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スイス周遊 1

グラット川に沿って田園を行く

第1ステージ Zürich 〜 Rapperswil
開催日 2009.08.06(木)晴れ
参加者 オットマッター/サリーナ/サイダー
総合評価 ★★
難易度
走行距離 57km

ラッパースヴィルにて
ラッパースヴィルにて

◆ コース紹介

チューリッヒからグラット川に沿って、のんびり田園風景を楽しみながらラッパースヴィルまで。 途中にあるグレイフェン湖の畔にあるグレイフェンゼー村は、のどかな古い小さな街で、小さなお城があります。 ラッパースヴィルはチューリッヒ湖の畔にある街で、小高い丘の上に立派な教会とお城がある素敵なところです。


第1ステージ:チューリッヒ 〜 ラッパースヴィル

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectRide With GPS

発着地 累積距離 発着時刻 ルート 備考
Zürich START 発09:50 ( 45,29 ) 泊:CITY BACKPACKER
Greifensee
 休憩
17km 着11:30
発12:15

( 29 )
古い街、お城
Bertschikon
 昼食
31km 着13:20
発14:20
Rapperswil
 散策
47km 着15:55
発17:35
お城と木造の橋
Bollingen 57km 着18:00 泊:B&B VONLANTHEN
Cycling in Switzerland のルート番号

チューリッヒで再会のオットマッターとサリーナチューリッヒで再会のオットマッターとサリーナ

2009年の夏は、涼しいスイスでアルプスを眺めながら過ごすことにした私たち。 ニューヨークのオットマッターもなんとか休みが取れて、今回はサリーナ、サイダーと共に3人旅です。 チューリッヒで久々に再会したオットマッターとサリーナ、サイダー。

広場にて、いざ出発広場にて、いざ出発

スイス・サイクリングの初日は、チューリッヒ市街からその郊外を流れるグラット川に沿って走り、その後ちょっとだけ起伏がある田舎を通ってチューリッヒ湖の畔にある美しい街ラッパースヴィルまでです。

チューリッヒの繁華街の宿の前は小さな広場で、日常はカフェが出ていますが、この朝は装飾品やなにやらの売り場に変身。 そこで出発の記念写真。

リマト川にてリマト川にて

チューリッヒ市街からはまずチューリッヒ湖から流れ出すリマト川を北上します。 この川はチューリッヒ湖同様市民の憩いの場で、水浴びをしている人々がたくさんいました。 お天気は言うことなし。 すがすがしい空気に気持ちのよい水辺。 赤ジャージはやる気満々のニューヨーカー・オットマッター。

サイクリングロードサイクリングロード

そのリマト川沿いには快適なサイクリングロードがあります。 ジョギングしている人々を慎重に追い越し、水浴びを楽しんでいる人々を横目に2kmほどこの道を進みます。

丘を上る丘を上る

リマト川を離れ、ちょっとだけ町中を通り抜けるとどうやら公園に出たようです。 小さな池があり、テニス場などがあります。

その公園の中を通り抜け、幹線をちょっと走ったあと入ったのは下にチューリッヒ郊外が見渡せる丘。 行く手は森になっていてちょっときつい上りも現れ始めました。

森を行く森を行く

さて、その森に突入するとひんやりとしてとても気持ちいい。 この森はチューリッヒの中心部から2〜3km北東の高台に相当の面積で広がっているもので、スイスの森林の豊かさにまずびっくりさせられます。

『きゃ〜、ここは砂利道なのね〜』 と砂利道が苦手なサリーナは叫びつつも、よく整えられた砂利道なので問題なく進みます。 スイスのサイクリングロードはマウンテンバイクコースはもとより一般のコースでも、そこそこ砂利道やダートが現れるのです。

