1717-3

ハワイ島 3

Waimea~Pololu Valley~Kapa'au

開催日 2010.06.18(金)晴れ
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★★
難易度 ▲▲
走行距離 78km

コハラ・マウンテン・ロード
コハラ・マウンテン・ロード

◆ コース紹介

ハワイ島の北部中央にあるワイメアから島一番の景観コース、コハラ・マウンテン・ロードを通り、ノース・コハラのカパアウまで。 カメハメハ大王が鎮座するカパアウの先では、ひっそりとしたポロル渓谷を訪れます。

コハラ・マウンテン・ロードはコハラ山脈の西側中腹部を南北に走る道で、火山地帯の砂漠のような景色と、それとはまるで違う緑の牧草地が楽しめます。 西のコハラ・コーストが一望にでき、南には4000m峰のマウナ・ケアもしっかり見えます。 最後は圧巻の太平洋へのダイブ。 上りも下りも楽しめるまさに最高の景観コースです。

奥深いポロル渓谷はワイピオ渓谷より少し小振りですが、訪れる観光客が少なく、よりひっそりとした静かな景色が楽しめます。

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総合データ(GARMIN Connect:ルート、高度、速度など。ダウンロード可)

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
Waimea START 発08:10 Hawaii Belt Rdなど 泊:Kamuela Inn
Waimea 15km 着09:35
発09:35
Kohala Mountain Rd Waimeaの街中を散策後出発
Hawi
 昼食
49km 着12:10
発13:20
Hawi-Niuli Rd 昼食:Sushi Rock
Kapa'au
 カメハメハ大王像
53km
56km
着13:50
発14:30
Hawi-Niuli Rd 宿を探すのに少々うろうろしたのち荷解き
Pololu Valley
 見晴し台
65km 着15:25
発17:25
Hawi-Niuli Rd ユミさんの家に自転車を置かせてもらい、
渓谷散策往復2km
Kapa'au 78km 着18:15
泊:Kohala Country Adventures /★
/$107/税込
夕食:Bamboo Restaurant

KE OLA MAU LOA教会KE OLA MAU LOA教会

ワイメアは標高800m。 ヒロやホノカアとは違い、朝は肌寒いくらいです。 早朝にはハワイの最高峰、標高4,205mのマウナ・ケアの山頂が見えていましたが、いつの間にか雲が出始め、あっという間に山の中腹までを覆ってしまいました。

さて、今日はハワイ島でもっとも眺めがいいといわれるコハラ・マウンテン・ロードでワイメアからカパアウまでです。 距離は短く時間はたっぷりあるので、出発前にワイメアの街中を覗いてみることにしました。

まずは古い木造教会が2つ建つ教会通りです。 こちらはかわいらしい色のケ・オラ・マウ・ロア教会。 隣には1857年に建てられたイミオラ会の教会があります。 礼拝の時間ではなかったので、どちらも内部を覗くことはできませんでした。 間にある施設では夏休みの子供たちがダンスを習っていました。

パーカー牧場パーカー牧場

ワイメアといえばパーカー牧場です。 このあたり一帯はその牧場で占められており、見渡す限りの牧草地の向こうに、マウナケアの裾野が下りてきています。 でも、牛はこのあたりには放牧されていないようですね。

馬小屋馬小屋

旧パーカー邸でも見学しようと思い、少しうろうろするとメインロードから入ったところに牧場関係の施設が建っていました。 こちらは馬小屋のようです。

結局旧パーカー邸はしばらく休館とのことで見学できず、入った枝道を廻ってコハラ・マウンテン・ロードへ抜けようとしましたが、なんとこの道はDEAD END。 こことワイメア中心部との間には、ハワイ島西側唯一の川ワイコロア・ストリームが流れ、ちょっとした谷になっているのです。

まん丸小山まん丸小山

仕方なく来た道を引き返し、街中を抜けてコハラ・マウンテン・ロードへ向かいます。

東岸のハマクア・コーストはジャングルとサトウキビ畑でしたが、ここワイメアは草原です。 そんなんで、山もまるで芝生のような緑。 この小高い山の裾野をぐるっと回り込むようにして進むと、コハラ・マウンテン・ロードの分岐に出ます。

コハラ・マウンテン・ロードを上るコハラ・マウンテン・ロードを上る

『この道は眺めがいいっていうから楽しみ~』 と笑顔でコハラ・マウンテン・ロードに入ったサリーナ。 後ろには山頂を雲で隠したマウナ・ケアがデ~ンと座っています。 上り始めから眺めはいいものの、ここから10kmほどは上りが続くのです。

