リゾート地、アンスバタ到着
日本から8時間、空港からバスで1時間でニューカレドニアの本島、グラン・テール島のリゾート地アンスバタに到着。 午前中に到着するので、その日からリゾートが楽しめます。
いきなり水着になり、ホテルの目の前のビーチに飛び出すと 『ウワー、海が真っ青! 空も真っ青!!』 と感激。 静かな海で一泳ぎ。 ここはなぜかあまり人がいません。
となりのビーチに移動すると、こちらは現地の人でいっぱい! ごろごろする人、ビーチバレーを楽しむ人、ゆったりと泳ぐ人。 思い思いの過ごし方でビーチを満喫しているようです。
桟橋では子供たちがジャンプして真っ青な海に飛び込みます。 足が立たないくらい深いところだけれど、こわくないのかなぁ~。
今日はサイダーもサリーナもここでごろごろ。 ゆったりと移動の疲れを癒します。
宿さがしは…
翌日24日、2週間の旅へ行動開始です。 まず、アンスバタから7~8kmのヌメアの中心部へ自転車で向かいました。 海岸線を走ると、真っ青な海と爽やかな風がとっても気持ちいい。
ここがヌメアの中心部、ココティエ広場。 観光客も現地の人もこのまわりには沢山。 プチ・パリと言われているこのあたりには高層ビルもあり、近代的な街です。
まずは長距離バスの予定を調べにバスターミナルの窓口に行く。 そこには時刻表もなにもない。 フランス語でなにやらメモ書きが貼ってある。 クリスマスの注意らしいのだが…
『ラ フォアゆきのバスは?』
『ヤンゲン行きが明日8時に。』
そのあと広場の近くの北部州観光局に入り、情報収集と宿の手配をお願いします。 いきなり予定していた最初の村の宿は
『もうやっていませんよ!』
『…』
この村には宿は1軒しかない。 この村ばかりでなく、多くの村は宿さえないというところが多いのだ。 そしてこの時期、御当地は観光のピーク。 クリスマスから年始にかけて休業する宿もあるという。 『予約しないと心配ですねぇ。』 と窓口のおねえさん。 いきなり予定変更です。 旅の前半を飛ばしてポワンディミエという村までいってしまうことに。 しかし
『明日はそのバスはないですよ!』 とバスの時刻表を出した。
『さっきバスの窓口であるっていってましたが…』 ちょっと不安がよぎる。 なんていったってフランス語だったから…
『それなら、ポワンディミエにはいい宿があるわ。』
初日のポワンディミエの宿の予約は取れた。 しかし他は小さい宿が多い為か、電話もなかなか通じないことが多く予約が取れない。 深刻な顔のサリーナと一生懸命電話をかけてくれるおねえさん。 ようやく半分程の予約が取れたがあとの半分は未定。 まあ、なんとかなるさ!
そしてバスはやってきた!
25日朝、7:00にバス乗り場に到着。 しかし誰もいない… 人っ子一人いません。 おかしい! きのうはあんなに人がいたのに。 そのうち現地の人が一人現れた。 『ヤンゲン行き? 今日はないさ!』
唖然とするサイダーとサリーナ。 切符売り?の窓口は7:30に開くと書いてある。 しかし時間を過ぎても係の人は来ない。 『…』 沈黙の二人。
7:40 もう一人現地の人が現れた。 するとさっきの人がなにやら尋ねている。 『ヤンゲン行き、あるってよ!』 ホッ
徐々に人も集まってきた。 そして8時を過ぎたころ、一台のバスが現れた。 ぐるっと廻ってくるとその正面には『HIENGHENE』の文字が! 『やったぁ~!!』 これでとりあえず初日の行程はOKだ。 …ところで今日はクリスマス、バス窓口も休みだったみたい。緊張するよなあ…
バスはなかなかりっぱなものである。 ベンツである。 ちゃんと胴体に荷室もある。 そこへ自転車を放り込んで乗車すると、
『お~い、おまえら、どこ行くんだい?』
『おうぅ、ポネリホウエンまでかい、そりゃ、ちい~っとばかし遠いぜ。』
『まあ、いっしょに楽しくやろうぜ!!』
