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ツール・ド・ピレネー 5

大西洋から地中海へ

第5ステージ Arette ~ Eaux-Bonnes
開催日 2008.08.05(火)晴れ
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★★
難易度 ▲▲▲
走行距離 53km

マリー・ブランク峠の下りでオービスク峠を抱える山を見る
マリー・ブラン峠の下りでオービスク峠を抱える山を見る

コース紹介

フランス側ピレネーの懐に入って行きます。 オービスク峠やトゥールマレー峠という超級の前にある、一級のマリー・ブラン峠(1,035m)を越えます。 上り初めのエスコット村の標高は330m、9kmで700mの上りと高低差はさほどではありませんが、全体の平均斜度7.8%、最後の方の平均斜度は13%ととんでもないものです。 下りは野花が美しい草原の彼方に、超級のオービスク峠を抱く山が現れます。


第5ステージ:アレッ(325m) ~ オー・ボンヌ(750m) 53km

 峠:マリー・ブラン峠(1級 1,035m)

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イゾールへ向かうイソールへ向かう

朝7時半、アレッを出発するとすぐに裏山の上りといった感じの道に入りました。 しょっぱなからの上りは、体が暖まっていないのでちょっと苦しい。 この隣町のイソールまでの道は高度で100mほど上り、その後は穏やかになります。

幹線E07をエスコットに向かう幹線E07をエスコットに向かう

イソールからは枝道を行く予定でしたが、ちょっと行くともの凄いアップダウンに加えて道が良く分からなくなったので、引き返して元のD918でルルベへ出ました。 ルルベからのE07は、私たちが最初に入った町ポーからスペインのハカを結ぶ幹線で、巡礼の道の一つであるトゥールーズの道と重なり、この先にはソンポール峠があります。 ちょっと車が多いのですが、写真のようにレーサー達も結構いました。

マリー・ブランク峠を抱く山マリー・ブラン峠を抱く山

Vの字になった山と山の合間に次の山が見えてきました。 このあたりは一つ山を越えるとまた次の山が現れてきます。 手前の左の山がマリー・ブラン峠を抱く山のようです。

エスコットの広場にあるマエスコットの広場にあるマリー・ブランク峠の看板エスコットの広場にあるマリー・ブラン峠の看板

E07をグッと折り返すようにして入った枝道を少し行くと、マリー・ブラン峠の上り口にあるエスコット村に到着です。 ここの広場にはアレッにあったのと同じ形のマリー・ブラン峠の看板がありました。 水場とトイレがあり、ここでちょっと休憩。

ピレネーは牛と羊の天国ピレネーは牛と羊の天国

さあ、9kmの上りスタート。 村を9時少し前に出発すると、まず最初の1kmは穏やかな2%の上りです。 フランス側の主要な峠には、頂上までの距離と1kmごとの平均斜度、現在地の標高が書かれた標識が1kmごとに建っているので、とてもわかりやすいのです。 道脇には草を食む牛くん。 ピレネーはどこにでも牛や羊が放牧されていて、のどかな風景があります。

これなら楽勝?とサリーナが行くこれなら楽勝?とサリーナが行く

2kmほど走ると勾配は5%になり、ちょっと上りらしくなってきました。

『これぐらいなら今日は楽勝ねぇ~』 とまだまだ余裕のサリーナ。

11%!11%!

しかし、世の中そんなに甘くはないのだ。 1km進むごとに勾配はきつくなるばかり。 あとからやってくるレーサーたちは何事もないようにペダルをガシガシ漕いで私たちを追い抜いて行きます。 しかしサイダーの脇にある頂上まであと4kmの標識には、なんとこの1kmの平均斜度は11%とあります。 ヒャー! 

きれいな野花が咲き競うきれいな野花が咲き競う

超スローペースで進む足下にはきれいな野花が咲き乱れ、心を和ませてくれはするのですが、ハヒハヒ、アセアセとペダルを踏むものの、廻りの景色は一向に変わりません。 1kmごとの次の標識までの道のりが恐ろしく長い。

『同じ一級でも、昨日の峠よりずっときついね~』 と泣きが入るサイダー。

ついに13%の標識が!ついに13%の標識が!

それでもついに最後の2kmに突入。 しかしそこにはなんと平均斜度13%の標識が。 ドヒャ~~ この数値、最大斜度ではありません。 1kmの区間の平均ですぞ!

