1614-10

島々への道とビーチ散策

スコットランド 10

開催日 2016年08月14日(日)曇り
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★☆
難易度
走行距離 42km
累積高度 780m

ルー半島の小さなビーチ
ルー半島の小さなビーチ

コース紹介

ロッカイロートからマレーグまで。ここは 'Road to the isles' と呼ばれるルートの一部で、スコットランドでも風光明媚で有名なところ。ときどき自転車を下りて遠くの島々を眺めながら歩くと、目の前に美しい白砂のビーチが現れる。

動画(05'43" 音声:BGMのみ)

Googleマップでルートを表示ルートデータ(gpxファイル)
総合データ(GARMIN Connect:ルート、高度、速度など)

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
Lochailort START 発09:20 A830 泊:Lochailort Inn £90(朝付)
バス:09:40→10:04/列車:13:01→13:34

80m
3km 着09:40
発09:40
A830
Prince's Cairn 7km 着09:50
発10:00
A830 カロディンの戦いで敗北し仏に亡命する
チャールズ・エドワード・スチュアートの記念碑

90m
9km 着10:15
発10:15
A830
peak
105m
12km 着10:30
発10:30
A830
Arisaig 15km 着10:45
発10:50
B8008 ビーチ、カフェ、レストラン
Rhu半島往復12km
gate 21km 着11:30
発13:30
B8008 Rhu半島ハイク4.5km
Arisaig
 昼食
27km 着14:00
発15:20
B8008 レストラン:Old Library
Portnaluchaig 31km 着15:45
発15:45
B8008
Glenancross 33km 着16:00
発16:45
B8008 Camusdarachビーチ散策2km
Morer 38km 着16:55
発17:00
A830 シルバーサンドはA830に出る手前
Mallaig 42km 着17:40 夕食:Cornerstone Restaurant
泊:Ashdale B&B £70(朝付) 01687 462500
日の出05:20ごろ、日の入21:15ごろ /為替レート:1£=140円/cruisesCircular Walk

Lochailort Innを出発Lochailort Innを出発

今朝は曇り空。このところの状況では、雨が降っていないだけでも「ヨシ!」。

今日は海岸沿いを北上してマレーグまで40km少々と距離は短いので、ゆっくりめの朝食をとり9時過ぎに出発。

エイラー湖エイラー湖

幹線のA830を西へ進むと、すぐに左手にエイラー湖(Loch Ailort)が見えてきた。湖といっても、細長く海につながっている。そういえば、昨晩泊まったホテルの名前はLochailort。この湖名そのままだった。

小さな上り小さな上り

エイラー湖が見えたあたりから小さな上りが始まる。幹線道路なので、それほど勾配はきつくない。

前方に鉄道橋前方に鉄道橋

上り終えて下っていくと、道路前方をアーチ橋が横切っているのが見えた。鉄道橋だ。

鉄道橋とナン・ウアム湖鉄道橋とナン・ウアム湖

これは、フォートウイリアムとマレーグをつなぐ鉄道が通る橋だ。この路線は1日2往復で蒸気機関車「ジャコバイト」が走る。この蒸気機関車、映画ハリーポッターに使われたとかで大人気。私たちも後日乗る予定だ。

前方に広がるのはナン・ウアム湖(Loch Nan Uamh)。湖と言っているが湾状の海である。

ナン・ウアム湖に浮かぶ小島ナン・ウアム湖に浮かぶ小島

ナン・ウアム湖に沿ってしばらく走ると、小さな島がいくつか見えてきた。

1746年の乗船の説明プレート1746年の乗船の説明プレート

ここに、歴史的なスポットがある。1746年、プリンス・チャールズ・エドワード・スチュワート(ボニー・プリンス・チャーリー)がカロディンの戦いで敗れ、フランスに向けて乗船したところだという。『ジャコバイトの反乱』の終わりである。そんな歴史の説明を眺めるサイダー。