というような具合である。 最初は数名だった乗客も、走れば走る程にその数を増やし、いつしか満席になります。 このバス、飛ばす飛ばす、ゆうに100km/hは出ている。
左手に海を見ながらどんどん走る。 最初予定していたラ フォアの村を越えブーライユという町で小休止。 ここから山越えの道に入る。 激坂の連続! 実はこの道、自転車で走ったら気持ち良さそう、と思って検討したこともあったのだが、真夏の山越え70km、しかも東海岸の到着地点の村には宿がない! ということで除外したところである。
『すご~く景色いいね~、でもこんな坂登れないよ~』 本当に激坂である。 平均勾配は10%を越えているだろう。
『コースから外しておいてよかったね!』
東海岸に出ると海が見えてきた。 景色も全然違ってヤシ林が続くローカルな南国ムードいっぱいだ。 でも町らしいところは見あたらない。
『あれ~、なんか、町ないね~』
人口3千人(3万人ではない!)の村である。 村には中心なんてないのだ! 民家が一軒現れたらそこが村なのです。 このあたりでは。
そして、どうやら着いたらしい、ポネリホウエンに。 バスを降りると目の前はキャンプ場でした。 運転手が私たちのかっこうを見て、気を利かせて村から大分離れたキャンプ場まで乗せてくれてきたようです。
周りはヤシの木林! そのむこうに海が広がる。 暑い! 暑い! 何としても暑い! 荷造りするにも日なたでは火傷しそうなくらいに暑いのです。 日陰で荷造りして、いよいよ自転車の旅のはじまりはじまり!!
真っ青な空。 ヤシの木の間からチラッ、チラッと海が覗く。
『ワオォ~! ニューカレドニアの大地だ~』 とペダルを踏み出すサリーナ。
『うわ~、ニューカレドニアって暑かったのね!』 なんともおとぼけのサイダーでした。
しかし、本当に暑い! 30分も走ればもう走れないくらいに暑い! おい、おまえら、夏の自転車の厳しさはシチリアで学習したじゃあないか。
そうでした。 夏のシチリア、山岳地帯は大変だったんです。 だからニューカレドニアなんですよ、今回は。
なんていったって、ここには海がある。 暑かったら海で泳げばいいのさ!
というわけで、走ってはビーチ、走ってはビーチ!
これはすばらしい、こたえられないね~。 と 誰もいないビーチでくつろぐサリーナでした。
今日は走行距離も短く、ビーチでチャパチャパやりながらだったので、なんとか暑さを堪えて走り切ることが出来たようです。
相変わらず街っていう感じはないので危うく見のがしそうになったが、ポワンディミエの宿は川のほとりにひっそりと佇んでいた。 パチャパチャやりながらとはいえ、やっぱり暑いので、駆け込むように宿の門をくぐると
『あ~ぁ、ヌメアの観光局から電話をくれた人だよね~。 バスで来るっていうから、時間に橋のところで待っていたんだよ~。 でもバスからは誰も下りないから心配していたんだ! よく来たねぇ~。』 と出迎えてくれた。
『でも、今日はクリスマスだからレストランはお休み! 街のお店もぜ~んぶ休みさ、君たち夕食大丈夫かい?』 『ひょえ~~ 大丈夫なわけないでしょう! なんにも持っていないんだから…』 『そ~お、そりゃあ気の毒に! でもちょっと待っててみて。 6時から多分近くのお店が開くと思うから。 うちのかみさんが帰ってくればわかるよ。 わかったら教えてあげるからね!』
うぅ~、はらへった~! 今日はクリスマスだというのに夕飯抜きか? そんなことは考えても仕方がない。 とりあえず近くのビーチに火照った体を冷しにゆく。 ビーチからわずか10数mのところに珊瑚礁がある。 そしてそこには当然、熱帯魚の群れが。 写真を取れないのが残念だ!
さて、宿に戻るとちょうど奥さんが帰宅したところ。 『あの店、やっているわよ!』 ということでさっそく買い出しにゆく。 ワイン、チーズ、ハム、ビン詰めのオリーブなどは、ここはフランス? というほど充実していておいしい。 夜だからパンはなかったけれどね。