自転車ほしいいんだけど、なに買ったらいい?
という相談を受けることがあるので、ある例を元にして纏めてみました。 ここでは小さなタイヤの自転車(小径車)または折りたたみ自転車に限定し、主目的は収納重視ではなくサイクリング用です。 これは一つの例に過ぎませんが、なにかのお役に立てば。
by GEO POTTERING
サイクリングを始めたくて、折りたたみ式の小径車を買おうと思っていますが、どんなのがいいか相談にのってください。
とりあえずいくつかの折りたたみの小径車に試乗してみました。 初めてだからかちょっとふらつきましたが、これは慣れるものでしょうか?
小径車にはおおむねこうした傾向があります。 車輪の径が小さく慣性力が小さいのが主な原因で、車輪が小さいほど、また前輪と後輪の間隔が狭いものほどこの傾向が強くなります。
たいていはすぐに慣れるものですが、やはり限度はあるので、極端にフラフラするものは避けた方がいいです。
ふらつき以外に気をつけなければならないことはありますか?
車輪が小さいほど段差に弱い、ということです。 石畳の道やごろごろの砂利道は苦手だし、車道から歩道に上がるときに段差を乗り越えられずにコケた、という話は時々聞きます。 タイヤの大きさが16インチ未満のモデルはこれら以外にも問題が多いので、できれば避けた方が無難です。
私の妹はチビで夫はノッポなのですが大丈夫でしょうか?
自転車にはそもそもその人の身長に合ったサイズというものがあります。
折りたたみ自転車は、折りたたんだ時の寸法を重視するので、各部間の寸法が小さいことが多く、特にサドルとハンドル間の寸法が短いものが多いので、この点は要チェックです。 こうしたものは子供用の自転車に大人が乗ったような状態になり、窮屈で快適な走りができませんから、特にノッポさん用のものを選ぶ時には注意してください。 まれにですがサドルとハンドル間の寸法が長いもの(r&mのBD-1など)もあるので、おチビちゃんも注意して。
中にはハンドルの前後位置、上下位置を変えられるものもあり、こうしたものほうが汎用性が高いといえます。
夫は体重もそこそこあるんです。 私じゃあなく!(笑)
折りたたみ自転車は、フレームの中にヒンジを設けたり、トップチューブ(高い位置にある水平に近いフレーム)がなかったりと、普通の自転車とは少し異なる構造をしているため、普通の自転車より強度が低いものが多い。
耐荷重を明記しているメーカーもありますが、一般的にはこれを知ることはむずかしいのが実情です。 有名なメーカーの製品であれば、極端に重い人でなければ問題ないと思いますが、ノンブランド的なものの中には粗悪なものもあるので、見るからにひ弱そうなものは避けるべきです。
折りたたみの小径車はいいことばかりじゃあないんですね。
そうですね、走行性能や走破性能については大きなタイヤのものに比べれば不利なことが多いし、自分にぴったりのサイズの自転車を見つけるのも簡単とはいえません。
やっぱり折りたたみ式小径車の魅力は、コンパクトになり簡便だということでしょう。 パッと折りたたんでサッと電車に乗せるなんていうのは、普通の自転車ではできませんからね。
やっぱりコンパクト! コンパクトに折りたためて走行性のいい自転車がいいなぁ。
概してコンパクトに折りたためることと走行性能とは、相反します。
え~ぇ、小さくなって快走できるものはないってこと?
簡単にいえばそうです。(笑)
快走できることに主眼を置いたものは、タイヤが大きかったり折りたたみ式ではないものが多い。 逆に小さく折りたためるものは、折りたたむための機構が多く複雑なので、重かったり強度が低かったりして快走はむずかしくなります。
これはバランスの問題だと考えたらいいと思います。 どういった目的でどういった使い方をするのかをきちんと整理すれば、解は見つかると思います。
海外でしたサイクリングが楽しくて、すっかりはまってしまったんです。 次回は海外にマイバイクを連れて行きたい、"飛行機に乗せたい" っていうことです。
いきなり飛行機か~ (笑)
飛行機に乗せることをメインとして選ぶのと、飛行機にも乗せられることとはずいぶん意味が違いますよ。 四六時中飛行機で移動しているわけではないでしょう? 飛行機より、車や電車に乗せることの方が多いんじゃあない?
