◆ リゾート紹介
ハワイ島一周サイクリングの前半戦を終え、マウナ・ラニ・リゾートの静かなビーチに遊びます。 中日にはハワイの最高峰4,205mのマウナ・ケアで雲海に沈む夕陽と星空を楽しみます。
マウナ・ラニからマウナ・ケアを望む
ハワイ島の東海岸にあるヒロを出発し、島の北部を廻ってやってきたのはここ、西海岸はサウス・コハラのリゾート地、マウナ・ラニ。 溶岩荒野の真っただ中に人工的に作られた楽園です。
緑のゴルフ場の先にはハワイの最高峰マウナ・ケアが鎮座しています。 ハワイ語でマウナは山でケアは白いという意味、『白い山』ですね。 常夏と言われるハワイにあって、この山頂は冬、雪で真っ白になるそうです。 4,500年ほど前に最後の噴火があり、現在は休火山のこの山は、朝一番は山頂が見えることが多いのですが、時間が経つにつれ、徐々に雲に覆われて行きます。
ヤシ林とマウイ島
海側を望めばヤシの林の向こうに真っ青な太平洋。 写真の左端にうっすらと写っているのはお隣のマウイ島です。
昨日の夕刻私たちはここで、ヨーコちゃん、アンクルケン、ダイナツ、プサン、そしてオスカルと合流しました。 昨夜はみんなでBBQ。 おいしいという意味のオノ(サワラ)と絶品のラム肉をオスカルが焼き、豚肉や魚のラウラウ(タロの葉っぱで包み蒸したもの)を突つき、トロピカル・フルーツのデザート。 わいわいがやがやと盛り上がりました。
ジャグジーに浸かるサイダー
一夜明けると、サイダーが浮かない顔。 なんでも左足首が痛いのだそうな。 症状は捻挫のようだが、グキッとやった記憶がないという。 大方の意見は、酔っぱらっていて捻挫した記憶がすっ飛んでないんじゃろ、というもの。 まあ一日休養すれば治るだろう、とジャグジーに浸かります。
マウナ・ラニの海岸
ヨーコちゃん、ダイナツそしてプサンの3人は北部周回のサイクリングに、オスカルは車でポロル渓谷とワイピオ渓谷のトレッキングに出かけました。 アンクルケンはオスカルの車に同乗し、ワイメアからサイクリングとのこと。
サリーナは近くの探検に。 まずはビーチ、ビーチと海岸に出ました。 海水浴に手頃な砂浜のビーチを覗いたあと、海岸に沿って連なる池の脇に、北のマウナ・ラニ・ベイ・ホテル方面に延びる遊歩道を発見。
草葺き屋根のシェルター
この道はカアフイプアア・ヒストリック・トレイルといい、アワという魚が飼われる古くからある養魚池や、16世紀のハワイ人集落跡などがあります。 写真の草葺き屋根の小屋にはアウトリガー・カヌーが置かれていました。
ずんずん進んでマウナ・ラニ・ベイ・ホテルに到着。 ホテルのプール係のおにいさんに聞いたところ、さらに15分ほど歩くと興味深いペトログリフがたくさんあるプアコ・ペトログリフ自然保護地域の入口に到着するとのこと。 てくてく歩いてフェアモント・オーキッド・ホテルまでは辿り着いたサリーナですが、暑くてもうへろへろ。 その先のプアコ・ペトログリフ自然保護地域に行くのは断念し、戻って近くの歴史公園に行ってみることにしました。
溶岩洞窟
地図には『歴史公園』と書いてある。 でもそこには、溶岩だらけのゴツゴツした荒野に1本の細いアスファルト路がくねくねと通っているだけでした。 これって歴史公園なの~ とつぶやいていると、洞穴のようなところに小さなサインが。 これは溶岩の洞で、古代のハワイ人はこんなところに住んでいました、と書いてある。 でも他にこれといった見所もなくがっかり。
ヤシの木に落ちる夕陽
15時にアンクルケンが戻り、17時にプサンだけが戻ってきました。 なんとプサンのバイクにトラブル発生で二人を残して帰ってきたそうな。 ありゃまぁ。
西のヤシの木に陽が落ちる頃全員が戻り、夕飯の準備。 今日は豪華アンガス牛のステーキだ!
