0809

ツール・ド・ピレネー 10

大西洋から地中海へ

第10ステージ Bagneres-de-Luchon ~ Tredos
開催日 2008.08.10(日)晴れ
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★
難易度 ▲▲
走行距離 45km

ビエーリャに向かう ビエーリャに向かう

コース紹介

フランスのバニエール・ドゥ・ルッションからちょうど国境にあるポルティヨン峠を越えて、スペインはカタルーニャのトレドスまで。 峠への勾配は前半は7~8%、ラスト3kmは10%、最後は13%が数百m続きます。 峠を越えると気候ががらりと変わり、空の色さえ変わるのが面白いです。


第10ステージ:バニエール・ドゥ・ルッション(640m) ~ トレドス(1,300m) 45km

 峠:ポルティヨン峠(1級 1,320 m)

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ルッションの朝ルッションの朝

今日はフランスを離れスペインに渡ります。 その間には、当然峠あり。 またまた『1級』のポルティヨン峠です。 朝7時過ぎにルッションを出発。

あの山を越える?あの山を越える?

町はずれまでやってくると、正面に鋭く険しい山が見えてきました。

『えっ、まさか、あれを越えるんじゃあないよね…』

一瞬ドキッとしましたが、実はあの山ではありません。 方向からするとこれはピレネー山脈の最高峰、標高3,404mのアネト山かもしれません。 ほどなく『スペインあっち』『ポルティヨン峠あっち』の標識が現れました。 遠くの山の手前に見える山を左に向かうのです。

穏やかな道を行く穏やかな道を行く

山道に入るとすぐに『スペイン9km』の標識、さらに行けば『ポルティヨン峠通行可』の標識があります。 周囲は山深い感じになってきました。

あと3km!あと3km!

上り始めは4~5%だった勾配はあっという間に7~8%になり、それがしばらく続きます。 そう言えばこれまでの峠にはかならずあった1kmごとの標識がここにはなぜかありません。 そのうちにちょっとデザインと標示内容が違うこんな標識が出てきました。

この標識によれば頂上まであと3km、現在地標高が1,000mだからあと320m上らなければなりません。 えっ、ってことはここからの平均斜度は10%だぁ~。

広葉樹の中を上る広葉樹の中を上る

辺りは広葉樹林で木漏れ日がきれいですが、ちょっときつくなってきました。 ヨタヨタと上っていきます。 ここまでに会ったサイクリストは2人くらいと、これまでの峠に比べてかなり少ない。

景色が変わり激坂に景色が変わり激坂に

周囲が閉ざされてきて、針葉樹が多くなるとついに10%に。 ヨロヨロと進むサリーナ。

馬の脇を行く馬の脇を行く

両側が高い木立で塞がれ、道に日の光が届かないようになるとついに13%! のんびり散歩?している馬をゆっくり眺める余裕もなく、ただひたすらペダルを踏み続けます。

あまり冴えないポルティヨン峠あまり冴えないポルティヨン峠

小さなカーブを曲がり切ると勾配は穏やかになり、道の真ん中に門のようなものが建っているところに到着しました。 その門のようなものを良く見ると、フランスと書かれた文字が白く塗りつぶされています。 どうやらここがフランスとスペインの国境、ポルティヨン峠のようです。 ここには特に見晴らしがあるわけでもなく、峠という看板もなく(写真の看板はまったく関係ない)、唯一峠らしいものと言えば一組の木のテーブルとベンチだけで、ちょっと拍子抜けでした。 

鬱蒼とした森の間を下る鬱蒼とした森の間を下る

そのベンチではマウンテンバイクのおじさんがパンク修理をしていました。 このあたりの森を走ったようです。 私たちは、同じテーブルで少しだけ休憩させてもらい、すぐに下り出しました。

さて、ここからは再びスペインに入ります。 いよいよカタルーニャです。

最初はあまり視界が開けていない、両側に森が迫った道を行きます。 しかし先ほどまでと違って、太陽ギンギン、空は深い碧へと変わりました。

ボソストの街を望むボソストの街を望む

徐々に視界が開けてきて、うねうねとしたヘアピンカーブに差し掛かると、下にボソストの街が現れました。 この谷はアラン谷と呼ばれ、東南のビエーリャまでずっと続いているのが見えます。 アランはバスク語で『谷』の意味だそうで、このあたりは中世までバスク語も使われていたそうです。 ということは、かつてはここもバスクだったのでしょうか? ここからは目下のボソストを目指して、ヘアピンを何度も曲がり下りました。

ビエーリャへ向かうビエーリャへ向かう

ボソストで峠道から大きな道に出ました。 ガローナ川に沿うこの道をビエーリャ方面に向かうと、視界は開け気分はいいものの、強い日差しを路面が反射してちょっと息苦しい。

ビエルハのカテドラルビエーリャの教会

11時過ぎにビエーリャに到着しました。 空の色は真っ青でフランスとは全く違い、『お~、ここはスペインだっ!』 という気分に否応なくなってきました。 街の真ん中にあった教会の足元にあるバルで一休みです。 ここビエーリャもアラン谷の街で、このあたりの言語はカタルーニャ語やカスティーリャ語とも違う、アラン語というのが使われているとのことです。

広々とした道を行く広々とした道を行く

昼少し前にビエーリャを出発です。 ビエーリャで分かれたこちらの道も広々としていて路肩も広いので安心して走れます。 しかし、まだ午前中だというのに、暑い暑い! 道は緩い上りとなり、汗だくのへろへろ走行が続きます。

バケイラが見えたバケイラが見えた

遠くの山の麓にキラッと光るホテル群が見えました。 あれがバケイラでしょう。 今日の目的地はこのスキーリゾート地バケイラです。 なぜバケイラにしたかというと、ボナイグア峠の前にある町でホテルが何軒もあるからです。 しかし、この町のホテルは皆リゾートホテルのようで、どこもかしこもすばらしいお値段。 そこでバケイラの少し手前の村で宿を探すことにしました。 バケイラの3~4km手前にあるトレドスに宿があるとの情報があったので、そのトレドスに行くことにしました。

トレドス村トレドス村

ギンギンの太陽が照りつける中、1時にトレドスに到着です。 この村は道路から右手にグ~ッと下ったところにあり、その入口にホテルが一軒ありました。 フランスではホテルの玄関に宿泊料の掲示があることが多いのですが、スペインではそれがないのでレセプションまで行って聞かないとわかりません。 結局このホテルはそこそこのお値段だったので止め、さらに下った村の中で探すことにしました。

看板のない宿でレストラン看板のない宿でレストラン

ペンシオンを2軒ほど覗いてみましたが、なぜか締まっていたり人がいなかったりで、一旦宿探しを中断して、村唯一のレストランで昼食にしました。 食事後、店のおじさんに宿を訪ねると、なんとここで部屋を貸しているといいます。 値段は先のホテルの半額とのこと。 お~ラッキー、とここにお世話になることにしました。 観光客はいないように見えましたが、レストランには結構お客が入っていてびっくり。 地元の山の料理ということで、私たちはウサギのローストや鴨のグリルなどを楽しみました。

丘の上の古い教会丘の上の古い教会

トレドスは小さな村で新しい家が多いのですが、それなりの歴史もあるようで、川のすぐ上にある丘の上にはこんな教会がありました。

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