ブレッドの朝は快晴です。
部屋の前のテラスでゆっくり朝食をとったあと、徒歩でブレッド観光に出発。
宿から湖まで下りてくれば、朝日に映えて聖マルティン教会の塔が聳えています。
そしてその先には、木々の間から高台の上にブレッド城が見えました。
今日はあとで訪れる予定です。
まずはブレッド湖まで下りてきてみました。
快晴の空を映すブレッド湖の奥には、白い教会の塔のあるブレッド島が望めます。
湖面は青空を映して輝いています。近くの水面には、白い睡蓮の花が咲いていました。
ブレッド島に行くには、ゴンドラ舟に乗るのが定番。
ゴンドラ舟乗り場はブレッド城の対岸、ブレッド・カジノの前にあります。行ってみると舟は10時からだそうで、今は9時過ぎなので先にブレッド城に行くことにしました。
さてブレッド城。崖の上にあるのですから、当然山道をかなり上らなくてはいけません。
林の中のつづら折りの徒歩道を上っていきます。
坂道や階段をゆっくりゆっくり上って、やっとお城の入口に到着。入場料を払って入ります。
門の向こうに城の塔がみえて、その『お城感』は堂々たるものです。
石畳の坂道を上っていけば、次第にブレッド湖が後ろに見えてきました。
ブレッド城はもともと11世紀初めに建てられたそうですが、現在見られる城は16世紀の建築です。
城内には、チャペルやいくつかのミュージアム、そしてカフェやワインセラーがあります。
ここは上階テラス。
半分はお城の建物に囲まれ、半分はブレッド湖を望むテラスになっています。
そのテラスからの眺めは、ブレッド湖とブレッド島が見渡せる絶景でした。
これにはサリーナも大満足。
雲一つない青空の下、湖に浮かぶ小さなブレッド島は絵画のように美しい。さすが、スロヴェニアで最も有名な観光地だけありますね。
そして西の方を見てみれば、丘の間からユリアン・アルプスの白い頂が顔を覗かせています。
テラスからの景色を堪能したら、チャペルに入ってみましょう。
ゴシック様式のチャペル内部の壁は、ピンクや黄色の絵に埋め尽くされています。主祭壇の両側には、城主のヘンリー二世とその妻が描かれています。
天井にも鮮やかな絵が描かれています。
次に、下階テラスを囲む建物へ。この建物には見張り台となる2階の通路が塔まで続いています。
通路から南を向けば、下階テラスのカフェと、建物の間からエメラルドグリーンのブレッド湖が見えます。
そしてこちらは、ブレッド湖の東側、ブレッドの町の中心方面を見たところ。
町の中心といっても緑が多く、その先には山並みが連なっています。
さて、お城観光を終えたら改めてゴンドラ舟乗り場へ。このゴンドラはプレトナ(Pletna)と呼ばれ、20人ほどが乗れる手漕ぎの木造平底ボートです。
プレトナの始まりは1590年に遡ると言われ、漕ぎ手は代々家族に受け継がれているそうで、料金は漕ぎ手に直接支払うため、チケット売り場などはありません。日本の川下り舟などと違って、漕ぎ手は後ろにいますね。
爽やかな湖面をゆらゆらと進むスローな舟旅、なかなか楽しい。
エメラルドグリーンのブレッド湖のまわりの景色をゆっくり眺めながら進みます。
先ほど訪れたブレッド城が後ろになりました。
湖からは、ほんとに急な崖の高台になっていますね。
船着き場を出てから20分ほどでブレッド島に到着。
緑の木々にこんもりと覆われた丸っこい島の真ん中に白い教会の塔。おとぎ話の世界のようです。
島に着いたら40分ほど自由時間。階段を上るとすぐに聖マリア教会の前の小さな広場に出ます。
ここにはカフェやお土産屋さんもあります。
島に教会が建てられたのは8〜9世紀に遡るそうですが、現在の建物は17世紀の改築によるバロック様式です。
天井から垂れ下がったロープを引っ張って鐘を3回鳴らせば、願い事が叶うんだそうな。このロープ、結構重いです。
次に、島一周にチャレンジ。といっても一周400mくらいです。
私たちが着いたのは島の北の船着き場ですが、南にも船着き場がありました。
水辺の小道からブレッド城やブレッドの町の眺めを楽しむ。
そして湖をよく見れば、ちっちゃい魚がたくさん泳いでいます。
ぐるっと一周して北の船着き場に戻ってきました。
そろそろ出発の時間です。乗ってきたプレトナはどれだっけ? あ、青と白のシマシマのやつでした。
湖にはプレトナが行き交っています。帰りものんびりゆっくりと、手漕ぎのプレトナは湖面を進む。
