コース紹介
シチリア随一のリゾート地タオルミナを散策し、もくもくと煙りを上げるエトナ山を眺めたら、海岸線を北上。シチリア島とイタリア本土を繋ぐメッシーナへ。高速船で本土との海峡を越え、エオリア諸島のリパリ島に渡ります。
2000.08.23(水)晴れ タオルミナ
発着地 | 累積距離 | 発着時刻 | ルート | 備考 |
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Siracusa | START | 発08:20 | 一般道 |
Hotel Panorama発 |
Siracusa駅 | 3km | 着08:45 発09:10 |
列車 | 列車:12,500L+bike7,000L |
Taormina駅 | 3km | 着11:05 発11:30 |
一般道 |
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Taormina | 6km 8km |
着12:30 | 泊:Hotel Elios/150,000L/朝付 | |
L (リラ)= 0.055円 |
シラクーザから列車でタオルミナにやってきた私たちは、海岸沿いにある駅を出てきょろきょろ。街はどこだ?
地図ではぼとんど海岸にあるように見えるタオルミナの街は、実はちょっとした丘の上だった。
街の中心部は海抜250mほどのところで、見どころの一つは400mとかなりの高度にある。とにかく街の中心部を目指して坂を上る。
へえへえしつつも、徐々に広がる真っ青な海に心が休まる。
タオルミナはシチリアの他の都市と同様に、古代のギリシャ・ローマ時代からの歴史を持ち、当時の遺跡を今に伝えている。
坂道を上り詰めると、街の一つの入口でありウンベルト大通りの真ん中に位置する4月9日広場に辿り着く。そこに立つのは17世紀末に建てられたバロック様式のサン・ジュゼッペ教会。この美しい広場には15世紀にゴシック様式で建てられたもう一つの教会と、『中間の門』と呼ばれるギリシャ・ローマ時代に起源を持つ塔がある。
『中間の門』をくぐり西へ延びるウンベルト大通りを進むと、そこは15世紀の建築が残る中世地区。
その中に、階段の上に立つ15世紀初頭建築のチャンポリ館(Palazzo Ciampoli)がある。
この建物はカタロニア・ゴシック様式に分類されている。
チャンポリ館のすぐ先には小さな広場に面したドゥオモが立つ。この広場にはタオルミナの象徴の一つだという『二足の女ケンタウルス』の像が載るバロック様式の噴水がある。
13世紀にロマネスク様式で建てられたドゥオモは、その後幾度か改修され、メインの入口には17世紀前半に加えられたコリント様式の溝付きの柱とペディメンとが見える。しかし全体の印象はむき出しの石壁と建物頂部の造形から、どこか要塞をイメージさせる。
ドゥオモからさらに西へ進めば、そこには街の西に位置するカターニア門がある。反対側の街の北東にはこの門と対になるメッシーナ門がある。これら二つの門を繋いでいるのがウンベルト大通りだ。
このカターニア門を見てもわかるようにタオルミナは城塞都市だった。この門の起源は古いが、最終的にはアラゴン人によって1440年に完成させられたという。
タオルミナでもっとも歴史的な遺産は街の東側にある紀元前3世紀のギリシャ劇場だろう。直径は120mで、シチリアではシラクーザのそれに次ぐ規模を誇る。
写真でもわかるとおり、ほとんどの部分はレンガ造である。全体の計画や配置からこの施設はローマではなくギリシャの劇場と一致する部分が多いそうだが、おそらくローマ時代に造られたもので、ギリシャ時代の古い劇場の基礎の上に再建されたと考えられている。
この劇場は残念ながら一部しか残っていないが、現在も時々催しが行われている。
下に真っ青な海の見えるここは劇場としては最高のロケーションだ。
こうしたタオルミナのもう一つの顔はリゾート地としてのそれだ。
ここはシチリア随一のリゾート地として知られる。
マッツァーロ海岸まではロープウェイに乗ればあっという間に着くので、びゅーと下ってさっそく一泳ぎし、リゾート気分に浸る。
マッツァーロ海岸のすぐ南には『美しの島』という意味のイソラ・ベッラがある。
美しい街にローマ時代の遺跡、そしてすばらしい海のあるタオルミナ。もうこれだけでも充分だが、ここにはもう一つすばらしいものがある。
