ジオポタ会員歴2年、でもイベント参加歴ゼロ、HPへの貢献ゼロ・・・・
ペーパードライバーと化してした私にも自転車生活のチャンスが巡って来た。2001年4月、茨城県つくば市の研究所に転勤。最寄り駅からの10キロ弱を、毎日自転車で走ってみよう!
2001年3月某日 周囲の反応
実は、この研究所には何度か日帰り出張していて、「魅力的な歩道」があるのをチェックしていた。そこで、着任前の3月から関係者には自転車通勤の意向を伝えていたのだが、その反応は大体「そんなのやめとけ」というもの。 理由を聞くと、返事は概ね以下の3種類。
「危ない」
「大変」
「晴れの日ばかりじゃないし、どろんこで電車に乗るの?」
(なんか、自転車通勤=3Kって感じ。) ひとしきりこの話題で盛り上がった周囲の方々は、「まあ、3日もすれば音を上げるよ」とかいってそれぞれ納得してしまっている・・・
2001年4月3日 輪行初出勤
本日より自転車で出勤です。わくわく、どきどき。
朝が早いのでまだ寒かったりする。暖まるまでは、手袋が必需品。
家から地下鉄千代田線の駅まで自転車で3分。駅で自転車を畳んで地下鉄構内に入る。人があまり来ない方の入り口から入るので快適。地下鉄に30分強乗って(早朝なので当然座れる)、北千住駅で常磐線に乗り換える。ここも数十メートル歩くだけなのでそうストレスは感じない。常磐線に50分ほど乗って(逆方向なので当然座れる)、下車駅に。ここで自転車を組み立てる。このころ駅は通勤ラッシュ時間帯。駅前で自転車の組み立てをやっているとほんの30秒ほどでも、なんだか人目がすごく気になる。でも走りだしてしまえばもう平気。歩道は駅前だけちょっと混むけどすぐに人通りもなくなって走りやすくなってくる。これはもしかして快適かも。
でも初日だからか随分緊張した。何せ、研究所までちゃんと歩道が続いているかどうか、時間がどのくらいかかるか、よくわからない。研究所敷地の脇を通るようになったので、「あと少し」と思うのだが、そこからが結構あり、いつまでたってもオフィスに着かない気がした。
下車駅を出てすぐはこんな感じ。この道を2キロ弱走る(歩道を)
約2週間後の2001年4月某日
輪行通勤にも慣れてきた。コースも覚えて、自分が今どのあたりを走っているかもつかめるように。 毎日同じコースを走ると、その日のいろんな条件の違いがよくわかっておもしろい。気温、路面の状況、体調、自転車の調子などの違いによって、随分と走りが違ってくるものだ。「今日はタイヤの空気圧がイマイチだからちょっと」とか自己評価している。
私は記録というものにまるで興味がなく、みんながサイクルメータなんかを付けているのにもあまり関心を持ったことはなかったんだけど、通勤に自転車を使うようになってからは「今日は記録に挑戦」なんて思ったりする日もある。
そういえば、初日はとても長く感じた研究所エリアに入ってからの道のりが、今では物足りないくらいになってきた。何しろ、研究所脇はとても快適な1本道が続いていて、あっという間に過ぎてしまう気がするのだ。
ここは学園都市南入口の交差点。ここで曲がって、いよいよスピードアップ。ここからは交差点や民家の入り口が少なくなり、通行人がまったくいなくなる。
2001年4月某日 雨と水たまり
朝の東京は晴れ。でも柏を過ぎたあたりから雲が出てきて、取手ではポツポツ降ってきた。今年は珍しく4月になってからほとんど雨が降らなかったので、ここまで連続自転車通勤を続けてこれたけど、今日はちょっとヤバイかも。 案の定駅に着いても雨は上がっていない。でも本格的に降っているわけでもない。そこで用意していたカッパを着て走ってみることに。
