コース紹介
ローマは大観光地、いつも観光客で賑わっていてちょっとうんざりもするけれど、それでもやっぱり見応えのある都市! 2000年を越える遺産がまさに年輪のように積み重なり、少なくとも1000年くらい前の建造物があちこちにあって現在も使われて生きている。 言うなれば現在も生きている世界最古の都市です。
そんなローマ市内をさらっと観光、ちょっと行きにくい郊外の旧アッピア街道から古代ローマの水道橋を自転車で巡ります。
ローマといえばバチカン、バチカンといえばサン・ピエトロ大聖堂。 ローマに来た以上どおしたってここに来ないわけには行きません。 カトリックの総本山であることはともかくも、ドゥオモのてっぺんからはローマの街が一望に出来る素晴らしい眺望があるし、なんといってもミケランジェロの傑作『ピエタ』がありますからね。 そしてシスティーナ礼拝堂にはやっぱりミケランジェロのフレスコ画『最後の審判』が。
しかしこの観光には多大な時間と労力を要します。 サン・ピエトロのドゥオモに上るまでに1時間、そしてシスティーナ礼拝堂があるバチカン博物館の入口に到達するのに2時間、そこからまっしぐらにシスティーナ礼拝堂を目指して到達するまでに1時間とめちゃくちゃです。 おかげでバチカン博物館の外周の塀だけはたっぷりと見学できました。(笑)
ローマでなにか一つだけ建物を紹介するとすればこれでしょう。 とは言っても有名なパンテオンですが。
写真ではあまり冴えない感じもしますが、実際はとってもいいのです。 内部がすばらしい! 丸天井の真ん中に大きな穴が空いただけの単純な構成のドームとその下に展開する美しい列柱。 そして前廊の三角形の破風の下に並ぶコリント式の列柱はなんと一つの石塊から造られています。 この建物が2000年も前に造られたなんて信じられない。
さてサン・ピエトロ大聖堂とパンテオンを観れば観光は終わってもいいでしょう。 本当はもうちょっと廻りましたが。(笑) せっかく自転車があるのだからと郊外に行くことにしました。 街中は石畳が多く、ほとんどの道が一方通行です。
ローマは7つの丘の街とも言われていいるようで、たしかにパラティーノの丘だとかチェリオの丘だとかなんとかの丘っていうのがたくさんあります。 アップダウンが結構あるということですね。 だから時には道の先は階段だったりします、こんなふうに。
一方通行と石畳と階段に苦しまされるもなんとか最初の目的地コロッセオの近くまでたどり着きました。 朝日の中、逆光で真っ黒なコロッセオが空の中に浮かんだときは感動ものでした。
サリーナの背景はフォロ・ロマーノ。 規則正しく立っている列柱は遺跡を再生しているのかと思ったら、ヴァレンチノのファッションショーの舞台を作っているんだって。
それでこちらがコロッセオ。 あまりに有名な円形の闘技場ですが、庶民も入場できたことや上部に布の覆い(屋根)が掛けられた全天候型?の施設であったことにはちょっと驚きです。
フォロ・ロマーノ。 遺跡ですねぇ。 ん~~ん、言うこと特に無し。
ローマは秋。 気温も摂氏23~4度と最適です。 昼はたいてい屋外のテラスというか道端のパラソルの下で。 快適でぶどうジュース(笑)もおいしく戴けます。 本日のメニューは、ペンネに似たパスタ(ベーコンとチーズのトマトソース)、ズッキーニとコイン型のパスタ、チーズオムレツ、ちょっと変わったソースのローストポーク、最後はやっぱりエスプレッソでしょう。 ブオ~ノ! でにっこりのサイダーでした。
ローマの街には至る所に水道があります。 これも古代ローマの偉業でしょうか? まあ現在あるものはおそらく後に作られたものでしょうが、やっぱり古代ローマの水道事業と関係があるのではないかという気がします。 ローマの水はけっこうおいしいです。
水道に気を引かれたからという訳でもないのですが、このあとは旧アッピア街道から古代ローマの水道橋へ行ってみることにします。
カラカラ浴場から南東に向かった先にサン・セバスティアーノ門があります。 このあたりまでは車が多くちょっと走りにくいのですが、門を出るとすでに郊外という感じになり、車も徐々に減ってきます。
サン・セバスティアーノ聖堂やいくつかのカタコンベを通り、さらに進むと白い円筒形の建物にやってきました。 要塞かな~と思ったら(後に実際要塞とし使われたそうな)なんでもローマ時代の貴婦人のお墓だそうです。 金持ちは違うね~
しかしである、 なんか道幅は広くて舗装も石には違いないが街中によくあるピンコロで、どうもアッピア街道という感じではありません。
少し進むと急に道幅が狭くなり車進入禁止の標識。 ここからが昔の敷石が残るゾーンのようです。 何千年も経た大きな敷石は角が丸くなり隙間も大きくてデコボコです。 小径ホイールの私たちの自転車にはちときびしい。
『お~、あ~、ヨーッ』 となるべく平らなところを選んでヨタヨタと走ります。 この古い敷石が残るゾーンは、10kmほど続いたでしょうか。 最後の方は腕もおしりもガクガクになってしまい、舗装部分ではなく、路肩のダートを走りました。 先人の残した跡があるのでどうやら舗装部分よりこちらの方が走りやすいと思ったのは私たちだけではなさそうです。
郊外に出れば出るほど松が多くなります。 ローマの松って音楽の標題にもなるくらいだから有名なのでしょうか。 ちょっと変わった形をしていますね。 日本のあの盆栽になるようなやつじゃあなくて、木の上のほうにだけ葉っぱ?がボサッって付いています。
アッピア街道のすぐ脇にはこんな風景がありました。 なんと羊の群れです。 都心から10kmも離れていないところにこんな景色があるのには驚きです。
ローマの町は歩いて観光すると広いと感じるけれど、城壁の門を出た途端にそこはすぐに郊外でこんな景色になるんですね。 このあたりになると市内にはゴマンといた観光客もほとんどいません。
アッピア街道のデコボコ道を充分に楽しんだ(笑)私たちはその少し東側にある古代ローマの水道橋に向かいました。 ここも観光の目玉のはずですが、道路の案内を見逃したのか出ていなかったのかでちょっと迷いました。 これは畑の真ん中っていうか野ッパラの真ん中にあり、幹線道路からはほとんど見えないのです。 地元の人に聞いてもあまりピンとこない感じのようでちょっとびっくりです。 ようやく方向だけわかったのですが、尋ねた人が指差したのは畑の畦道でした。(笑) まあ正規のルートは別にあるのでしょうが、その畦を進むと現れました、でっかい構造物が。
おお、水道橋。 畑の真ん中を連続するアーチがまっすぐ突き抜けています。 周りはゴルフ場になり、公園になり、街になりました。 後日ペルージアでも水道橋を見たし、以前フランスやスペインでも見たけれど、このローマの土木技術は目に見えて感動ものですね。
さて、これでローマとはいったんお別れ、テルミニ駅からフィレンツェへと向かいます。 さすがイタリア、駅構内もしゃれたもんです。