ブイヨン街外れの民宿の庭
ブイヨンの私たちの宿は、静かな街外れのアパート民宿。朝は緑がきれいで清々しい。
サリーナと民宿
今日は自転車休養日で、ブイヨンの街をぶらぶらするだけ。
しかしブイヨンにはお城くらいしか見る所がないことがわかったので、郊外10kmほどのところにある『巨人の墓』に行ってみることにしました。
ブイヨン中心部への下り
高台にある民宿から坂道を下り、ブイヨンの中心部へ向かいます。
左手の丘の上に、大きなブイヨン城が聳えているのが見えます。
フランス橋から見るブイヨン城
街の入口にに辿り着けば、昨日ずっと脇を走ってきたスモワ川が流れ、そこに架かるフランス橋は街灯と花で飾られています。
そしてブイヨン城は頭の上に。
ブリッジで繋がれるブイヨン城
このお城はかなり大きなもので、ブリッジを挟んで大きく二つに分かれているようです。
ここからは保存状態もいいように見えます。
リエージュ橋から見るブイヨン城
もう一つのリエージュ橋に移動すれば、こちらも花々がきれい。
リエージュ橋
まだ比較的早い時間帯のこの時分には観光客の姿はそう多くはありませんが、ブイヨンはアルデンヌでは大観光地の一つで、これまで見てきた村々からは想像ができないほど、人々で賑わうところです。
街から出る激坂
中心部にある観光案内所に立ち寄り、情報を仕入れて『巨人の墓』に向かいます。
街から出る道はいきなり10%超えの激坂。観光案内所のお嬢さんはここを、ゆるい坂といっていた。。
カントリーロードを行くサイダー
1kmほどこの坂を上るとようやく勾配が穏やかになり、高速道路のようなE46を越えるとカントリーロードになります。
緑の牧草地を行くサリーナ
周囲はすばらしい緑の牧草地になりますが、まだ上りは続きます。ここまで2kmで150mほどの上り。平均斜度7.5%なり。
アルデンヌの丘
この勾配がだいぶ落ち着くと、周囲はいつものように、アルデンヌの丘が彼方まで続くようになります。
穏やかに下って上る
丘の中の道は結構きついところが多いけれど、ここは穏やかに下って上ります。
白牛さん
牧草地で草を食んでいるのは、たいてい牛さんです。
砂利敷の道を行く
このあたりでは大きな町であるブイヨンの郊外だからか、小さな村がづっと続いています。
その一つ、ウシモン(Uchimont)から『巨人の墓』への近道に入れば、そこはすぐに砂利道に。
砂利敷の道を行くその2
この道は農作業用のものなのでしょう。
ボタサール
砂利道は運良く500〜600mでおしまいになり、舗装路に出れば、そこはボタサール(Botassart)。
観光案内所のお嬢さんによれば、『巨人の墓』はこの村にあるとのことです。
巨人の墓
道が二手に分かれるところに数人の人がいます。あそこが『巨人の墓』でしょうか。
人々が眺めている方に視線を向ければ、そこには大きくうねったスモワ川の流れがあり、その中に取り残されたような島のように見えるところが、古墳のように大きく盛り上がっています。
あれが『巨人の墓』です。『巨人の墓』は、スモワ川の流れによってできた、まるで巨人の墓のように見えるこの地形のことだったのです。
スモワ川
『巨人の墓』からの帰りは来た時とは別のルートをとってみました。ここからスモワ川に下り、『巨人の墓』のまわりをぐるっと回ってブイヨンに戻るというものです。
スモワ川の畔に咲く花
しかし、地図ではこのかなりの部分が破線になっています。つまり散策路程度の道だということです。
しかしまあ、今日はあとお城を見るくらいしかやることがないので、ハイキングするのも悪くないと、スモワ川に下ります。
スモワ川沿いの地道
坂を下り出すとすぐに砂利道になり、スモワ川が見えてから少し行けば、今度は地道。
スモワ川その2
この地道が急に狭くなり、ほとんど人も歩いていないような草で覆われた、道風の空間に変わります。
かなりワイルドなキャンプ場のようなところを過ぎると、その先はどろんこ道あり、急斜面ありでちょっと苦戦。自転車を押したり、引いたり、担いだりして、なんとかそうしたところを切り抜けます。こうした場面は写真はなし。動画にもしかしたら写っているかも。
スモワ川沿いの快適な道