この道は二車線で路肩もほとんどないのですが、交通量はとても少なく、問題なく走れます。

どんどん上るどんどん上る

空に雲はあるものの、その上は真っ青です。 上り始めてすぐに島西側のコハラ・コーストが見え出します。 海の色は東海岸のくすんだ色と違い、鮮やかなブルー。

マウナケア山頂とサイダーマウナケア山頂とサイダー

勾配はせいぜい4~5%と穏やかで急激な勾配の変化もなく、上りやすい道なのですが、さすがに暑くなってきました。 ゼーゼーアヒアヒとゆっくり上っているうちに、マウナ・ケアに掛かっていた雲が薄れ、ついに山頂が顔を出しました。 写真では良く見えませんが、この山頂にはいくつかの天文台が見えています。

道端を見るとなんとサボテンが生えています。 そういえばあたりはもう草原ではなく、なにか砂漠のような感じです。 あっという間に気候や植生が変わるのがハワイ島なんですね。 実はこのコハラ山脈は火山であちこちにクレーターがあります。 砂漠のようなのは大地が溶岩でできているからでしょう。

見晴し台より見晴し台より

少し下ってからちょっと上ったところに、見晴し台がありました。 ここからはコハラ・コーストが一望にできます。 あのあたりが明日泊まるマウナ・ラニかなぁ、などと場所探しをしつつちょっと休憩。 サリーナはここが頂上と思い込んで下りに備え長袖を着込みますが、実は頂上はもっと先なのでした。 がび~ん。。 

木々の中を下る木々の中を下る

頂上はこの見晴し台からさらに1kmほどのところですが、そのあたりは穏やかなアップダウンが続き、どこが最高点なのかはっきりしません。 おそらく1,086mの表示があるところだと思いますが、そこにはなんとか峠などという大げさな表示はなく、ちょっとがっかり。

ともかくもいつの間にか道は下りに転じました。 ほどなく周囲の景色ががらりと変わり、針葉樹の間を行くようになります。

ヒロ湾牧場の馬

木々の向こうにちょっとしたざわめきを感じると、そこは牧場でした。 さっきまで砂漠のようなところだったのが、もうここでは草原です。 ハワイ島って本当に面白い!

強風を物語る木々強風を物語る木々

上りは10kmでしたが下りはなんとその倍の20kmです。 この豪快な下りは楽しめます! しかし、握りしめるブレーキレバーで手が痛くなっちゃう。

グワー、グワー、ゴーッと下るうち突然道の両側の樹木がなくなり、突風がドピューン。 危ない、危ない。 すんでのところでひっくり返るところでした。 だいぶ下ってきて山の稜線に近いところになったので、とても風が強いのです。

道端の木を見てびっくり。 風が強いせいで、今にも片側に倒れそうな樹形になってしまっています。

牛君たち牛君たち

下るにつれ太平洋がどんどん近づいてきます。 海の中ではほとんどアニメーションのように、波がチカッ、チカッと白く点滅しています。 真っ青な空と海、そして芝生のような緑の牧草地の中で草を食む牛。 ここはまるで絵に描いたような世界。

クレーター?クレーター?

緑の芝生がモッコリ盛り上がり、まるで阿蘇山の米塚のようなお椀を伏せたような地形が現れました。 これはおそらく小さな火口なのでしょう。 そういえば米塚も火口ですね。

太平洋に落ちる太平洋に落ちる

緑の草原を抜け、正面に青い太平洋。 道は下り続け、まっすぐ太平洋に落っこちて行くのではないかという錯覚に捕われるほどです。

ハヴィハヴィ

落っこちた先はこちら、島の北端にある人口1000人ほどのハヴィです。 通りに数軒の建物があるだけの本当に小さな村です。

スシ・ロックという飛んだ名のスシ屋で昼食。 ここはハワイ・オリジナル・スシをと、アヒ(キハダマグロ)で巻いたものと、なんとゴートチーズやマカダミアナッツののり巻きを。 寿司と思わなければ、結構いけます。

カパアウカパアウ

ハヴィから4km先のもう一つの村カパアウが私たちの今晩の宿があるところです。 こちらもハヴィと同程度の規模ですが、ここにはハワイの歴史上重要なものがあります。

カメハメハ大王像カメハメハ大王像

それがこちらのカメハメハ大王像。 カメハメハはハワイ諸島を統一した王様で、ホノルルにこれと同じ像があります。 フィレンツェで作られた最初の像が運搬中に海に沈んだため、再度作られたのがホノルルにあるやつで、こちらは海に沈んだ方の最初のやつだそうです。

