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イタリア 3

グレーヴェ・イン・キャンティ~シエナ

開催日 2007.10.11(木)晴れ - 10.12(金)晴れ
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★
難易度
走行距離 58km

キャンティの丘陵地をシエナに向かう
キャンティの丘陵地をシエナに向かう

コース紹介

トスカーナはキャンティの自転車の旅の2日目です。 グレーヴェからパンツァーノへ南下したあと幹線道路を外れてのんびりした道をラッダへ向かいます。 ラッダの城塞都市を楽しんだ後は一路、美しいゴシックのドゥオモとイタリアでもっとも美しいといわれる貝殻のような形をした広場があるシエナへ。

丘の上にあるラッダからは美しいキャンティの丘陵地が一望にでき、シエナでは中世からゴシックにかけての素晴らしい建物とシエナ派と呼ばれる絵画が楽しめます。

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グレーヴェ・イン・キャンティを出発グレーヴェ・イン・キャンティを出発

昨夜、グレーヴェ・イン・キャンティのエノテカとレストランで思う存分ワインを堪能した私たちは何も思い残すことなく、今日はシエナへ向けて出発です。 朝は鳥の声で目覚め、B&Bの快適なキッチンで手作りのパンケーキやジャムをいただきました。 グレーヴェの広場の朝は、朝日を浴びた建物の前を地元の人がゆっくり行き交うだけで、のんびりした雰囲気です。

秋の空の中を行く秋の空の中を行く

グレーヴェの街を出るとすぐに見晴らしの良い丘陵の中を走るようになります。 足下には黄色い花を付けた野草が咲き、だんだら模様のぶどう畑の向こうにはちょっとした山並みが現れだします。

アルノ川沿いを行くワイン樽

キャンティにはもの凄い数のワイナリーがあり、お城のような立派な建物のワイナリーも数多く見られます。 これは道路際にあったワイナリーの看板。 簡単な看板ですがワイン樽ってのがいかにもで目を引きました。 こんなところではついついそちらにヨロヨロと…

続くぶどう畑続くぶどう畑

ぶどう畑が延々と続く中を走り抜けるのはとっても気持ちいい。 フィレンツェ近くではまだ青々としていたぶどうの葉っぱはこのあたりになると黄緑から黄色に変わろうとしていました。 フィレンツェあたりと気候がちょっとちがうのでしょうか。

そんなぶどう畑の向こうの丘の上には小さな街がいくつも現れます。 道はおだやかなもののずっと上り。

ちょっと森ちょっと森

小さな集落という趣のパンツァーノの小さな広場で一息ついたあと、この街を少し行ったところで幹線道路を離れ、ラッダに向かう枝道に入ります。 幹線のSS222はどおやら尾根を走っているらしく一旦豪快に下ります。 周辺の景色がずいぶん変わりました。 ぶどう畑は姿を消し、ちょっとした森という雰囲気の中を行きます。 空気はひんやりしていて気持ちよく、空は秋の爽やかさで、こんもりした緑をいっそう引き立てている感じです。

ラッダ・イン・キャンティラッダ・イン・キャンティ

再びぶどう畑が現れるころ、オリーブ畑の向こうの丘の上にラッダ・イン・キャンティの街が現れました。 ここからはまた上り。 2kmで200m弱の高度をえっちらおっちらと上ります。

サン・セバスティアーノ門ラッダ・イン・キャンティの塔

ひときわ高い塔がゆっくりと近づいてきます。 最後はアヒアヒでよろよろ~、 きつかった!

