1614-17

ランノホ湖とタメル橋

スコットランド 17

開催日 2016年08月21日(日)曇りのち晴れ
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★
難易度
走行距離 54km

ランノホ湖東端のビーチ
ランノホ湖東端のビーチ

コース紹介

フォートウイリアムから列車で荒涼としたランノホ・ムーアを横断。ランノホ駅からは自転車で東へ向かい、静かなランノホ湖の湖岸に沿って東端のキンロック・ランノホを経由しタメル橋へ。爽やかな森と湖を抜ける自転車向きのコースだ。

動画(06'41" 音声:一部にあり)

Googleマップでルートを表示ルートデータ(gpxファイル)
総合データ(GARMIN Connect:ルート、高度、速度など)

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
Fort William - 発11:40 列車 泊:Ardlinnhe £85、昼食購入
列車:1h,£10.5,本/日
Rannoch
300m
START 着12:41
発12:55
B846 Rannoch Moor、左手にウィンクするカエル(山?)
Broons Buses
Gaur橋
210m
9km 着13:35
発13:40
田舎道
Ranoch School
220m
20km 着14:20
発14:35
田舎道 昼食:持ってきたサンドイッチ
Kinloch Rannoch
220m
29km 着15:15
発16:15
B846
Tummel橋
150m
41km 着17:00
発17:10
B846 田舎道とB847を通る別ルートもある(200m以上の上りあり)
Kinloch Rannoch
220m
54km 着18:10 夕食:宿
泊:Macdonald Loch Rannoch Hotel £70(朝付)
日の出05:20ごろ、日の入21:15ごろ /為替レート:1£=140円/Rannoch & Tummel

フォートウイリアムの中心部を散策フォートウイリアムの中心部を散策

今日はフォート・ウイリアム(Fort William)から列車でハイランド中央部へ移動する。11:40発なのでまだ時間に余裕がある。町の中心部を散策することにした。

セント・アンドリューズ教会セント・アンドリューズ教会äš

駅のすぐ近くにあるセント・アンドリューズ教会は1817年に創建され、その後荒廃したが1880年に再建されたという。

セント・アンドリューズ教会の内部セント・アンドリューズ教会の内部

静かな教会の内部は石積みのアーチ、そして奥の祭壇はコネマラの大理石で白く輝いている。

ウエスト・ハイランド・ミュージアムの前でウエスト・ハイランド・ミュージアムの前で

次に、中心街を少し戻ってウエスト・ハイランド・ミュージアムに行ってみた。10時オープンなので、前の広場で少々待つ。

1920年代に創設されたこのミュージアムには、ウエスト・ハイランド地域の歴史や民俗文化、そしてジャコバイトとボニー・プリンス・チャーリーにちなんだ様々なコレクションが展示されている。

ハイランドの生活展示ハイランドの生活展示

ここはハイランドの伝統的な生活を展示したエリアだ。

キルトの絵キルトの絵

そして、こちらはキルトの絵。

キルトはもともと1枚の大きな布で、寒いときには頭からかぶったり、寝る時に毛布のようにくるまったりと使っていたそうだ。

キルトとスポーランキルトとスポーラン

そして、その布を折り畳んでプリーツにしてウエストをベルトで縛る。ポシェットのようなものはスポーランといって、貴重品を入れるお財布のようなものだ。

ボニー・プリンス・チャーリーの肖像画ボニー・プリンス・チャーリーの肖像画

私たちの乗る列車は11:40発なので、あまり時間がない。スタッフのおじさんにお勧めの展示を尋ねると、「これだけはぜひ見て」というのがこちら。ボニー・プリンス・チャーリーの肖像画だ。


トレイの絵を反射して肖像画が浮かぶトレイの絵を反射して肖像画が浮かぶ

ボニー・プリンス・チャーリーがジャコバイトの反乱に敗れた後、その肖像を持つことは危険を伴った。そこで、お盆に描かれた一見何だかわからない絵がガラスの筒に反射すると、ボニー・プリンス・チャーリーの肖像画になるというわけだ。

このミュージアムの創設者が偶然ロンドンで発見し、ミュージアム一番の目玉展示となっている。

フォートウイリアムの駅ホームフォートウイリアムの駅ホーム

さて、そろそろ列車の出発時刻が近い。駅のホームには自転車の人も数人いた。

前輪をフックに引っ掛ける前輪をフックに引っ掛ける

自転車を押してホームに入ると、係の人が「こっちこっち」と呼んでくれた。自転車を置くスペースのある車両だ。

自転車を置こうとしたら、「後輪を上のフックに引っ掛けて」と指示された。なるべく自転車を多く積むための仕組みらしい。

ランノホ・ムーアを行く列車内ランノホ・ムーアを行く列車内

列車は静かにフォートウイリアムを出発。ここからは、スコットランドで最も広いといわれるランノホ・ムーアを横切る。車内は2座席ずつが向かい合い、その間にテーブルもある。