なぜここに建っているのかというと、ここはカメハメハ大王が子供時代を過ごした家があったところだからだそうです。 このハワイ島北部は大王縁の地で、他にもいくつか歴史的な遺産があります。

ポロル渓谷へ向かうポロル渓谷へ向かう

宿に荷を解き、ポロル渓谷へと向かいます。 ポロル渓谷はワイピオ渓谷と同じようにコハラ山脈の東海岸にある渓谷で、ワイピオはその南東の端、ポロルは北西の端にあるのです。

ポロル渓谷見晴し台にてポロル渓谷見晴し台にて

カパアウからポロル渓谷までは9kmほどですが、この道、細かいアップダウンの連続で少々アヘアヘ。 アヘアヘしていて途中にあるカメハメハ大王が運んだという伝説の大石を見るのを忘れてしまった。

道の突き当たりが渓谷の見晴し台です。

ユミさんのお宅を高台から見るユミさんのお宅を高台から見る

民宿のおかみさんが、

『ポロル渓谷へ行くなら、自転車をユミさんちで預かってもらいなさい。 彼女は私の親友だから。』 と言ってくれたので、そのユミさんのお宅へおじゃましました。

ユミさんのお宅は渓谷のすぐ前の海の見える高台にあり、マウイ島まで見渡すことのできる素晴らしいロケーションにあります。

ユミさんとサリーナユミさんとサリーナ

庭で昼寝をしていたユミさんは私たちを快く迎えてくださり、ついでにと敷地内を案内してくださいました。 南国の花々が咲き、果物が実を付けている素晴らしい庭です。

ポロル渓谷の奥を望むポロル渓谷の奥を望む

敷地の奥の一番高いところに出ると、そこからは渓谷の奥が良く見渡せます。 このように高いところから渓谷の奥まで見渡せるのはおそらくユミさん家からだけでしょう。

ポロル渓谷の底を望むポロル渓谷の底を望む

『最近雨が少なくてね。 今年はちょっと飲み水が心配だわ。』 とユミさん。 ここの飲料水は近くの湧き水を引いたものなので、その湧き水が枯れたら大変なのだそうです。

かつてこの地の主食だったタロ芋の水田で埋め尽くされていた渓谷の底は、今では水が別のところで吸い上げられているせいもあり、ちょっと乾涸びかけているようです。 ポツポツとした黒い点は野生化した牛など。

ヒロ湾ポロル渓谷

ユミさんちで自転車を預かってもらい、標高差150mほどの渓谷の底に下ります。

このトレイルは幅一間ほどでかなり急。 ちょっとした岩場もあるので慎重に下ります。 ユミさんは下るのに10分と言っていたけれど、優に15分はかかっちゃった。

ヒロ湾ポロル渓谷

ザー、ザー、ザザー、という波の音を聞きながら高度を下げて行くにつれ、渓谷は徐々に姿を変えて行きます。 海に突き出した断崖が一つだったのが、二つになり、穏やかな弧を描いた黒い砂の海岸が現れます。

ヒロ湾ポロル渓谷

いつの間にか断崖は三つになり、その先まで続く稜線も見えてきました。 このずっと先にワイピオ渓谷があるのですが、その間にはこんな断崖絶壁が続き、道はないのです。

ブラック・サンド・ビーチで戯れるサイダーブラック・サンド・ビーチで戯れるサイダー

谷底に下りるとささやかな小川が流れ、そのむこうで野生化した動物たちが静かに水を飲んでいます。 反対側はビーチ。 その砂は黒く、このあたりが火山であることを伺わせます。 波は荒く、離岸流が強いので泳ぐのは危険です。 そんな海にちょっとだけ足を浸していると

『い、イタッ!』 とサリーナの叫び。 何かで足を切られたみたい、というのだが、どうやらクラゲに刺されたらしい。 美しい渓谷のお土産はクラゲの毒なのでした。

再びカパアウへ再びカパアウへ

足の傷みで渓谷から上るのに四苦八苦しつつ、ユミさんちに戻ったサリーナですが、ユミさんはどうやらお出かけのよう。 仕方なくご挨拶もせずに自転車をピックアップしてカパアウへと向かいます。

帰りは足の痛みで、またまた大王様の石を見逃した~

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