プリンスのケルンプリンスのケルン

そして、その先を海に向かって10mほど歩くと、ボニー・プリンス・チャーリーの乗船の地を示すケルンがある。

黄色い花黄色い花

回りには、いつもの薄紫のヘザーのほかに黄色い花が彩りを添えていた。

自転車道で海辺を離れる自転車道で海辺を離れる

ケルンを過ぎてしばらくすると、A830は海辺に別れを告げてしばらく北上する。車道脇に自転車道が設けられていて走りやすい。まあ、車はそれほど通らないのだが。

鉄道路線と並走鉄道路線と並走

そして、この内陸側では鉄道路線と並走することになる。蒸気機関車は1日2往復なので、そう簡単には出会えない。

アリセグに到着アリセグに到着

アリセグに到着した。ここは、カフェやレストラン、B&Bがある小さな観光拠点になっている。

アリセグの湾に浮かぶヨットアリセグの湾に浮かぶヨット

目の前の海にはヨットが浮かび、近くのエッグ島やラム島へのクルーズ船も出ているようだ。

ルー半島の入口あたりルー半島の入口あたり

私たちはアリセグの町からちょっと寄り道。町の南西にあるルー半島のハイキングへと向かう。

まずは自転車で半島の北側を海沿いに西へ進む。

入江を回り込んで走る入江を回り込んで走る

海沿いは概ね平坦だが、入江になっているところもあり入り組んだ海岸線を走る。

入江の海水が来ていないところでは、羊の群れが下りて草を食んでいる。

カヌーで遊ぶ人たちカヌーで遊ぶ人たち

次の入江には、カヌーで遊ぶ人たちがいた。車でカヌーを運んできて、ここがカヌーの出発点らしい。真っ赤なカヌーはどこに向かっているのだろう。

ときどき羊に出会うときどき羊に出会う

海岸の道は車も通らず快適。ときどき羊に出会うのみ。

岩礁の向こうにエッグ島岩礁の向こうにエッグ島

そしてナン・セオール湖(Loch nan Ceall)が海に近づくと、岩礁越しにエッグ島が見えた。

走るサイダー走るサイダー

エッグ島を眺めつつ爽快に走るサイダー

走るサリーナ走るサリーナ

さらに海辺に近づき、るんるん走るサリーナ。

行く手に牧場のゲート行く手に牧場のゲート

海辺に出たところで舗装路はおしまいとなる。砂利道ダートなので、ここからは徒歩で散策することにした。轍があるので車も通るのだろうが、海風に吹かれながらのハイキングも気持ち良さそうだ。

行く手にはゲートがあり、牧場になっているらしい。

黒牛くんに遭遇黒牛くんに遭遇

ゲートを越えると、さっそく大きな黒牛くんに遭遇。かなり近い、というか、すぐ横をすれ違う。緊張するわ〜
道ばたのヘザー道ばたのヘザー

海を眺めつつ歩く、気持ちのいいハイキングルートだ。道沿いには薄紫のヘザーも咲いている。牛だけでなく馬もいて、広いエリアを自由に歩き回っている。

次のゲートに到着次のゲートに到着

牧場エリアをしばらく歩くと、次のゲートに到達した。ここまでは轍の跡もあり、牧場主のものらしき住まいもある。

ここからはワイルドな道ここからはワイルドな道

しかしここからは、道なき道を行く。いや、何とかハイキング道らしきところはあるが、草が生え、泥の水たまりもできている。「うっひゃあ〜」と足をとられるサイダー。

GPSを頼りに進むGPSを頼りに進む

道らしきところもあれば、どこを歩いていいかわからないところもある。このところの雨で水浸しになっていたりして、歩けるところを探しながら進む。GPSが頼りだ。

海辺に到着した海辺に到着した

そしてついに、目の前が開けて海が見渡せるところに出てきた。「ついた〜」と嬉しげなサリーナ。

小さなビーチが2カ所小さなビーチが2カ所

岩場の上は草原で、ところどころにヘザーが咲く。その先には小さなビーチが2カ所見える。

浜辺の海藻と貝浜辺の海藻と貝

まずは左の広い方のビーチへ。こちらは浜辺に海藻が打ち上げられ、その間に白い貝殻がたくさんころがっている。

写真は拾って並べたものだが、笠貝、二枚貝、巻貝などいろいろあり、大きさも3cmくらいと結構大きい。食べたらおいしそうだなあと思うが、レストランで見たことはない。

右の小さいビーチ右の小さいビーチ

今度は右側の小さなビーチに行ってみる。左のビーチで休んでいる間に先客が来ていた。自転車で見かけたカヌーの人たちだ。陸路の私たちはほぼ直線コース、彼らは岬をぐるっと回るコース。カヌーは結構速いんだなあ。