トラックの八百屋トラックの八百屋

へろへろになりながらもようやく街の入り口の広場に着きました。 その一角に八百屋さんがあるなと思ったら、この八百屋、建物じゃあなくてなんとトラックでした。 野菜を眺めながら呼吸を整えます。

イタリア国旗とラッダかこの地域のものと思われる旗が掲げられているゲートの役割を果たす建物の間に巾5~6mほどの道が伸びています。 もちろん上り坂! その向こうにさっき見えた塔が建っています。

外周路の家並み外周路の家並み

小さなラッダの街の外周はわずか数百mで、自転車なら1分で回れる大きさです。 その外周路からはキャンティの美しい丘陵地がよく見渡せます。 街は広場を中心にこんもりとした小さな丘のような地形で、傾斜地に建物が並らび、その合間からあの塔が頭を覗かせています。

自転車で景色を眺めながらぐるっと回るとあっという間に街の反対側の入口に出ました。 ここからは自転車を停めて散歩です。 ちょっとした土産物屋などを覗きながら進むと小さな広場に出ます。 そこに市庁舎になっているこじんまりとしたパラッツォ・プレトリオと教会がありました。 今度は坂道をゆっくり下って街の反対側の入口に出ます。 この間せいぜい10分か15分といったところで、ここは本当に小さな街です。 

そこら中にキャンティマークがそこら中にキャンティマークが

ラッダ・イン・キャンティのバールで休憩したあと、SS222上にあるカステッリーナ・イン・キャンティへと向かいます。 道はいったん下ったものの緩やかなアップダウンが続き、道端には雄鶏のキャンテマークがあちこちに建っています。 雄鶏と手を振るサリーナとそれを追うサイクリスト。 レーサーで練習をしているらしい人々とすれ違うことは結構ありますが、自転車旅の人々はあまり見かけませんでした。

水場水場

カステッリーナまであと少しというところでサイダーが停止、

『あ~喉乾いたぁ~~』 とするすると小さな交差点にある水場に寄ります。 公共の水場があるのはありがたいですね。

カステッリーナの広場にてカステッリーナの広場にて

またまた丘の上に街が見えたと思ったら、そこがカステッリーナでした。 でもここの上りはそんなにきつくはありません。 SS222から枝道に入り少し上ると広場です。 この広場にあるレストラン、アンティカ・トラットリア・ラ・トッレは伝統的なキャンティ料理で評判らしいので入ってみました。 外観はどうということのないものですが、インテリアは太い木の梁が表しのいかにも伝統的な感じ。 今が最高の旬というポルチーニ茸のスパゲッティと牛のシチューを試してみました。 う~~ん、ブオ~ノ!

糸杉林糸杉林

カステッリーナ・イン・キャンティで満腹になった後は、一路シエナに向かいます。 周辺は相変わらずぶどう畑が多いのですが、部分的には糸杉の林などもあります。 糸杉って田園の中にぽつぽつ生えているイメージが強いのですが、林もあるんですね。

ちょっと紅葉ちょっと紅葉

おだやかな景色が続き、おだやかなアップダウンが続きます。 しかしカステッリーナ以降はどちらかというと下り基調でわりかしらくちんです。

快調サリーナ快調サリーナ

グォ~~、とぶどう畑の脇を飛ばします。

『わ~、ここはながめがいい~!』 と脇見のサリーナ、気をつけてね。

最後の丘から最後の丘から

その景色とはこんな感じです。 空は青くて高く、ぶどう畑の丘がいくつもどこまでも続くのです。

車が徐々に多くなってきて、とある坂を上り切ったな~と思ったら、下った道の先に大きな街が現れました。

『お~、きたきた。 あれがシエナだね~。』

シエナの城壁の門シエナの城壁の門

鉄道を越えロータリーを廻るとここからがシエナという感じになり、上りがはじまります。 駅の脇をかすめ、ありゃ、駅前は通る予定じゃあないのにね~、というわけで、ちょっとうろうろしましたがようやくかつてのシエナの街を取り囲む城壁の門にやってきました。 この道をどんどん進むとイル・カンポ(カンポ広場)に出ます。 私たちの宿はその途中なので、観光は明日に。

かわいいフィアットかわいいフィアット

さて、ここから翌日です。 街の中を行けば、時折古くてかわいいまるっこいフィアット500が走っているのを目にします。 古い街の道は狭いので、こんなちっちゃな車が便利なのでしょうが、ずいぶん昔に製造をやめたはずです。 ものを大切に使うからこんなに長く使われるのでしょうか。

