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ビョーリ〜トロールの壁〜オンダルスネス

ノルウェイ 4

開催日 2017年08月05日(土)小雨のち曇り一時晴れのち雨
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★★
難易度
走行距離 58km
累積高度 550m

トロールの壁
トロールの壁

コース紹介

ラウマ川沿いの絶景ルート。ビョーリから穏やかに下って、数々の滝と石橋を巡り、ロムスダール渓谷で高さ1,000mの垂直に切り立つ『トロールの壁』と尖峰ロムスダールスホーネを眺め、ロムスダールフィヨルドのオンダルスネスまで。

動画(06'15" 音声:一部にあり)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectGPSies

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
Bjorli
ビョーリ 580m
START 発08:10 E136 泊:Bjorliheimen Hotel(朝付)
ラウマ線:12:41,18:49
Stuguflåtbrua 525m
ストゥーグフロッ橋
6km 着08:30
発08:30
E136 Sagelva Vasskraftsenter/水力センター
/土日11:00-17:00
Slettafossen
スレッタ滝 300m
15km 着09:15
発09:20
E136 売店:アイスクリーム
Kylling bru
シリング橋 250m
17km 着09:35
発10:15
E136 ラウマ線の石橋、Vermafossen(ヴェルマ滝)
バス:Verma17:35→18:10Åndalsnes
Kors
コス 75m
36km 着11:20
発11:35
E136 小さな教会
Trollveggen
トロールの壁 55m
43km 着12:05
発12:50
E136側道 谷底からの高さ1,100m、Romsdalen渓谷
昼食:ランチボックス
Åndalsnes
オンダルスネス 50m
58km 着14:20 Rampestreken展望台(580m):ハイク 往復2.5h
泊:Villa Åndasnes/1,026NOK/K付、夕食:自炊
為替レート:1NOK=15円/Visit Andalsnes

ビョーリの宿ビョーリの宿

朝起きると雨。気温は10°C。天気予報によるとこの雨は朝のうちだけらしい。

今日はここスキーリゾート地のビョーリ(Bjorli)から、ラウマ川(Rauma)に沿ってロムスダールフィヨルド(Romsdalsfjorden)のオンダルスネス(Åndalsnes)まで下る。途中には、滝、石橋、壁のような岩山と見所がいっぱいだ。

ラウマ川ラウマ川

8時過ぎ、小雨の中を出発。

道脇にはラウマ川が流れている。この川は昨日通ったレスヤスコーグ湖(Lesjaskogsvatnet)に源を発し、今日の終着地のオンダルスネスでロムスダールフィヨルドに注いでいる。

滝

昨日までは谷は広く山の斜面は穏やかだったが、ここからは谷が狭まり山の斜面もかなり急になってくる。

先の急斜面の山肌に、斜めに滝が流れ落ちているのが見える。

ストゥーグフロッ橋ストゥーグフロッ橋

ストゥーグフロッ橋(Stuguflåtbrua)が見えてきた。

これは1923年頃に完成した石造の鉄道橋で、この上を景勝路線として有名なラウマ線が走っている。

ストゥーグフロッ橋の上流の滝ストゥーグフロッ橋の上流の滝

道はドンボスからここまではほぼ平坦だったが、このあたりから急速にロムスダールフィヨルドに向かって高度を下げて行く。

それに応じるように、ラウマ川に滝が現れるようになる。この橋のところの流れはもの凄い勢いで、轟音が響き渡っている。

サーゲルヴァ水力センターサーゲルヴァ水力センター

この奥にサーゲルヴァ水力センター(Sagelva Vasskraftsenter)があるので行って見ることにする。

まだ朝早いため門が閉まっていて中に入れなかったが、ここは1700年代からの歴史があり、水力を、製材と小麦粉製造次いで洋服プレスに利用していたという。

急斜面を流れ落ちる水急斜面を流れ落ちる水

このあたりの山を見ると、そこら中に滝が流れている。

この景色を見れば誰でも、豪快に流れるこの水の力を利用できないかと考えるだろう。

E136E136

サーゲルヴァ水力センターからE136に戻るとほどなく、オップダール県からレーム・オ・ロムスダール県に入る。ここからしばらくはE136一本だ。裏道も抜け道もない。

ここからは谷が狭まり、切り立った岩山が両側から迫ってきているので広い道は造れず、昨日まではかなり整備状況が良かった自転車道だが、それも見当たらない。

ラウマ川と滝ラウマ川と滝

山の上から真っすぐに落ちてくる滝。

下にはそれらの水を集めてロムスダールフィヨルドへ向かうラウマ川が見える。

名も無き滝名も無き滝

道脇で轟音を轟かせて落ちる名もなき滝。

穏やかな下り道穏やかな下り道

道は下っている。だがそれは視覚的には良くは分からない。

ただペダルが軽く快調に進むので、下りであることが分かるのだ。

スレッタ滝スレッタ滝

ラウマ川はスレッタ滝(Slettafossen)になって豪快に落ちて行く。

上の写真と見比べると一目瞭然だが、ここは両側から岩場が迫り、急に川幅が狭くなっているのだ。そこに押し寄せた川の水は、お互いにぶつかり合い、ぐるぐると渦を巻いて白いしぶきを上げる。

