1816-15

イドリヤ〜トルミン〜コバリード

スロヴェニア・クロアチア 15

開催日 2018年08月14日(火)曇りのち晴れのち曇り
参加者 サリーナ/サイダー
総合評価 ★★☆
難易度 ▲▲
走行距離 66km
累積高度 640m

ソチャ川の湖のほとり
ソチャ川の湖のほとり

コース紹介

イドリヤからイドリツァ川に沿って北へ。モスト・ナ・ソチでは湖沿いに遊び、トルミン渓谷では涼しげな林の中をハイキング。そこからソチャ川の左岸を進めば、牧草地や森の間からユリアン・アルプスがその険しい頂を見せ始めます。

動画(06'59" 音声:一部にあり)

地図:GoogleマップgpxファイルGARMIN ConnectGPSies

発着地 累積距離 発着時刻  ルート 備考
Idrija
370m
START 発08:40 102 朝食:共用キッチン・部屋
Zelin
260m
16km 着09:40
発09:40
102 Cerknoへの分かれ道
Dolenja Trebusa
190m
29km 着10:35
発11:00
102 Pod Korito(カフェ)
Most na Soči
170m
40km 着11:40
発11:50
102
Tolmin
210m
46km 着12:20
発13:30
一般道 昼食:Picerija Soča 202
Tolmin 渓谷
230m
50km 着13:55
発15:30
一般道 Tolmin 渓谷/6€/周回ハイク2km/1.5h
Napoleon's Bridge
220m
65km 着16:35
発16:40
一般道
Kobarid
240m
66km 着16:50 夕食:Pizzeria Soča Iljazi Iljaz s.p.
泊:Apartments Modrina/56.54€
時差: -7h(サマータイム)/日の出05:20ごろ、日の入21:20ごろ/
為替レート:1€=133円、1HRK=19円/

イドリヤホステルを出発イドリヤホステルを出発

昨夜遅くから、ジャバジャバとかなり激しい雨が降り出しました。目を覚ましてみると、今朝も相変わらず雨。この旅で初めての本格的な雨です。

今日は65kmほどの行程で、渓谷ハイキングも予定していたので早めの出発を考えていたのですが、共用キッチンで朝食をとりながら少し待ってみることにしました。

1時間ほど待つとようやく小雨になったので、8時40分に雨具を着て出発。気温もやや低い。

フランツ縦坑フランツ縦坑

高台にあるホステルから下りていく道の途中に、屋根の上に高い鉄骨の塔のようなものが立っている建物がありました。

これは、1792年に採掘が始まったフランツ縦坑(Francis's Shaft)で、現在は博物館として1800年代末の蒸気式ポンプなどが展示されているそうです。

Spodnja IdrijaSpodnja Idrija

イドリヤの町を出るとすぐにR102に入り、イドリツァ川に沿って北に向かいます。

3kmほどでSpodnja Idrijaという小さな町を通り、橋を渡ると今度はイドリツァ川の対岸を走ります。

イドリツァ川沿いを走るイドリツァ川沿いを走る

雨は上がり、低くたれ込めていた雲も次第に上に上がり始めました。

ところで今日の行程は、まずこのイドリツァ川に沿ってモスト・ナ・ソチまで北上するのですが、そこはユリアン・アルプスの入口にあたるところなのでてっきり上りだと思っていました。実際には川は北に向かって流れており、従ってR102も緩い下り基調が続いています。

吊り橋で小休止吊り橋で小休止

周囲は緑に覆われた丘に囲まれ、ときどき民家や牧草地が点在しています。

対岸の牧草地に渡る吊り橋があったので、ちょっと小休止。

飛ばすサリーナ飛ばすサリーナ

さらにずんずん北へ。雨も止んで涼しい中を軽快に飛ばします。

ZelinZelin

16kmほど走ったところで分かれ道にさしかかります。ここはZelinというところで、右に折れてR210を4kmほど行ったでツェルクノ(Cerkno)には、第二次大戦中、渓谷の中に隠れたパルチザンの病院があったそうです。