白砂のビーチとサイダー白砂のビーチとサイダー

こちらは白砂が広がり、絵のような風景だ。青空なら南太平洋のビーチと見間違えるだろう。羊を除けば、だが。(TOP写真)

もちろん気温は17度くらいと低いので、泳いだり裸足で走り回ったり、という気にはならない。真っ赤なカヌーを背景に満足げなサイダー。

羊たちが群れる羊たちが群れる

北西側を眺めてみれば、小高い草原では羊が遊び、その向こうに岩礁、そして遠くにエッグ島が見える。羊たちは草を食みのんきそうに見えるが、1頭は常にこちらを見て一応警戒していた。

羊、岩礁、エッグ島羊、岩礁、エッグ島

草原に羊、岩礁、エッグ島。これぞスコットランド西の島嶼地域を代表する風景だ。

帰り道の牧場エリア帰り道の牧場エリア

ビーチの眺めをゆっくり楽しんだ後、来た道を戻る。カヌーイストの他には帰り道に2組の観光客に会っただけで、とても静かなところだ。

エッグ島の向こうにラム島エッグ島の向こうにラム島

雲が少し高くなってきて、台地のようなエッグ島の向こうには、山の連なるラム島の姿が望めるようになってきた。

さて、自転車まで戻り、いざ走ろうというところで「あちゃ〜!」とサイダー。タイヤがぺちゃんこ、パンクだ。時刻は1時半を過ぎている。スコットランドのレストランでは、昼食は午後2時で終わるところが多い。アリセグの町のレストランで食べられないと、この先昼食を食べるところはなさそうだ。

「サリーナ、先に行ってレストランをキープしといて〜」というわけで、レストランまでの6km、必死で自転車を漕ぐサリーナ。

魚のスモーク盛り合わせ魚のスモーク盛り合わせ

午後2時1分前にレストランOld Libraryに到着。よくやった、私!(サリーナ)。このレストラン、お客さんがいる間は2時半くらいまでも受け入れて営業してくれるようでした。

ともかくサイダーも到着し、落ち着くシックなインテリアの中、まずはお魚のスモーク盛り合わせ。サーモン2種とサバで、とてもいい味だ。添えられているのは、サラダとオートケイク(オーツ麦と油で作られるビスケット状の硬いパン)。

お次はカレン・スキンク。スモークしたハドック(コダラ)、ジャガイモ、タマネギの入ったクリームスープだ。こちらも美味。スコットランドはスモーク大国なのだった。

レストランOld LibraryレストランOld Library

とても満足の昼食を終え、後半の走りに入る。

アリセグからの丘上りアリセグからの丘上り

町を出ると、すぐに丘上りが始まる。ナン・セオール湖を眼下に、黙々と上る。遠くには、エッグ島の特徴的な頂が見える。

丘の上に到達丘の上に到達

後半ルートは幹線を離れ、B8008という海側の脇道を行く。脇道といっても、ちゃんと2車線ある立派な道路だ。短い上りのあと、丘の上に到達した。

海辺を目指す海辺を目指す

そこから再び海に向かって下る。このあたりには、この道路から脇道を抜けて入る小さなビーチがいくつもある。人里離れてゆったり過ごすには最適だろう。

スカイ島が見えたスカイ島が見えた

海岸まで下りてきた。岩礁の海の向こうに広い島が見える。この旅の大きな目的地の一つ、スカイ島だ。

浜辺とゴルフコースの間を走る浜辺とゴルフコースの間を走る

B8008の道路はここらでシングルトラックになる。右手はゴルフコース、左手は浜辺という道をどんどん進む。

ワイルドな小道を出発ワイルドな小道を出発

そして、グレナンクロス(Glenancross)に着いてちょっと寄り道。脇道に入ると、すぐに駐車場がある。駐車場に自転車を置いて、薮の生い茂るワイルドな小道の冒険に出発だ。まずは小さな川を渡る。

