左アサバスカ氷河、右ドーム氷河
コロンビア大氷原観光の拠点、アイスフィールドセンターの前には大氷原から流れ出す氷河が二つ見えます。 左がアサバスカ氷河、右がドーム氷河です。
こうした氷河を眺めながら、アイスフィールドセンターを出発。
ドーム氷河
スノードームの山頂から落ちるドーム氷河は朝日を浴びて眩しく輝いています。
アサバスカ山を後に
氷河をたくさん積んだアサバスカ山が後ろに遠ざかって行きます。
コロンビア大氷原
左手の山と山の合間から、一瞬雲と間違えそうな白い塊が顔を出しています。 穏やかに弧を描いているそれはひどく輝いて見えます。 コロンビア大氷原の一部が見えているのでしょうか。
ウィンストン・チャーチル・レンジ の山々
出発地のアイスフィールドセンターはサンワプタ峠のすぐ側で、このあたりではもっとも標高が高いので今日は基本的にはずっと下りです。
道がはっきりと下りと分かるようになると、先にウィンストン・チャーチル・レンジ の山々が見えてきます。
タングル滝
その山々を眺めつつ下り続けると、コーナーの先に小さな滝が落ちています。
タングル滝です。 この流れはアサバスカ氷河などから流れ出る小川と集まり、サンワプタ川となります。
スタットフィールド氷河
そのサンワプタ川がはっきりと見えるようになると、上にはスタットフィールド氷河の二本の流れが現れます。
さらにその上に見える平らな部分がコロンビア大氷原の端っこです。
なだらかな山に
スタットフィールド氷河の先から急な坂を下ると行く手の風景に大きな変化が現れました。
左手は谷巾いっぱいにサンワプタ川。 そして正面は、これまで見てきたような急峻でごつごつした複雑な形の岩山ではなく、なだらかで単純な形の山になります。 これはサンワプタピークとウォーターフォールピークから落ちる稜線が重なって、連続して見えているのです。
後ろはゴツゴツのウィンストン・チャーチル・レンジ
振り返れば、この違いは一目瞭然。
ウィンストン・チャーチル・レンジの山々は相変わらずゴツゴツしていますね。
ビューティークリークのトレイルヘッド付近
なだらかな山の手前を流れているのがビューティークリークです。
今日は距離が短くその上下り基調なので、時間的に余裕があります。 そこでこの小川沿いのハイキングをすることにしました。
ネジ巻草とシマリスさん
トレイルヘッドはユースホステルの所だろうと思ってユースまで行ってしまいましたがこれは間違いで、実はその1.5km南にありました。 このヘッドは小さな駐車スペースがあるだけで道路に表示がないため、あまり目立ちません。
まず短い区間、針葉樹の間を進みます。 次に現れるのは小さな土手でその上は粗末なアスファルト舗装です。 どうやらここはかつて道路として使われたところのようです。
この土手には、開くともじゃもじゃの白い花になるのですが、その前は何かをぐりぐりねじったようなネジ巻草で埋め尽くされています。 その花をむしゃむしゃと食べるはシマリスさん。 リスって木の実ばっかり食べているわけじゃあないんだ。
ビューティークリークは渓谷
土手をしばらく行くと、山から落ちてくるきれいなビューティークリークに出会います。
ここから本格的なトレイルが始まり、流れに沿って山奥へと入って行くと、すぐに水音が遥か下から聞こえてくるようになります。 ビューティークリークは渓谷なのです。
ビューティークリークとサリーナ
トレイルは穏やかに上って行きます。 人はまったくいません。
森は明るく、流れはターコイズに近いきれいなブルーで、とても気持ちいい。
あちこちに滝がある
時折そのターコイズブルーの流れは白い飛沫を上げて落ちています。 こうした小さな滝がいくつも。
このトレイルはあまり有名ではないようで情報はなかったのですが、とても美しく、気に入りました。
マッシュルームとダイヤデム
ビューティークリークが流れ込んだサンワプタ川はいつの間にか水量が増し、川らしくなってきました。 その先にはウィンストン・チャーチル・レンジの二つのピークが聳えています。
左がマッシュルーム、右がダイヤデム(3,420m)です。 このあたりは3000m超えの山々が並び、その上には必ずと言っていいほど白い氷河が載っています。
アイスフィールドパークウェイの先にはあのなだらかな山に続いて、こちらもなだらかなエンドレスチェーンリッジがどこまでも続いて行きます。(TOP写真)
ポボクタンクリーク
そのエンドレスチェーンリッジ目掛けて下ると、小川に出ました。
ポボクタンクリークです。 ビューテークリークのハイキングがとても素晴らしかったので、このポボクタンクリーク沿いのハイキングコースもちょっと歩いてみることにします。
ここで川を離れ山の中へ
アイスフィールドパークウェイの脇にワーデンステーション(国立公園管理官事務所)があり、トレイルはその奥から始まります。
たまたま居合わせたワーデンに、昨日ここのトレイルにグリズリー(灰色グマ)が出たので注意するようにとアドバイスを受けました。
でも、注意するって、どうする? 一応クマベルは持っていますが。
少しの間は川沿いを進み、流れが穏やかに方向を変える所から山の上へと上って行きます。 周囲は厚い森となり視界がなくなります。
獣の足跡??