ヨレヨレ押し歩きのサイダーヨレヨレ押し歩きのサイダー

この標識を目にしたとたん、ヨロヨロヨロ~ッとサイダーがほとんど倒れ込むようにして停止。 完全に戦意喪失です。 そしてここから頂上まではほとんど押し歩きです。 実はもっと手前でも押していたけれど。(笑)

しかしこの最後の2km、押してもきついのでした。

ゴツゴツした岩と雲海マリー・ブラン

最後はヨタヨタ~と倒れ込むようにしてなんとかマリー・ブラン峠に到着です。 時刻はちょうど11時、9kmで700mの上りを2時間強で走ったことになります。 時間当たり300mの上りで、私たちとしてはまあ、まずまずといったところ。

頂上には次から次へとレーサーたちがやってきます。 彼らはツーリングではなく上りの練習をしているようで、この頂上までやってくると、ちょっと一息入れた後、上ってきた側に引き返していました。 この中には結構年配の方や女性もいて、このあたりの人々の自転車への接し方の奥深さを感じます。

緑の草原を行く緑の草原を行く

私たちは上りの練習じゃあないので(笑)当然峠の反対側へ下ります。 下りは穏やかで、まずは林の中を、その林が途切れると視界が開け草原になりました。 キャンピングカーが何台か停まっていて、テントを広げています。 のんびりしたいい感じです。

穏やかな下り穏やかな下り

気持ちのいい草原をどんどん下ります。 そのうちに、行く手には今日の終着点オー・ボンヌがある山が見えてきました。(TOP写真)

ビレルスの村ビレールの村

下り始めは緩いものの、やはりこちら側にも激坂があり、下の谷間に小さな村が見え出します。 このあたりから家々の色が変わり、屋根はグレーの天然スレートになります。 もうこのあたりはバスクではないのでしょう。

正午近くになっていたので、さらに下ったビエルという村で食堂を探しましたが見つかりません。 道行く人に訪ねると、少し戻った幹線道の先にあるとのことでしたが、行ってみるとレストランは休業。 でも運良く向かいのアイグエラーダというキャンプ場で軽食がとれるところを見つけ、クロックムッシュとピザパンで昼食です。 ここではキャンプにやってきている子供達が、ペタンクという鉄の玉を使うゲームをしていました。

ビエルからオー・ボンヌへ向かうビエルからオー・ボンヌへ向かう

午後1時少し前、キャンプ場を出るとカンカン照りで暑い。 山を下り標高400mほどになった平地は、いかにピレネーといえども午後にはかなり暑くなります。 といっても日なたで28°Cくらいなので、東京あたりと比べればまだずいぶん涼しいとも言えますが、やはり自転車で走るとなると結構こたえます。 ビエルを通り越し、川沿いの道に入り、小さな村をいくつか通ってオー・ボンヌへ向かいます。

ベオストの水場にてベオストの水場にて

この道は、村々をつないで上ったり下ったりを繰り返します。 ベオストという小さな村に入ると、レストランがあり、その前が水場になっていました。 さっそくこの水場で水を被るサイダーです。 とにかく暑いのだ!

旅は道連れ旅は道連れ

ベオストからは上りで、7~8%の勾配の道がオー・ボンヌまで続きます。 これまで出会ったサイクリストのほとんどはレーサーですが、1%くらいの割合でツーリストもいます。 ツーリストは荷物が多くレーサーほどスピードを出さないし、休憩のタイミングも似ているのか、一度出会うと多少離れたりはするものの、何度か出会うことが多い。 サイダーと並んで走るのはマリー・ブランク峠で会ったジャイアントのマウンテンバイクに乗るツーリストで、オー・ボンヌまで一緒でした。

オー・ボンヌオー・ボンヌ

暑い中の上りはきつく辛かった! オー・ボンヌに入る直前は激坂(だったと思う)で押しが入りました。 14時過ぎ、峠に続きヨタヨタ~と到着のオー・ボンヌです。 あ~疲れたぁ~

この町には温泉がありますが、疲れて眠ってしまったので入れませんでした。 残念! でも泊まったホテルは感じがよく、レストランの夕食もおいしいものでした。 ポタージュや魚のグリルの夕食の途中、突然あたりが暗くなり、何と激しい雨が降り出しました。 うわ~、明日は超級のオービスク峠なんだけど、大丈夫??

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