そうした道ならぬ道がようやく終わると、そこは依然地道ではあるものの、スモワ川沿いの快適な道になります。
スモワ川その3
穏やかな流れのスモワ川はカヌーに最適のようで、これまで幾度もみてきたように、ここにもそれが浮かんでいます。
スモワ川沿いの快適な道その2
ここは気持ちいいわ〜 と、先ほどまでヒーコラいっていたサリーナも、ちょっと元気復活の様子。
舗装路の先に修道院
この地道も終わり、ついに舗装路になりました。すぐ先には大きな建物が見えています。
スモワ川と放牧だれている牛さんたち
河川敷の緑の中では牛さんたちがゴロゴロ気持ち良さそうにしています。
修道院
先ほどから見えていた大きな建物は修道院(Abbaye Clairefontaine)で、多少観光的な要素があるのか、観光客らしい人々が数人訪れていました。
スモワ川に沿ってブイヨンに戻る
この修道院まで来れば、ブイヨンまではもうすぐです。
古い石橋
古そうな石橋が見えてきました。
ブイヨン城西面
この石橋からは、ブイヨン城の西面がよく見えます。
写真ではわかりにくいのですが、この西面はかなり迫力があります。まさに要塞という雰囲気です。
入口の碑
街への一つの入口にはこんな碑が建っています。
ゲート
そしてスモワ川沿いの道にはこんなゲートが二つあります。
Windsor
やっと街中に戻ってきました。ちょうどお腹が空いてきたので、街角にあったレストランで昼食です。
レフ・ブロンドとアヘル
ここで飲まれていたビールはレフ・ブロンド(Leffe Blonde)の生とアヘル(Achel)。
ディナンにあるレフ修道院で作られていたレフは、20世紀の半ばから民間のライセンス生産になったアベイビールです。ベルギー内での知名度も高く、アベイビールの中ではもっとも一般的に飲まれているものでしょう。かなり完成度の高い一品です。
一方のアヘルはトラピストビールで、醸造するベネディクトゥス修道院はオランダとベルギーの国境線上にあるそうです。トラピストビールの中ではもっとも歴史が浅く、味も他のトラピストビールに比べればおとなしく、個性に乏しいように感じます。しかし、この修道院内にはパブがあるというので、機会があれば訪れてみたい。トラピスト修道院内にパブがあるのはここだけだそうです。
ブイヨン城へ
さて、午後はいよいよブイヨン城です。
ブイヨン城の入口付近から街を見下ろす
お城の入口は高いところにあるので、えっさこらと上ります。
ブリッジ
このエントランスはお城の北側のゾーンにあり、ブリッジを渡って南側のゾーンに入ります。
中庭での鷹のショー
ブイヨン城は中世の要塞で、ベルギーで最も古い城といわれているようです。1096年の第一次十字軍の指導者の一人、ゴドフロワ・ド・ブイヨンの居城だったようですが、10世紀末の文献にはすでにここにお城があったことが記されているとのこと。
中庭での鷹のショーその2
中庭では鷹のショーが行われていました。お城にはたいてい猛禽類が飼われているのはなぜでしょうか。
ブイヨン城内部
これはどこだったか。
塔から見るお城とスモワ川
ここの塔に上ってみれば、お城とスモワ川、
塔から見るスモワ川とブイヨンの街
そして街がよく見えます。
塔
下から見て想像した通り、ここの保存状態はかなり良好です。
大砲とサリーナ
このお城はかなり広くて、ちゃんと見るとそれなりの時間がかかります。
リエージュ橋付近
さてお城見学のあとはどうしましょう。
ベルギーにはビールの醸造所が100以上あるそうです。当然ブイヨンにも醸造所があります。La Brasserie de Buillonは街の中心にあります。ここでは白ビール、ブロンド、アンバーなど年間を通じて造られるものの他、セゾンビールと呼ばれる、一年のうちのある季節のみ造られるビールもあります。
ビール屋さんのショー・ウィンドウ
しかしちょっと疲れていたので、ビール屋さんでビールを仕入れて、アパートで飲むことにしました。
立ち寄ったビール屋さんには見たことのないビールがずらり。
アパートのテラスでオルヴァルを飲むサイダー
さて、明日はトラピストビールのオルヴァルを作る、ノートルダム・ド・オルヴァル修道院を訪ねます。楽しみ〜