エトナ山。3,000mを越えるこの山はアルプス以南のイタリアでは最も高い山で、現在でももくもくと煙りを上げる活火山だ。
この山へ落ちる夕陽は美しい。
2000.08.24(木)晴れ タオルミナ〜メッシーナ→リパリ
総合評価 | ★★ |
難易度 | ▲ |
走行距離 | 63km |
発着地 | 発着時刻 | ルート | 累積距離 | 評価 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Taormina | 発06:25 | S114 | START | ★★ | Hotel Elios発 街を下ると海岸線を一直線 |
Messina | 着11:45 発15:50 |
フェリー | 57km | フェリー:32,000L+bike10,000L | |
Lipari港 | 着17:50 | 57km 63km |
泊:Gattopardo Park Hotel /380,000L/朝付 |
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L (リラ)= 0.055円 |
Taormina
海に浸かってリゾート気分を味わい、これまでの旅の疲れを癒した翌日は、海岸沿いをメッシーナへと向かう。
タオルミナから一気に海岸線まで下ると、穏やかな海を右手に見ながら一本道が北東へと続く。
朝、7時前には美しい日の出の時間となり、爽やかな風と美しい海を感じながらひたすら海岸線を北上。
サンタレッシオ・シークロから南を見るSant'Alessio Siculo)で浜辺を覗いてみる。
南の丘の上にはタオルミナより規模は小さいけれど、同じような村が見える。
これまでのコースは山岳(ただの丘?)ルートで猛暑も手伝い厳しかったけれど、今日は平坦で景色も全く違う。あまりに平坦なのと、変化に乏しいのとでちょっと拍子ぬけするくらい。
途中、小さな村で朝食を取りつつ休憩。今日は暑さが最高潮になる前に目的地に着けそうと、爽快に飛ばすサリーナ!
Messina
とにかくどんどこ進み、メッシーナに到着。
メッシーナ海峡に面したシチリア島北東端のメッシーナは、イタリア本土とシチリア島を繋ぐ重要な街で、規模もかなり大きい。街が近づくにつれ、交通量も多くなり大型車ともすれ違うようになる。
11時ごろメッシーナの街に入ったが、フェリー乗り場がわからずしばらくうろうろ。何人かに道を訪ねようやくフェリー乗り場に到着。ゆっくりと昼食を取ったあとは、街の散歩へ。
ドゥオモ見学後は、近くにいた青年たちとおしゃべり。『この自転車すっごくかわいい! 写真とらせて!』 と人気者のBD-1と2.1。
メッシーナから、いよいよエオリア諸島のリパリ島へ向けて出発。この船は自転車は折畳まなくてもOKでそのまま乗船できるが、特別な置き場はなく、通路などのじゃまにならない場所に置く。想像していたより小型の船だったけれど、水中翼船でけっこう速いらしい。
メッシーナの海も青い。ここでシチリア島本島に別れを告げる。
メッシーナ港の先端に立つ高さ60mの『手紙の聖母(Stele della Madonna della Lettera)』像を横目に水中翼船は進んで行く。あの像の向こうに見えるのがイタリア本土だ。
Vulcano
船はリパリ島のすぐ南にあるヴルカーノ島を経由した。
ヴルカーノ島もエオリア諸島に属し、島と同名の火山によって形成されたという。海から急な角度で陸が立ち上がっているのが見える。
Lipari
私たちを乗せた高速艇はメッシーナから二時間ほどでリパリ島に到着。
しかしここでちょっとしたハプニングが。なぜか港にやたらに観光客が多い。
何となくいやな予感を抱きつつ宿さがしに向かった私達。最初にかならず行くインフォメーションはなぜか休み。ガイドブックを頼りにホテルを廻るがどこも満室。この島も坂が多く、いや、坂しかない! 何度となくアップダウンをくり返しホテルの玄関をくぐるが、満室,満室,満室… 日は暮れてゆく。超絶的に高価なホテルに飛び込んだ。
『ラッキーです。最後の一部屋です!』 なんとこの日はエオリア諸島最大のお祭り『聖バルトロメオ祭』の最終日とのこと。夕食時には祭りの最後を飾る盛大な花火が打ち上がった。