雨は場所(と時間)によって強くなったり弱くなったりしている。まあカッパがあるのでちょっと蒸し暑いけどそう困らない。いつもより時間をかけてオフィスに到着。少々の雨でも大丈夫ってことね、とそのときは思った。 着いてたカッパを脱いだところ、背中の泥はねがすごくて、もうびっくり。私の自転車は泥よけをつけていないのでまともにはね上げたらしい。これは雨の日は大変かも、と思った。
曲がったあとの道はこんな感じ。車道の方は結構な交通量だが、並木が心理的な境界線になっていて全然気にならない。時々自転車の高校生とすれ違うくらいで、歩いている人はほとんどいない。もちろん歩道を走る。
しかし実は、大変なのは雨の日ではなく雨上がりの日だったのだ。翌日は東京は小雨。下車駅についたら雨はすっかり上がっていて太陽が顔を出していた。ラッキーと早速走ることに。
ところが道にはしっかり水たまりが。それも街中をはずれると畑の泥とかが流れ込んだ水たまり。前日の泥はねの記憶が蘇る。 しかたなく、雨が降っているわけでもないのにカッパを着た。雨上がりでむしむしする上に太陽でキョーレツに照らされ、暑くなってきてもカッパのせいで放熱できない。晴れているのにカッパを着てるのが格好悪いというのもあるが、それ以上にサウナスーツ状態が不快。今はまだがまんできるとしても夏場になったら・・・・。これはたまらんと思った。
周囲は小規模ながら農地が点在。左写真の奥に広がる畑はラッカセイ、下の写真は水稲。このほかにもさつまいも、麦、野菜(ネギ、なす)など、関東の典型的な畑作地帯の様子がよくわかるコースだ。
で、自転車通勤先輩のサリーナに相談。
私「サリーナのも泥よけをつけてないよね。雨の日なんかどうしてる?」
サリーナ「雨の日はリアキャリアにスーパーの袋をかぶせて泥よけにしてる。街中だと一応はねは抑えられるよ。でも、リアキャリア持ってないんだっけ」
私「一応持ってる。試してみるよ。」
しばらく行くと研究学園都市の目印が。ここからが研究所エリア。
その後、何回か雨が降ったけど、「リアキャリアにスーパーの袋」は結構具合がいい。リアキャリアは折り畳むときも邪魔にならないし、スーパーの袋は軽くて小さくなる。とても輪行に適したアイデアかもしれない。私はリアに荷物を積むのは好きじゃない(荷物がずり落ちないか気になるし、何だか後ろのタイヤの摩耗が加速しそうだから)のでリアキャリアはずっと遊んでたんだけど、こんな使い方があったとは目からウロコ、でした。
2001年5月某日 周囲の反応パート2
昼休みに泥落としなどやっていると、オフィスのちょっとシニアな男性陣がよく近寄ってきて「いい自転車だねえ。ワシも買いたい」とか「やっぱり運動しなくちゃダメだよね」とか好意的なコメントをいただける。この世代の男性は自転車好きが多いと見えて、駅で自転車を組み立てているときなども通勤のサラリーマンやバスの時間待ちをしている運転手さんからよく声をかけられる。以前は周囲の人が注目してると思うと緊張したものだが、こんなふうに気さくに声をかけられるとリラックスする。
そして連休明けのある日、隣の部の部長が「ボクも自転車持ってきたよ」とお手持ちのBD-1をオフィスに。
オフィスは通りに面した1階にあるので、私のと並べて置いているところを外から見たらまるでバーディーのショールーム。通りがかりの人も注目しているんじゃないかな。
でもこのBD-1、飾ってあるだけで乗っているのを見たことがない。たしかに見栄えのする自転車ではあるが・・・・・部長、自転車は乗るともっとカッコいいですよ!