茶色っぽい小川茶色っぽい小川

岸辺を草に覆われた小さな川の水は澄んでいるが茶色っぽい。この川と並行する細いハイキング道は、砂地に草の根が張り出して足をとられそうになる。そんな道を200mほど進む。

カマスダラ・ビーチに到着カマスダラ・ビーチに到着

そして砂の土手をよじのぼると、そこには白砂のカマスダラ・ビーチ(Camusdarach Beach)が広がっていた。長さ500mくらいはあろうか、長く広々としたビーチだ。白い砂はとてもきめが細かい。

エッグ島とラム島を背景にごきげんのサリーナ。でもやはり気温は低いので、海は眺めを楽しむだけにする。

砂の砦砂の砦

その浜辺に誰が築いたのか、こんな大作が残されていた。城壁に囲まれ、四隅に円形の見晴し台が設けられた立派な砂の砦だ。周囲には堀もめぐらされている。

犬と遊ぶ人たち犬と遊ぶ人たち

人の少ない浜辺をのんびり歩いていると、黒い犬が猛スピードで海に向かって走り、飼い主家族の男性陣も勇敢にも海に入っていく。こちらは見ているだけで鳥肌状態だ。さぶ〜

ここからは、スカイ島が本当に目の前に見える。

草むらの中をさまよう草むらの中をさまよう

浜辺から土手を上り、キャンプサイトを横切って自転車の場所まで戻ろうと歩く。途中の草むらで道がなくなったりしたが、何とかぐるっと回って元の駐車場までたどり着いた。砂浜を楽しむ40分ほどのプチ・ハイクだった。

モラー川が見えたモラー川が見えた

再び自転車で走り始める。岬をひとつ突っ切ると、モラー川(River Morar)が見えてきた。

ケーキで一休みシルバーサンドで遊ぶ

モラー湖から発する短いモラー川は、海に至るまで大きく蛇行し、広いビーチを形づくっている。「シルバーサンドのモラー」として有名な川岸では、親子がボール遊びを楽しんでいた。

鉄道橋をくぐる鉄道橋をくぐる

モラーのビーチを過ぎると、B8008は幹線のA830にぶつかる。幹線を越えてB8008をさらに進めば、次は鉄道と交差する。道は鉄道橋の足下をくぐって進んでいく。

幹線のA830を走る幹線のA830を走る

この道はモラーの町と鉄道駅を通り、町が終わったところでA830に合流した。しばらくは幹線道路のA830を黙々と走る。車交通もこれまでよりは多いが、路側帯があるので怖い感じはしない。でもまっすぐの道路はやや味気ない。

スカイ島が大きく見えてきたスカイ島が大きく見えてきた

今日の終点マレーグはもう近い。そして目の前の海の向こうには、スカイ島とその山並みが大きく見えてきた

上りにへろへろのサイダー上りにへろへろのサイダー

マレーグの中心部まであと1km少々のところで、町の中を通る道の入口があった。私たちの今宵の宿もこの道路沿いにある。

というわけで幹線道路を離れて一般道に入ったが、とたんに激坂が待っていた。高低差50m弱の上りだが、勾配がハンパない。「きついぜ〜!」と叫ぶサイダー。

マレーグの町に到着マレーグの町に到着

急勾配の上りを終えると、マレーグの中心部が見えてきた。そこまで一気に下る。おっと、その途中にB&Bがあって、行き過ぎるところだった。

マレーグは 'Road to the Isles' の終点だ。人口800人ほどの港町だが、スカイ島、そして他の島々へ渡る拠点となっており、この時期は観光客で賑わっている。

ハドックのオーブン焼ハドックのオーブン焼

B&Bでしばらく休憩した後、夕食に出かけた。拠点の町なのでレストランはいくつかあり、賑わっている。もちろん、どのお店もシーフードが充実している。

港のすぐ前の2階にあるレストランに入り、白ワインを片手にムール貝、ハドック(タラの一種)のオーブン焼アーティチョーク添え。たまりませんなあ〜

今日は走行距離もさほどなく、ハイキングとビーチの散策などを織り込んだ楽しい行程だった。曇り空が残念だったが、明日はいよいよ晴れ予報。エッグ島に遠足に出かける。

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