今では国内でもあちこち行ってサイクリングしたい、と思っていますから、確かに飛行機より車や電車に乗せることの方が多くなりそうですね。
では、目的や使い方を整理する意味も含めて、こういった移動手段について考えてみましょう。
車や電車や飛行機に自転車を乗せて運ぶことを『輪行』といいます。 意識しないと忘れてしまう『歩き』の場合も検討しましょう。
輪行では、移動時のサイズ、重量、移動性能、簡便性が問題になり、 折りたたみ自転車でなければならないか、という本質的な問題をも含みます。
一番簡単な輪行は?
車でしょうね。
積載スペースにゆとりがある車は普通の自転車でもそのまま乗せられるし、あるいは前輪だけ外せば乗せられるかもしれません。 専用キャリアを取り付ければ屋根に乗せたり、後ろにひっかけたりすることもできます。 トランクに入れる場合には小径車の折りたたみ式でないとサイズ的にむずかしいかもしれません。
車の場合にはひょいと積むだけだから、自転車の重量はあまり問題ではありません。 どんな車に載せるかで、普通の自転車でもいいか、折りたたみ自転車でなければならないか、が決まるでしょう。 折りたたみでもトランクに入る大きさであればいいので、小さくなることよりも簡単に折たためた方が便利です。
では、私の希望でもある飛行機は?
一番問題となるのはパッキングの方法です。
私は国内便では輪行袋に入れただけで預けていますが、国際便の場合はより厳重にパッキングする必要があり、ダンボール箱に入れています。 スーツケース状の専用ケースがある機種(DAHON,BIKE FRIDAY)もありますから、頻繁に飛行機を使うようであれば、こうしたものを選んだ方がいいかもしれません。
ケースのサイズが大きいほど取り回しにくいので、この点からは小さく折りたためる自転車が有利です。 国際便の場合にはパッキングする時間には余裕があるはずなので、折たたみの機構は多少複雑でも問題ないでしょう。 しかし国内便の場合には、空港まで乗って行ってそこでパッキング、または空港から乗り出すということも考えられますから、折たたみの機構は簡単なほうが便利です。
電車にも乗せられるんですか?
普通の自転車はタイヤを外してコンパクトにして、折りたたみ自転車は折りたたんで、他の乗客の迷惑にならないように袋に入れれば持ち込めますよ。
大きな車輪の自転車はかさ張るので、車内で置く場所も限定されます。 この点では折りたたみ式小径車が有利ですが、大きさと簡便さのバランスが求められます。 駅でもたついていると乗り遅れちゃうからね。
『歩き』のことも考えろとおっしゃっていましたね。
電車に乗せる時にはその前後にかならず『歩き』があります。 これがばかにならない問題なのです。 私の自転車はカタログでは10.5kgですが、担いで持ち運ぶのはとてもとても大変です。 階段の上り下りもありますよ。
これをうまく解決しないと電車に乗せるのが億劫になり、輪行しなくなり、サイクリングしなくなり、、、
担いでの移動を前提にするなら、できるだけ軽量なモデルを選んだ方がいいでしょう。 8kg以下なら私でも持てるかもとも思いますが、そうした自転車はもの凄く高価だったり、折りたたみ自転車ではとても数が少なく、実用になりそうなものはほとんどありません。
非力な方は、折りたたみ自転車の中にはゴロゴロ転がせるものもあるので、そういったタイプを選んだほうがいいと思います。
言われるまで気付きませんでしたが、実はこれは痛感しています。 今持っている自転車は重くて、家から出すのもいやになっちゃう。 私は非力なんで、ゴロゴロ転がせるものがいいなぁ。
目的や使い方に戻りましょう。 サイクリングといってもいろいろですね。 どんな使い方をしそうかな? たとえば、
ちょこっと街乗り?
1日くらいのツーリング?
数日に渡るロングツーリング?
街乗りもするけど・・ でも何泊もするツーリングをするかは・・・
もちろん最初から数日に渡るロングツーリングなんて考えられないのがフツーですから安心して。(笑)
街乗りなら、あまりスピードは出さないし、坂道も知れているからギアはたくさんはいらないけれど、前籠が付けられて買い物に便利なことや、スタンドがちゃんと付いていて駐輪に困らないこと、あまり大げさな車体でなくて手軽に乗り出せることなどが重要になるでしょう。
南仏で風を切って走った爽快感、これが私のサイクリングの原点だから、少なくとも1日くらいのツーリングは前提にしたいな。
ツーリングをメインとするなら、ある程度の走行性能、ある程度の走破性能、ある程度の積載性能が必要です。
走行性能? 走破性能? 積載性能?