ER体験のサイダー
21日、サイダーの足が悪化。 激しい痛みのため、念のため骨に異常がないか病院で診てもらうことにしました。 オルカルの車で向かったのはワイメアにある病院です。
受付で事情を話すと、案内されたのはなんとEmergency Rescueと書いてあるところ。 車を置いて後からやってきたオスカルはこの文字を見て青い顔。 しかし、診断を受けてここへ運び込まれた訳ではありません。 初診の人はまずここへ通されることになっているのか、ちょっと早く診てもらったほうがいいと受付で判断されたのか、どちらかでしょう。 なんとサイダーの後にここに連れてこられたのは、ヨッパライだった!
日本の病院とはずいぶん雰囲気が違い、看護士さんはアロハシャツ、仕切りのカーテンに至ってはピンクの花柄です。 担当のお医者さんはワークパンツにラフなシャツ姿でやってくるなり『ハ~イ、おまえ、どうした~』という感じ。 スタッフはみんなフレンドリーで、ギスギスしたところがまったくありません。 なんか気持ちいいな~
結局サイダーの足は骨には異状がなく、エコノミー症候群でもなく、おそらく捻挫だろうということで鎮痛剤をもらって決着。 会計してくれと頼むと、係の者がいないからいい、帰れ、とおっしゃいます。 えっ、えっ、まさかタダってことはないよねぇ。
サドル・ロードを行く
後日談:3週間ほどして日本に届いた請求書、なんと2,500ドル。 ドひゃー、これじゃあアメリカで医療保険が問題になるはずだわな。
午後はマウナ・ケアのサンセット・ツアーです。 サイダーはヴィラで車いすを借りての参加。 ツアーの車はさっきまでお世話になったワイメアの病院をかすめ、フアラライ山をめがけた後、サドル・ロードに入りました。 上空は雲に覆われています。
マウナ・ロア
サドル・ロードは多くのレンタカー会社が保険の適用外にしている悪路とのこと。 近年は徐々に改修され、道幅は広く、路面の状態も改善されつつあるといいますが、路肩の無いうねうねとした道はいかにも危なそう。
徐々に高度を上げて行くと、突然の雨。 牧場の多いこの一帯は雨の多い地域だそうです。 牛や馬を眺め、時に野生化した山羊が駆け抜けて行くのを見かけます。 雨が止むと、今度は霧。 どうやら雲の中に入ったようです。
雲を抜けると真っ青な空を背景にマウナ・ロア山頂が姿を現しました。 マウナ・ロアは『長い山』という意味だそうです。 穏やかに延びる裾野がとても長く見えることから名付けられたのでしょう。 下から見ると優雅なこの山も、ここでは痘痕のようにボコボコと小さな火口がそこいら中に突き出ています。
雲海とフアラライ山
マウナ・ロアは活火山で、1984年の噴火ではあわやヒロが飲み込まれそうになったそうです。 そのマウナ・ロアの手前には、流れ出た真っ黒な溶岩が不気味に広がっていました。
サドル・ロードからマウナ・ケア山頂へ向かうサミット・ロードに入ると、もうここは火星か、と思えるような世界が広がり出します。 赤と黒の溶岩だらけ。 その向こうの雲海からは、フアラライ山が小島のように顔を出しています。
オニヅカ・センター
標高2,760mのオニヅカ・センターに到着。 お弁当を食べ、高度に体を慣らすために一時間ほど休憩を取ります。 内部では日本のすばる望遠鏡を作るまでのビデオが上映されていました。
花を付けたシルバーソード
建物から少し離れたところにめずらしい植物があるというので行ってみました。 シルバーソード(銀剣草)というそうで、このあたりとヒマラヤにしか生息しないそうです。 なおかつこの植物は一生に一度しか花を付けず、それまで10年ほどの年月を要するといいます。 上に延びているの茎のようなものに花が咲きます。 2本は終わり、もう2本は開花前でしょうか。
マウナ・ロアの穏やかな稜線とクレーター