荒野と湖荒野と湖

「ムーア」とは、日本語訳では「不毛の地」「荒涼とした地」などとあるが、そこには豊かな生態系があるという。荒野と湖の台地には、赤鹿、ゴールデン・イーグルなどの野生動物も多いそうだ。

ランノホ駅に到着ランノホ駅に到着

列車は1時間ほどでランノホ(Rannoch)駅の到着。周囲には町などは見当たらず、下りる人も少ない。

駅の回りは丘陵地駅の回りは丘陵地

しかし、ここはランノホ・ムーアへのハイキング拠点になっており、駅のホームにはカフェもある。

駅のホームから出口には珍しく歩道橋があり、自転車を担いで上ると、駅周辺に広がる丘陵地が見渡せた。

自転車で駅を出発自転車で駅を出発

さて、ここからが今日の自転車の始まりだ。駅前からの道路B846にはほとんど車も自転車も見られない。

エイイーチ・ゴー・レザボアー湖に出たエイイーチ・ゴー・レザボアー湖に出た

B846を行くとほどなくエイイーチ・ゴー・レザボアー湖(Loch Eigheach Gaur Reservoir)に出る。少しずつ雲の晴れ間が見えてきた。

青空が広がってきた青空が広がってきた

雲がずいぶん切れ切れになってきて、青空が広がってきた。丘陵地と湖を眺めながら車交通のほとんどない道路を独占して走るのは楽しい。

いい気分だね〜 とサイダーが行く。

空が広がる丘陵地を行く空が広がる丘陵地を行く

空がほんとに広い。うん、楽しいね〜 とサリーナ。

ところで、このあたりの左手に「ウインクするカエル」という山があるそうだが、どれがそれなのかわからなかった。

ゴー川に沿って進むゴー川に沿って進む

B846の道路はゴー川(River Gaur)に沿っ進んでいく。

青空の下を行く青空の下を行く

川辺とはくっついたり離れたりしながらの道のりだ。もう天空はほとんど青空で、上着を脱いで軽装で走る。

ゴー橋からの眺めゴー橋からの眺め

そしてB846を右に折れて、ゴー橋(Bridge of Gaur)を渡る。静かな川を美しい緑の木々が囲んでいる。橋を渡るとブリッジ・オブ・ゴーという同じ名前の集落に着く。

牧草地の中を進む牧草地の中を進む

主要道を離れて道は右へ左へと折れ曲がり、アップダウンも現れる。回りは牧草地という中をどんどん進む。

ランノホ湖が見えたランノホ湖が見えた

そして下りに入ると、目の前に大きな湖が現れた。ランノホ湖(Loch Rannoch)だ。

東西に長いランノホ湖東西に長いランノホ湖

ランノホ湖は東西に長く、東西は16kmほどだが南北は1km程度と狭い。はるか東の湖の端が今日の宿泊地だ。

茶色っぽい川の水茶色っぽい川の水

私たちはその湖の南岸を東へと進む。途中、湖に注ぐ川を渡ると、川の水は澄んでいるが茶色っぽい。

牧草地の中を走る牧草地の中を走る

道は概ね湖岸だが、ときどき少し内陸側を走る。ここは牧草地が広がるまっすぐなシングルトラックだ。

松林の中を進む松林の中を進む

そして再び湖岸に出れば、松林の木陰の中を進む道となる。木々の間から見える湖がいい感じ。

ランノホ・スクール近辺の湖岸ランノホ・スクール近辺の湖岸

ところで、すでに午後2時を過ぎている。もちろんこのあたりの道沿いにはレストランなどはない。お弁当を広げるのにいいところを探して、ランノホ・スクール(Rannoch School)近くの湖沿いに開けたところを見つけた。ここでサンドイッチのお昼タイムだ。

ランノホ・スクールは、1959年に創設された私立の学校で、10歳から18歳までの子どもたちが学んでいたという。校舎には歴史ある建物も使われていたそうだが、交通不便な立地でもあり、残念ながら2002年に廃校になったとのこと。

さらに東へ進むさらに東へ進む

サンドイッチで元気回復、さらに森の中を東へと進む。

湖の視界が開ける湖の視界が開ける

湖の視界が開けたところに出ると、対岸の先に白い建物群が見える。あれが今日の宿泊地に違いない。湖の東端はもうすぐだ。

木陰の平坦な道が続く木陰の平坦な道が続く

湖沿いのこのコース、ほぼ平坦な道のりでサリーナもまだまだ余裕だ。木陰の道を元気に走る。

ランノホ湖東端のビーチランノホ湖東端のビーチ

湖に沿って、道は左にカーブを描く。ついにランノホ湖の東端に到着した。そこには小さなビーチがあり、家族連れが遊んでいた。(TOP写真)

湖は深い藍色で、西側に長く伸びている。あの湖先端のさらに向こうから走ってきたのだった。

橋を渡るとキンロック・ランノホ橋を渡るとキンロック・ランノホ

ここを湖に沿って少し北上して石橋を渡ると、キンロック・ランノホ(Kinloch Rannoch)という集落がある。橋の右奥に建物の屋根が見えてきた。

キンロック・ランノホの広場キンロック・ランノホの広場

橋を渡り終えるとすぐに村の中心部で、教会と広場がある。広場のオベリスクは、スコットランドの教師であり詩人であったDugald Buchananの碑として建てられたものだそうだ。