これらの性能の各頂点に立つ自転車は、
・舗装路を軽快に飛ばせるロードレーサー
・どんな悪路でも突き進めるマウンテンバイク
・重い荷物を運べる大きな荷台が付いた運搬車
舗装路を軽快に飛ばせ、どんな悪路でも突き進め、どんな重い荷物でも運べる自転車ってのはないから、こうした要素のどこにどれくらいのウェイトを置いた自転車を選ぶかということになりますね。
そしてこれらに、先ほどの輪行の問題が加わってきます。
1dayツーリングでは、坂道もありそうだから軽いギアは必要になるけれど、荷物はあまり積めなくても良い。
私の場合は数泊程度のツーリングをするけれど、キャンプはやらないからリュック一つ積めるキャリアがあればいい。 悪路より舗装路を行くことが多いから細めのタイヤ、電車やバスを使うことが多いから折りたたみ自転車がいい、という具合です。
キャンプもするロングロングツーリングになれば、一日に長い距離を走る必要も出てくるし、坂道用の軽いギアも必要、そしてたくさん荷物を積めないと困る。 悪路を行くこともあるので太めのタイヤがいいし、しっかりしたフレームの自転車じゃなきゃダメ。 輪行の性能はこうした問題よりランクが低いから、折りたたみ自転車である必要はない。
とか、ね。
ここからは1日くらいのツーリングを前提にして、具体的なモデルを見てみましょう。 気になるモデルは?
Brompton(16インチ、3速モデル、11.5kg、147,000円)がかわいらしくていいかなと思っているんですが?
Bromptonはとても良くできた自転車です。 たいへんスマートにコンパクトになり、折りたたみの性能でいうなら最高のものがあります。 折りたたむのにはちょっとした慣れが必要ですが、これはすぐに慣れるでしょう。 タイヤが小さい割には良く走り、折りたたんでもゴロゴロ転がせる。 前籠やリアキャリアが付けられるので、積載性能もそこそこあります。 内装ギアなのでメンテナンスも比較的簡単です。
買い物にも便利だし、街乗り用としては最高の自転車となるでしょう。 しかし、ギアが少なくフレームの剛性が低いので、50km/日 を越えるサイクリングにはちょっときついと思います。
ギアが少ないんですか? 『6速は必要ないよ』ってお店の人は言ってましたが・・・
Bromptonには6速モデルもありますね。
そもそもギアはなんで必要か、という問題ですが、平坦な舗装路なら一つのギアで済みます。 でも現実には上り坂があり、向かい風が吹く日もあります。 誰でもきつい上り坂で自転車を押した経験があるでしょう?
こういった時に軽いギアにすれば押さずに上れる。 上り坂には、緩いものもあればきついものも、短いものもあれば長いものもある。 長い距離を走れば走るほど、様々な条件に向き合うことになります。
ギアは多くて困ることはありません。 お店の人はちょこっとそこまでの街乗りを前提としてアドバイスされたのでしょう。 もし街乗り以上のツーリングを前提にするなら、ぜひともたくさんギアのあるモデルにしてください。
DAHONにはたくさん種類があるので、その中から選ぼうかなとも思うのですが、なかなか絞れなくて・・
DAHONに共通して言えるのは、とても簡単な折りたたみ方式で、キャリアや泥よけといったアクセサリーも一通り用意されているということです。 種類がたくさんあるメーカーの場合はシリーズごとの特徴を理解すると選択しやすくなります。
Vectorシリーズ ---見るからにスポーティーで、軽くてギアが多いことから、軽快な走りができ、同時に様々な条件に追随できるだけの性能を持っています。
Muシリーズ ---軽量! そのかわりギアの数は多くないことから、ハードなツーリングよりも、軽量=軽快な走り、に主眼を置いたものといえます。
Speedシリーズ ---上記シリーズのようにある一つの方向性を持つものではなく、ほぼ同じ形のフレームで、街乗り、ツーリング、ハードツーリングというはっきりとした性格を持たせたモデル構成となっています。
Casualシリーズ ---廉価。 ギアが少なく重量もあり、街乗り主体の入門用。
お値段も大事だし・・ DAHONではSpeed P8(20インチ、8速モデル、11.6kg、69,300円)が気になっています。
Speedシリーズの P8はたいへんリーズナブルな製品だと思います。
オプションでキャリアが用意されているので、積載性能もまずまずです。 ブロンプトンに比べ、タイヤが大きくギアも多いので、街乗りをメインとしてなんとか1dayツーリングまでは使えると思います。
同じシリーズで、良く似たVitesse P18(20インチ、18速モデル、11.0kg、105,000円)がありますが?