私たちはまっすぐR102を進み続けます。

蛇行するイドリツァ川蛇行するイドリツァ川

イドリツァ川は、このあたりから大きく蛇行しながら西に向かいます。

山並みを分け入る山並みを分け入る

道の両側の丘は少しずつ険しくなってきました。

R102は川に近づいたりもっと高い場所を通ったりしながら、山並みの重なる中を分け入っていきます。

Dolenja TrebusaDolenja Trebusa

イドリツァ川に沿ってしばらく蛇行したあと、Dolenja TrebusaというところでR102は右に曲がり北西に続いていきます。

ちょうどこの曲がり角にカフェがあったので、小休止することにしました。

カフェオレで休憩カフェオレで休憩

2階のテラスで休憩。今日はちょっと涼しいので、飲み物は温かいカフェオレです。

牛や馬のいる牧場牛や馬のいる牧場

30分ほど休憩したら、さらにR102をどんどん進みます。

ときどき現れる牧場では、牛や馬、羊などが草を食んでいました。

Idrija pri BačiIdrija pri Bači

Idrija pri Bačiというところまでやってきました。

小さな集落の入口には赤い屋根の教会が見えます。

鉄道のアーチ橋鉄道のアーチ橋

続いて、道の前方にアーチ橋が見えてきました。

これはモスト・ナ・ソチとボーヒン湖、ブレッド湖をつなぐ鉄道の橋です。

アーチ橋を抜けるアーチ橋を抜ける

R102はアーチ橋の下をくぐり抜けていきます。まるでローマ水道橋のようですね。

アーチ橋をくぐり、北東からイドリツァ川に合流するバチャ川(Bača)を渡ると、ほどなくモスト・ナ・ソチです。上空には青空が広がってきました。

イドリツァ川イドリツァ川

R102はイドリツァ川沿いに町まで続いていますが、その手前で川の対岸に渡りました。

川面は青空を映して輝いています。やっぱりお日さまはいいですね。

川沿いの小道川沿いの小道

川を渡ったところにはモスト・ナ・ソチの鉄道駅があり、そこから町までは川と鉄道線路に挟まれて、木々に囲まれた小道が続いています。

舗装路はすぐに終わり、ダートになりました。

林の中のダート林の中のダート

比較的締まったダートなのでずんずん進むサリーナ。

林の中を走るのはなかなか楽しい。

モスト・ナ・ソチの町への橋モスト・ナ・ソチの町への橋

そして林を抜けると小さな橋がありました。

ここはイドリツァ川がソチャ川(Soča)に合流するところで、出発地のイドリヤからずっと一緒に走ってきたイドリツァ川はここで終わりです。

橋を渡るとモスト・ナ・ソチの町の中心部に出ます。ちなみに『モスト・ナ・ソチ』とは『ソチャ川の橋』という意味だとか。

ソチャ川の湖ソチャ川の湖

町の西端から橋を渡ってみると、ソチャ川でカヌーを楽しむ人たちの姿が見えます。

このあたりは川というよりも湖ですね。実はこの少し下流にダムがあり、ここはダム湖になっているのです。

ソチャ川にかかる橋ソチャ川にかかる橋

再び橋を渡り、橋の横から階段で川岸に下りて、湖のような川沿いの小道を走ってみることにします。

静かな湖面静かな湖面

そこは本当に鏡のように静かな湖面でした。

青みがかった水が周囲の山並みを映し出しています。

湖岸の小道を走る湖岸の小道を走る

湖岸の小道は湖のすぐ横で、「魚いるかな〜」などと青く透き通った湖面を眺めつつ走るのはとても楽しい。

モドレイモドレイ

家族連れが湖岸でのんびり楽しんでいる姿にも遭遇します。ここはボートやカヌーを楽しむには最適ですね。

湖岸を北上していくと、右手に丘の麓の集落モドレイ(Modrej)が見えます。

湖と牧草地の間の小道湖と牧草地の間の小道

湖と牧草地の間の小道を楽しそうに走るサリーナ。

湖と山々の景色湖と山々の景色

山々が重なり、それを映す湖とあわせて絵のような景色です。

湖岸の小道はそろそろ終わり、R102に戻ってしばらく走ります。

トルミンカ川の吊り橋トルミンカ川の吊り橋

トルミン(Tolmin)の町の少し手前で枝道に入り、吊り橋で小さなトルミンカ川(Tolminka)を渡ります。

ソチャ川に注ぎ込むこの川を遡れば、このあとハイキングするトルミン渓谷に至ります。

トルミンに到着トルミンに到着