ほどなくこの森の中に水場が現れました。 さっそく近づき水を汲むはサイダー。 

『エ〜、こんなところの水を飲んで大丈夫?』 との問いに、

『スイスの水はどこで飲んでも大丈夫。 ダメなところには飲まないでって書いてあるんだって。』 とは俄博士のサイダーです。 森の中の水はとてもおいしかった。

田園を行く田園を行く

森を抜ければ田園。 牧草地やトウモロコシの畑の中をサイクリングロードは抜けてゆきます。

『お〜、これはすばらしいじゃないか、スイスって素敵だね〜』 とオットマッターも快調です。

みんなサイクリングみんなサイクリング

さてさて、その田園を進むといつしか道は小さなグラット川に出会います。 進行右手の木々の袂がグラット川です。 この川沿いにもサイクリングロードが延びていて、そこは子供からかなり年配の方まで、とても多くのサイクリストで賑わっています。 中にはトレラーで小さな子供を連れたお父さんやお母さんも。

グレイフェン湖グレイフェン湖

小さなグラット川が突然広がり、周囲に葦の茂みが広がるとすぐにグレイフェン湖に辿り着きます。 のどかに海水浴ならぬ淡水浴を楽しむ人やヨットで風を切る人々。 この湖の岸は自然保護区で、 400以上の植物と120の渡り鳥がいるそうです。 とてものんびりした、いい感じのところです。

グレイフェンゼー村グレイフェンゼー村

このグレイフェン湖の畔にあるのは、その名もグレイフェンゼー村。 ゼーは湖の意味なのでグレイフェン湖村と言ってもいいかもしれません。 この村はとても小さな村ですが、なんとその歴史は5000年以上も遡るとのこと。 その最初は湖上の杭上住居だったそうです。 現在残っている最古の建物は、1330年頃に建設されたゴシック教会で、私たちはこの教会のすぐ近くのカフェでちょっと休憩。

車道脇の自転車道車道脇の自転車道

グレイフェンゼー村から自転車道は車道の脇を走るようになりました。 ここまでチューリッヒ市街を除くと、自転車道はほとんど専用道のような造りで車道を走ることなく快適です。

『これなら車道の脇でもOKね〜』 とアメリカ人らしくないVサインのオットマッター。 実はこのオットマッター、日本に10年近く住んでいたので半分日本人みたいなのです。

草原とグレイフェン湖草原とグレイフェン湖

グレイフェン湖を自転車道が離れると草原の向こうに輝くグレイフェン湖とそのさらに向こうに小高い山並みが見えます。 この山の向こう側には本日の終着地ラッパーズヴィルを抱くチューリッヒ湖があるはず。

カントリーロードカントリーロード

グレイフェン湖の南端の街リーディコンからは進路を変え、東にあるヴェッツィコンに向かいます。 この道には自転車通行レーンが設けられていませんでしたが、カントリーロードで車はほとんど通らないのでまったく問題なし。 快調にルンルンと行きます。

アップダウンアップダウン

しかしそのうちこの道は、穏やかなもののちょっとしたアップダウンが始まりました。 昼を過ぎ、太陽は真上から照りつけます。 日本よりはだいぶ涼しいスイスとはいえ、このあたりの高度はまだあまり高くありません。 こうなるとさすがにかなり暑い。

さらにカントリーロードを行くさらにカントリーロードを行く

農家の牛たちも木陰で休んでいます。 そんな牛くんたちを横目にアップアップダウンを繰り返します。 そのうちサリーナが遅れ出し、木陰休憩が多くなってきました。

ブルスト(ソーセージ)のランチヴルスト(ソーセージ)のランチ

ヴェッツィコンの手前のベルトシコンという街に辿り着くと、サリーナがちょっとよろよろしています。 暑さに加え時差ぼけもあるのでしょう。 というわけで、ちょうどそこの街角にあったレストランでランチにしました。

このあたりはドイツ語圏で料理もドイツ風が多く、サイダーは名物ヴルスト(ソーセージ)を。 ちょっと焼き過ぎのようですが見た目よりずっとおいしいかった。

オットマターが行くオットマターが行く

ランチ休憩で少し回復したサリーナですが、午後の予定はさらにアップダウンが続くコースです。 ここは安全を見て予定を変更し、ヴェッツィコンに向かうのは止めて、ラッパースヴィルに直行する短縮コースにしました。

