ディスカバリートレイル
今日はジャスパーを後にしバンフに移動します。 バスは昼過ぎ発なので、午前中はジャスパーの周りを散策することにしました。
アサバスカ川の東にある丘、オールド・フォート・ポイント(旧砦跡)には簡単なトレイルがあり眺めが良いというので、このハイキングに決定。
それでも若干時間があまりそうなので、ジャスパーの街をぐるりと一周するディスカバリートレイルのうち、まだ走っていないところを使ってオールド・フォート・ポイントにアプローチすることにします。
親子の鹿さん
ピラミッドレイクロードの入口からディスカバリートレイルに入ります。 ここはジャスパーの裏山の裾野で、Easyが多いこのトレイルの中で唯一Moderateの表示があるゾーンです。
トレイルは森の中へと入って行き、上りに。 その森の中では親子の鹿さんがなにやらモグモグ。 その後この親子は私たちが気になったのか、走って去って行きました。
ダートはいやっだよ~ん
ここはマウンテンバイクならなんでもないコースですが、小径車である上非力な私たちにはちょっときつい。 ここでついに、
『ダートの上りなんて、いやー』 とサリーナの怒りが爆発!
ディスカバリートレイルからジャスパーの街を臨む
しかし簡単に森の雰囲気が味わえ、ジャスパーの街を上から見下ろすポイントもあるこのトレイルは、なかなか魅力的です。
先にオールド・フォート・ポイントの丘
サリーナの怒りが静まらないので、ディスカバリートレイルが車道に出たところで離脱、一般道でオールド・フォート・ポイントに向かいます。
街の東を走る線路を越えてアサバスカ川に下り出すと、先にかつて砦があった丸い頭の丘が見え出します。
オールド・フォート・ポイントの登り口付近
アサバスカ川を渡ったところにある駐車場が、オールド・フォート・ポイントのトレイルヘッドです。 このトレイルはループ状になっており、階段で丘の上に直線的にアプローチする方法と、自転車通行可の緩いダートの上りでアプローチする方法があります。
私たちは後者を選択。 ただし自転車は帰路を考えて駐車場に置き、歩いてアプローチします。
穏やかなダートの上りは、まず足元がきれいな苔で覆わた針葉樹林の中を進みます。
白樺林の中を行く
しばらく行くと針葉樹が少なくなり、辺りは明るい白樺林になります。
尾根に到達?
この白樺林を抜けると空が広くなり、尾根らしきところに出ました。
視界が開ける
すぐに周囲が開け、メイントレイルの右手にある高台に登ると足元には高山植物が小さな花を咲かせ、北にはピラミッド山が見え出します。
ここでメイントレイルに戻るべきだったのですが、そのまま先に進むと道は下り出し、森の中に入って行ってしまいました。 そこからメイントレイルまでは、薮を掻き分け掻き分けしつつ、登ることになってしまったのです。
アサバスカ川、ジャスパー、ピラミッド山
やっと辿り着いたメイントレイルの先にはライムストーンの大きな塊があり、それを廻り込むと、すばらしい展望が。
下には大きな弧を描いて流れるアサバスカ川。 その先にジャスパーの街。 そしてさらにその先にピラミッド山。 ピラミッド山の右手にはコリンレンジの山々、そして左手の南西方向にはウィスラーズ山を始めとするトライデントレンジの山々があり、その先にはエンジェル氷河があるエイディス・キャベル山も見えています。
オールド・フォート・ポイントにて
オールド・フォート・ポイントは、かつてアメリカ・インディアンの土地だったこの地に白人がやってきて砦を建て、騎兵隊の拠点にしたところだとか。
この近くには1811年に建てられた毛皮交易所ヘンリー・ハウスもあったそうです。
オールド・フォート・ポイントを下る
ライムストーンの塊からはまっすぐアサバスカ川に向かって下ります。
このコース、私たちの取った回り方の方が、ゆっくり下りの景色が楽しめます。
続ディスカバリートレイル
さて、本日のメインイベントはこれにて終了。 あとは宿に戻って荷物をピックアップし、バスに乗っておしまいです。
まだ少し時間に余裕があるので、来る時に通らなかったディスカバリートレイルを使ってみることにします。 駅から南西に延びるそれは砂利道で、薄い林の中を進みます。 ここは平坦で路面も締まっているので問題なし。
続々ディスカバリートレイル
そのトレイルが93号線を越え、住宅地の裏を通ってジャスパーの街の南西をぐるりと回ると、そこからきつい上りになります。 このあたりは林が針葉樹から白樺に変わって雰囲気はいいのですが、この先ずっと押しになりそうなのでここから引き返すことにしました。
Raven House B&B
ジャスパーの街中に戻り、宿で荷物をピックアップします。
私たちがお世話になったRaven Houseのオーナー、トニーとメイヤーは気さくで感じが良く、部屋は居間とベッドルームに分かれ、キチネットも付いている快適なところでした。 観光シーズン真っ盛りのこの時期、ジャスパーのB&Bはどこも満員です。 計画が遅れた私たちがこの宿を見つけられたのはラッキーでした。
ジャスパーとバンフ間のバス
トニーに別れを告げ、いよいよジャスパーを後にします。
ジャスパーとバンフを結ぶのはカナディアンロッキーの大観光会社ブリュースターの大きなバスです。 この会社には日本人の従業員も多いようで、私たちが乗車したバスの運転手も日本人でした。
バスは快調にアイスフィールドパークウェイを南下します。 所々、見どころでは運転手がガイドに早変わり、ちょっとした案内をしてくれます。
大型動物が道路際にいる時には停車して、その動物を眺める時間をくれたりもします。 この時は、黒クマ二頭が木登りしているのと、グリズリーと思われる灰色のクマ一頭に遭遇。
アメリカ大陸横断サイクリストと
途中の休憩所で、日本とカナダの国旗を付けたサイクリスト、アンベさんに出会いました。
彼はアメリカ大陸を横断中で、春に東海岸を出発し最近このあたりをうろうろしているとのこと。 ロッキーは寒くなる前に抜けなくては、と思っているそうですが、面白いのでついつい長居してしまっているそうです。
ウォーターフォウル湖
車窓の景色はどんどん変わり、フィルムの早回しのように数日前の記憶が蘇ります。
バスの良いところは視点が高いので、自転車からは見えなかった景色が見られること。
スノーバード氷河
ジャスパーからバンフまでは5時間の道のりですが、このルートはまったく飽きません。
残念なのはこのバスは観光用としては速すぎる、ということでしょうか。 もちろんこれは観光用ではなく、移動用ですが。
バンフのバーミリオン湖とランドル山
レイクルイーズからは私たちが通っていないトランス・カナダ・ハイウェイでバンフへ。 この道は交通量が多いので自転車で走るのはいやだけれど、車でならボウ・バレー・パークウェイより視界が広くて気持ちいい。
見覚えのある山が見えてきました。 ランドル山です。 この山が見えればこの旅の出発地であり終着地でもあるバンフに到着です。 この5時間は本当にあっという間でした。
明日からはこのバンフ周辺を巡ります。