Vitesse P18はP8に比べ、アルミ製になり軽く、細いタイヤ、そしてギアが多いですね。 軽快に走れて、坂道もOKということです。 P8は本格的なツーリング用としては少々力量不足の感があるので、1dayツーリング+α、数日程度のツーリングを考えるならこちらを選択した方がいいでしょう。 ツーリングではギアが多いことは重要なポイントの一つです。 折たたみ自転車で18速あるのは少ないので、これは貴重なモデルといえます。
Speed TR(20インチ、24速モデル、15.3kg、157,500円)の方がギアがたくさんありますが?
これはギアの数では文句ありません。 ハブダイナモにライト付き、前後にしっかりとしたキャリア付き、太いタイヤ。 これは重装備のキャンピング車と言っていいと思います。 用途としては明らかにロングツーリング向きで、その分重量も横綱級です。
テントを持ってキャンプしつつ、あちこち廻るのにはいいでしょう。 でも1dayツーリング+α程度の使い方にはちょっと大げさで、重量がネックになると思います。
DAHONのSpeedシリーズは以下のように考えればいいと思います。
・Speed P8(20インチ、8速モデル)---街乗り(+α)
・Vitesse P18(20インチ、18速モデル)---ツーリング
・Speed TR(20インチ、24速モデル)---キャンプツーリング
このシリーズ中から選択すると私の場合は、街乗り中心で考えるならP8、ツーリング中心ならP18ということですね。
走り方から選択すれば、そう考えていいと思います。 輪行のことも忘れないようにね。
DAHONはBromptonのように折りたたんでゴロゴロできないの?
一般的にはあまり知られていませんが、DAHONは折りたたんだ状態で車輪を利用してゴロゴロできるようになっています。 これはダホンタイプの折りたたみ方式(フレームの中央を折るようにしてたたむ)を採用している他のメーカーのモデルにも原則として同じことがいえます。
しかし、前後輪の間にハンドルをたたむタイプ(P8やP18はこれ)だと、ハンドルに取り付けた補助バーやミラーなどが突っかえてうまく行かないこともあります。 DAHONにはハンドルを前後輪の外側にたたむタイプ(TRはこちら)もあり、これらならうまくゴロゴロできると思います。
しかしかりにゴロゴロできても、こうした機能を使えるように設計された輪行袋がないので、これは自作しなければなりません。
他にゴロゴロできて輪行袋もあるものはないですか?
r&mのBD-1(18インチ、7-9速モデル、10.3-11.0kg、129,150-182,700円)に、ゴロゴロできるリアキャリア(輸入元のモデルもあるが、和田サイクルのセキサイダーがお薦め)と上から被せる輪行袋の設定があります。 折たたみはダホンよりは複雑ですが、すぐに慣れるでしょう。 基本モデルはハンドルがやや遠いのですが、近い設定のものもあります。 BD-1と基本的に同じものがBianchiからはFRETTA として出ています。
これらは1dayツーリング+α程度までは使えると思いますが、より本格的なツーリングに使える前のギアが2枚の18速モデルや内装ギアを持つ24速モデルがなくなったのが残念です。
ツーリング入門用としてお薦めは他になにか?
ん~~ん、折りたたみ自転車で主力は上記の三社ですからねぇ。
しいてあげれば、KHSのF20-T2(20インチ、16速モデル、11.8kg、92,400円)ですかね。 同シリーズの中にはハンドルを引き抜かなければならないものもありますが、これは折りたたみで前のギアが2枚あるので坂道もOKでしょう。 KHSはCLEAN SPEEDにOEM供給もしています。
あとは、GIANT、BIKE FRIDAYなどが考えられますが、これらの中には完全な折りたたみでないものもあり、初心者向きとはいえない部分もあります。
完全な折りたたみでない、とは?