トレイルには日差しが届かないのでウェットなところが多く、人や馬の足跡などが残っています。
あるところでこんな足跡を発見。 なにか獣の足跡のようです。 このトレイルは犬は進入禁止なので犬ではないと思います。 まさかクマではないでしょうが、いったいこの足跡は何者が残したのでしょう。
森の中のせせらぎ
見晴らしが良い所に出たらお昼にしよう、とそれらしい所が現れるのを待ちますが、どこまで行っても森が続くだけ。 側を流れているはずのポボクタンクリークもまったく見えません。
一時間と少し歩いたころ、ようやく上からやってきたハイカーに出会い状況を聞くと、あと3kmほど先までは見晴らしはなくここと同じような道が続くとのことで、少々がっかり。 地図を眺めると少し先に小川があるようなので、とりあえずそこまで行ってみることにします。
その流れはほとんど川とは呼べないようなものでした。 仕方がないので日だまりとなっている所を見つけて、そこでお弁当休憩です。 ここで真っ赤な野いちご発見。
ネジ巻草が咲く中を進む
このポボクタンクリークのトレイルは何十kmにも及ぶ長大なもので、その醍醐味は僅か1~2時間ではとても味わえないものであることを後で知りました。
これで本日の道中のイベントは終了、サンワプタ滝へと向かいます。
道端にはあのネジ巻草が花?を咲かせています。
エンドレスチェーンリッジの脇を行く
ポボクタンクリークの先は、左手にサンワプタ川の向こうでウィンストン・チャーチル・レンジの稜線がぐっと沈んで行くのを見、右手のエンドレスチェーンリッジの下を進むようになります。
荒々しいエンドレスチェーンリッジの表面
なだらかで穏やかに見えたエンドレスチェーンリッジも、近づいてみればその表面は荒々しく、頂部は鋭いナイフのように尖っています。
それにしてもこのエンドレスというネイミングはぴったりです。 これは本当にエンドレスに続くように思えてしまう。
サンワプタフォールズ・リゾート
左に見えていたウィンストン・チャーチル・レンジの稜線が消えてなくなると、サンワプタ滝の入口にある宿に到着。
山小屋風のロッジがいくつも並ぶこの宿は、外観はあまりパッとしませんが内部は広く、キチネットも付いていて快適です。
庭では野ウサギさんがこんにちは。
サンワプタ滝
宿で一休みしたのち、枝道を1kmほど入ったところにあるサンワプタ滝に向かいました。
サンワプタ川が流れる方向を複雑に変えるところにあるこの滝は実はかなり小さく、あまり迫力のある滝とは言えませんが、それでも近づけば泡立つ白い飛沫を浴びることができます。 この滝の先はハイキングコースになっていて、さらに下流にも滝があるようです。
バンフからジャスパーへの道のりはここまでなんとか順調に来ました。 明日はいよいよその行程の最後の日で、最大の難関、エイディス・キャベル山へのきつい上りが待っています。 その先では孤高の氷河、エンジェル氷河が臨めるといいます。