湖を回り込んで北側の湖岸へ湖を回り込んで北側の湖岸へ

集落はすぐに終わり、周囲は牧草地となる。湖の東端を回り込む形で、北側の湖岸へ向かう。

マクドナルド・ロッホ・ランノホ・ホテルに到着マクドナルド・ロッホ・ランノホ・ホテルに到着

先ほどの集落から約600mで、マクドナルド・ロッホ・ランノホ・ホテルに到着した。目の前に湖の景色が広がる静かなリゾートホテルだ。

さらに東へと向かうさらに東へと向かう

1時間ほどホテルで休憩した後、自転車を引っ張りだしてさらに東へと向かうことにした。

正面にとんがって見えるのは、シェハリオン(Schiehallion)の山だろう。

キンロック・ランノホの広場を通過キンロック・ランノホの広場を通過

キンロック・ランノホの広場前を通過。小さな村では1軒のカフェを見つけたが、時間外だったようで閉まっていた。

B846を東へ進むB846を東へ進む

キンロック・ランノホからはタメル川に沿ってB846を東へと進む。丘陵地の間で若干のアップダウンも現れる。

牧草地を進む牧草地を進む

後ろから日ざしを受け、楽しげに進むサイダー。牧草地の奥の緑のところがタメル川だ。

B846をさらに進むB846をさらに進む

宿からはタメル橋(Tummel Bridge)に向かっているのだが、往復を同じ道ではなく途中からB847を通るという選択肢もある。しかし、それは約200mの上りと聞いてサリーナがあっさり却下。往復ともB846を行くことにした。

タメル橋に到着タメル橋に到着

キンロック・ランノホから12kmほどでタメル橋に到着。

石造りの古い橋と並行して車用の新しい鉄橋が設けられている。

タメル橋タメル橋

この石造りの橋はスコットランドに派遣されたイギリス軍のジョージ・ウェイドが1730年に建設したもので、他にも多くの橋や道路を建設している。古代ローマ軍のように、その地域を支配するにはまずインフラから、というわけだ。

橋を自転車で上る橋を自転車で上る

さすがに車は通れないが、自転車や歩行者は通行可能だ。というわけで自転車でアーチ橋を上ってみる。

タメル川が流れるタメル川が流れる

橋の中央から見渡すと、穏やかに流れるタメル川を深い緑の木々が囲んでいる。

B846を西へ戻るB846を西へ戻る

ここからは来た道を西へと引き返す。木々の間からの西日がまぶしい。

松林を進む松林を進む

松林の中を進むサイダー

牧草地を走る牧草地を走る

牧草地にやってきた。牛さんたちのいるカーブを曲がる。

牛さんたち牛さんたち

何だこいつらは?という牛さんたちに見つめられつつ、どんどん進む。

貯水池に向かって下る貯水池に向かって下る

一本道はタメル川の途中にあるデゥナラステア貯水池(Dunalastair Reservoir)に向かって下っていく。

もうすぐキンロック・ランノホもうすぐキンロック・ランノホ

そしてシェハリオン山を背に牧草地の中を進む。キンロック・ランノホはもうすぐだ。

魚介類とチョリソのシチュー魚介類とチョリソのシチュー

ホテルに到着すると、一休みした後にホテル内のレストランへ夕食に出た。回りには他に食事をするところもないのでホテル内なのだが、レストランの落ち着いたゴージャスな雰囲気とパリっとしたサービススタッフにちょっとビックリ。

でもせっかくだからと、豪華なコース料理を頼むことにした。まず前菜はエビやイカなど魚介類とチョリソのシチュー。うわあ、美味〜

鹿肉の薫製鹿肉の薫製

もう一つの前菜は鹿肉の薫製。西洋わさびのピリっとした辛さがきいたマヨネーズがよく合っている。

雄牛のほほ肉の赤ワイン煮込み雄牛のほほ肉の赤ワイン煮込み

そしてメインは雄牛のほほ肉の赤ワイン煮込み。お肉が柔らかく煮込まれてたまりません。もう一つのメインは鴨のローストで、これもまたいいですね〜

パブでライブ演奏パブでライブ演奏

大満足、満腹になり、食後のコーヒーは向かいのパブでとってもいいよと勧められた。先ほどから何やら賑やかな音楽と歓声が聞こえていた。

そこでパブに行ってみると、ミュージシャン3人の演奏に宿泊客が大盛り上がりだ。

3人のミュージシャン3人のミュージシャン

演奏に合わせて歌う人、手拍子をとる人、踊りだす人。リクエストとアンコールがいつまでも続く。ついにはミュージシャンは「おれは家に女房と子どもがいるのに、なかなか帰してくれないんだよ〜(笑)」と歌っていた。

音楽に包まれて、ランノホ湖岸のホテルの夜は更けていった。

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