折りたたみ自転車はその名のとおり、折りたたんでおしまいですが、ロードレーサーなどは輪行の時に車輪を外したり、ハンドルを引っこ抜いたりする必要があります。 上にあげたものは、部分的にこうしたことをしなければならないということです。
これらは折りたたみの性能より走行性能にウェイトを置いているものが多く、輪行するには面倒くさい、と思うものが多いです。
いろんなものがあるんですね。 パッと見てどんな用途に適しているか見分ける方法はありますか?
以下の三つの点を注意してみるとだいたい分かると思います。
・タイヤの大きさ --- 小さいものは街乗り、大きいものはツーリング。
16インチ以下 --- 街乗り
18~20インチ --- 街乗り~ツーリング
20インチ以上 --- ツーリング~ロングツーリング
・ギアの数 --- 少ないものは街乗り、多いものはツーリング
8速以下 --- 街乗り
8~10速 --- 街乗り~ツーリング
16速以上 --- ツーリング~ロングツーリング
・前輪と後輪の間隔 --- 狭いものは街乗り、広いものはツーリング
タイヤの大きさにもずいぶん違いがありますね?
大きなタイヤほど走る性能重視、小さいものは折りたたんだ時の大きさ重視と見てほぼ間違いありません。 タイヤの大きさ別に見てみましょう。
24インチ --- タイヤが大きいので走行性能は高いです。 代表はGIANTのMR-4T。 輪行時には前輪を外したりしなければならないのがちょっと辛いですが、ロードレーサーに近い使い方を希望する方にはいいでしょう。
20インチ --- このサイズはもっとも種類が多く、走行性能と折りたたんだ時の大きさのバランスがいいものが多いです。 DAHONもこのサイズのものが多いですね。 BIKE FRIDAYは前輪を外さなければなりませんが、前のギアが3枚付けられるのが魅力です。 Alex Moulton(17インチもある)は折りたたみ式ではなくフレーム分割式。 FRIDAYとMoultonはどちかというと中級者以上に適した自転車です。
18インチ --- 20インチと大きくは変わりませんが、折りたたんだ時より小さくなることを重視したものと思えばいいでしょう。 ツーリングに使える最低の大きさはこのあたりでしょう。 代表はr&mのBD-1。 Panasonicのライトウィングはコストパフォーマンスが高いと思いますが、キャリアの設定がないのが残念です。 17インチのBridgeston Moultonはフレーム分割式です。
16インチ --- 走行性能より折りたたんだ時の大きさを重視したものが多いです。 代表はBrompton。 BIKE FRIDAYの完全折りたたみ車tikitは、このクラスでは走行性能が高く、折りたたみも大変良く出来ています。 このサイズあたりから前輪と後輪の間隔が極端に短いものがでてきて、不安定なものも多くなります。
14インチ --- このサイズがかろうじて一般的な実用になる最低の大きさと思っていいでしょう。 代表はPanasonicのトレンクルでしょうか。 トレンクルはギアは一つしかないしキャリアの設定もないのでツーリングには向きませんが、軽さが最大の魅力です。
重さもずいぶん違いますが?
自転車の重量については、二つのポイントがあります。
まずは持ち運びのときの重量です。 輪行のところで取り上げた問題と重複しますが、どのような輪行をするのかで、重量の重要度は変わってきます。 車ならあまり気にしなくてもいいけれど、担いで電車ならできるだけ軽い方がいい。 ゴロゴロ+電車ならその中間かな。
もう一つは走行性能に関わる問題です。 軽い自転車の方が楽に早く走れます。 重い自転車だとなかなかスピードが上がらず、軽快なサイクリングになりませんね。
いずれにしても軽いほうがいいに決まっていますが、軽くするには、小さくする、強度を弱くして使う材料を少なくする、軽い材料で作る、この三つしか解決方法がありません。 前二者には、適当なサイズにならない、安全性、などの問題があります。 最後のは価格が高くなるということにつながります。 適当なサイズで安全性にも問題がなく、軽いものは高価である、ということです。
軽いものは高い! ってことですねぇ。。
自転車を1kg軽くするのはとてもたいへんなんです。 ダイエットして体重を1kg軽くしたり、荷物を1kg減らすのはやればできそうですから、楽に早く走りたい方にはこちらをお薦めします。(笑)
Bromptonは内装ギアだって言ってましたが、内装ギアってなんですか?
一般的な自転車は後輪に露出した1~10枚のギア(外装ギア)が付いています。 Bromptonの後輪のギアで露出しているのは1枚ですが、車輪の中心にあるハブの中にギアが組み込まれていて、3速になっています。 このシステムが内装ギアです。
内装ギアってメリットあるんですか?