シリング橋シリング橋

スレッタ滝の先のヴェルマには、ラウマ線が通る石橋のシリング橋(Kylling bru)が架かっている。道端にあった『撮影ポイント→』に誘われて行くと、細い道を谷底へ下って行く。Vターンしてさらに下ると、正面にアーチ橋が現れた。

この橋は長さ76m、川からの高さは56mで、この近くで産出した花崗岩でできている。1913年から建設が始まったが、第一次世界大戦の影響で物資と人出が不足し、橋梁エンジニアの手ほどきを受けた地元民によって1923年にようやく完成したという。

ちょうどオンダルスネス方面からの列車がやってきそうな時刻なので少し待っていると、二両編成のラウマ線が橋の上をゆっくり通過して行った。あの列車はこのあと、大きなループを描いてトンネルで斜面を上って行くことになる。

続く谷続く谷

気付くと雨は上がっている。このあたりまで来ると、北西に延びる谷の両側に岩山が迫っているのが見えるようになる。

昨日までの穏やかな谷の表情とはずいぶん違うものだ。

ヴェルマ滝ヴェルマ滝

その先に見える岩山に向かって下って行くと、左手にヴェルマ滝(Vermafossen)が落ち出す。

今日は滝のオンパレードだ。

U字谷U字谷

いったん下りが落ち着くと谷が急激に狭まり、氷河特有のU字谷の様子がよく分かるようになる。

谷間を行くサリーナ谷間を行くサリーナ

徐々に山の斜面の緑が少なくなり、ごつごつした岩肌が多くなってくる。

V字谷V字谷

細かいカーブをいくつも廻って進むと山は切り立った岩壁になり、そこからたくさんの滝が流れ落ちている。

ここはもうU字谷ではなく、V字谷と言ったところか。

滝に向かうサリーナ滝に向かうサリーナ

なんだか凄いことになってきた。

二本の滝二本の滝

ここには二本の滝が落ちてきている。

道路の横にはラウマ線の線路が見えるので、この景色は列車からも見えるのだろうが、反対側の座席に座った人々は残念でした。

細滝細滝

岩山と岩山の間からは細〜い滝が。

続くU字谷続くU字谷

進めば進むほど、凄い景色が現れる。

谷間を行くサイダー谷間を行くサイダー

相変わらず滝はあちこちに。

谷の中の民家谷の中の民家

かなり狭まってきた谷だが、谷底の僅かな平場には民家も建っている。

コス教会コス教会

コス(Kors)には木造の小さな教会が建っている。

その教会の上に見える岩山の頂部はギザギザだ。

続く岩山続く岩山

そのギザギザがどこまでも続いて行く。

マーステインマーステイン

マーステイン(Marstein)というところにやってきた。

ここはこのあたりでは比較的谷間が広く、キャンプ場などがある。

谷間の牧草地谷間の牧草地

そして広くはないが、牧草地もある。

恐ろしいほどの岩山と、やさしい感じのする牧草地の対比が不思議な感じをもたらす。

岩山に向かうサリーナ岩山に向かうサリーナ

前には立ちはだかるようにしてごつごつした岩山が続いていく。

いったい何なんだ、この景色は。

岩山詳細岩山詳細

とにかく凄い!