オニヅカ・センターを出ると砂利道です。 ここは4WD車しか通れず、サドル・ロード同様にレンタカーの保険適用外です。 斜度はかなりきついのですが、舗装工事が行えないほどではありません。 舗装しないのは一種の山頂への入場規制なのでしょう。
山頂付近の風景
火星的な風景は増々度を増し、草一つ生えない不毛地帯になります。 この近くのムーン・バレー(月の谷)と呼ばれるところでは、アポロ計画で月面車によるリハーサルが行われたそうですが、さもありなん。
18時半に山頂に到着です。 雲海の遥か上に白い月が出ていました。
天文台が並ぶ
山頂付近には世界各国の天文台がずらり。 なんとその数13基というから、ちょっとびっくりです。 しかしここはハワイの先住民にとっては神聖な場所。 次々と建設が続くここにはその是非を巡る論争があるそうです。
防寒着に身を固めたサリーナ
4000mを超えたここは夏とはいえ、日が沈むととても寒くなるとのこと。 ツアー会社から支給された防寒着に身を包み、これならOK! のサインはサリーナ。
特等席のサイダー
一方のサイダーはみんなに手伝ってもらい、車いすで夕陽に向かってスタンバイ。 後ろで車いすを押すはプサン、その横にオスカル、中腰の渋い表情はアンクルケン。
マウナ・ケアの真の山頂
マウナ・ケアの真の山頂は車が停車したところから徒歩10分ほどの少し離れたところです。 これはどうしても行かなくちゃあ、とプウ・ヴェキウをよじ上るのはヨーコちゃんとオスカル。
日没
19時10分過ぎ、日没の時間です。 左端にあるのが日本のすばる望遠鏡で、直径8.1m、22tの反射望遠鏡は世界最大。 その隣の丸い二つはケック天文台で、こちらは世界最大の光学赤外線望遠鏡だそうです。
すばる望遠鏡の脇の雲海の中に、静かに陽は落ちて行きました。
二度目の日没
陽が完全に沈み、空が赤く染まってくると、あら不思議、雲の中が燃えている。 これは二度目の日没。 水平線は雲より下にあり、そこに沈む本来の日没が雲の隙間を通して見えているのだそうです。
闇への移行
30分ほどのサンセット・ショーが終わり、あたりが夕闇に包まれてくると山頂を降ります。 標高3,900m付近まで下り、今度は星空の観測開始。
この日は月が明るいほうなので、星の観察には最高の条件ではないそうですが、図鑑に載っているような土星のリングを初めて見ました。 そうそう、ハワイからは南十字星が見えるんですね。
マウナ・ラニのビーチ
22日、今日はみんなでビーチだ!
今回の参加メンバー全員で過ごせる事実上の最終日。 ハワイに来てビーチでだらだらしない手はない、ということで、みんなでこの日はビーチと決めました。
くつろぐダイナツとサリーナ
ヴィラから徒歩数分のところにあるビーチに出動。 ここはマウナ・ラニ・ベイ・ホテルのビーチ・クラブ・レストラン前のこじんまりしたプライベート・ビーチのようなところで、人は少なく、落ち着いた感じでとてもいい雰囲気です。
サイダーは車いすを押してもらい、なんとかビーチに到着です。 思い思いの場所を確保し、ごろっとなったり、海に浸かったりしてのんびり過ごします。
鍛え上げられた体躯の二人
裸体をさらすあやしい関係の二人? プサンもオスカルもなかなかいい体をしちょるのぉ~
シュノーケリングも楽し
海に波はなく穏やかで、ちょっと沖合にはヨットが停泊しています。 泳ぐのも良し、そしてシュノーケリングもまた楽しいのでした。
すぐ近くに珊瑚礁があり、お決まりの黄色いキイロハギの群れ、ツノダシ、タイの仲間、チョウチョウウオの仲間と色とりどりです。
サイダーもちょっとここでリハビリを。 海の中は負担が少なく、そこそこ泳げたようです。
アンガス牛を食らうプサン
まったりと半日をビーチで過ごした私たちは、午後には思い思いに動き、夕刻からまたまたBBQ。 わいわいがやがややりながら、プサンとダイナツが焼いてくれラムと牛に舌鼓を打ちました。
ヴィラとプール
あっという間に三日間が過ぎ、明日はそれぞれ思い思いのところへと向かいます。 GOOD NIGHT!