ほどなくトルミンの町に到着。ここは人口3,500人ほどで、この周囲では比較的大きな町です。

ソチャ川やユリアン・アルプスの自然を楽しむ拠点として、またパラグライダーや夏の音楽祭でも評判なのだそうです。

昼はハンバーガー昼はハンバーガー

ここでお昼にしましょう。いくつかあるピザ屋さんの一つに入りました。

ピザ以外にもパスタなどいろいろあり、ハンバーガーを頼んでみたところ、でっかいバーガーにフライドポテト、マヨネーズとケチャップ付きでした。

お店を出発お店を出発

おなかがいっぱいになったら、早速トルミン渓谷へ出発です。

トルミン渓谷は町のすぐ北にあります。

渓谷に近づく渓谷に近づく

トルミンカ川沿いに渓谷に行こうとしたら、牧場の中のダートになってしまいました。

でも、すぐ先に渓谷の入口があるはずです。

トルミン渓谷の入口トルミン渓谷の入口

そして、渓谷入口に到着。トルミン渓谷はトリグラウ国立公園の最南端に位置しています。

入口で入場料1人6€を払うと、案内パンフと地図をくれた上、地図の説明担当の青年がハイキングコースの行き方を説明してくれました。

石段を下りる石段を下りる

まずは川のそばまで石段を下りていきます。

川の流れが見える川の流れが見える

石段を下りる途中、木々の間からトルミンカ川の涼しげな流れが見えてきます。

ホタルブクロホタルブクロ

そして、あたりにはかわいい草花が見られます。

これはホタルブクロですね。サイダーは子どもの頃、この花にホタルを入れて遊んだそうです。

シクラメンシクラメン

そしてこちらはシクラメン。日本でよく見る園芸種のシクラメンよりかなり小さな姿です。

水辺に到着水辺に到着

川のそばまで下りてくると、小さな木造の橋がかかっていました。

ハイキングの人たちが流れのそばで一休みしています。中には水にバシャバシャと入っていく若者も。ちなみに水はかなり冷たいです。

渓谷と上の橋渓谷と上の橋

先ほどの橋から上流を眺めると、白っぽい水が岩の間を流れる渓谷のはるか上に、別の橋が渡っているのが見えました。

これは、20世紀初頭に地元の人たちがボーヒニ鉄道の労働者と一緒につくった橋だそうです。

渓谷を流れる川渓谷を流れる川

渓谷を流れる川は、青白い神秘的な色をしています。

川沿いを進む川沿いを進む

この先に次のスポットがあるというので、川沿いを先へ進んでいきます。

その見所とは「温泉』だそうで、「温泉なら浸かっちゃおうかな〜」とワクワクのサイダー。

渓谷の温泉渓谷の温泉

先ほどの高い橋の下あたりに『温泉』がありました。浸かるどころか、「あの辺からお湯が吹き出しているらしい」というところを覗き見るだけでした。せめて足湯くらいはしたかった。

写真の右の小さい洞窟のようになっているところからお湯が吹き出しているようです。温泉といっても20度くらいだそうですが、トルミンカ川の流れの5〜9度に比べれば温かい。

河原で休憩河原で休憩

先ほどの橋のところに戻って、河原でちょっと休憩。

さすがのサイダーも、5〜9度の川には浸かりませんでした。

吊り橋吊り橋

再び橋を渡り、今度はZadlaščica川の方へ進むとすぐに吊り橋がありました。Zadlaščica川には、マーブル・トラウトという大理石柄の鱒が生息しているのだとか。

この先はかなり険しい道なき道のようなので、吊り橋は行って戻るだけにしてハイキングルートを進みます。

石段を上る石段を上る

ここからは、Zadlaščica川に沿ってアップダウンが続く。

石段をハヒハヒと上るサイダー。

清流を望む清流を望む

途中のところどころから、岩の間を流れる清流が望めます。

「きれいだね〜」とサリーナ。

熊の頭熊の頭

そして、とてもせばまったZadlaščica渓谷の間に、岩が挟まっています。

苔むしたこの岩は『熊の頭』と呼ばれています。

Zadlaška洞窟Zadlaška洞窟

さて、ここからはZadlaščica川を離れてひたすら上り。キツい石段をよろよろ上ります。

すると舗装路に出て、その先にZadlaška洞窟があります。別名「ダンテの洞窟」だそうですが、これは、14世紀初めにトルミンに滞在したダンテが洞窟を訪れて、それが『神曲』を構想するきっかけになったからだとか。