U字谷らしい景色U字谷らしい景色

ラウマ川は現れたり見えなくなったりしている。またラウマ川の流れが戻ってきたと思った時、うしろを振り返ると、これまでやってきた谷がいい感じで見えている。

この景色、U字谷らしい景色だ。

『トロールの壁』へ向かうサリーナトロールの壁』へ向かうサリーナ

「そろそろ『トロールの壁(Trollveggen)』に着くよね。ここがこれだけ凄いんだから、『トロールの壁』ってどんなかな。」 と、サリーナ。

『トロールの壁』へ向かうサイダートロールの壁』へ向かうサイダー

「何でも、もの凄く高い岩壁が垂直に立ち上がっているらしいよ。」 と、サイダー。

『トロールの壁』へ向かうサリーナその2トロールの壁』へ向かうサリーナその2

「ここもほとんど垂直に見えるけどね〜」 と、サリーナ。

『トロールの壁』の下トロールの壁』の下

穏やかなカーブを描いて岩山の下を廻って行くと、『トロールの壁』のビジターセンターが見えてきた。

『トロールの壁』とサイダートロールの壁』の下のサイダー

「うわ〜、これが『トロールの壁』か〜」 と、呻くサイダー。

トロールの壁』とサリーナトロールの壁』とサリーナ

「わ〜、この岩山、本当に垂直に切り立っているね〜」 と驚くサリーナ。

その高さは1,000mほどあるという。そして頂部は鋸の歯のようにギザギザで、垂直どころか50mほど張り出している。

ロムスダールスホーネロムスダールスホーネ

『トロールの壁』の向かいにはロムスダールスホーネ(Romsdalshornet)が聳えている。

『トロールの壁』からだと近すぎてその尖峰は良く見えないが、底部のどっしりとした岩の塊は迫力がある。

穏やかに流れるラウマ川穏やかに流れるラウマ川

『トロールの壁』を見終わったら、あとはオンダルスネスへ向かうだけだ。

『トロールの壁』の先にはキャンプ場があり、そこからラウマ川沿いに下る道があったので行って見ると、ラウマ川がとても近くてなかなかいい道だった。

『トロールの壁』とラウマ川トロールの壁』とラウマ川

振り返れば、ラウマ川越しに『トロールの壁』が見える。

続く岩山続く岩山

『トロールの壁』のあとも岩山は続いている。

さらに続く岩山さらに続く岩山

そしてラウマ川沿いの道は、線路をくぐって先へ続いていく。

下に線路とE136下に線路とE136

下にラウマ線の線路とE136が並んで通っている。その向こうは『トロールの壁』から連なる岩山だ。

うしろにロムスダールスホーネうしろにロムスダールスホーネ

そしてあのロムスダールスホーネの尖峰が雲の中にうっすらと見えている。

写真でははっきりしないかもしれないが、ずんぐりした親指みたいな形だ。

牧草地とラウマ川牧草地とラウマ川

穏やかな弧を描いてラウマ川は流れていく。

別の谷別の谷

その向こう側は牧草地だ。そしてさらにその先には、どこまでも続いているように見える岩山の壁がある。

あの岩壁には明日上る、『トロールの梯子(Trollstigen)』という11連続カーブの強烈な坂がある。

広がったラウマ川広がったラウマ川

その『トロールの梯子』から流れ落ちてくる川がここでラウマ川に合流し、ラウマ川は大きく広がる。

奥にはとんがり山が見えている。あの山の東斜面に『トロールの梯子』はある。

ラウマ川沿いの自転車道ラウマ川沿いの自転車道

広がったラウマ川の岸には砂利敷きの自転車道が続いている。

出口が見えた出口が見えた

先に橋が架かっており、そのさらに先にぽっこり山が見えてきた。

あの山はロムスダールフィヨルドの反対側にあるものだ。ということは、あの橋の先がラウマ川の出口、ロムスダールフィヨルドだ。

下にオンダルスネス駅下にオンダルスネス駅

オンダルスネスに到着だ。ついにノルウェイのフィヨルド地方に入ったのだ。

高台からはロムスダールフィヨルドから奥に延びる狭いイスフィヨルド(Isfjorden)が見え、その手前にはラウマ線の赤い列車が停車しているのが見える。あそこがオンダルスネス駅だろう。

オンダルスネスの港オンダルスネスの港

宿に入る前に港を覗いておくことにした。レジャーボートやフィヨルドのクルーズ船など、結構多くの船が停泊している。

うしろにポッコリした山が見える。あの山にはランパストレッケン(Rampestreken)という展望台があり、ロムスダールフィヨルドとイスフィヨルド、そしてオンダルスネスの街が一望にできるというので、このあと宿に荷を解いてから上る予定だ。

ボートとイスフィヨルドボートとイスフィヨルド

フィヨルドの先を見るとうっすらと雪を残した山々が見える。

ここからクルーズをしてもいいが、なんだか雲行きが怪しくなってきた。

自炊の夕食自炊の夕食

港を一廻りしたあと宿に入った。一休みする間もなく、雨が降り出した。この雨は止む様子を見せず、かなり強く降っている。結局ランパストレッケンもボートクルーズもせず、宿でまったり過ごすことになった。

さて、本日の夕食は自炊だ。この宿にはキッチンがある。サラダ、蝶々パスタのジェノベーゼソース、ステーキといった簡単なものだが、まずまずだった。ビール付き!

ノルウェイの物価は高い。その中でもレストランは非常に高い。スープやサラダは1,500円、ハンバーガーは2,000円、メインの一品は3,000円はする。ビールは400mlで1,300円以上する。つまりごく普通の食事でも、一杯ビールを飲めば、6,000円の出費は覚悟しなければならない。毎食この出費は痛い。

そこで今回の旅は、できるだけキッチン付きの宿を選んだのだ。ここまでこれは成功している。

今日までは旅の序章だ。いよいよ明日から本格的なノルウェイ・フィヨルド地方サイクリングになる。絶景ルートの "the Golden Route" と呼ばれる道を行き、11連続カーブの『トロールの梯子 』をひたすら上り、ストールフィヨルド(Storfjorden)の奥のヴァルダール(Valldal)へ下る。

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