走る。景色はいいがかなり暑くなってきた! 頭に水をかけながら走る。

灼熱の午後1時、目指すラグーサまであと5km。ところがここからが急坂になり、足が動かなくなってしまった。それでもしばらくは自転車に乗ったり押したりしながら上ったのだが…。

Ragusa シチリアの中の丘の島

ラグーサ・イブラ地区ラグーサ・イブラ地区

ラグーサの街まであと3km。

ついに飲料水が切れてしまった。目の前にはラグーサの新旧の市街地が対峙するすばらしい眺望が広がっている。(TOP写真) 右手の上に見える教会は旧市街のドゥオモ(サン・ジョルジョ大聖堂)だ。それなのに、楽しむどころか足が一歩も動かない! 自転車を押すことさえつらい状態になってしまった。

サイダーが一足先に街に入って水をもらってきてくれたが、もうフラフラの熱射病状態だった。道路脇の空き地で、『私はしばらく横になる!』とダウン。

見上げるようなラグーサ旧市街見上げるようなラグーサ新市街

なんとか起き上がって旧市街の南を通り、ちょうど新市街との境までやってきた。この新市街は見上げるほどで壮観だ。

ラグーサは古代、シクリ人が築いた城塞が街の起源とか。その雰囲気をそのままに再建された旧市街『ラグーサ・イブラ』と、地震後にバロックの新市街として建設された『ラグーサ・スーペリオーレ』に分かれる。東にある低い丘に旧市街が、渓谷を挟んだ西の高い丘に新市街がある。

ポンテ・ヴェッキオポンテ・ヴェッキオ

その新市街もサンタ・ドメニカ渓谷によって二つに別れている。駅がある渓谷の南側はより新しい地区のようで、ここから渓谷に架かるポンテ・ヴェッキオ(1837年-1843年)を眺めながら、新市街でも古い方の地区に入る。

結局ホテルに着いたのは午後2時半、最後の5kmに1時間半かかってしまった!

新市街のサン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂新市街のサン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂

ホテルの部屋に冷房を入れ、しばらく休む。起きると夕方5時で、それからやっと街歩きを開始した。

ホテルのある新市街のスーペリオーレ地区は17世紀末の大地震後に建設されたバロックの碁盤目状の街。一方、坂を降りた旧市街のイブラ地区は中世の街をほぼそのまま再建し、迷路のような街並が続く。大地震の後、この両地区は20世紀の前半に統合されるまでの間、2世紀以上に渡り分裂と統合を繰り返してきたという。それぞれが自分の町の方が豊かであることを誇示すために、立派な様々な建築物が建てられた。

新市街のドゥオモはサン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂。これも両地区の競り合いの結果と言えるかもしれないが、このドゥオモは1694年に建設が開始されている。大地震が1693年なので、震災直後に建設が始まったことになる。しかもわずか4ヶ月で完成したらしい。当時の人々が宗教にどれだけ頼っていたかをここから見ることができるだろう。

新市街のサンタ・マリア・デッレ・スカーレ教会からイブラ地区を望む新市街のサンタ・マリア・デッレ・スカーレ教会からイブラ地区を望む

新市街から旧市街へ向かう。

新市街の東の外れに立つサンタ・マリア・デッレ・スカーレ教会までやって来ると、その向こうにイブラ地区が西日を受けて輝いていた。

イブラ地区の路地からサン・ジョルジョ大聖堂を望むイブラ地区の路地からサン・ジョルジョ大聖堂を望む

歩いて楽しいのは断然イブラ地区。

階段を上ったり下りたり、迷路のような街並が続き、突然バロックの壮大なカテドラル、ドゥオモ・ディ・サン・ジョルジョ(Duomo di San Giorgio)と広場が現れる。

サン・ジョルジョ大聖堂サン・ジョルジョ大聖堂

イブラ地区のドゥオモは1739年に建設が開始されたサン・ジョルジョ大聖堂。他の建築と同様にこのドゥオモも全体としてはバロック様式だが、入口に地震以前のカタルーニャ風ゴシック様式が見られる。ドームは1820年に、パリのパンテオンを参考にして設計および建設されたという。

今日はシチリアの猛暑を体験した厳しい一日だった。広場のレストランで締めくくりの夕食。ラビオリや鯛のグリルがおいしかった。(サリーナ)

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