この洞窟には照明もなく、ガイドと一緒に適切な装備を持たないと入れないので、入口を覗いただけでした。

トルミンカ川へ歩くトルミンカ川へ歩く

洞窟から舗装路を戻り、トルミンカ川に向かって歩いていきます。

前方にはユリアン・アルプスの山並みがかすかに見えます。

鉄橋鉄橋

そして着いたところは、先ほど下から見た鉄橋でした。ここは車も通れます。

当初木造で、その後鉄橋とされ、さらにその後車交通のために幅が広げられて、1966年、この先の村に初めての車が到着したそうです。

はるか下のトルミンカ川はるか下のトルミンカ川

そして鉄橋から見下ろせば、はるか下にさっき通った川沿いの通路が見えます。

ずいぶん上ったものです。

鉄橋とサリーナ鉄橋とサリーナ

こんなに高いところに橋をかけるわけですから、この渓谷がいかに狭く切り立っているかがわかるでしょう。

鉄橋をバックにするサリーナ。高くてちょっと怖いね。

ソチャ川左岸を走るソチャ川左岸を走る

トルミン渓谷一周ハイキングコースは、距離は2kmほどですが、上り下りが多く変化に富んだコースでした。

さて、ここからはソチャ川を上流に向けて北西に進んでいきます。R102は右岸を通っていますが、ここからは左岸の小さな集落をつなぐ一般道を走ります。

牧草地や集落を抜ける牧草地や集落を抜ける

このルートは車交通も少なく、周囲には牧草地や林、そしてときどき集落と、自転車には最適な道でした。

りんご畑りんご畑

集落を通り、りんご畑を過ぎると、

白い教会白い教会

村はずれにポツンと白い教会が。

険しい頂の山々険しい頂の山々

そして、前方には険しい頂の山々が姿を見せ始めました。

いよいよユリアン・アルプスに分け入ってきたという感じです。

ソチャ川のカヌーソチャ川のカヌー

ソチャ川を見渡せるベンチでマウンテンバイクのカップルが休んでいたので、私たちも一休み。

彼らは次の村に泊まっているそうで、私たちはコバリードまでだと言うと、「あと3kmだよ」と教えてくれました。

緩やかに流れる川を、カヌーが2漕通り過ぎていきました。

黒雲が広がってくる黒雲が広がってくる

そんなところに、遠くからゴロゴロと不気味な音が。空を見上げると、黒い雲がゆっくりと動いています。

やばい! 急げや急げ!

ナポレオン橋からの上流の眺めナポレオン橋からの上流の眺め

わっせわっせと走ったら、3kmほどで『ナポレオン橋』に到着しました。

渓谷の川幅が最も狭いここには昔から橋があったそうですが、1616年にヴェネチアが橋を破壊した後、ナポレオンの軍隊が1750年に石橋を建設したため、この名前が付けられたそうです。その後、第一次世界大戦の間にも破壊と再建が行われたそうですが。

下流の眺め下流の眺め

絵の具を流したような青い川の上を、鮮やかな黄色のカヌーが通り過ぎていきました。

そして、その上を見ると黒い雲が近くまで迫っています。急げ〜

最後の坂最後の坂

「急げ〜」と言っても、橋から町の入口まではちょっとした激坂なのでした。

ハヒハヒ、と最後の力を振り絞るサリーナ。

コバリードの宿コバリードの宿

そして、夕方5時少し前に本日の宿に到着したとたん、ザバザバと雨が降り出しました。助かった〜

今日は天気が心配されましたが、終わってみれば途中雨には降られず、陽の差す中を渓谷ハイキングもできてとてもいい1日でした。コースも自転車としてお勧めです。

宿は町の中心にあり、夕食は近所のピッツェリアでラザニアとサラダでカンパ〜イ。

さて、今日はあまり上りはありませんでしたが、明日あさってとユリアン・アルプスを抜ける峠を目指し、ついに本格的な上り行程が始まります。

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