2001年5月某日 コブ
ある朝、いつものように駅から自転車を走らせたら、いくらも行かないうちにカタカタ音がしてきた。降りて見てみたけどよくわからない。構わず進んでいたが、だんだんペダルが重くなってきた。研究所エリアに入るころには必死でこがないと前に進まない。
もう一度よく見てみると、前輪のタイヤが回転するとき横に揺れて、リムにブレーキが当たっているのだ。スポークをさわってみるとゆるゆるなのがいくつか。 これではブレーキをかけながら進んでいるようなものなので、とてもこいではいられない。そこからオフィスまでは自転車を押して行った(ほんとは押すのだってブレーキに当たるから結構な力が必要なのだ)。
その日は帰りに前輪をはずして近くの自転車屋さんに持っていき、修理を頼んで帰った。 2日後、自転車屋さんに受け取りに行ったところ、「横揺れはとれたけど縦揺れは残っている」という説明。 前輪をとりつけてみると確かに回転に伴いリムの位置が微妙に変わってくる。一応乗れるしブレーキもちゃんと効くけど。
原因を考えてみた。私の通勤コースはアップダウンの少ない快適な歩道が主体なのだけど、1つだけ難点がある。それは、研究所エリアの一部で街路樹の根がアスファルトを持ち上げているところが何か所かあること。 今考えると調子が悪くなった前の日は夜帰るときこのコブにもろに突っ込んでしまったのだ。それでリムが変形しちゃったんじゃないかな。 でも、そういう時のためのフロントサスペンションじゃないの~
2001年6月28日 エクササイズ効果
自転車通勤も3か月になろうとしている。そこでエクササイズ効果がちょっと気になるところ。 実は、初めの1か月くらいは運動のせいでとてもお腹が空くのでバカバカ食べていたら、.かえって太ってしまった。それでこれはいかんと食べたいだけ食べる、というのはやめにした。
それから「サイクルサービスおおやま」さんのところのホームページに「ギアを軽くしてクルクルやると、女性の方なら3か月で太もも2~3センチ減」という魅惑的な情報があったので、ちょっと面倒だけどギアは軽くして走ることにしてもう1か月になる。
3月末と6月末とを比べると、体重は1キロ減。でも見た目は期待に反してほとんど変わってない気がする。自転車って思ったより消費カロリーは多くないということか? 予期しなかった変化も。5月ごろから腕時計がきつくなってきて少しベルトをゆるくした。毎日北千住で10キロを持ち歩く数十メートルは、結構な筋トレ効果があるらしい。
研究所エリアに入ると、道の脇は研究所を囲む林になる。森林浴みたいだし、夏はひんやりして気持ちがいい。
2001年7月9日 キン冷えトマト
暑い。 梅雨はどこに行ったんだ・・・と文句を言ってはいけない。晴天ほどありがたいものはないと思わなくては。 だけどここ数日の暑さは尋常ではない。以前は朝の8時台だからまだ涼しくてラクね、なんて思っていたが、今や8時でも簡単に30度を越えている。
前にも書いたけど、リアに荷物を積むのが嫌いなせいもあって、荷物は最小限にしてハンドルバーにかける形式をとっている。30分程度だし、そんなことだから飲み物を持ち運ぶのはやめにしている。 でもさすがにこのところオフィスにつくと汗びっしょりだし喉はカラカラ。そこで、夏の間だけでもオフィスにスポーツドリンクを常備しようかな、と思っていた。
そんなある日、オフィスの同僚から完熟トマトをもらった。完熟だから自転車に乗せてコブで跳ねて家に持って帰る間に潰れてしまうので、とりあえずオフィスの冷蔵庫に。 翌朝着いたらそれを思い出したので、早速食べてみた。これが、うまいのなんの! 以来、朝のキン冷えトマトにはまっている。最近では研究所エリアに入るころから頭の中はトマトのイメージでいっぱいに。こんなことはツーリングではできない(持ち運ぶとぬるくなるし、お店で手に入る保証もない)自転車通勤ならではの贅沢かも、と思っている。
持ち物はざっとこんな感じ。上からハンドルに付けるバッグ、カッパ、輪行バッグ、ライト、財布・ケータイ、ポンプ、修理キットなど。あとこれにタオルと着替えが。仕事関係はないのかって?うーん、めったに持ち歩きません。
2001年7月18日 鉄ゲタ
ところで私の自転車はなぜかとっても「重たい」のです。走りが。まったく意識してなかったけど、前にサリーナ達と荒川土手を走ったことがあって気がついた。何しろ、同じように加速してもこぐのをやめるとすぐ失速する。サイダー氏によると「たぶんハブの締め付けすぎ」だそう。でも走れないわけじゃないので今のところ特に調整していない。 今日はサリーナにデジカメをわたさなくちゃいけなかったので、帰りに新お茶の水までとりに来てもらったのだが、そのことが話題に。
サリーナ「私のも和田サイクルさんとこの人たちに『走らない自転車』と言われてるけど、これも走らないよね」
私「サリーナのが走らないなら私のはもう『鉄ゲタ』よ」
サリーナ「乗り比べるとすごいよ。私なんかサイダーの自転車に乗せてもらった時、今まで彼はこんなに楽してたのかってびっくりしたよ。」
私「体力アップにはなりそうだよね」
サリーナ「まるで『大リーグボール養成ギプス』だよねえ・・・」
何か修理でもしなきゃいけない事態になったらついでに点検してもらおうかな。それまでの間は重いコンダーラ。
次回をお楽しみに!
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