グランド・エノテカにてかぼちゃとポルチーニ茸とアーティチョーク

こちらはどこにでもある八百屋というか雑貨屋さん。 手前の壁にはおおきなかぼちゃ、食べるのですかね~。 左下はポルチーニ茸で、今が最高の旬だそうです。 その上の壁の籠に入っているのはアーティチョーク。 食べられるところは芯の廻りのほんのちょっとだけですが、独特の風味がありますね。

カンポ広場のマンジャの塔と市庁舎を背景にカンポ広場のマンジャの塔と市庁舎を背景に

街の中心はここカンポ広場。 たいていのところから見えるマンジャの塔とゴシックのすばらしい市庁舎があり、そして貝殻のような形をした広場の地面が傾斜していることで有名です。 朝一番はだれもいません。 気分よく青空を背景にポーズ!

市庁舎の中庭からマンジャの塔を見上げる市庁舎の中庭からマンジャの塔を見上げる

さあ、シエナの街を観光! まず市庁舎の中庭は無料なので入ってみます。外観もあまり大きくはありませんが中庭はかなりこじんまりしています。 この中庭の大きさとゴシックの細かいプロポージョンがなかなかいい感じで、見上げれば隣のマンジャの塔が真っ青な空を背景に浮かび上がります。

カンポ広場を囲む建物カンポ広場を囲む建物

カンポ広場に寝転がると、青空を取り囲む美しい中世の建物群が視界にせまってきます。 シエナの建物の色はやや赤っぽい茶色、『シエナ』と呼ばれる色彩に満ちています。 イタリアでは街ごとの色が、そこで使われる石材の色で特徴づけられているのです。

ドゥオモと鐘楼ドゥオモと鐘楼

カンポ広場をあとに路地を横切ると、また目の前に広場と塔が現れます。 ドゥオモのクーポラと、白と黒の縞模様の鐘楼が朝日を受けて白く輝いていました。

ドゥオモのファサードドゥオモのファサード

ピンクと白の大理石にさまざまな彫刻がほどこされた美しいファサードを持つシエナのドゥオモ。 12世紀から建設が始まり200年かかったというイタリアン・ゴシックの傑作です。

ドゥオモ内部の床面装飾ドゥオモ内部の床面装飾

ドゥオモは3廊式で白と黒の柱と壁に囲まれていますが、内部に入ってまず驚くのは見事な床面装飾です。 聖書を題材としたさまざまな場面の象嵌で埋め尽くされています。 実は、作品の中でも優れたものは保護のため、ふだんは覆いがかけられて見られないそうですが、例年は8月の2週間のみ、そして今年はラッキーなことに10月にも公開されていて、私たちは十分に堪能することができたのでした。 写真は床面の修復作業をしているおじさん。

ドゥオモ付属美術館からのパノラマドゥオモ付属美術館からのパノラマ

ドゥオモ後陣の右側には、ドゥオモ付属美術館の建物があります。 ここにはシエナ派の絵画や大理石の彫刻などが展示され、さらに『パノラマ』のサインをたどっていくと、写真のようなシエナの街の全景が楽しめるのです! カンポ広場を中心に全体がシエナ色に染まっている街、そのまわりに広がる緑の丘陵地には、しばし感動。

カンポ広場カンポ広場

カンポ広場に戻ると、早朝の静けさはなく、たくさんの観光客が集まっていました。 とはいえ休憩には腰を下ろしたり寝転がったりするには最適な傾斜、ここで遅い朝ご飯のパニーニ(サンドイッチ)をかじりながら再度休憩です。 前にいたグループは先生に引率されたドイツ?の生徒たち。 高校生くらいかな? 広場について調べた男の子2人がみんなの前で発表しているようでした。

観光はこんなもので、あとは適当にぶらぶらすればいいだろうということで私たちもここでしばしゴロン。

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