静かなブレッド湖ではボート競技も行われるようで、朝早くには競技用ボートが練習していました。
また、今はやりのスタンドアップパドルボードを楽しむ人たちもいます。
ブレッドの町に戻ってきました。
昼になったので、スーパーで買い物していったん宿に帰ります。
そして、部屋のキッチンで簡単に調理し、宿の部屋の前のテラスでランチです。
今日のメニューはオイルサーディンのミックスサラダ、ソーセージとパプリカのちょうちょパスタ。白ワインでカンパ〜イ。
ゆっくりランチ、その後昼寝などをしていると、気がついたら午後4時過ぎ。
あわてて準備して、自転車でブレッド湖一周に向かいます。
湖沿いに時計回りで進むと、ムリノ(Mlino)にやってきました。湖岸で遊ぶ人たちもいます。
中心から少し離れるだけで、すぐにのんびりした雰囲気になります。ここにもプレトナの発着場があるそうです。
さらに走って、ブレッド島の南、ブレッド城の対角線の位置にきました。
ブレッド島、どこから撮っても絵になりますね。
湖のちょうど町から反対側までやってきました。泳ぐのはこのあたりのビーチがお勧め、と宿のおじさんに教えてもらっていたところです。
この近くにはキャンプ場もあります。「さて、どのあたりで泳ぐかな〜」とサイダー。
ここはZakaというビーチ。日は傾いてきていますが、ビーチには結構たくさん人がいてくつろいでいます。
湖にブレッド島とブレッド城、背景には山並みと、いい感じ。
ではさっそく水の中へ。アドリア海以来、久しぶりのビーチです。
かなり冷たいかと思ったけど、入ってしまえば気持ちいいね〜、とパチャパチャ遊ぶ。
ブレッド城を見ながら泳ぐ。豪華な背景でいい気分です。
湖に浸かってリフレッシュしたら、ブレッド湖を見下ろす見晴し台に上ることにしました。これも宿のおじさんに教えてもらった情報です。
登り口がどこかわからずちょっとウロウロしましたが、ビーチから少し戻ったところに入口が。すぐにダートの上りになったので、自転車を置いて徒歩で上ります。
その上り道は周回コースなのでどちら回りで行くか悩ましいところでしたが、とりあえず勾配が緩い方の遠回り道を選択。反時計回りです。
『勾配が緩い』といっても結構な山道で、しかもゴロゴロ石。あまり上っている人もいないので「こっちで大丈夫かな?」とちょっと不安も。
夕陽の木漏れ日の中を上っていきます。
サイダーはサンダルなので、ちょっとヨロけそうになりながら進む。
結構遠いね〜、と言いつつ上っていると、木々の向こうに何人かの人がいる場所に出ました。ようやく見晴し台に到着です。
そこの前に出てみると、「おお〜!」
ブレッド湖の全景とその真ん中に瞳のように浮かぶ小島。そして周囲の森や山々まで一望に見えます。(TOP写真も)
午前中に訪れたブレッド島。教会などの建物がくっきりと見えます。
夕陽を真正面から受けるブレッド島のまっすぐ後ろには、崖の上のブレッド城が。
ブレッド湖のすばらしい景色を堪能し、見晴し台をあとにします。
帰りの道は湖に向かって急坂をジグザグに下りていきます。そして転げ落ちそうな長〜い階段がありました。
この階段、手すりなしではかなり危なそう。
落っこちないように慎重に下りていくサイダー。
帰り道には、ときどき湖が見渡せる場所があります。
こちら側から時計回りに上ってきた人たちは、超絶的な激坂に息も切れ切れ。下りていく私たちに「この先上ると、もっといい景色が見えるの〜?」と、この辺りでやめたい様子。はい、まだ少しあるけどがんばって!
自転車を置いたところに戻ると、すでに夕方7時になっていました。
あとは湖をまわってブレッド城の下を通り、宿に向かいます。
そろそろみんな、ビーチから歩いたり自転車で引き上げようとしている時刻。
湖の南側では主に車と一緒の道路を走りましたが、北側の湖沿いは自転車や徒歩の道になっていて走りやすく楽しい。
サイダーの前には馬車が走っていました。
そして宿に到着。今日は宿の食堂でバーベキューが食べられるというので、食堂に行ってみました。この宿"Jazz Bled"のオーナーはもちろんジャズ好き。壁にはジャズメンの絵が描かれています。
チキンやソーセージ、ポークなどがばんばんグリルされ、次々とお皿に乗ってきます。サラダやベークドポテトも山盛りで「いただきま〜す」。
さて、明日はラドヴリツァやヴィントガル渓谷など、ブレッド近郊の見所を自転車で巡ります。