というわけで自転車道を離れ一般道を通行する機会が増えましたが、そんなところでも車道には線引きされた自転車通行帯があるのでかなり安心して走れます。

のどかな田園が広がるのどかな田園が広がる

適当に主要道から離れれば、のどかなカントリーロードです。 穏やかな丘陵地の牧草地のなかに農家が点々と建ち、その向こうには午前中見えていた山とは違う小高い山が見えてきました。 あの山の手前にチューリッヒ湖があるはずです。

やや回復のサリーナiやや回復のサリーナ

本日の目的地ラッパースヴィルは湖の畔にあり、ベルトシコンはやや高いところにあるので概ね下り。

『これなららくちん、調子戻ってきたわ〜』 とサリーナも元気を取り戻した様子。

線路の向こうにラッパースヴィル線路の向こうにラッパースヴィル

ちょっとしたダウンヒルの途中でチューリッヒ湖が姿を現し、国鉄の線路が見えるとその向こうにラッパースヴィルが見えてきました。 ちょうどそこをスイス国鉄の2階建列車が通って行きます。

ラッパースヴィル到着ラッパースヴィル到着

市街に入っても自転車道の案内は続いていました。 その標識に導かれて進むと、ほどなく旧市街のメインストリートに入り、中心の広場に辿り着きました。 広場の北端の高台には古いお城と教会が聳えています。

途中やや不調だったサリーナもなんとかここまで辿り着きました。 オットマッターの宿はこの広場にあるホテルなので、オットマッターはここで荷解き。

美しい街並美しい街並

お城と教会がある高台から散策を始めました。 チューリッヒ湖に突き出る半島状の先端からは周囲がとてもよく見渡せます。 船が行き交うチューリッヒ湖、通ってきた丘、古い街の古びた瓦屋根。

街は中世そのもの。 どの建物も古く、良く手入れされていて、ところどころにバラが咲いています。 ここラッパースヴィルはバラでも有名なのだそうです。

木造橋からラッパースヴィルを望む木造橋からラッパースヴィルを望む

桟橋や小さな入り江の港を覗いてから、自転車を拾ってちょっと面白いものを見に行きました。 ここにはスイスで一番長い木造の橋があるというのです。 それはラッパースヴィルの南の根元から、対岸のプフェフィコンに架かる道路の途中まで架かっていました。

これは橋とはいっても桟橋かデッキのようなものに近く、歩行者専用です(TOP写真)。 メインの橋には歩道も整備されていますが、対岸までの歩行者用の橋として整備されたものらしく、子供たちが釣りをして楽しんでいました。 それにしても本当に長い。

この橋を渡って、湖上から眺めるようなラッパースヴィルの街を楽しんだあと、サイダーとサリーナは隣村のボルリンゲンのB&Bに向かいました。 道は二次的(Cycling in Switzerland に載っていない)な自転車道で、後半は砂利道。 しかしここを通るサイクリストもたくさんいました。 6kmほど走り、ボルリンゲンのB&Bに到着です。

サイダーとサリーナの宿は、湖畔に建ち湖がすばらしく良く見渡せます。 荷を解いた後、オットマッターと食事をすべく、B&Bのお母さんにラッパースヴィルまでの足を聞くが、自転車以外にはどうやらなさそう。

『このあたりは街灯がないし、21時には暗くなるからそれまでに帰ってきなさい。』 という。

というわけで、休憩もそこそこに再び自転車でラッパースヴィルへ向かうことになりました。 ラッパースヴィルの港近くで夕食を済ませ、再びボルリンゲンに向かう時にはすでに21時を回っていましたが、まだなんとか空には薄明かりが残っていました。 砂利道を進むと、空には大きな白い月が出ていました。

スイス・サイクリングの初日はサリーナの体調不良がありましたが、こうしてなんとか無事に終了です。 景色はどこもすばらしく、サイクリングロードの充実、一般道にもほとんど自転車レーンが整備されているという自転車に配慮された構造に感激。

この旅、どうやら楽しくなりそうです。

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