二つあります。 一つは、リアディレーラーという変速機がなくなり、露出しているギアが一枚だけになるので、メンテナンスが楽だということ。 もう一つは、外装ギアが何枚もあるとチェーンが斜めに走るところが出てきて力の伝達効率が落ちたり、チェーンが掛かりにくくなったりその他にも問題を生じさせますが、この点が解消されます。
メンテナンスが楽なのはいいですね。
外装ギアでは変速機の調整をしなければならないし、たくさんギアがあると汚れを落とすのも大変です。 メカ音痴、お掃除は苦手、という方には内装ギアはいいと思います。
Brompton以外で内装ギアを採用しているのは?
r&mのFROG、GIANTのSUBWAY、LOUIS GARNEAUのJEDI 8 が8速、そして限定モデルなので今後生き残るかどうかはわかりませんが、 r&mのBD-1 ALFINEの11速があります。
BD-1 ALFINEは同シリーズの他のモデルより少々重くなりますが、1dayツーリング+α、数日程度のツーリングは可能だと思います。
11速ってすごい! でも全体の数は思ったより少ないですね。
内装ギアはメカニズムが複雑で、内部抵抗が大きく、重い、高コストという欠点もあり、スポーツ用自転車にはあまり採用されてきませんでしたが、こうした問題点も徐々に改善されてきているので、今後内装ギアを搭載したモデルが増えることも考えられます。
DAHONのSpeed TRのように、内装3速ギアと外装ギアを組み合わせた24-27速などのモデルもいくつかあり、ロングツーリングを考える場合には、こうしたモデルは有力な候補になると思います。
本格的なツーリングの経験がないので、ギアの重要性がピンときません。 ギアが少ないモデルを買って、必要になったらギアを増やすということはできますか?
多くの場合、パーツの交換や追加でギアを増やすことができますが、どんなモデルでもできるわけではありませんし、できなくはないけれどとても費用が掛かるということもあります。 どこまでできるかはモデルによって異なるので、具体は自転車やさんと相談してほしいと思いますが、以下にできそうなことを述べます。
たとえばDAHONのSpeed P8のギアは、前のクランク部に1枚、後輪に8枚で、1x8=8速です。
後輪のギアは9枚、もしくは10枚にすることは可能だと思います。 この場合、1x9=9速、もしくは1x10=10速となります。 費用は交換しなければならないパーツにもよりますが、1.5~3万円くらいかな。 うんと費用が掛かっても良ければ内装ギアにすることもできるでしょう。
クランク部は、ギアを2枚にすることは可能でしょう。 2x8=16速 となります。 しかしこの16速というのは、実際にはオーバーラップしている部分があり、実質11速程度と理解すべきです。 費用はギア板の追加だけですむ可能性があり、その場合は数千円でしょう。
クランク部にギアを追加するのは手軽なのですが、いくつか欠点があります。
まずクランク部のギアのシフトチェンジ(チェーンをかけ変える)は手でやることになると思ってください。 フロントディレイラーというチェーンを移動させるメカを取り付けられないことが多いからです。
あと、チェーンガード(クランク部のギアの外側にある板)を取り去ることになるので、チェーンが脱落しやすくなり、ズボンの裾も汚れやすくなります。
ギアを多く必要とするのは上り坂なので、その時は自転車を下りてチェーンをかけ変えればいい、と割り切ればこの方法でもいいでしょう。 しかし、18速モデルのDAHON vitesse p18にはフロントディレイラーが最初から付いていて、シフトチェンジもレバー操作ででき、チェーンも脱落しにくい。 そしてより軽量ということを考えると、どうでしょう?
お金があるなら8速モデルのp8じゃなくて、最初から18速モデルのp18がいいってことかしら?
そうですね、ツーリングってほどのことを、やるかな、どうかな、ということであれば8速モデルにして様子を見てもいいと思いますが、ツーリングを主目的とすることがはっきりしているなら、最初から18速モデルにすることを薦めます。 ギアが足りない→坂道が上れない→苦しい→サイクリングは辛い→や~めたっ! ってことにならないようにね。
Bromptonのかわいらしさは捨てがたいし、BD-1 ALFINEならゴロゴロできてツーリングにも使える・・・ DAHONならお財布があんまり傷まないしな~
では楽しい自転車選びを。
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